著者
大木 新造 松村 敏
出版者
国立歴史民俗博物館
雑誌
一般研究(C)
巻号頁・発行日
1987

近年ようやく国内における近代都市比較研究が行なわれるようになったが, その成果はとぼしい. よって本研究は, 近代都市比較研究の基盤整備を目的として, 東京・大阪・京都の三都比較に関する文献の収集と検討を行なった. 本年度研究の実施計画:近代都市研究及び都市に関する新聞記事・雑誌記事を中心に渉猟し, 三都に関するものを収集し, その内容にしたがって分類した.本年度研究の内容:収集した文献は, 東京・大阪・京都の三都を比較したものを中心に, 東京・大阪・京都, 京都・東京の二都を比較したものにおよび, 全部で約350件に及んだ. これらについて分類し, 内容の分析を行なった. それによれば, 近代に入ってからの三都比較は, 大正期前・中半にピークを迎え, 以後, 京都が比較の対象となることは少なくなり, もっぱら東京・大阪の二都比較が行なわれることとなる. 近世においては, 江戸・京都の二都比較が中心で, それも京都に対する江戸からの批判がもっぱらであったが, 近代, それも大正期をすぎたあたりから, 大阪から東京への批判が多くなる. 戦後は, 東京に対する批判は次第に高まる傾向をみせ, 高度成長期をすぎたころには, 東京を「敵視」するものまで登場するようになっている. この背景には, 近世, 近代, 現代(戦後)へと三都の, 国内での位置・関係の変化があったことを指摘できる. つまり, 近世における江戸の成長, 戦後における東京の突出という現象が, それを端的に示していよう.また, 三都の比較は, 政治, 経済, 風俗, 生活等の各分野におよび, 日本分化・社会の多様性を示すものとなっている.本年度の研究は新聞・雑誌・週刊誌の記事までも視野に入れ, 厳密な意味で比較とは言えないものまで広く収集した.
著者
三浦 麻子 小森 政嗣 松村 真宏 前田 和甫
出版者
公益社団法人 日本心理学会
雑誌
心理学研究 (ISSN:00215236)
巻号頁・発行日
vol.86, no.2, pp.102-111, 2015
被引用文献数
17

In this article, we investigated the expression of emotional responses to the 2011 Great East Japan Earthquake by analyzing the frequency of negative emotional terms in tweets posted on Twitter, one of the most popular social media platforms. We focused on differences in time-series variations and diurnal changes between two kinds of disasters: natural disasters (earthquakes and tsunamis) and nuclear accidents. The number of tweets containing negative emotional responses increased sharply shortly after the first huge earthquake and decreased over time, whereas tweets about nuclear accidents showed no correlation with elapsed time. Expressions of anxiety about natural disasters had a circadian rhythm, with a peak at midnight, whereas expressions of anger about the nuclear accident were highly sensitive to critical events related to the accident. These findings were discussed in terms of similarities and differences compared to earlier studies on emotional responses in social media.
著者
松村 雅史 辻 竜之介
出版者
一般社団法人電子情報通信学会
雑誌
電子情報通信学会技術研究報告. SP, 音声 (ISSN:09135685)
巻号頁・発行日
vol.105, no.370, pp.7-12, 2005-10-20
被引用文献数
1

笑いは, ストレス低減など生理学的あるいは健康的な効果があるとの報告がある.本研究では, 笑いと健康増進および介護予防に関わる生理学的要因の関係を明らかにするために, 笑い声の無拘束・長時間モニタリングするシステムの開発を研究目的としている.本研究では, まず, 日常会話の中で笑い声をハンズフリーかつワイヤレスで無拘束・長時間モニタリングするシステム(爆笑計)を開発した.本システムは, 頸部表面に装着した喉頭マイクロホンにより声帯振動を検出し, 会話音声中の中の笑い声は, 繰り返し発声が行われることを特徴量として識別できることを示す.
著者
竹川 佳成 松村 耕平
出版者
一般社団法人情報処理学会
雑誌
情報処理 (ISSN:04478053)
巻号頁・発行日
vol.56, no.5, pp.472-477, 2015-04-15

