著者
林 春
出版者
滋賀大学教育学部
雑誌
滋賀大学大学院教育学研究科論文集 (ISSN:13444042)
巻号頁・発行日
no.13, pp.103-112, 2010

The previous research works have shown that it is usually difficult in Japanese honorific learning for Japanese-language teachers to supervise and for students to master. In order to solve the problem of Japanese honorific education, this paper propose to use honorific expressions in Haruki Murakami's short story, which are frequently appeared in a lot of conversation scenes of characters relationship, and explore the properties and the reasons of the used honorific and the treatment expression of the characters in the conversation scenes. Then according to the analysis results of the used honorific expression properties, we propose to use the short story 『Where is the place this and that thing seems to be found』 to analyze what can be mastered by honorific learning for middle- or high-level Japanese learner at the university in China, and based on these, we make learning and supervising plan for honorific education.
著者
遠又 靖丈 辻 一郎 杉山 賢明 橋本 修二 川戸 美由紀 山田 宏哉 世古 留美 村上 義孝 早川 岳人 林 正幸 加藤 昌弘 野田 龍也 尾島 俊之
出版者
日本公衆衛生学会
雑誌
日本公衆衛生雑誌 (ISSN:05461766)
巻号頁・発行日
vol.61, no.11, pp.679-685, 2014 (Released:2014-12-11)
参考文献数
10

目的 介護保険の統計資料を用いた研究において,健康日本21(第二次)の目標である「平均寿命の増加分を上回る健康寿命の増加」は,2011年から要介護 2 以上の認定者数が 1 年ごとに 1%ずつ徐々に低下した場合(健康寿命延伸シナリオ)に2020年に達成されうることが報告されている。本研究は,この健康寿命延伸シナリオを達成した場合の介護費・医療費の節減額を推定した。方法 要介護認定区分別の介護費・医療費(人口一人あたりの平均)の基礎資料として,介護給付費実態調査と宮城県大崎市の調査データを用いた。2011~2020年の自然経過(現状シナリオ)の要介護認定者数は,将来の人口構成が「日本の将来推計人口」のとおりで,年齢階級別の要介護認定者(要介護 2 以上で区分別)の出現割合が2010年と同じである場合とし推定した。次に,健康寿命延伸シナリオ達成による要介護認定者の減少人数を算出した上で,介護費・医療費の推定節減額を算出した。結果 各年次の要介護 2 以上の減少分がすべて「認定なし」に移行すると仮定した場合,2011~2020年の累計で 5 兆2,914億円が節減されると推定された。さらに要介護 2 以上の減少分がすべて「要介護 1」に移行すると仮定した場合,同期間の累計で 2 兆4,914億円が節減されると推定された。結論 健康日本21(第二次)の達成によって約 2 兆 5 千億円~5 兆 3 千億円の介護費・医療費の節減という,健康づくり政策の投資効果の目安が明らかとなった。
著者
小林 紀之 上原 貴夫
出版者
一般社団法人情報処理学会
雑誌
情報処理学会論文誌 (ISSN:18827764)
巻号頁・発行日
vol.43, no.10, pp.3056-3063, 2002-10-15
被引用文献数
5

ブリッジは,他のプレイヤーのハンドが見えない不完全情報ゲームであるため,チェス,将棋などの完全情報ゲームとは異なる難しさがある.最近のコンピュータブリッジでは,モンテカルロシミュレーションを基本としたアルゴリズムが主流である.すなわち,見えていないカードの可能な配置(世界)を多数生成し,各世界でダブルダミーブリッジ(すべてのハンドを見て完全情報ゲームとしてプレイをする)として,ゲーム木におけるミニマックス値を求め,次に出すカードを選ぶ.現在,コンピュータブリッジの実力は中級者レベルにとどまっている.その原因の1つは,このアルゴリズムが,見えている自分Pのハンドと矛盾しない世界のみを対象としている点にある.本論文では,上級者のプレイテクニックの1つとして知られるディセプティブプレイを発見するアルゴリズムを提案する.敵を騙すプレイを可能にするためには,出されたカードを観察した敵がどのようなハンドを想定するかをモデル化する必要がある.著者らは,経験則に基づいて推論を行うエージェントAを敵のモデルとし,敵から見た世界を生成した.この世界は多くの場合,自分Pのハンドと矛盾する.ディセプティブプレイを発見する方法として,敵Aから見た世界では敵に有利であり,かつ,自分Pから見た世界では自分に有利なプレイを探索することを提案した.このアルゴリズムを実装して,典型的な例題でその機能を確認した.The Contract Bridge is an incomplete information game,that is, a player cannot look at the other player's hands.Its difficulty is different from that of complete information games such as Chess and Shogi.The Monte Carlo simulation is the most popular technique for modern Computer Bridges.Many random deals (worlds) are generated.The best card to play is selected according to minimax value of a complete information game-tree search as the double dummy Bridge in each world.Computer Bridges have never win the game against top players.It is partially because the algorithm does not generate a deal inconsistent with the hand of the player P.This paper proposes an algorithm to find a deceptive play that is one of the techniques used by top players.An opponent is modeled as an agent A who guesses P's hand by rule-based knowledge.Worlds generated by A may be inconsistent with the P's hand.The proposed algorithm finds a play line that is the best for opponent in the worlds generated by A and also good enough for P in the worlds generated by P.The algorithm is implemented and tested for some typical examples.
著者
小泉 進次郎 小林 史明 村井 英樹
出版者
日経BP社
雑誌
日経ビジネス (ISSN:00290491)
巻号頁・発行日
no.1889, pp.28-32, 2017-05-01

