著者
板倉 和裕
出版者
JAPANESE ASSOCIATION FOR SOUTH ASIAN STUDIES
雑誌
南アジア研究 (ISSN:09155643)
巻号頁・発行日
vol.2014, no.26, pp.46-72, 2014

本稿は、社会的マイノリティに対して、留保議席のような政治的保障措置を世界に先駆けて導入したインドの経験に注目し、インド建国の指導者たちがなぜそのような措置を憲法の中に盛り込むことにしたのかを考察する。インドの制憲過程を扱った研究の多くがムスリムの処遇問題に関心を寄せてきた一方で、指定カーストの指導者たちによる、政治的権利獲得のための主体的な活動を考察に入れた政治過程の分析は十分に進められてこなかった。そこで、本稿では、指定カーストの中心的指導者であったB・R・アンベードカルに焦点を当て、制憲議会を取り巻く政治環境の変化に対するアンベードカルの適応過程と、それと同時に形成された会議派指導者との協力関係に注目し、インドの制憲政治を再検討することにより、指定カースト留保議席がインド憲法にいかにしてもたらされたのかを明らかにする。
著者
佐々木 俊則 大島 有美子 三島 江津子 伴 晶子 桂川 健司 永松 秀紹 吉岡 祐貴 築山 郁人 久田 達也 板倉 由縁 水谷 三浩
出版者
公益社団法人 日本薬学会
雑誌
YAKUGAKU ZASSHI (ISSN:00316903)
巻号頁・発行日
vol.136, no.7, pp.1023-1029, 2016 (Released:2016-07-01)
参考文献数
15

It is often necessary to modify the dose or schedule of eribulin mesilate (Eri) because of adverse events. Therefore, we retrospectively investigated the optimal approach for Eri dose adjustment and/or dosage interval adjustment. Patients who received Eri at the institutions affiliated with the Division of Oncology of the Aichi Prefectural Society of Hospital Pharmacists between July 2011 and November 2013 were enrolled in this study. We compared the group that underwent dose reduction without changes to their dosage interval (dose reduction group) with the group that had a change in their dosage interval (dose-interval prolongation group). The primary end-point was time to treatment failure (TTF), and the secondary end-points were overall survival (OS), overall response rate (ORR), clinical benefit rate (CBR), and adverse events. The TTF and OS of the dose reduction group were approximately two times longer than those of the dose-interval prolongation group. In addition, the dose reduction group had significantly improved ORR and CBR, which together indicate an antitumor effect (p=0.013 and 0.002, respectively). Although peripheral neuropathy occurred significantly more frequently in the patients in the dose reduction group (p=0.026), it was grade 1 and controllable in most of the cases. There were no differences in the occurrence of other adverse effects between the two groups. Therefore, we suggest that dose reduction with maintenance of the dosage interval is the preferred treatment approach in cases where Eri dose or schedule modification is necessary.
著者
板倉 聖宣 イタクラ キヨノブ
雑誌
井上円了選集
巻号頁・発行日
vol.21, pp.425-448, 2001-05-20

1 0 0 0 OA 図画教育

著者
板倉賛治 著
出版者
東洋図書
巻号頁・発行日
1933
著者
板倉 文忠
出版者
名古屋大学
巻号頁・発行日
1972

名古屋大学博士学位論文 学位の種類:工学博士(論文) 学位授与年月日:昭和47年11月4日
著者
池田 幹男 竹田 一哉 板倉 文忠
出版者
一般社団法人電子情報通信学会
雑誌
電子情報通信学会技術研究報告. DSP, ディジタル信号処理 (ISSN:09135685)
巻号頁・発行日
vol.96, no.238, pp.23-30, 1996-09-12
被引用文献数
3

本研究では直交フィルタを導入し, 多チャネル化した櫛形フィルタによる雑音抑圧法を提案する. 雑音は直交フィルタのいくつものチャネルにまたがって均等に分布するのに対して, 音声は特定の成分に集中するので, 各チャネルの出力に雑音の振幅の推定値を用いて重みをつけて再構成することによって, 雑音抑圧が可能となる. 本方法は定常白色雑音か加わった音声に対しては信号対雑音比か最大6.5dB改善され, より一般的な駅構内の雑音が加わった音声に関しては, 最大5.0dB改善された.
著者
河口 信夫 松原 茂樹 若松 佳広 梶田 将司 武田 一哉 板倉 文忠 稲垣 康善
出版者
一般社団法人電子情報通信学会
雑誌
電子情報通信学会技術研究報告. SP, 音声 (ISSN:09135685)
巻号頁・発行日
vol.100, no.523, pp.61-66, 2000-12-15
被引用文献数
2

本稿では、名古屋大学音響情報研究拠点(CIAIR)で構築中の実走行車内音声対話コーパスの設計と特徴について述べる。道案内や店情報検索をタスクとする162対話を対象とした特徴分析の結果、(1)ドライバーの発話速度は通常の対話音声に比べて遅く、5〜7(mora/sec)である、(2)ドライバーの発話におけるフィラーの出現頻度は、1発話単位あたしり0.33個、1秒あたり0.174個であり、通常の人間対人間の自由対話に比べて少ない、(3)車両の走行中と停止中とでは、発話速度や話し言葉に特有な現象の出現に関して差がない、(4)停止中に比べ走行中の発話には、感動詞、及び、文発声途中でのポーズの出現頻度が高い、ことなどが明らかになった。
著者
西野 隆典 梶田 将司 武田 一哉 板倉 文忠
出版者
一般社団法人日本音響学会
雑誌
日本音響学会誌 (ISSN:03694232)
巻号頁・発行日
vol.55, no.2, pp.91-99, 1999-02-01
被引用文献数
47

