著者
松本 博 増田 幸宏 源城 かほり 近藤 恵美
出版者
豊橋技術科学大学
雑誌
基盤研究(B)
巻号頁・発行日
2014-04-01

本研究は,観葉植物のもつグリーンアメニティ効果に着目し,植物の熱・湿気環境調整効果及び化学物質除去効果を定量的に評価し,模擬オフィスと実オフィスを対象とした被験者実験により,観葉植物がオフィスワーカーの心理・生理反応及びプロフダクティビティに及ぼす影響を定量的に解明し,その経済性評価法及び室内環境デザイン手法の開発を行った。その結果,室内植物の種類や量がオフィスワーカーのメンタルストレスの軽減やプロダクティビティの向上に与える影響を明らかにし,また,その経済性評価モデル及び室内環境デザイン手法の妥当性を検証した。
著者
五十嵐 歩 松本 博成 鈴木 美穂 濵田 貴之 青木 伸吾 油山 敬子 村田 聡 鈴木 守 安井 英人 山本 則子
出版者
日本老年社会科学会
雑誌
老年社会科学 (ISSN:03882446)
巻号頁・発行日
vol.40, no.3, pp.283-291, 2018-10-20 (Released:2019-11-15)
参考文献数
7

本研究は,訪問介護を利用する在宅高齢者におけるコンビニ利用の実態を把握することを目的とした.東京都A区において調査協力への同意が得られた訪問介護事業所および小規模多機能型居宅介護事業所の管理者(n = 28)を対象とし,コンビニが生活支援の役割を果たしている利用者の事例に関して,利用者特性やコンビニの利用状況を問う質問紙への回答を依頼した.対象事業所より64事例について回答があった.事例の利用者は,平均年齢77.8±11.4歳,男性30人(47%)であり,要介護1(31%)と要介護2(30%)が多かった.1人で来店する者が68%であり,徒歩での来店が75%を占め,購入品は弁当・パン・惣菜がもっとも多かった(91%).ADL障害のある者はない者と比較して,サービス提供者の同行が多く(p = 0.001),車いす等徒歩以外の来店割合が高かった(p = 0.018).サービス提供者は,日中1人で過ごす者(p = 0.064)とADL障害がある者(p = 0.013)に対して,コンビニの存在をより重要と評価していた.
著者
松本 博之
出版者
公益社団法人 日本地理学会
雑誌
日本地理学会発表要旨集
巻号頁・発行日
vol.2009, pp.184, 2009

