著者
公文 富士夫 金丸 絹代 田原 敬治 角田 尚子 山本 雅道 林 秀剛
出版者
日本地質学会
雑誌
地質學雜誌 (ISSN:00167630)
巻号頁・発行日
vol.111, no.10, pp.599-609, 2005-10-15
被引用文献数
3 12

木崎湖において2003年12月に採取した35cm長の柱状堆積物について検討し, 1969年以降の3回の大洪水の層準を認定した.その年代をもとにして平均堆積速度を求め, 有機炭素含有率の経年的な変化を求めた.一方, 1981年以降に木崎湖で行われてきた毎月の湖沼観測記録をまとめ, 21年間のクロロフィルα量の経年的な変化を明らかにして, 湖水中の生物生産量の指標とした.また, アメダス気象観測資料を用いて, 気温や降水量などの気象要素の資料を得た.これら3者間の相関を検討して, 有機炭素含有率は, 年間クロロフィルα量および冬の平均気温と有意な相関をもつことを見出した.冬の暖かさ(厳しい冬の短さ)が冬季の生物生産性を高め, それが年間の生物生産量に影響を与えて, 堆積物として沈積する有機物量を増加させたと考えられる.湖沼堆積物中の有機炭素含有率は, 過去の気温(冬の平均気温)の指標として有効である.
著者
西中川 駿 大塚 閏一 林田 重幸
出版者
鹿児島大学
雑誌
鹿兒島大學農學部學術報告 (ISSN:04530845)
巻号頁・発行日
vol.16, pp.91-98, 1966-03-14

家畜の乳房血管系の研究として, さきに山羊28例の乳房血管分布について報告したが, 今回は乳牛(Holstein)14例の乳房血管分布を肉眼的に精査し, その走行および分岐状態を明らかにした.1.乳房に分布する動脈はA.pudenda ext.とA.perinealisがある.しかしこのA.perinealisの乳房実質への分布はほとんどみられなく, 乳房後部および乳鏡の皮膚に分布し, 乳房上リンパ節枝からの分枝と吻合する.A.pudenda ext.は一般に, A.subcutanea abdominisを分岐して, A.mammariaになると記されているが, 検索した乳房全例ともこのA.subcutanea abdominisはA.mammaria cranialisの移行枝としてみられた.2.A.mammariaは後乳区の乳房基底部で乳房実質に入り, 直ちにA.mammaria cranialisとA.mammaria caudalisとに分かれる.A.mammaria cranialisは後乳区の実質と後乳頭に達する枝を分け, さらに前乳区実質および前乳頭に分布する内側乳腺動脈を分けて, A.subcutanea abdominisに移行する.A.mammaria caudalisは乳房上リンパ節へ枝を分け, 後乳区実質に広く分布して, 後乳頭に達する.前後の乳区間の動脈吻合枝として, A.mammaria cranialisからの後乳頭枝がみられ, 左右乳区間には内側乳腺動脈からの分枝と乳房上リンパ節枝からの分枝がみられた.3.A.mammariaからの枝の分かれ方に4つのTypeがあり, そのTypeと出現頻度についてはFig.5に示した.4.静脈はおおよそ動脈に随伴して走り, 外径は同名の動脈の約2〜3倍の大きさで, 乳房基底面および腹面では左右の静脈が連絡し, いわゆる静脈輪を形成している.5.従来, 血液の流出する径路にはV.pudenda ext., V.subcutanea abdominisおよびV.perinealisの3つの径路があると記されている.しかし, 静脈弁の位置と構造からして, V.perinealisは乳房から血液の流れ去る径路とはならず, むしろ乳鏡付近でこの静脈に入つた血液は乳房に向い, 会陰静脈吻合枝, V.mammaria caudalisを通り, V.pudenda ext.へ流れると考えられ, また乳房を環流した血液はV.subcutanea abdominisよりもV.pudenda ext.へ流れ去るものが多いと考えられる.
著者
松元 光春 西中川 駿 九郎丸 正道 林 良博 大塚 閏一
出版者
社団法人日本獣医学会
雑誌
日本獣医学雑誌 (ISSN:09167250)
巻号頁・発行日
vol.54, no.5, pp.937-943, 1992-10-15
被引用文献数
6

