著者
中島 林彦
出版者
日経サイエンス ; 1990-
雑誌
日経サイエンス (ISSN:0917009X)
巻号頁・発行日
vol.45, no.4, pp.32-41, 2015-04

原子力発電所の再稼働をめぐって,巨大噴火のリスクをどう評価するかが議論になっている。日本では1万年に1回の頻度で,国土のかなりの部分を火山灰で覆うほどの巨大噴火が起きている。
著者
小林 信義 山本 泰 明石 真言
出版者
Japan Health Physics Society
雑誌
保健物理 (ISSN:03676110)
巻号頁・発行日
vol.33, no.3, pp.323-330, 1998 (Released:2010-02-25)
参考文献数
44
被引用文献数
7 8

Prussian blue, a blue pigment, belongs to the ferric cyanoferrate (II) group. It binds univalent metal ions, and the binding activity depends on their ionic radius. Prussian blue is not absorbed from the gastrointestinal tract in a significant amount. The cesium is entero-enteric cycled through the intestine. Prussian blue inhibits the reabsorption of the cesium. Many studies using experimental animals showed that the oral administration of Prussian blue increases the rate of the fecal excretion of radiocesium which results in shortening its biological half life. The accident in Goiania, Brazil, in 1987 showed that Prussian blue effectively accelerated the removal of radiocesium without toxicity. In the present review, we describe Prussian blue from a biological aspect and discuss its clinical application for the decontamination of cesium in radiation accidents.
著者
小川 裕子 林 希美 矢代 哲子
出版者
日本家庭科教育学会
雑誌
日本家庭科教育学会大会・例会・セミナー研究発表要旨集
巻号頁・発行日
vol.51, pp.64, 2008

-目的- 近年の少子化の進行や児童虐待の増加傾向の中で、文部科学省では中・高校生の保育体験学習を重視しているが、家庭科の授業時間数の削減や教師の多忙さのために、特に高等学校における保育体験学習の実践は多くない。また、保育体験学習に関する先行研究によって、保育学習の意欲が高まること、乳幼児に対する感情が良くなること、自己省察が出来ること等の成果が明らかになっているが、これらの多くは体験そのものによる成果である。本研究では、静岡県立高等学校の全校で実施されている「高校生保育・介護体験実習」の実態から、学習の成果が最も高まると考えられた家庭科の保育学習の一環として保育体験学習を実践する。この保育体験学習では、乳幼児理解と共感性を育てることを目標として、事前指導・体験・事後指導を体系的に計画した。この体験学習を実践することによる学習者の学びを明らかにすることによって、保育体験実習のあり方について示唆を得ることを目的とする。-方法- 静岡市立S高等学校において、必修家庭科(家庭一般)保育学習(2007年4~7月)の中で、保育体験学習を実践する。事前指導2時間(1時間目:体験先の概要、諸注意、グループ編成など。2時間目:乳幼児との会話や関わり方のアドバイス、ワークシート「こんな時どうする?」、保育体験の個人目標の設定)、保育体験2時間(体験90分と感想書き15分)、事後指導3時間(1時間目:自分達の体験の様子についてDVDを視聴し、感想を一文ずつ付箋に記入。2時間目:グループ毎に付箋を集め分類して、模造紙1枚に貼り込んでまとめる。3時間目:グループ毎にまとめた模造紙をもとに発表する)である。 以上の保育体験学習における、学習者の学びを明らかにするために収集したデータは、学習者(2クラス、計78名)一人ひとりの1.中学校での保育体験の有無、2.乳幼児への気持ち(体験前、体験直後、体験1ヶ月後)、3.乳幼児についての考え(2と同時期)、4.体験の目標、5.体験直後の感想(目標について分かったこと、乳幼児とどのような関わりをしたか、感想など)、6.事後指導後の感想文、である。-結果- 計画・実践した保育体験学習で目標とした、乳幼児理解と共感性を育てるという二点について、以下のことが明らかになった。まず、乳幼児理解については、5.体験直後の感想文と6.事後指導直後の感想文の記述内容の変化(量的に増加)から、今回計画した事後指導(3時間)の効果が明らかになった。 次に、共感性の育ちについては、実践した2クラスの内1クラスで、たまたま事前指導の2時間目の時間が確保出来ず、1時間目の間に各自に体験の目標を立てさせて体験を行ったという変更があったため、このクラスをAとし、計画通り2時間の事前指導を行ったクラスをBとして、A,Bクラス間で、生徒たちの設定した4.体験の目標がどう異なるか、また、3.乳幼児についての考え(体験直後、体験1ヶ月後)、5.体験直後の感想(目標について分かったこと、乳幼児とどのような関わりをしたか、感想など)、6.事後指導後の感想文といった各データにおける乳幼児との関わりに関する記述内容に差異があるのかに注目した。その結果、まず、事前指導の2時間目に予定していた乳幼児との会話や関わり方についてアドバイスや「こんな時どうする?」と考える機会を実施できたBの方が、体験の目標として「関わり」に関するものを立てた生徒が圧倒的に多い結果となった。体験後の関わりについての記述内容については、目標で認められた程の著しい差は認められないものの、共感的な関わりが出来たと認められる生徒の数は、同様にBの方が多い結果であった。
著者
日野 晶也 角田 恒雄 釜野 徳明 野川 俊彦 小笠原 強 速水 格 松本 政哲 服部 明彦 西川 輝明 竹内 一郎 橋本 惇 三浦 知之 木津 治久 森田 博史 姚 揚貨 易 新生 小宮山 寛機 林 正彦 川村 将弘 張 恵平
出版者
神奈川大学
雑誌
年報 (ISSN:13420917)
巻号頁・発行日
vol.2001, pp.127-129, 2002-03