小泉進次郎氏 2015年末に高齢者に3万円の臨時給付金を配る議論が持ち上がりました。予算総額で4000億円もの規模です。一方で、少子化対策には財源がないと言う。
著者
小林 隆
出版者
佛教大学教育学部
雑誌
教育学部論集 = Journal of the Faculty of Education (ISSN:09163875)
巻号頁・発行日
no.24, pp.21-33, 2013-03

「知識基盤社会」では、「知識の消費者」ではなく「知識の創造者」を育てることが求められる。このような基本的視座から、本小論では子どもと切り離された現実社会を知識として転移するのではなく、現実と結びついた経験に基づいて子どもと教師・子どもと子ども・教室と地域社会などの社会的関係性の中で知識を構築している「社会科の初志をつらぬく会」実践を再評価した。そして、「知識は社会的に構成される」との構成主義の立場から、実践における集団思考と知識構築の様相を読み取った。研究の結果、集団思考において頑なに認識を変えない子、柔軟に認識を変容する子、集団思考が深まる場面でキーとなる子どもが存在することが明らかになった。そして、これらの子どもの意見を中心として、集団思考による知識の調整や再構成が行われ、概念的知識が社会的に構成されたことが明らかになった。社会科の初志をつらぬく会構成主義集団思考知識構築
著者
栗本 桂二 磯島 修 直良 有香 穴田 高 小林 芳友 小林 充治 新井 英雄 高柴 正悟 難波 秀樹 横山 雅之 光田 由可 水島 ゆみ 野村 慶雄 村山 洋二 上田 雅俊 寺西 義浩 藤原 一幸 橋爪 彰子 釜谷 晋平 細山 陽子 上羽 建二 大西 和久 白井 健雄 大橋 哲 東 浩介 木岡 慶文 南林 繁良 田中 真弓 北村 卓也 牧草 一人 山岡 昭 浦口 良治 萩原 さつき 福田 光男 小田 茂 林 成忠 竹蓋 弥 米良 豊常 峯岸 大造 梅田 誠 中元 弘 稲富 洋文 ラーシイシン ナロンサック 野口 俊英 石川 烈
出版者
特定非営利活動法人 日本歯周病学会
雑誌
日本歯周病学会会誌 (ISSN:03850110)
巻号頁・発行日
vol.30, no.1, pp.191-205, 1988-03-28 (Released:2010-08-25)
参考文献数
17
被引用文献数
5 2

塩酸ミノサイクリン (MINO, 日本レダリー, 東京) を用いて歯周炎の局所治療法を確立するための研究を行なってきた。本研究は, MINOを2% (力価) に含有する軟膏製剤 (LS-007) を臨床的に用い, その有効性, 安全性ならびに有用性をもとに用法を検討したものである。4mm以上のポケットを有する辺縁性歯周炎患者45名の119歯を被験歯とし, LS-007とそのプラセボ, および市販のミノマイシン錠 (日本レダリー) を用い, 微生物学的および臨床的に用法を検討した。その結果, LS-007の局所投与は歯周病治療において, 臨床的有効性, 安全性および有用性があると結論した。
著者
吉川 亮平 小原 香耶 三浦 士郎 小林 信周 吉田 光宏
出版者
公益社団法人 日本栄養士会
雑誌
日本栄養士会雑誌 (ISSN:00136492)
巻号頁・発行日
vol.63, no.7, pp.381-386, 2020 (Released:2020-07-01)
参考文献数
27