妊娠および泌乳期のマウス乳腺における毛細血管の微細構築の変化を血管鋳型で走査電顕により, また微細構造の変化を透過電顕および形態計測を用いて検索した. 血管鋳型の走査電顕観察では, 妊娠に伴って導管周囲の毛細血管叢から盛んに血管が新生され, 分岐と吻合を繰り返しながら, 導管や腺胞を密に取り囲み, 籠状の構築を形成していた. 泌乳期でもこの血管構築は維持され, しかも毛細血管は蛇行していた. 透過電顕観察と形態計測学的検索から, 内皮細胞内の飲小胞の密度は妊娠18日目から泌乳5日目に処女期の約2倍に, さらに泌乳10〜20日目には3倍に増加し, 離乳期に漸減した. 辺縁ヒダや微絨毛様突起の長さは妊娠に伴って漸増し, 泌乳5〜15日目に最大となり, その後漸減した. また, 毛細血管は妊娠末期から泌乳期にかけて壁が薄く, しかも腺胞に極めて接近していた. さらに腺胞の上皮細胞では, 泌乳期に基底陥入がよく発達していた. これらの所見から, 乳腺の毛細血管ほ乳汁産生に必要な物質の輸送に重要な役割を果たしていることが示唆された.
著者
本田 剛 林 雄一 佐藤 喜和
出版者
The Mammal Society of Japan
雑誌
哺乳類科学 (ISSN:0385437X)
巻号頁・発行日
vol.48, no.1, pp.11-16, 2008-06-30
被引用文献数
4

農業被害を引き起こすイノシシの行動を明らかにするため,被害を受ける農地と森林の境界となる林縁周辺で捕獲した個体を対象とし,季節及び時間ごとの環境選択を解析した.2004~2005年の5~11月にイノシシを6頭捕獲・追跡し,標高及び植生に対する選択性を一般化線形混合モデルにより調べた.このうちの1個体は森林外で一度も確認されず,林縁から1,000 m以上離れた林内まで利用した.一方,森林外を利用した5個体のイノシシの内,4個体は林縁周辺を集中的に利用した.森林外を利用した個体の環境選択を季節及び時間別にみると,春夏期の日中は低標高地と森林内を好み,夜間は低標高地と森林外を選択的に利用した.森林外の利用地は主に農地と耕作放棄地であった.以上のことから,農地を加害するイノシシの捕獲は,林縁周辺で実施することが効果的であると結論した.<br>
著者
木村 純子 野田 恵子 楠田 康子 林原 礼子 近藤 泰子 白川 孝子 桜井 宏子 横手 香代 細澤 仁 中田 裕久 馬場 久光
出版者
神戸大学保健管理センター
雑誌
神戸大学保健管理センター年報 (ISSN:09157417)
巻号頁・発行日
no.23, pp.83-88, 2003-04