本記事では,デモ・ポスター発表開始直前に実施されるティザーセッション(学会参加者がデモ・ポスターセッションで発表される研究を一覧することを目的とし,発表者が1分間程度で自身の研究の概要を説明するセッション)を生中継するための「ウェアラブル実況中継システム」を紹介します.生中継を導入することで,デモ・ポスター発表者は実機やポスターを利用しながら自身の研究概要を参加者に説明できます.提案システムには,機動性や安定性などを配慮して,少ないスタッフでありながらも高品質なコンテンツを提供できる機能をもたせました.インタラクション系の査読付国内会議WISS2014にて提案システムを実運用した結果をもとに,提案システムの有用性や今後の展望について解説します.
著者
竹川 佳成 松村 耕平
出版者
一般社団法人情報処理学会
雑誌
情報処理 (ISSN:04478053)
巻号頁・発行日
vol.56, no.5, pp.472-477, 2015-04-15

本記事では,デモ・ポスター発表開始直前に実施されるティザーセッション(学会参加者がデモ・ポスターセッションで発表される研究を一覧することを目的とし,発表者が1分間程度で自身の研究の概要を説明するセッション)を生中継するための「ウェアラブル実況中継システム」を紹介します.生中継を導入することで,デモ・ポスター発表者は実機やポスターを利用しながら自身の研究概要を参加者に説明できます.提案システムには,機動性や安定性などを配慮して,少ないスタッフでありながらも高品質なコンテンツを提供できる機能をもたせました.インタラクション系の査読付国内会議WISS2014にて提案システムを実運用した結果をもとに,提案システムの有用性や今後の展望について解説します.
著者
村上 誉 石津 健太郎 伊深 和雄 松村 武 児島 史秀 矢野 博之 長谷川 幹雄 原田 博司 森川 博之
出版者
一般社団法人電子情報通信学会
雑誌
電子情報通信学会技術研究報告. RCS, 無線通信システム (ISSN:09135685)
巻号頁・発行日
vol.114, no.490, pp.237-242, 2015-02-25

ホワイトスペースLTE方式において,実トラフィック量に応じて動的に基地局と端末の双方の通信方式やパラメータを変更することでネットワークのキャパシティを向上させる手法を提案してきた.しかし,本手法は各ユーザへのリソースの分配までは考慮していないため,十分な性能を引き出すためにはLTE基地局のスケジューラが整合したリソース配分を行う必要がある.そこで本稿では,既存のProportional Fair方式をもとに各ユーザの実トラフィック量に合わせたリソースブロックの割り当てを行う改良方式を提案し,計算機シミュレーションによりその有効性を示す.
著者
田中 僚 松村 敦 宇陀 則彦
出版者
一般社団法人情報処理学会
雑誌
情報処理学会研究報告. 人文科学とコンピュータ研究会報告
巻号頁・発行日
vol.2015, no.9, pp.1-2, 2015-05-09

近年,様々なデジタルアーカイブが増加している.しかしながら,ほとんどのデジタルアーカイブは利用者が原資料の構造を理解できるように構築されていない.利用者はフォンド,サブフォンド,シリーズ,ファイルを個別ではなく文脈の中でとらえることではじめて,原資料の構造を理解する.本研究では原資料の構造を反映したデジタルアーカイブを構築し,資料ページへのアクセスを制限した.これにより,利用者は構造の順にのみアクセスすることになる.その結果,利用者は原資料の構造を文脈として理解することが可能になった.
著者
松村 行雄 松村 麻実 大田 健
出版者
一般社団法人 日本アレルギー学会
雑誌
アレルギー (ISSN:00214884)
巻号頁・発行日
vol.43, no.11, pp.1340-1344, 1994
被引用文献数
1

東京の下町, 荒川区に位置し, アレルギー性疾患が全患者の6割を占める当診療所の患者病歴の分析から, 東京都心におけるアレルギー性疾患の特徴を, 特に成人の喘息を中心に検討した. 1991年10月の外来で, 歩いて通院可能な近所に居住する15歳以上の成人喘息患者のうち, 当地で発症した者が84名であった. アトピー型57名68%, 混合型13名15%, 感染型14名17%で, 通常の統計よりもアトピー型が多い. このうち40歳以上で発症した25名中でも8名がアトピー型, 5名が混合型で, 抗ハウスダスト IgE抗体陽性者が11名あった. 喘息の専門診療所というクチコミや他医からの紹介などで, 地域の中でも比較的難治性の喘息が集まっていると思われるにもかかわらず, アトピー型が多いということは, 都心部の喘息の特徴を現している可能性があり, スギ花粉症が杉林の多い山村よりもむしろ都会に多いということと考え合わせる時, 重要な研究課題を示唆しているように思われる.
著者
松村 敦 根岸 舞 宇陀 則彦
出版者
日本教育工学会
雑誌
日本教育工学会論文誌 (ISSN:13498290)
巻号頁・発行日
vol.38, pp.157-160, 2014