ヘッドホン受聴では, 頭部伝達関数(Head Related Transfer Function ; HRTF)を用いることにより, 立体音場を忠実に再生することができる。しかし, HRTFは方向に依存した関数であるため, HRTFを用いた聴覚バーチャルリアリティシステムでは, 測定した音源方向については忠実な立体音場が再生できるが, その他の音源方向については, 再生に必要なHRTFを新たに測定するか, すでに測定されたHRTFから推定して求める必要がある。しかし, HRTFの補間が可能であれば, 少数の測定HRTFから全方位のHRTFが作れるため, データ削減の有効な手段となるだけでなく, 滑らかな移動感を得ることができる。本論文では, (1)線形2点補間, (2)主成分分析を用いた補間の2手法を用いて, 水平面上のHRTFのインパルス応答と周波数振幅応答の補間可能性を, 客観基準と主観基準(移動感並びに方向定位感)により評価した。その結果, (1)水平面上のHRTFは45゜もしくはそれ以下の角度間隔で測定を行い, 未知のHRTFはそれらから補間可能であること, (2)線形2点補間は主成分分析による補間手法と比べて, より良い補間が可能なこと, (3)補間対象のインパルス応答と周波数振幅応答の間では, 補間精度の有意な差はなく, 位相は最小位相であっても良いことが明らかになった。
著者
池田 彩夏 小林 哲生 板倉 昭二
出版者
一般社団法人電子情報通信学会
雑誌
電子情報通信学会技術研究報告. HCS, ヒューマンコミュニケーション基礎 (ISSN:09135685)
巻号頁・発行日
vol.112, no.412, pp.89-94, 2013-01-17

オノマトペとは、音、動き、質感など様々な感覚表現を表す言葉であるが、その一部に複数の感覚に由来するものが存在する。例えば、「ざらざら」は視覚と触覚の両方のイメージを喚起するが、このことを幼児も大人と同じように理解できるかはよくわかっていない。本研究では、視触覚表現を表すオノマトペを対象に、日本人4歳児がオノマトペの示す視覚表現及び触覚表現をどの程度理解しているかをクロスモーダルマッチング法を用いて検討した。その結果、4歳児はオノマトペと視覚及び触覚のマッチング課題に成功し、両課題に正答する幼児も多かった。また課題成績は対象年齢内でも月齢とともに上昇し、その個人差は幼児の語彙力や母親の言語入力との関連を示した。これらの結果から、4歳児はオノマトペの示す視触覚表現とそのクロスモーダルな表現をすでに理解しているが、この時期にそれらの理解をより精緻なものに向上させていることが示唆された。
著者
板倉昭二編著
出版者
ミネルヴァ書房
巻号頁・発行日
2014
著者
板倉 昭二
出版者
物性研究刊行会
雑誌
物性研究 (ISSN:05252997)
巻号頁・発行日
vol.88, no.4, pp.552-563, 2007-07

この論文は国立情報学研究所の電子図書館事業により電子化されました。研究会報告他者に心的状態を認めたり、その状態を推論したりすることをメンタライジングという。メンタライジングは、人が円滑な社会的生活を営む上で重要な能力となる。メンタライジングの萌芽は、乳児期初期の社会的知覚だと考えられる。すなわち、ヒトの持つ特有な刺激に対する選好に始まり、母子関係に代表される二項関係、さらに第三者もしくは対象物を含む三項関係の成立、そして他者の誤信念を理解する「心の理論」の成立へと続く。本稿では、メンタライジングの発達を、ヒトに対する志向性、ヒト以外のエージェントに対する目標志向性の付与や意図の付与、誤信念の帰属について、われわれがおこなってきた実証的な研究を概略する。
著者
奥村 優子 鹿子木 康弘 竹内 祥惠 板倉 昭二
出版者
公益社団法人 日本心理学会
雑誌
心理学研究 (ISSN:00215236)
巻号頁・発行日
vol.85, no.3, pp.248-256, 2014
被引用文献数
3

Recent research demonstrates that social preferences for native language speakers emerge early in development, indicating that infants prefer speakers from their own society. Dialect may also be a reliable cue to group membership because it provides information about an individual's social and ethnic identity. We investigated whether infants showed social preferences toward native-dialect speakers over those with unfamiliar dialects. Infants at 9 and 12 months of age were shown videos in which two adults (a native-dialect speaker and an unfamiliar-dialect speaker) each spoke to and then offered an identical toy to the participating infants. Next, two real versions of the toys were presented to the infants in person. The 12-month-old infants preferentially reached for the toy offered by the native-dialect speaker. The 9-month-old infants also showed a preference for native-dialect speakers but this finding was not statistically significant. Our results suggest that dialects may be a reliable cue to group membership, and that infants' orientation toward members of their native community may guide their social and cultural learning.