著者
中村 愛美 吉田 智 西郊 靖子 林 静子 鈴木 靖志
出版者
特定非営利活動法人 日本栄養改善学会
雑誌
栄養学雑誌 (ISSN:00215147)
巻号頁・発行日
vol.70, no.1, pp.59-70, 2012 (Released:2012-02-27)
参考文献数
22
被引用文献数
8 8

【目的】デンプン系,グアーガム系,キサンタンガム系およびその他の各種市販とろみ調整食品が緑茶,牛乳,オレンジジュースおよび味噌汁に与える影響を物性面から解析し,性能に基づくとろみ調整食品の分類を行うことを目的とした。【方法】15種類のとろみ調整食品を4種類の食材に溶解して調製した各種とろみ液の粘度およびテクスチャーを測定し,とろみ調整食品の機能性を反映する指標として,粘度力価,添加時および安定時粘度ばらつき,初期粘度発現率および付着性を算出した。さらにこれら5つの指標を用いて主成分分析およびクラスター分析を行った。【結果】粘度力価は4種の食材すべてについてグアーガム系が大きかった。添加時および安定時の粘度のばらつきはとろみ調整食品の種類と食材の組合せによって傾向が異なった。初期粘度発現率は食材によって特徴があり,緑茶ではキサンタンガム系が,オレンジジュースではデンプン系が高い値を示した。付着性は4種の食材すべてについてデンプン系が大きかった。5つの指標を用いて食材別に主成分分析を行なうと,とろみ成分による分類とは異なる分布を示した。一方,全食材の5つの指標を説明変数にとり,クラスター分析を行った結果,とろみ成分に応じたクラスターが形成された。【結論】市販とろみ調整食品が食材の物性に及ぼす影響をもとに分類を行なうと,各とろみ剤の特徴が食材の種類によって異なることが明らかとなった。したがって,とろみを付与する食材や目的に応じて適切な製品を選択することが重要である。
著者
山前 碧 小林 裕太 上原 哲太郎 佐々木 良一
雑誌
研究報告マルチメディア通信と分散処理(DPS)
巻号頁・発行日
vol.2015-DPS-162, no.39, pp.1-7, 2015-02-26

ここ数年で,PC の不揮発性記憶媒体として SSD(Solid State Drive) の普及が高まると予想される.IT 調査会社の IDC Japan によると,SSD 市場の 2017 年までの平均成長率は 39.2% と予測している.そのため,SSD の消去ファイルの復元率の把握が,PC の破棄の時点での事前処理や,デジタルフォレンジックのための証拠の確保可能性を知る上で重要となってきた.また,SSD には Trim 機能という特徴的な機能があり,この機能による復元の影響を検証する必要が出てきた.そのため,本研究では,SSD の Trim の有無,削除後の利用状況の差異,OS の差異に伴うデータ復元の確率について検証した.結果,Trim 無効時は,データの多くは削除してから一日しか残っていないことが明らかになった.また,Trim 有効時は削除直後でもデータは残っていないことが明らかになった.さらに,ファイルサイズや拡張子,OS による大きな違いは見られなかった.本稿では上記の検証とデジタルフォレンジックの目的での復元,PC 廃棄の目線からの考察を報告する.
著者
阿部 孝司 年代 光宏 林 貴宏 木村 春彦
出版者
一般社団法人 画像電子学会
雑誌
画像電子学会誌 = Imaging & Visual Computing The Journal of the Institute of Image Electronics Engineers of Japan (ISSN:02859831)
巻号頁・発行日
vol.36, no.5, pp.701-709, 2007-09-25
参考文献数
21
被引用文献数
1

スポーツ中継で表示されるスコアテロップの内容解析は,放送型スポーツ 中継映像の内容解析に有効であると示唆されるが,近年のスコアテロップは,文字やマーク,その背景まで様々な色や輝度が混在し,輝度値だけに 着目して領域内に存在する多種のオブジェクトを背景と区別することは難しい.また,スコアテロップ内の各オブジェクトの表示内容を認識するには,時間経過に伴うオブジェクトの状態変化を調べる必要がある.本稿では,放送型野球中継映像のスコアテロップ領域を対象に,白黒濃淡画像の輝度値に加えRGB濃度値のヒストグラムを用いて領域内に 存在するオブジェクトの外接矩形を抽出し,試合の内容解析に 必要なキーとなる,アウトカウント,得点,ランナーの有無を示す 領域を次フレームでの同一領域との相関を求めて特定する方法を提案する.四つの野球中継映像に対し実験を行った結果,アウトカウントがマーク 表示されている映像を除き,上記の抽出項目はすべて精度良く抽出された.
著者
川崎 智也 轟 朝幸 小林 聡一
出版者
Japan Society of Civil Engineers
雑誌
土木学会論文集D3(土木計画学) (ISSN:21856540)
巻号頁・発行日
vol.71, no.5, pp.I_523-I_532, 2015
被引用文献数
1