神戸大学で,2年次学生を発端者とする結核集団感染が発生した。その後の調査により,この学生が神戸大学に入学する2ヶ月前に,高校3年次の同級生が'排菌'を伴う結核で入院していた事が判明した。また,他の大学に進学した当時の同級生2名と副担任1名も,神戸大学における発端者とほぼ同時期に結核を発病していた。結核菌のDNA分析により,神戸大学における結核集団感染の発儒者と同級生2名および副担任1名の起炎菌は同一株と判明し,これら4名の者は全て,高校3年次の患者から感染し,約1年~1年半を経て発病したものと考えられた。翌春,新入生全員 (3,871名)に「入学以前の結核感染の機会」など'結核'に関する質問項目を含む健康調査を実施した。調査用紙を提出した3,797名(回収率 98.1%)の中に,「結核治療中の者」はいなかったが,「過去に結核の治療を受けた者」が14名(0.4%)存在した。また,「結核で入院したり,入院している人が周囲にいる者」が118名(3.1%)〔(1)現在5名,(2)過去1年以内36名,(3)過去1~2年16名,(4)3年以上前61名〕存在した。神戸大学における事例や,結核菌感染から発病までの一般的な期間に鑑み,(1)~(3)の計57名は,新入生健康診断時の胸部X線撮影では異常がなくても,在学中に結核を発病する可能性の高い集団と考えられた。以上のことから,新入生に対して「入学以前の結核感染の機会」について調査することは, 発病の可能性の高い学生を予め把握し,結核集団感染を未然に防ぐ上で極めて有用であると考えられた。
著者
林 智幸
出版者
広島大学大学院教育学研究科
雑誌
広島大学大学院教育学研究科紀要 第三部 教育人間科学関連領域 (ISSN:13465562)
巻号頁・発行日
no.51, pp.271-277, 2002

The theory of Big Five is an effective model, in which the personality structure is described in terms of extraversion, agreeableness, conscientiousness, emotional stability, intellect. Big Five was originally developed as a tool for the personality description of adults, but has proved effective also for developmental research. From childhood through adolescence and adulthood, many questionaaire studies revealed the 5 factor personality structure. On the other hand A individual difference in infancy and early childhood is studied in terms of ""temperament."" The relation between Big Five and temperament in not clear. Hogekull(1994) presented a hypothetical relation between Big Five and temperament, and assumed that Big Five develops from the temperament dimensions of Emotionality, Activitity, Sociability, Impulsivity, Shyness of EASI, which appear to be related with Intensity/Activity, Approach-Withdrawal, Attentiveness, Manageability of TBQ.

1 0 0 0 OA 護国女太平記

著者
桃川燕林 講演
出版者
求光閣
巻号頁・発行日
vol.上巻, 1899
著者
岡留 美穂 林 好子 中川 和秀 大野 信子 オカドメ ミホ ハヤシ ヨシコ ナカガワ カズヒデ オオノ ノブコ Miho OKADOME Yoshiko HAYASHI Kazuhide NAKAGAWA Nobuko OHNO
雑誌
和洋女子大学紀要. 家政系編
巻号頁・発行日
no.48, pp.45-54, 2008-03

1.パン生地の膨化比較 製粉方法を異にする5種類の米粉を用いてパン生地の発酵状態を比較した結果、気流式粉砕およびロール粉砕により得られた米粉において良好な発酵が見られた。これに対して高速製粉の生地は、比較的膨らみやすいが、発酵状態がやや劣るものであった。また、水挽製粉の米粉は吸水率が高く他の米粉と同一条件では生地が硬く水分が足りないようであった。石臼方式粉砕においては生地が粘土状になり、気泡が出来にくく膨らみが悪かった。2.製パン性の比較 5種類の米粉を使用して、同一条件において発酵パンを製造し、製造過程における生地の伸展性や弾力性、発酵時の膨化などについての比較を行った。また焼き上がったパンの形態、内部に生じた気泡の様子、食感などについての結果をまとめた。丸パンおよび食パン製造において、気流式粉砕およびロール粉砕の米粉生地は良く膨らみ、パンの形態や内部の気泡の状態が良好な製品となった。ふんわりと軟らかく、米粉特有のモテモテ感があるおいしいパンに仕上がった。一方、高速粉砕の米粉生地はザラザラした感触があったが、焼き上がりのパン表面は滑らかで軟らかく、丸パンのような小型パンを作るには適していると思われたが、食パンの場合は窯落ちして高さが低く、製品の形態はやや劣るものであった。また、水挽製粉の米粉生地は最も吸水するが、加水しても伸びが悪く、発酵後にガスの抜けた孔がみられ、窯落ちしてしまい、表面が硬く気泡の詰まった重量感のあるパンとなった。石臼方式粉砕の米粉生地も弾力のない粘上状になり、加水量を増やしても伸びが悪く発酵が進まないため、最も小さいパンに仕上がった。水挽製粉と石臼方式粉砕の米粉は、丸パン・食パンともに製パンに適さないと思われた。以上の結果より、パンの加工に最も適した米粉の製粉方法は、気流式粉砕とロール粉砕であった。
著者
小林 由子
出版者
北海道大学高等教育推進機構国際教育研究部
雑誌
日本語・国際教育研究紀要
巻号頁・発行日
vol.23, pp.37-57, 2020-03