約100万種といわれる海洋生物は,地上における最も未知の世界である。この海洋生物から,医薬資源となりうる有用な生理活性物質を発見し,構造を明らかにし,生理活性を検討することを目的としている。NIHで臨床試験中のドラスタチン10(ウミウシ成分)とブリオスタチン1(フサコケムシ成分)は,釡野がその研究に携わったものである。平成元年以来,日野,西川等の協力を得て,平塚付近(相模湾)および岩手県大槌町付近(大槌湾)の海洋生物を検討し,特に青森,浅虫湾のフサコケムシからブリオスタチン10という強い抗癌性物質を見いだし,抗エイズ活性もあることが分かった。また,これらの物質には,ホルモン産生活性などの作用の存在も明らかになり,医薬品としての開発の可能性が考えられる。さらに,フロリダ産コケムシから10数種の新規アルカロイドを単離したが,このうちconvolutamydineが,ヒト急性骨髄性白血病細胞HL-60に対し,強力な分化誘導作用を示し,新たな抗癌剤発見の手がかりになる可能性もある。2000年度には,ほぼこれらのアルカロイドの全合成を完成した。これらの結果をふまえ,日本沿岸およびアジア各地の海洋生物について探索が計画されている。さらに,橋本,三浦等が「しんかい6500」,「しんかい2000」により採集した深海生物に対する検討も行い,今までに相模湾産シロウリガイとヘイトウシンカイヒバリガイおよびサツマハオリムシ,さらに巻き貝2種Alyinconcha cf. hesseleriおよびIfremeria nautileiの化学成分の検討を行っている。また,竹内等による南極付近の生物の入手も期待できる現状にある。さらに,新しく速水先生が加わり,洞窟生物の調査・採集が可能となっている。一方,生理活性,薬理作用検討に新たにそれぞれ小宮山博士,林博士,川村教授の協力が得られている。また,一昨年から中国でのフサコケムシの探索が姚新生教授と新たに参加した易楊貨教授によって開始され,かなり大量の生物が採集された。この生物からの活性物質の単離はこれからの大きな仕事であり,その結果が期待される。本年度は今までの生物成分のまとめを行った。特に,日本産ナマコ類成分,沖縄と真鶴で採集した日本産フサコケムシ成分,および深海巻貝2種の成分研究を完成した。
著者
黒田 悌且 今木 甚一郎 石橋 忠良 小林 明夫
出版者
公益社団法人 日本コンクリート工学会
雑誌
コンクリート工学 (ISSN:03871061)
巻号頁・発行日
vol.20, no.2, pp.27-33, 1982