ジュゴンは熱帯・亜熱帯の浅海域に生息する草食性の哺乳類である。潮の満ち干にともなって、アマモ類を索餌するために満ち潮で浅瀬に接近し、引き潮で沖合へと移動する。肺呼吸をおこなう生き物であるから、索餌中も2,3分に1度は海面に浮上し呼吸する。その瞬間がハンターたちの銛を打つ唯一の機会である。<br>オーストラリア、トレス海峡諸島は太平洋およびインド洋の沿岸域に生息するジュゴンの分布域の中でも最も周密に生息する海域である。トレス海峡の先住民は、考古学的な史料によると、少なくとも2000年前からこの生き物を狩猟してきたようであり、今日でも単なる食料としてのタンパク源・脂肪源の意味をこえてトレス海峡諸島民の文化の核に位置している。<br>狩猟行動によって意識化される海底地形と植生、潮、風、それにジュゴンの生態行動など、今日「文化遺産」ともよばれる生きた自然に関する知識は膨大なものである。たとえば、その他の漁労活動や海上交通の理由にもよるが、サンゴ礁地形の発達する海域において、 日常的な行動海域に120以上もの海底地名を付けており、それ以上に、その地名の意味内容をこえて、周辺の海底に関する知識は詳細をきわめている。アマモ類の藻場の分布はいうまでもなく、ジュゴンの行動をとらえた「ジュゴンが背中を掻く岩」の所在や潮の満ち干にともなった移動路となるサンゴ礁内の澪筋ないし入り江にもその観察はおよんでいる。<br>また、ジュゴンは内耳神経の発達した生き物であり、音にきわめて敏感である。先住民たちもそのことを熟知しており、もう1つの狩猟対象であるウミガメのプルカライグ(目の良い奴)に対比して、カウラライグ(耳の良い奴)というニックネームを与えており、そのことが彼らの狩猟行動の多くを説明する。つまり、1970年代から導入された船外機のついたアルミニウム合金製の小型ボートで狩猟場の風上まで疾走するが、そこからはエンジンを止め、海面の乱反射を避けるために太陽を背後に受け、話し声もふくめ一切物音を立てず、風向と潮流にまかせて、船を風下・潮下に流すのである。その際、船体はかならず潮流と平行に保つように舵を操作しなければならない。わずかでも潮流が船体に当たり、波音を立てることさえ避けようとするのである。いわば、自分たちの存在を風の音と波の音にかき消すのである。しかし、彼らは単に風と波に身をまかせているわけではない。水面下で索餌するジュゴンの行動も考慮のうちに入っている。ジュゴンは潮上にむけて直線的に索餌し、かつ呼吸のために浮上する際も潮上にむかって泳ぐのである。したがって、ハンターたちの行動はジュゴンとの遭遇の機会を増大させているのである。<br>しかしながら、こうした先住民のジュゴン猟も現代世界にあっては、さまざまな問題を抱えている。ジュゴンは言うまでもなく国際自然保護連合(IUCN)によって絶滅危惧種に指定されている生物だからである。目下オーストラリアという国民国家の中の先住民として暮らす彼らには、少数民族として多数(主流)派社会の法や世論を無視しえない。彼らのジュゴン猟も、その伝統的な食料資源としてのみならず、肉の分配にともなった社会的凝集力や彼らのアイデンティティにつながる墓碑建立祭の折の不可欠の食べ物、さらにはハンターに与えられる社会的威信などに配慮して、自給目的の狩猟のみを認められているにすぎない。しかし、主流派の規範となっている「生物多様性」、「環境保全」、「持続しうる開発」は動物保護団体による全面狩猟禁止や船外機付きボートという狩猟手段の問題視を引き起こしている。政府から派遣された「持続しうる開発」のために基礎調査を行う海洋生物学者たちも、ジュゴンの再生産率の低さゆえに、目下の捕獲頭数を政府への答申や学術雑誌の中で危険視している。一方先住民の間では、ジュゴン猟がみずからの民族性を示す特徴の一つとしてシンボル化し、民族自治を願う彼らにとって、ジュゴン猟への干渉は政治問題に展開する可能性を秘めている。こうした問題はトレス海峡諸島民のみならず、たとえば、カナダ極北のイヌイットの人々の生存捕鯨、カナダ北西部海岸先住民のサケ漁、カナダ北東部クリーの人々のシロイルカ猟など、現代の海と関わる先住民の社会が共通して抱える問題なのである。
著者
松本 博
出版者
日本リアルオプション学会
雑誌
リアルオプションと戦略 (ISSN:21896585)
巻号頁・発行日
vol.9, no.4, pp.2-8, 2018 (Released:2018-11-15)

当社は1996年の創業以来、業態変化を繰り返しながら成長してきました。現在はスマートフォン向けに動画・音楽・書籍等のコンテンツを配信するサービスを主力事業としていますが、今後はヘルスケアサービス事業を主力事業として拡大させるために、当社の独自の強みを活かしながら様々な取り組みを展開しています。 ヘルスケアサービス事業は、成長性が高いものと期待される上、「赤ちゃん」から「お年寄り」までの健康管理をサポートすることから、当社のビジョンである「お客さまの“一生のとも”となるサービスを提供する」ということと整合性が取れています。 当社がこれまでどのように業態変化を行ってきたかのご説明を行うとともに、ヘルスケアサービス事業において、どのような考えや方針に基づいて取り組んでいるかをご説明致します。
著者
佐々木 嘉光 影山 昌利 吉村 由加里 松浦 康治郎 土屋 愛美 小澤 太貴 松本 博
出版者
公益社団法人 日本理学療法士協会
雑誌
理学療法学Supplement Vol.39 Suppl. No.2 (第47回日本理学療法学術大会 抄録集)
巻号頁・発行日
pp.Cc0376, 2012 (Released:2012-08-10)