絵本の読み聞かせを効果的に行うための読み手と聴き手のコミュニケーションの1つとして,絵本の読み聞かせ後の問いかけが子どもに与える影響について検討した.具体的には,物語理解とイメージ形成の2つの側面における子どもへの影響を実験的に明らかにすることを目的とした.年長児81名に対して,物語理解への影響を見る実験とイメージ形成への影響を見る実験の2つの実験を行った.それぞれの実験で,問いかけをする質問群と問いかけをしない統制群の2グループに分けて,物語理解度を測るテスト,イメージ形成量を測るテストを行い,分析対象として62名分のデータを得た.実験の結果,物語理解度は質問群の方が統計的に有意に高いことが示され,イメージ形成量は質問群の方が低いという有意傾向が示された.
著者
松村 敦 根岸 舞 宇陀 則彦
出版者
日本教育工学会
雑誌
日本教育工学会論文誌 (ISSN:13498290)
巻号頁・発行日
vol.38, pp.157-160, 2014

絵本の読み聞かせを効果的に行うための読み手と聴き手のコミュニケーションの1つとして,絵本の読み聞かせ後の問いかけが子どもに与える影響について検討した.具体的には,物語理解とイメージ形成の2つの側面における子どもへの影響を実験的に明らかにすることを目的とした.年長児81名に対して,物語理解への影響を見る実験とイメージ形成への影響を見る実験の2つの実験を行った.それぞれの実験で,問いかけをする質問群と問いかけをしない統制群の2グループに分けて,物語理解度を測るテスト,イメージ形成量を測るテストを行い,分析対象として62名分のデータを得た.実験の結果,物語理解度は質問群の方が統計的に有意に高いことが示され,イメージ形成量は質問群の方が低いという有意傾向が示された.
著者
松山 雅子 松村 吉祐
出版者
大阪教育大学
雑誌
大阪教育大学紀要. V, 教科教育 (ISSN:03893480)
巻号頁・発行日
vol.54, no.1, pp.1-21, 2005-09-30

グリム童話の『赤頭巾』は,多分に教訓的な物語である。その価値観は,高校生の価値観の深層に刷り込まれている。高校生がこの既知のテクストを再読することは,自己の価値観を見つめ直すことにつながる。グリム童話の『赤頭巾』を中心教材とし,ペロー童話と,ポール=ドラ・リュ発表の口承民話とを比較読みのテクストとした。指導過程の大枠は,再読,再話,再読の三つの課題で構成した。学習者の再話には,高校生の価値観や現実認識が現れてきていた。口承民話は,学習者に刺激を与え,価値観を揺さぶり,グリム童話の『赤頭巾』を解釈し直す契機となった。その際,整合性のある解釈をするために,論理的な思考活動が展開されていた。
著者
三浦 麻子 鳥海 不二夫 小森 政嗣 松村 真宏 平石 界
出版者
人工知能学会
雑誌
人工知能学会全国大会論文集 (ISSN:13479881)
巻号頁・発行日
vol.28, 2014

災害情報の伝播においてソーシャルメディアの果たす役割は大きい.東日本大震災直後のツイッターで発信された情報は,リツイートが多くを占め,また被災地からの情報を非被災地の利用者が転送・拡散する傾向があったことが分かっている.本研究では,情報の伝播性(リツイート頻度の高さ)を規定する要因として,ツイートに含まれる感情語をポジティブ/ネガティブ,活性/不活性の2次元で分類し,災害の種類との関連を検討した.
著者
松村 明
出版者
日本中性子科学会
雑誌
波紋 (ISSN:1349046X)
巻号頁・発行日
vol.11, no.4, pp.43-46, 2001-10-15 (Released:2011-01-27)
参考文献数
23
著者
辻村 肇 岡崎 浩也 山下 光美 土井 英明 松村 雅史
出版者
The Institute of Electrical Engineers of Japan
雑誌
電気学会論文誌. C, 電子・情報・システム部門誌 = The transactions of the Institute of Electrical Engineers of Japan. C, A publication of Electronics, Information and System Society (ISSN:03854221)
巻号頁・発行日
vol.130, no.3, pp.376-382, 2010-03-01
被引用文献数
5 2

Disuse atrophy of various organs related to swallowing functions is one of the causes of swallowing disorders. In the present study, a system to measure swallowing frequency in a nonrestrictive manner over a long period of time was developed. In the present method, a throat microphone is attached to the neck region to record oral sounds. The reliability of the method is confirmed by recognizing 86% of swallowing sounds. Since the interval of swallowing in a complete rest is getting longer according to aging, the swallowing function is possibly getting weaker.