首都圏の都市鉄道では,朝ラッシュ時に定常的な混雑が発生している.混雑緩和に対する一つの解決策として,時差通勤をした者に対して,抽選で賞金が当たる抽選型報奨金制度がある.本研究では,東京メトロ東西線利用者を対象として,オーダードロジットモデルを用いて抽選型報奨金制度を導入した場合の鉄道利用者行動モデルを構築し,当選金額および当選金額に対する感度分析を実施した.その結果,当選の期待値が100円の下で当選金額を28.9千円(当選確率0.33%)とした場合,定額型施策よりも時差通勤施策の参加者が増加する可能性が示され,混雑率は197.5%となり,現状の混雑率である199%から1.5%減少することが示された.当選金額を20万円(当選確率0.05%)と高額に設定すると,混雑率は196.9%まで減少し,定額型施策よりも0.6%低下した.
著者
中村 邦夫 小林 収
出版者
日経BP社
雑誌
日経ビジネス (ISSN:00290491)
巻号頁・発行日
no.1050, pp.184-187, 2000-07-17

問 社長就任会見では「ソニーはライバルであり、リーダーであり、先生である」とおっしゃっていました。やはり、一番気になる会社ですか。 答 私は米国時代から、AV(音響・映像)関連の事業部(AVC社)をやって、ソニーさんを目標にしていましたからね。でも最近、「対"ソ"戦争は卒業」と言ったんですよ(笑)。
著者
長谷川 健 柴田 翔平 小林 哲夫 望月 伸竜 中川 光弘 岸本 博志
出版者
特定非営利活動法人 日本火山学会
雑誌
火山 (ISSN:04534360)
巻号頁・発行日
vol.66, no.3, pp.187-210, 2021-09-30 (Released:2021-10-29)
参考文献数
57

Based on detailed fieldwork, petrological and paleomagnetic investigations, we present a revised stratigraphy of deposits from the 7.6 ka eruption at Mashu volcano and the formation process of its summit caldera, eastern Hokkaido, Japan. As previously described, the eruption products consist of an initial phreatomagmatic unit (Ma-j) and the overlying three pumice-fall layers (Ma-i, -h, and -g), which are in turn overlain by pyroclastic-flow deposits (Ma-f). In the present study, we divide Ma-f into 4 subunits: Ma-f1/2, Ma-fAc, Ma-f3a and Ma-f3b in descending order. Ma-f3b is a valley-ponding, pumice-flow deposit with limited distribution. Ma-f3a comprises clast-supported facies (fines-depleted ignimbrite: FDI) and matrix-supported (normal ignimbrite) facies, the two changing across topography. The FDI is characterized by a gray, fines-depleted, lithic-breccia-rich layer with materials incorporated from the substrate. Impact sag structures from large (>50 cm) dacite ballistic blocks were recognized at the base of the Ma-f3a within 10 km from the source. Ma-fAc is a minor eruption unit consisting of accretionary lapilli. Ma-f1/2 is a most voluminous (8.8 km3), widely distributed and weakly stratified ignimbrite. Both Ma-f3a and Ma-f1/2 can be classified as “low aspect ratio ignimbrite (LARI)”. Dacite lithic fragments are ubiquitously observed throughout the sequence and are not considered to be juvenile; they have distinctly different chemical compositions from the pumice fragments in the early pumice-fall (Ma-g~Ma-i) and pyroclastic-flow (Ma-f3b) deposits, but those of pumice clasts in the late pyroclastic-flow units (Ma-f3a and Ma-f2) lie between the two on a FeO*/MgO vs. SiO2 diagram. The 7.6 ka caldera-forming eruption of the Mashu volcano was initiated by Plinian fall (Ma-j~-g), and then, a small-volume high aspect ratio ignimbrite (Ma-f3b) was deposited by a valley-confined pyroclastic flow that was generated by partial column collapse. After that, a violent pyroclastic flow was generated probably during a strong explosion of a dacite lava edifice on the summit of Mashu volcano. This flow emplaced Ma-f3a. The caldera collapse that followed the explosion generated a climactic pyroclastic flow that emplaced Ma-f1/2. Ma-f3a flow was extremely fast. Ma-f1/2 flow was related to sustained flow due to low settling velocity and high discharge volume. These are supported by field observations and numerical simulation that shows the ability of the flow to surmount high topographic obstacles and spread widely. The 7.6 ka caldera-forming process of Mashu volcano was driven not only by subsidence of roof block but also by violent explosions.
著者
林 昌浩 石澤 俊幸 岡田 真行
出版者
医学書院
巻号頁・発行日
pp.638-640, 2003-06-01