【はじめに、目的】 体外衝撃波療法(ESWT)は、1988年にドイツで初めて偽関節に対する治療が行われてから、1990年代には石灰沈着性腱板炎、上腕骨外上顆炎、足底筋膜炎などの難治性腱付着部症に対する除痛治療として、欧州を中心に整形外科分野で普及してきた。その後2000年に米国 FDA で ESWT が認可され、本邦では難治性足底筋膜炎を適応症として2008年に厚生労働省の認可がおりて臨床使用が可能となり、当院では2011年10月に国内9台目となる整形外科用体外衝撃波疼痛治療装置を設置した。今回当院において体外衝撃波疼痛治療装置設置後に部位の異なる4例の ESWT を経験したので、疼痛に対する即時効果を中心に報告する。【方法】 体外衝撃波疼痛治療装置は、本邦で認可されているドルニエ社製 Epos Ultra を使用した。本装置は電磁誘導方式で照射エネルギー流速密度は0.03~0.36 mj/mm2 と7段階に可変式である。照射方法は基本的に超音波ガイド下に正確に病変部(腱付着部)への照射を行う。Low energy より始めて徐々に出力を上げ、痛みの耐えられる最大エネルギーで照射を行う。当院における ESWT の照射は、整形外科医師の指示と指導のもと、業者による機器の取り扱いの説明を受けた理学療法士が実施している。<症例>症例1は49歳女性で、4年前に右アキレス腱断裂に対して保存的治療を実施している。現在はソフトバレーをしており、2か月ほど前から鈍痛が出現した。鈍痛は以前から時々生じることがあった。ESWT は照射レベル3、総衝撃波数5000発、総照射エネルギー396 mj/mm2 で実施した。症例2は49歳女性で診断名は右足底筋膜炎であった。半年前にジョギングを始め、5日ほど前から足底部の疼痛が出現した。ESWT は照射レベル7、総衝撃波数2970発、総照射エネルギー1000 mj/mm2 で実施した。症例3は75歳男性。診断名は右上腕二頭筋腱炎で、照射の6か月前に右肩を打撲。当院整形外科で保存的治療を実施し、疼痛は改善したものの、4割ほど残存していた。ESWT は照射レベル7、総衝撃波数2486発、総照射エネルギー800 mj/mm2 で実施した。症例4は14歳女性で剣道部に所属している。以前より左手関節の疼痛があって照射の2か月前に当院を受診し、三角線維軟骨複合体(TFCC)損傷と診断された。ギプス固定による保存的治療を実施後、3日前に矯正装具が完成して装具下に稽古の再開が許可されている。ESWT は照射レベル2、総衝撃波数5000発、総照射エネルギー300 mj/mm2 で実施した。疼痛の評価は、照射前と照射後に Visual Analogue Scale (VAS)を用いて行った。また再評価が可能であった症例については翌日と1週後に再評価を行った。【倫理的配慮、説明と同意】 ESWT 実施前に治療効果と副作用について説明し、本人の同意を得て実施した。報告にあたっては口頭および書面で説明し、本人と家族の同意を得た。【結果】 症例1(アキレス腱断裂後)の歩行時痛 VAS は、治療前58 mm、治療後44 mm、翌日7 mm 、1週間後5 mm で、最大(1週間後)53 mm 改善した。症例2(足底筋膜炎)の歩行時痛 VAS は、治療前46 mm、治療後0 mm、1週間後30 mm で、最大(治療後)46 mm 改善した。症例3(上腕二頭筋腱炎)の圧痛 VAS は、治療前29 mm、治療後15 mm、翌日0 mm で、最大(翌日)29 mm 改善した。症例4(TFCC損傷)の圧痛 VAS は、治療前42 mm、治療後0 mm、1週間後14 mm で、最大(治療後)42 mm 改善した。【考察】 今回、4症例に対して ESWT を実施し疼痛に対する即時効果が得られた。靭帯および筋腱付着部に対する ESWT の作用機序は、神経終末に対する変性誘導、脊髄後根神経節において疼痛にかかわる神経伝達ペプチドの減少に由来する疼痛の抑制、腱細胞や血管新生を介した組織修復効果、各種炎症サイトカイン抑制に伴う抗炎症効果などが報告されている。除痛効果持続時間は数週間におよび、時に完全寛解に改善する症例もあると報告されている。今回の4症例においても、治療直後または翌日の除痛効果が高く、3例では1週間後まで除痛効果が持続していた。Ohtori らは除痛メカニズムとしてラット足底に体外衝撃波を照射することにより、自由神経終末の破壊が起こると報告し、照射後3週間でコントロール群と差がなくなっており、この自由神経終末の破壊が初期の除痛に関与していると考えられている。今回は ESWT 照射後1週間の即時効果を報告したが、今後は症例数を増やして除痛の長期的な効果を検討するとともに、運動機能とパフォーマンスの変化を含めて治療効果の検討を行っていきたい。【理学療法学研究としての意義】 本邦の理学療法分野において ESWT に関する報告はない。運動器に対する超音波画像診断の理学療法と合わせて、ESWT は理学療法領域における新たな物理療法機器としての多くの可能性が期待される。
著者
三田 朝義 松本 博
出版者
公益社団法人 日本農芸化学会
雑誌
日本農芸化学会誌 (ISSN:00021407)
巻号頁・発行日
vol.52, no.3, pp.111-116, 1978 (Released:2008-11-21)
参考文献数
8
被引用文献数
1 1