日本語・日本文化研修留学生制度は、日本国外で日本語・日本文化を専攻する学部学生が原則として1年間日本の大学に留学するものである。2019年現在、全国73大学において大使館推薦国費留学生を中心に受け入れが行われている。北海道大学では、1981年から受け入れが始まり、その後、言語文化部に日本語・日本文化研修コース(本稿では修了要件を備えた一連の科目群を「コース」と称する)が設置された。1991年に留学生センターが設置されて以降、数回の制度改革を経て、2019年現在、1年コース定員40名、半年コース定員各期20名、年間合計定員80名と、日本語・日本文化研修プログラムとしては全国最大の規模の受け入れを行っている。この制度改革には、北海道大学における留学生教育受け入れ制度の変化・協定大学との学生交流強化・カリキュラムおよび履修科目の見直し・内規改訂など様々な側面がある。本稿では、資料にもとづいて北海道大学における日本語・日本文化研修プログラムの変遷と制度改編について詳述し、北海道大学における日本語教育の歴史的変遷、および日本語・日本文化コースの展望について考察する。
著者
桑水流 理 松村 圭悟 アギアルデソウザ ヴィニシウス 小林 正和 戸田 裕之
出版者
一般社団法人軽金属学会
雑誌
軽金属 (ISSN:04515994)
巻号頁・発行日
vol.64, no.11, pp.570-575, 2014
被引用文献数
4

The crack initiation mechanism of cast aluminum alloy was addressed to quantitatively evaluate the fatigue strength. We employed the synchrotron radiation microtomography to visualize the three-dimensional damages around pores and silicon particles. Two types of specimens underwent a low-cycle fatigue test. The temperature of solution treatment was different, and it yielded a difference in the shape, size and distribution of silicon particles. After a certain cycles of fatigue, a catastrophic damage around many silicon particles occurred, and they connected to each other so as to form a crack especially within the high stressed region around a relatively large pore. The scanning electron microscopy after the test showed that the type of damage was the breakage of long-shaped silicon particles or the aluminum–silicon interface debonding of round silicon particles. The high temperature solution treatment facilitated the interface debonding by the enlargement of silicon particles.
著者
今林 広樹 石巻 優 馬屋原 昂 佐藤 宏樹 山名 早人
雑誌
情報処理学会論文誌データベース(TOD) (ISSN:18827799)
巻号頁・発行日
vol.10, no.1, pp.1-12, 2017-03-22

医薬品や遺伝子などの機密性の高いデータに対する各種処理をクラウドなどの第三者のサーバ上で行う場合,第三者のサーバからの機密情報漏洩が懸念される.解決策として,機密情報そのものではなく匿名化したデータを第三者のサーバに保存し各種処理を行う方法が考えられるが,医療分野など,処理の正確性が求められる分野では匿名化を採用することが困難である.この問題を解決するため,本稿では,完全準同型暗号(FHE: Fully Homomorphic Encryption)を用いてデータを秘匿した状態で各種処理を行うことを考える.そして,各種処理の対象として頻出パターンマイニングを取り上げる.FHEを用いた各種処理を行ううえでの問題は,膨大な時間・空間計算量を要する点である.FHEの頻出パターンマイニング手法への適用例としては,Aprioriアルゴリズムを対象としたLiuらのP3CCがあるが,やはり膨大な時間・空間計算量を要する.これに対して本稿では,1) 暗号文パッキングによる暗号文数の削減,および2) 暗号文キャッシングによるサポート値計算の高速化によって,時間・空間計算量を削減する手法を提案する.実験評価では,10,000トランザクションのデータセットにおいて,P3CCの430倍の高速化と94.7%のメモリ使用量削減を達成した.
著者
薬師寺 俊剛 川添 泰弘 加藤 悌二 高木 克公 林田 佳子
出版者
西日本整形・災害外科学会
雑誌
整形外科と災害外科 (ISSN:00371033)
巻号頁・発行日
vol.52, no.4, pp.746-749, 2003 (Released:2005-02-18)
参考文献数
13