76歳,男性.右三叉神経第一枝領域の帯状疱疹にて入院加療した.アシクロビル点滴により皮疹は軽快し退院したものの,疼痛コントロール不良のため再入院した.再入院後,種々の内服薬・治療を試みたが無効であった.リン酸コデインにより疼痛は軽減したがコントロール不十分であり,マレイン酸フルボキサミン(ルボックス(R))内服を開始したところ,数日後から疼痛が著明に改善した.近年マレイン酸フルボキサミンは麻酔科,整形外科領域の慢性疼痛に対しても有効性が報告されているが,皮膚科領域における使用経験の報告はほとんどない.従来の抗うつ剤に比べて抗コリン作用など副作用が少ないため高齢者にも使いやすく,帯状疱疹後神経痛(PHN)や帯状疱疹に伴う神経痛に対しても考慮されるべき薬剤の一つと考えた.
著者
伊藤 澄夫 武田 寿 小林 昭彦 桜井 裕之 多田 善彦 青木 岳 細貝 猛 山中 崇彰 石綿 肇
出版者
公益社団法人 日本食品衛生学会
雑誌
食品衛生学雑誌 (ISSN:00156426)
巻号頁・発行日
vol.34, no.3, pp.254-256_1, 1993

輸入ウオッカ中のフタル酸ジブチル (DBP) の簡易で迅速な分析法を開発し, 応用を試みた. DBPは試料から<i>n</i>-ヘキサンで抽出, 直接FID付キャピラリーカラムガスクロマトグラフで定量した. 0.5~5.0ppmのDBPを試料に添加したときの回収率は92.7~98.5%であった. 検出限界は0.1ppm, 所要時間は約30分であった. ロシア産ウオッカ15試料について定量を行ったところ, 2試料から0.1及び0.2ppmのDBPが検出された. これらに付いてはGC/MSで確認を行った.
著者
大仲 賢二 小林 直樹 内山 陽介 本田 三緒子 三宅 司郎 小西 良子
出版者
公益社団法人 日本食品衛生学会
雑誌
食品衛生学雑誌 (ISSN:00156426)
巻号頁・発行日
vol.62, no.5, pp.148-156, 2021-10-25 (Released:2021-11-02)
参考文献数
43

漬物に使用される伝統的な4種類の生野菜(キュウリ,白菜,大根,ナス)から分離した乳酸菌(LAB)によるアフラトキシン(AFs)に対する暴露低減効果を調査した.最初に,AFM1との結合能を調べ,各野菜から最も結合率が高いLABを1株ずつ計4株選んだ.選んだ4菌株とAFB1,AFB2,AFG1,AFG2およびAFM1との結合率は,キュウリ由来LABで57.5%~87.9%,白菜由来LABで18.9%~43.9%,大根由来LABで26.4%~41.7%,ナス由来LABで15.0%~42.6%であった.また,キュウリ,白菜,大根およびナスから分離されたLABは,それぞれLactococcus lactis subsp. lactis,Weissella cibaria,Leuconostoc mesenteroides,Leu. mesenteroidesと同定された.さらに胃の中を模した酸性条件下で4菌株とAFM1との結合能を測定したところLABの生菌数は減少したが結合能はいくつかの菌株で増加し,これらの菌株はAFsとの結合能を保持していた.動物実験においてキュウリ由来L. lactis subsp. lactisが血清へのAFB1の吸収を有意に阻害することが明らかになった.以上の結果から漬物(浅漬けとぬか漬け)に使用される野菜に生息するLABがAFsと結合能を持ち,AFsに対する暴露低減効果を有すことが示唆された.
著者
奥田 哲矢 中林 美郷 荒井 研一 菊池 亮 千田 浩司
雑誌
研究報告コンピュータセキュリティ(CSEC) (ISSN:21888655)
巻号頁・発行日
vol.2021-CSEC-95, no.17, pp.1-8, 2021-11-01