認知症高齢者は認知機能の障害とそれに伴う行動心理症状により転倒リスクが高く、転倒による骨折が患者の生活の質のみならず、認知症進行への関与が予想されることからも、骨量の評価は極めて重要と考えられる。本研究では、独立行政法人国立病院機構北陸病院の認知症外来受診者における骨量の実態を調査するとともに、栄養状態等との関連性について検討を行った。骨量の評価には超音波骨密度測定装置を用い、踵骨部における音響的骨評価値(OSI)を測定した。対象者の平均OSIは、男女ともに若年成人平均値よりも著しい低値を示した。OSIを目的変数とした重回帰分析の結果、男性ではBMIとヘモグロビン濃度、女性では年齢、赤血球数、手段的日常生活動作が寄与因子として認められた。認知症外来受診者のOSIが低値であることを認め、骨粗鬆症対策や転倒予防の重要性が示唆された。また、男性は骨量と栄養状態に関連性を認めたが、女性は外来受診時の骨量と栄養状態に顕著な関連性は見られず、若年時からの一次予防が重要であると考えられた。
著者
林 新 福田 豊
出版者
日本社会情報学会
雑誌
日本社会情報学会全国大会研究発表論文集 日本社会情報学会 第26回全国大会
巻号頁・発行日
pp.321-326, 2011 (Released:2012-03-20)

Ministry of Health, Labour and Welfare discusses informatization of prescription. That is called e-prescription. But it's not enough to discuss its framework considering that Japanese separation of medical practice and drug dispensing is progressed with particular context and some significant problems. This paper shows the problem's points with preceding studies, the framework of e-prescription refering to MHLW's discussion and its impact to solve the problems.
著者
淺沼 由美子 北原 里恵 林田 優季 青山 裕美
出版者
公益社団法人 日本皮膚科学会
雑誌
日本皮膚科学会雑誌 (ISSN:0021499X)
巻号頁・発行日
vol.129, no.10, pp.2165-2172, 2019-09-20 (Released:2019-09-20)
参考文献数
15

本邦では,医療費削減政策と,ヒトでの有効性評価が必須でないため,ジェネリック外用剤の市場占有率が増大している.我々はヘパリン類似物質含有保湿クリーム(水中油型)が基礎発汗を誘導し角層水分量を増加させることを見いだした.そこでヘパリン類似物質含有保湿クリーム後発品の保湿効果をimpression mold法で基礎発汗能を含めて先発品と比較した.後発品は角層水分量が増加せず,基礎発汗が同等に増加しなかった.保湿外用剤後発品の薬効評価は,角層水分量,基礎発汗誘導能などヒトでの複数の生物学的同等性試験で評価する必要があると考える.
著者
横山 友里 吉﨑 貴大 多田 由紀 岡田 恵美子 竹林 純 瀧本 秀美 石見 佳子
出版者
特定非営利活動法人 日本栄養改善学会
雑誌
栄養学雑誌 (ISSN:00215147)
巻号頁・発行日
vol.79, no.3, pp.162-173, 2021-06-01 (Released:2021-07-09)
参考文献数
48
被引用文献数
1

【目的】食品の栄養価を総合的に判断できるよう,特定の栄養素等の含有量で食品を区分またはランク付けする「栄養プロファイルモデル(以下,NPモデル)」が諸外国の栄養政策で活用されている。本研究では,諸外国のNPモデルを調査し,日本版NPモデル策定のための基礎資料の作成および課題整理を行うことを目的とした。【方法】第41回コーデックス委員会栄養・特殊用途食品部会の議題「NPモデル策定のための一般ガイドライン」で共有された既存のNPモデル(97件)の一覧表を用い,対象モデルを抽出した。【結果】採択条件に該当しないモデル(計75件)を除き,調査対象のモデル22件の開発国の内訳は,中南米(1件),北米(5件),欧州(5件),中東(1件),大洋州(2件),アジア(6件),国際機関(WHOの地域事務所)(2件)であった。食品の包装前面の表示(11件),ヘルスクレーム付与に対する制限(5件)を目的としたモデルは一般集団が対象であり,広告規制を目的としたモデル(6件)は子供が対象であった。モデルタイプは閾値モデルが16件,スコアリングモデルが5件,混合モデルが1件で,多くのモデルで摂取を制限すべき栄養素等として,熱量,脂質,飽和脂肪酸,トランス脂肪酸,糖類,ナトリウムを設定していた。【結論】日本版NPモデルの策定にむけた検討課題として,対象栄養素,食品のカテゴリー分類,モデルタイプの設定等が示された。
著者
陳 林林 高橋 孝治
出版者
科学・技術研究会
雑誌
科学・技術研究 (ISSN:21864942)
巻号頁・発行日
vol.5, no.2, pp.235-237, 2016 (Released:2017-01-12)

日本では法学と数学という学問分野の断絶は著しい。しかし、かつては数学的論理を用いて法学の学術体系を構築しようとした時代もあった。本稿は、このような法学と数学には実は密接な関連があるということを、外国の先行研究を翻訳し、紹介するものである。本論は、ライプニッツが幾何学的モデルを参考に法学の体系を形成していったことについて述べる。しかし、数学は実在しない観念的な概念を用いることもあり、この点で現実社会に用いる法学とは異なる点もあるということを述べる。