We report the diagnostic utility of diffusion-weighted MR images in primary soft tissue tumors. Diffusion-weighted echo-planar imaging was performed in seventy-seven patients with primary soft tissue tumors (benign: 37 cases, malignant: 40 cases). The apparent diffusion coefficient (ADC) was determined from each image. The average ADC of benign cases was 1.53±0.26, and that of malignant soft tissue tumors was 1.31±0.63. In addition, except for three giant cell tumors of soft parts and 11 myxoid type sarcoma cases, ADC of benign soft tissue tumors was 1.58±0.19, and that of malignant soft tissue tumors was 0.94±0.19. This malignant soft tissue tumor ADC valve was significantly lower than that of the benign tumor group (p<0.0001). This indicates that diffusion-weighted imaging is useful in the differential diagnosis of primary soft tissue tumors.
著者
木暮 槇太 中島 誠 高橋 幸吉 稲神 馨 須藤 芳三 待田 行雄 林 禎二郎 平尾 常男 五十嵐 三郎 仲野 良男 竹林 克明 吉田 徳太郎 宮内 潔 江口 正治 林 幸之 佐々木 周郁 渡辺 忠雄 近藤 義和 渋谷 勲 須貝 悦治 田中 茂光 小山 長雄 田中 一行 竹田 寛 竹鼻 孝夫 室賀 明義 蒲生 俊興 高橋 保雄 西村 浩 長谷川 金作 森 幸之 永友 雄 梅谷 与七郎 中村 晃三 松本 介 宮沢 正明 加藤 康雄 土橋 俊人 高木 直温 柳沼 泰衛 小野 四郎 村山 隆之 近森 俊哉 辻 辰四郎 小川 敬之 小松 四郎 大岡 忠三 妹尾 計一 森本 宏 梶浦 みち子 萩原 清治 瓶子 まち子 中条 紀三 高木 春郎 飯島 荘資 横内 和多良 清水 滋 堀内 彬明 堀内 ちよし 原田 忠次 木村 敬助 青木 秀夫 後藤 四男 小林 恵之助 皆川 基 皆川 豊作 岡村 源一 小河原 貞二 村山 穰助
出版者
社団法人 日本蚕糸学会
雑誌
日本蚕糸学雑誌 (ISSN:00372455)
巻号頁・発行日
vol.25, no.3, pp.244-255, 1956-06-28 (Released:2010-11-29)