本研究では,TEE (Trusted Execution Environment) を応用したクラウドサービス群である Confidential Computing について,データおよびプログラムの両者を秘匿したまま利用できる Confidential Program Execution を提案し,その安全性を評価する.前提として,Intel SGX,AMD SEV のようなサーバサイドにおける TEE を使えば,クラウド事業者に対してデータを秘匿しつつ,クラウドサービスを利用することができる.さらにその発展として,Felsen らは,データを有するユーザとプログラムを有するユーザが,互いにそれぞれのデータとプログラムを自身以外(クラウド事業者を含む)には秘匿したまま,プログラムの実行結果を享受できる方式を提案している.しかし Felsen らの方式は,実行毎にデータとプログラムをクラウド事業者にアップロードする必要があり,かつ方式の安全性証明は与えられていなかった.本稿では,Felsen らと同様にデータとプログラムを秘匿しつつ実行結果を得られ,且つ実行毎にデータとプログラムをクラウド事業者にアップロードする必要がない方式を提案し,その方式の安全性を,形式検証ツールである ProVerif を用いて評価した.評価の結果,本研究の提案プロトコルが,各データおよびプログラムの秘匿の要件,および各エンティティの認証の要件を充足することが分かった.また,本研究の提案および評価を通じて分かった,TEE 応用プロトコル設計時に,TEE がユーザとは独立したエンティティとしてふるまう点,および,TEE を含めたマルチパーティの攻撃者モデルを想定すべき点は,今後多くの TEE 応用プロトコルが設計される際に,プロトコル設計者の参考になると期待される.
著者
林 陵平 苅山 靖 吉田 拓矢 図子 浩二
出版者
一般社団法人 日本体育・スポーツ・健康学会
雑誌
体育学研究 (ISSN:04846710)
巻号頁・発行日
vol.61, no.2, pp.575-587, 2016 (Released:2016-12-14)
参考文献数
26
被引用文献数
3

The purpose of this study was to identify the ground reaction force and joint kinetics in the lower extremity during the catch phase of the clean exercise through comparison with the pull phase. Eleven male track and field athletes performed the power clean from the floor with loads of 30%, 60%, and 90% of 1RM (One Repetition Maximum). Kinetic data were collected from data recorded using a Vicon motion system (250 Hz) and force platforms (1,000 Hz). The results of the analyses were as follows:  1) In the catch phase, force development was similar to that of the pull phase because the peak ground reaction force was not significant during the 2 phases.  2) The joint kinetics in the ankle and knee joints were larger during the catch phase than during the pull phase.  3) During the power clean, force development was achieved mainly by concentric muscle contraction during the pull phase and by eccentric muscle contraction during the catch phase.  4) The ground reaction force and joint kinetics were significantly different during the catch phase.  These results show the differences in load characteristics in the lower extremity between the pull and catch phases during clean exercise. Therefore, not only the pull phase but also the catch phase should be considered when performing the clean exercise in weight training.
著者
小林 惺
出版者
イタリア学会
雑誌
イタリア学会誌 (ISSN:03872947)
巻号頁・発行日
no.33, pp.1-21, 1984-03-15

Come e noto, "Il Gattopardo" di G.Tomasi di Lampedusa ha goduto di una immensa popolarita nella letteratura italiana del dopoguerra. Perche ha potuto conquistarsi un cosi vasto pubblico? Forse e dovuto alle meravigliose descrizioni della morte del protagonista, Principe Don Fabrizio, e della caduta di un nobile casato siciliano. Infatti, mi pare misteriosamente affascinante la fine grandiosa non solo persona ma del gruppo: famiglia, comunita, societa e stato. La morte completa la vita, o in altri termini, la vita si perfeziona solo all'interno della morte. Ed assistendo a tale morte, si puo vedere la vita nella sua totalita: il che ci da un senso di integrazione non parziale, liberi dal'alienazione. Inoltre. in questa esperienza, si intravede a volte il sacro. La figura pacata del Principe che sogna di andare nel mondo di stelle ci rammenta gli eroi antichi che accettavano tranquillamente il proprio destino.
著者
堀尾 文彦 村井 篤嗣 小林 美里
出版者
名古屋大学
雑誌
挑戦的萌芽研究
巻号頁・発行日
2016-04-01