発酵によってdoughの内部に生成する炭酸ガス気泡の大きさとdoughの内圧の関係が調べられた.発酵20分位まではdough中の気泡の大きさはほとんど変化せず,その数のみが増加した.なおこの過程においてはdoughの内圧が著しく増舶した.発酵20~50分経過するとdough中の気泡の大きさは徐々に大きくなった.一方,内圧の増加速度は小さくなり,発酵40~50分ではほぼ一定となった.発酵50分以上経過すると気泡は合一を起し,その体積は非常に大きくなった.なお発酵50分以上になると内圧は不連続的に減少した.レシチンを添加すると発酵dough中の気泡の大きさは小さくなった.一方,内圧は大きくなった.またレシチンの添加により気泡の合一速度が小さくなった.
著者
山本 光伸 松本 博志 三井 利夫 吉村 敬三 森田 豊彦
出版者
日本肺癌学会
雑誌
肺癌 (ISSN:03869628)
巻号頁・発行日
vol.15, no.1, 1975-03-30

症例は,集団検診で発見され,その直後より胸痛発現.手術中の迅速診断ではshabdo myosarcomaであったが,胸水の細胞診と,切除標本の最終診断は,malignant mesotheliomsであった.患者は20年間豆腐屋をしており,ニガリを扱っていた.
著者
白石 公彦 伊藤 博道 沢田 征洋 白地 孝 溝口 実 川野 芳郎 松本 博 安倍 弘彦 谷川 久一
出版者
一般社団法人 日本肝臓学会
雑誌
肝臓 (ISSN:04514203)
巻号頁・発行日
vol.23, no.6, pp.656-662, 1982-06-25 (Released:2009-07-09)
参考文献数
20

69歳男性,上腸間膜動脈血栓症のため広範囲小腸切除術を受け約6ヵ月後退院したが,術後9ヵ月を経過した時点で体重減少および全身倦怠感を主訴として当科入院となった.入院時軽度の黄疸および下肢の浮腫を認め,圧痛を有する軟らかな肝を右肋骨弓下一横指触知した.臨床検査より消化吸収障害を示唆する所見が得られ,肝生検にて著明な脂肪肝が認められ,またMallory体も散見された.患者は約2年6ヵ月前より断酒しており,低栄養により脂肪肝を来たしたと思われた.入院後も患者の栄養状態は徐々に悪化し,12ヵ月後に嚥下性肺炎のため死亡した.剖検肝組織に於ては肝生検時に比して脂肪変性は軽減し,Mallory体は増加して見られた.
著者
高松 俊昭 和田 仁一 深田 栄一 松本 博志
出版者
公益社団法人 高分子学会
雑誌
高分子論文集 (ISSN:03862186)
巻号頁・発行日
vol.37, no.12, pp.781-787, 1980-12-25 (Released:2010-02-26)
参考文献数
13
被引用文献数
1 1