蚕卵発育中に於けるPhasphataseの組織化学的所見2雄核の接合に関する細胞学的観察カイコガのモザイク複眼の構造とできかた家蚕蛹の頭部が産卵に及ぼす影響家蚕の血組織に関する生理学的研究 (II) 蛹の発育に伴う囲心細胞及び周気管細胞中の遊離アミノ酸の消長家蚕その他数種絹糸虫における誘引物質の共通性と類縁関係に関する研究蚕種の冷蔵障害と水銀塩による沈澱物前胸腺移植後の結紮と絹糸腺の成長家蚕のフラビン化合物に関する研究 (V) 蛹の器官特に中腸におけるフラビン化合物について (予報)家蚕の計量的形質と脳-食道下神経節連合体の機能追加7.白殫病菌の蚕卵への接種試験繭・繊維の部熱風乾燥に関する研究 (II)繭解じよの向上についての研究 (IV) 病蚕成立繭特に硬化病, 軟化病, 膿繭蚕繭の性状繭及び生糸の繊度変異に関する研究 (9) 定粒生糸と定繊度生糸の性能比較について生糸の摩擦係数に関する研究 (7) 精練度と摩擦係数について糸条斑と繰糸管理について生糸の練減率測定に関する2, 3の知見絹の膨潤現象から見た中心層発現の-所見チオ尿素樹脂の還元性について繭層セリシン溶液の粘度吐糸営繭に伴なう繭形の変化 (続)営繭条件と分離細繊維との関係フイブロインの糸条形成について (VIII) フイブロインの溶液中における分散状態について絹糸構造の研究 (I)酵素製糸の研究 (II)酵素精練の研究 (II)追加8. 落緒に関する研究 (II) 落緒形態の出現率とその分布
著者
小林 昌弘
出版者
公益社団法人 応用物理学会
雑誌
応用物理 (ISSN:03698009)
巻号頁・発行日
vol.89, no.6, pp.348-352, 2020-06-10 (Released:2020-06-10)
参考文献数
31

IoTという概念が広く知られるようになってから10年ほどが経過しました.すでに私たちの生活の中にもスマートフォンをはじめ,ネットワークに常時接続されることを前提としたさまざまなデバイス(Things)が浸透してきています.それら“Things”にとって,外の情報を取り込んで“Things”自身が自律的に有効に動作するために欠かすことのできない電子デバイスの1つが,“Things”の「眼(め)」となるイメージセンサです.この記事では,今後もますます広がるIoT時代を支えるイメージセンサ技術について,国際学会などで報告されている最先端のイメージセンサ関連技術などの紹介を交えながら述べたいと思います.
著者
林 知里 早川 和生 前田 知穂 西原 玲子 尾ノ井 美由紀
出版者
日本公衆衛生学会
雑誌
日本公衆衛生雑誌 (ISSN:05461766)
巻号頁・発行日
vol.55, no.10, pp.701-715, 2008 (Released:2014-07-01)
参考文献数
35

目的 双生児は単胎児に比べてことばの発達が遅れることが報告されており,その原因として「双子だけで通じる独自のことば(以下 twin language とする)」が注目されている。本研究では,twin language と学童期における社会性の発達の関係を明らかにすることを目的とした。方法 1999年にツインマザースクラブの会員の親2,733人に自記式質問紙を郵送,回答のあった1,428人(52%)への 5 年後の追跡調査として,2004年に追跡可能であった958人に自記式質問紙を郵送,516人から回答を得た(53.9%)。このうち,学童期(6 歳~12歳)の261組(522人)を分析対象とした。双生児の社会性については,「TS 式幼児・児童性格診断検査」を用いて評価した。結果 双生児ペアのうち第 1 子と第 2 子では異なる結果となった。第 1 子では,「社会性」,「学校適応」,「家庭適応」の 3 領域の合計得点で判定される「社会的不安定」において有意な関係は認められなかった。一方,第 2 子については,出生時体重が2500 g 未満の児は2500 g 以上の児と比べて1.846倍(95%CI: 1.039-3.278, P<0.05),妊娠中に妊娠高血圧症候群(妊娠中毒症)と診断された母親から生まれた児はそうでない児と比べて1.903倍(95%CI: 1.044-3.467, P<0.05),twin language を話していた児は話さなかった児と比べて2.022倍(95%CI: 1.167-3.503, P<0.05)多かった。結論 今回の調査により,乳幼児期の twin language が学童期の社会性の発達に関与することが明らかとなったため,乳幼児健診時における医師,保健師,心理職からのフォローアップ,保育園や幼稚園に通わせるなどで他の大人や子どもとの関係性を築く機会を多く作ること,双生児に対して個別的に関わる時間を多くもつように親に指導するなど,言語発達を促すための積極的な介入が必要であると考えられる。また,双生児の親の会などを組織的に活用し,双生児の親の子育てをサポートしていく必要がある。