ビタミンC(VC)生合成不能のODSラットにVC無添加飼料を8日間与えた時期には欠乏症状は全く発症していないが、LPS誘発性敗血症を引き起こすと5.5%という極めて低い生存率であった。それに対して、最小必要量のVCの摂取は生存率を39%にまで上昇させ、ビタミンC摂取が敗血症防御効果のあることを初めて示した。さらに特筆すべきことは、最小必要量の10倍の高用量のビタミンC摂取は生存率を61%にまで改善させ、高用量VC摂取が敗血症に対して有効な防御手段であることを示した。このVCの作用は、LPSによる血中単核球でのTNFαおよびIL-1βの産生上昇の抑制によることを示唆する結果も得た。
著者
久木田 水生 大澤 博隆 藤原 広臨 林 秀弥 平 和博 伊藤 孝行 大谷 卓史 笹原 和俊 中村 登志哉 村上 祐子 唐沢 穣
出版者
名古屋大学
雑誌
基盤研究(A)
巻号頁・発行日
2019-04-01

本研究は、第一に、インターネット上の悪質な情報の流通とそれに起因する現代の諸問題の根本的な要因・メカニズム・影響を明らかにする。第二に、そのような問題に対処するための新しい情報リテラシーの概念を探求し、その基礎になる技術哲学理論を構築する。第三にその概念と理論に則した情報リテラシー向上のための方法を探求する。このことによって本研究は情報技術と社会が互いに調和しながら発展していくことに貢献する。
著者
井上 達志 林 佳美 石田 光晴
出版者
日本ペット栄養学会
雑誌
ペット栄養学会誌 (ISSN:13443763)
巻号頁・発行日
vol.3, no.Supplement, pp.18-19, 2000-06-30 (Released:2012-09-24)
参考文献数
3

市販ドライキャットフードに鰹節を20%および40%添加してネコに給与し,無添加のフードあるいは猫下部尿路疾患(FLUTD)対応フードとストラバイト尿石形成の及ぼす影響について比較した。塩基過剰度(BE) は鰹節20%の添加でFLUTD対応フードと同等でありこれらを摂取したネコでは無添加の場合と比べて尿中固形分およびストラバイト結晶が有意に少なくなった。
著者
楠 比呂志 長谷 隆司 佐藤 哲也 土井 守 奥田 和男 上田 かおる 大江 智子 林 輝昭 伊藤 修 川上 茂久 齋藤 恵理子 福岡 敏夫
出版者
日本野生動物医学会
雑誌
日本野生動物医学会誌 (ISSN:13426133)
巻号頁・発行日
vol.11, no.1, pp.25-30, 2006
参考文献数
29
被引用文献数
3 3

国内の3施設で飼育されていた18頭の成熟雄チーターから,経直腸電気射精法で採取した31サンプルの精液の性状を分析した。なお18頭中13頭は,繁殖歴がなかった。18頭の雄の精液の性状は,精液量が0.91±0.11ml,精液pHが8.1±0.1,総精子数が32.6±5.4百万,生存精子率が84.9±1.9%,精子運動指数が53.7±3.8,形態異常精子率が66.1±3.4%,正常先体精子率が68.5±5.1%で,これらの値は,他のチーターにおける報告値の範囲内であった。繁殖歴がある雄とない雄の精液を比較したところ,先体正常精子率以外のパラメーターについては,両者間で有意な差はみられず,繁殖歴がない雄の正常先体精子率(59.8%)も致命的なほど低くはなかった。以上の結果から,飼育下の雄チーターにおける低受胎の主因が,精液性状の低さである可能性は少ないと考えられた。

2 0 0 0 OA 碁経衆妙

著者
林元美 (爛柯堂) 著
出版者
日新館
巻号頁・発行日
vol.1, 1882