本稿は,沿線火災によって被害が生じた鉄道の鉄筋コンクリートラーメン高架橋の復旧工事について述べたものである。設計の考え方, 復旧に伴って行ったコンクリートの配合試験, 新旧コンクリート及び吹付けコンクリートの一体化試験結果について報告する。
著者
堂前 幸康 川西 亮輔 白土 浩司 原口 林太郎 藤田 正弘 山内 悠嗣 山下 隆義 藤吉 弘亘 秋月 秀一 橋本 学
出版者
一般社団法人 日本ロボット学会
雑誌
日本ロボット学会誌 (ISSN:02891824)
巻号頁・発行日
vol.38, no.1, pp.95-103, 2020 (Released:2020-01-16)
参考文献数
16

We proposed a picking robot system which is apllicable to various mixed items in shelves. The robot has a two-finger gripper which can change the open width of the finger. To determine the position, the pose and the open width when the gripper pick items, we proposed efficient determination algorithm which is based on a RGBD sensor data. In our experiments, 25 items of Amazon Picking Challenge 2015 can be picked well by our proposed system. In this paper, we describe the system, the algorithms and the experimental results.
著者
小林 宏明 宮本 昌子
出版者
日本音声言語医学会
雑誌
音声言語医学 (ISSN:00302813)
巻号頁・発行日
vol.59, no.2, pp.158-168, 2018 (Released:2018-06-05)
参考文献数
21
被引用文献数
3

吃音のある小学生73名に,国際生活機能分類(ICF)に基づく発話・コミュニケーション活動と小学校生活への参加の質問紙調査を実施した.質問紙は,授業,学級活動,学年・全校活動,教師や子どもとのコミュニケーションにおける発話・コミュニケーション活動と小学校生活への参加に関する計50項目が得意か苦手かを5件法で答えるものだった.その結果,(1)苦手の回答が多かった項目は,授業,学級活動,学年・全校活動に関するもので,そのほとんどは大人数への発話や,長くまとまった話が求められるものであった.ただし,すべての項目で,苦手と回答した者は,得意と回答した者よりも少なかった.(2)学級活動,学年・全校活動に関する項目のなかに,吃音の心理面の問題との中程度の相関のある項目がある一方で,吃音の言語症状との中程度以上の相関のある項目はなかった.(3)発話・コミュニケーション活動と小学校生活への参加とに中程度の相関があった.
著者
和田 竜二 小林 法子 藤居 俊之 尾中 晋 加藤 雅治
出版者
The Japan Institute of Metals
雑誌
日本金屬學會誌 (ISSN:00214876)
巻号頁・発行日
vol.71, no.8, pp.587-591, 2007
被引用文献数
2

Elastic interaction energy between two super-circular inclusions with purely dilatational misfit strains is evaluated. For the calculation, a two dimensional model is used together with linear elasticity for the cubic anisotropy of copper. When two inclusions lie parallel to <100> of the copper crystal, attractive interaction is observed between the inclusions. The maximum of the attractive interaction is realized when the two inclusions exist close to each other. As the inclusion shape becomes circular to square-like, the maximum interaction energy decreases and the distance between the two inclusions to give the maximum increases. Furthermore, the two inclusions are found to be most stable when they have the same size. In addition to the elastic interaction energy, interface energy of the matrix/inclusion interface is also considered. The results show that the two inclusions tend to become the same size even for a situation when the interface energy is much more dominant compared with the elastic interaction energy.<br>
著者
太田 千鶴子 近藤 明子 小林 重雄
出版者
一般社団法人日本認知・行動療法学会
雑誌
行動療法研究 (ISSN:09106529)
巻号頁・発行日
vol.4, no.2, pp.91-104, 1979-09-30