放射線を用いて多孔質ポリテトラフルオロエチレン (EPTFE) の種々のグラフトポリマーを作り, それらの抗血栓性を調べた. EPTFEは内径10mm, 厚さ1mmの管状および厚さ0.79mmのシートを用い, ビニル系モノマーは酢酸ビニル (VAc), メタクリル酸メチル (MMA), スチレン (St) および2-ヒドロキシエチルメタクリラート (HEMA) であった. EPTFEはこれらのモノマー液中でγ線を照射し, グラフトポリマーを作製した. VAcグラフトポリマーの一部はビニルアルコール (VAl) に, Stグラフトポリマーの一部はスルホン化スチレンに変換した. これらのグラフトポリマーを室温で生理食塩水中で強制伸縮したときの吸水量を測った. その飽和吸水量はグラフト率や親水性の増加によって増加した. 生理食塩水に対する接触角は飽和吸水最の大きいものほど減少した. In vivoテストでの開存率はグラフト率が5%以下では良い結果を与え, VAl>MMA>VAc>St>スルホン化Stグラフトポリマーの順に低下した. スルホン化Stグラフトポリマーを犬の上大静脈に移植中, 溶血が起こり, 血栓による厚い内膜が早期に形成された.
著者
松本 博之 森本 泉
出版者
公益社団法人 日本地理学会
雑誌
E-journal GEO (ISSN:18808107)
巻号頁・発行日
vol.8, no.1, pp.3-14, 2013 (Released:2013-04-19)
参考文献数
30
被引用文献数
1

今日われわれのフィールドワークという営みには調査による地域貢献の課題がつきまとっている.フィールドが海外になると,地域貢献は容易に達成できるものではない.われわれ地理学者が地域的差異の究明を研究目的に掲げているように,海外でのフィールドワークの成果を還元しようとすれば,地域社会の特性に応じて社会文化的な差異を越えなければならないからである.そこには,科学者の形づくる知の性質,還元を計る空間的な内実とスケール,還元を意識する研究者の立ち位置など,克服しなければならない数多の問題点がある.本稿は,それらの問題点の基本的な側面に検討をくわえ,望ましい知の還元への方途を模索する試みである.
著者
藤兼 俊明 藤田 結花 辻 忠克 松本 博之 佐々木 信博 清水 哲雄 坂井 英一
出版者
日本肺癌学会
雑誌
肺癌 (ISSN:03869628)
巻号頁・発行日
vol.36, no.6, pp.765-774, 1996-10-20
参考文献数
21
被引用文献数
2

女性肺癌の臨床像について, とくに喫煙歴に注目して男性と比較検討した.女性の喫煙率は男性の1/3以下, 平均喫煙指数も1/2以下であった.女性では男性と比較して腺癌, 無自覚症状者, 臨床病期I期, IV期, PS0, 4が有意に多く, 検診発見者が多い傾向にあった.しかし, 喫煙歴別では, 非喫煙女性で非喫煙男性に比較してPS0が有意に多かったほかに男女間に有意差はなかった.また, 喫煙女性は非喫煙女性と比較し自覚症状発見者, 有自覚症状者が有意に多く, IV期, PS4が多い傾向にあった.予後は, 全症例およびおもな予後因子で層別しても男女間に有意差はなかったが, 腺癌のIV期では女性の予後が有意に良好であった.女性肺癌の臨床像の特徴は男性と比較して喫煙歴が少ないことによる影響が大きいと考えられた.また, 喫煙歴の有無は男性と比較して女性でより大きく臨床像に影響を与えていた.
著者
出口 雅久 松本 博之 吉垣 実 本間 学
出版者
立命館大学
雑誌
基盤研究(B)
巻号頁・発行日
2010-04-01

本研究では、国際訴訟法学会(パリ大学第一大学法学部・Prof.Dr.Loic Cadiet理事長[http://www.iaplaw.org])をはじめてとする民事訴訟法学に関する国際的な学術会議に参加している世界の民事訴訟法学者・実務家のアドバイスを受けながら、アルゼンチン、ギリシャ、中国、韓国、ハンガリー、オーストリア、フランス、ドイツ、ロシアなどの主要国の最近の民事司法制度の状況について学説・判例・立法状況について現地調査し、民事訴訟原則におけるシビルローとコモンローの収斂」について海外調査を行い、2019年に予定されている世界訴訟法会議での準備資料として研究成果を公表してきた。