本研究の目的は1対1の行動療法的訓練において,改善されにくいとされていた児童対児童の相互作用,遊びに必要なルールの理解を通じて集団遊びを形成することである。集団は「ことばのおくれ」,「他児と遊べない」を主訴とする児童6名で構成されている。対象児は自閉症と診断された3名である。目的を達成するために(1)つなひき,(2)電車ごっこという課題が設定された。第一期では,動作模倣,第二期では,かけっこ,つなひき,サーキット,第三期では,つなひき,電車ごっこを中心プログラムとした。1セッションは各課題とフリープレイから成っている。セッションは週1回,20〜30分で計19回行なわれた。これにより,次のような結果が得られた。1 動作模倣 3児とも達成率が増加し,特にT児は第7〜13セッションにおいて著しい伸びを示している。2 つなひき 次のようなルールの理解度を検討した。(1)合図を守る(2)後方へ引く(3)終点がわかる(4)勝ち負けがわかる(5)応援する。Y児はどのルールも理解できていない。T児は,どのルールもほぼ完全に理解可能となり,K児はルールの(1)〜(3)のみ確実に理解できた。3 電車ごっこ 3児ともお客さん,運転手,駅長などの役割を達成し積極的に参加できるようになっている。
著者
大豆生田久志 小林亜樹 佐藤宏紀
雑誌
第73回全国大会講演論文集
巻号頁・発行日
vol.2011, no.1, pp.627-628, 2011-03-02

オンラインショッピングは実際の店舗よりも膨大な数の商品を気軽に商品を閲覧できる。しかし膨大な数の商品の中から自分で欲しいものを探さなくてはならなく、店員のように商品を推薦して、購入までの意思決定の支援をするものではない。そこで、Tシャツ販売を例にとって、店員の役割を果たす試作システムを作成する。本研究では、適合フィードバックのようにユーザの嗜好を学習し嗜好に合ったものに絞るだけではなく、嗜好に合わないものも適当に提示することによって購入の決断を促し、意思の決定を早める手法を提案する。その提案手法の有効性について、既存の適合フィードバックと比較し検証する。
著者
島村 珠枝 田口 敦子 小林 小百合 永田 智子 櫛原 良枝 永田 容子 小林 典子 村嶋 幸代
出版者
公益社団法人 日本看護科学学会
雑誌
日本看護科学会誌 (ISSN:02875330)
巻号頁・発行日
vol.30, no.2, pp.2_3-2_12, 2010-06-21 (Released:2011-08-15)
参考文献数
32
被引用文献数
2

目的:多剤耐性結核の治療のため隔離入院中の患者が病気をどのように受けとめ,どのようなことを感じながら入院生活を送っているかを明らかにする.方法:入院中の多剤耐性結核患者5名に半構造化面接を実施し,質的記述的に分析した.結果:病気について,全員が『治りにくい病気に罹った』と捉えた上で,『治るだろう』と受けとめている者,『治らないだろう』と考える者の両者が存在した.ほとんどの協力者が『先が見えない』と感じており,長期入院と隔離に大きなストレスを感じていた.入院生活について,全員が『楽しいことはほとんどない』と感じていた.『人に会えないのが寂しい』と閉塞感を訴え,『外とのやり取りで気が紛れる』と入院生活の辛さを紛らわせていた.『看護師との日常的な会話が楽しみ』と話す者もいた.結論:看護師は日常的に患者と関わる中で患者と外との接点になり得るため,日常的なコミュニケーション場面での配慮が求められている.
著者
林 彦一
出版者
大阪樟蔭女子大学
雑誌
大阪樟蔭女子大学学芸学部論集
巻号頁・発行日
vol.40, pp.165-174, 2003-03-06

テロと長引く不景気で、疲れもでてきたのか、「ゆとり」とか「無用」とかいった「悟り」めいた言葉が持て囃されているようである。(心)まずしい私にはそういう贅沢は許されず、昔ながらに、「本気」・「真剣勝負」で孤剣を引っさげて生き続けている。従って常に生死の世界を彷徨っているためか、「おんな・こども」という存在が限りなく尊く且ついとおしく思えるのだ。戦いのあとの平和、砂漠のオアシスのようなもの、と言ってもいいだろうか。 こういう私に、真剣に応えてくれる小説、いや口幅ったいが「私」を映し出したような小説が『風と共に去りぬ』であった。私の与えたタイトルは「読解」であるが、実はわたし自身をこの小説に読み取っているのである。 Gone with the Wind、まるで唸る(Wの音)のような風の吹くなか、弔鐘とも除夜の鐘とも紛う響き(ゴーン)、大衆の一員でもある私には、「大衆小説」という蔑称も気に入っている。

2 0 0 0 OA 芸者の研究

著者
林田亀太郎 著
出版者
潮文閣
巻号頁・発行日
1929