著者
天岩 靜子 増田 桃子 Shizuko Amaiwa Masuda Momoko
巻号頁・発行日
vol.11, pp.211-225, 2013-03-31

絶対音感保有者は、ある音高を他の音高を参照することなく、音楽的音高名で即座に同定することができる。音を音階名(言語)として認識できるのである。そこで、3 種類の音(ドラム、ピアノ、階名の発声音)を聴きながら視覚的に現れる数字を記憶する課題を与え、脳前頭のどの部位が活性化するかを、fNIRS(functional Near-Infrared Spectroscopy:機能的近赤外分光分析法)を用いて測定した。前頭部位を、(1)中央の前頭葉+ 前頭前野背外側部、(2)右下前頭、(3)左下前頭に分けて検討した結果、絶対音感保有者は、非保有者に比べてピアノ音に対して敏感であり、数字の記憶課題解決の際には、ピアノ音がある場合に前頭の中央部と言語野のある左下前頭で活性化が著しく、干渉効果が認められた。絶対音感保有者は前頭の左部分で数字の記憶をする一方、ピアノ音についても同じ脳部位で処理していることが確認された。
著者
須田 桃子
出版者
公益財団法人 日本学術協力財団
雑誌
学術の動向 (ISSN:13423363)
巻号頁・発行日
vol.26, no.5, pp.5_63-5_67, 2021-05-01 (Released:2021-09-24)
参考文献数
1

近年、日本は「出口志向」と「選択と集中」を特徴とする科学技術政策を推し進めてきた。その象徴とも言えるのが、林立するトップダウン型の研究開発プロジェクトだが、多額の国費を投じながら、期待されたような成果が出ているとは言い難い。「誇大広告」や課題責任者の選考での「やらせ公募」、検証なき後継プロジェクトの実施──などの問題も生じた。これらのプロジェクトで采配を振るう「科学技術の司令塔」、総合科学技術・イノベーション会議(CSTI)の構成や役割がその前身からどう変遷してきたかを考察する。一方、「選択と集中」の裏側では、基盤的経費が削減されたことにより多くの大学が困窮し、研究の裾野が脅かされている。さまざまなデータで日本の研究力の衰退が指摘されるようになって久しい。科学技術基本法が掲げる「科学技術創造立国」を幻としないための処方箋は何か。高い研究力を誇る沖縄科学技術大学院大学の運営にヒントを探る。
著者
海野 桃子 安藤 秀俊
出版者
一般社団法人 日本科学教育学会
雑誌
日本科学教育学会研究会研究報告 (ISSN:18824684)
巻号頁・発行日
vol.22, no.1, pp.99-102, 2007 (Released:2018-04-07)
参考文献数
17

現在,理科の自由研究は,学校における理科教育の一端として広く行われている。しかし,学習指導要領においては,明確に記されてはおらず,自由研究の歴史的背景や今日までの経緯についてはあまり知られていない。そこで本研究では,理科の自由研究の明治時代から現在までの流れと教師の役割などについてまとめた。更に附属小学校の児童に自由研究についての好き嫌い,楽しさ,頑張り,やる気などのアンケート調査を行った。
著者
東 由美子 時実 象一 平野 桃子 柳 与志夫
出版者
デジタルアーカイブ学会
雑誌
デジタルアーカイブ学会誌 (ISSN:24329762)
巻号頁・発行日
vol.3, no.1, pp.35-40, 2019-01-07 (Released:2019-02-18)
参考文献数
20
被引用文献数
1

欧米と比較すると、我が国ではデジタル編集導入以前の過去に発行された地方新聞のデジタルデータは、活用以前に公開自体ほとんど進んでいない。しかし、古い新聞原紙の劣化の進行、地方紙の地域における役割の重要性等に鑑みて、過去の地方紙のデジタル化は今後の我が国のデジタルコンテンツ形成、及びデジタルアーカイブ構築にとって極めて重要な課題といえよう。筆者らは2017年2月から5月に日本新聞協会の協力を得て、協会に加盟する地方新聞社73社に対し、デジタル化に関するアンケート調査をおこなった(回収率64.4%)。本稿ではその概要について報告し、地方紙のデジタル化やデータの公開に関する課題、問題点等を検討する。
著者
伊達 桃子
出版者
奈良学園大学
雑誌
奈良学園大学紀要 = Bulletin of Nara Gakuen University (ISSN:2188918X)
巻号頁・発行日
vol.5, pp.101-111, 2016-09

人形に命を仮託する物語、いわゆる人形ファンタジーの中には、人形怪談と呼ばれる恐怖を喚起する物語群がある。それらを分類し、死者が取り憑く人形、未来を改変する人形、人間と入れ替わる人形の3つの類型を見出す。さらに、おのおのの類型において、恐怖を生み出す源泉を探り、主人公の内面的問題が恐怖と密接に結びついていることを明らかにする。ある種の物語では、内面的問題そのものが人形の姿を取って立ち現れ、恐怖を克服することが、問題の解決または認識につながっている。さらに、恐怖が子どもや思春期の主人公および読者にもたらす効用について考察し、自我の確立と力の制御、異なる視座の獲得、他者への共感と歴史理解という3つの効用があることを主張する。
著者
湯川 尚一郎 加門 由理 木川 祐菜 田中 蓮華 横田 桃子 大島 誠之助 古川 敏紀 仲 克己
出版者
日本ペット栄養学会
雑誌
ペット栄養学会誌 (ISSN:13443763)
巻号頁・発行日
vol.21, no.1, pp.27-31, 2018-04-10 (Released:2018-05-18)
参考文献数
23

ドッグフードへのサルモネラ属菌の混入に注目し、日本国内で販売される犬用ドッグフードを対象に調査を行った。方法は「愛玩動物用飼料等の検査法(27消技第1051号)」に従った。対象製品は27社の犬用ドライフードから選択した国産フード63製品、輸入フード47製品とした。輸入フードの原産国の内訳は米国14製品、オランダ7製品、タイ・カナダ・フランスが6製品、オーストラリア5製品、スウェーデン2製品、チェコ1製品であった。その結果、サルモネラ属菌は、今回調査した、すべての製品で陰性であった。
著者
赤坂 文弥 中谷 桃子 木村 篤信
出版者
サービス学会
雑誌
サービソロジー論文誌 (ISSN:24355763)
巻号頁・発行日
vol.4, no.1, pp.10-17, 2020 (Released:2021-07-30)
参考文献数
70

The aim of this paper is to clarify the overview of past researches related to Service Design (SD). As an initial step to achieve this purpose, we exploratory surveyed papers that widely reviews past and current SD research. We selected the papers through the Web search using Google Scholar. On the basis of this survey, we found five academic areas that strongly influenced current SD research, such as (1) Service Marketing / Management, (2) Interaction Design, (3) Design Theory / Design Thinking, (4) Engineering Design / Service Engineering, and (5) Participatory Design / CoDesign. For each of these academic areas, we additionally surveyed specific past researches related to current SD. The papers or books investigated in this additional survey include those selected based on the results of the first survey, as well as those newly found during the process of the additional survey. As a result, we depicted a historical map of SD research. From the map, we found that, among the five academic areas that influenced SD research, some areas have been mutually affected from the past, while others have had little direct involvement so far. Based on the map, we discuss the direction of future collaborations among various approaches to SD research. Further, we also noted that the map can be used as “boundary object” to make the discussion between the research communities with low relationships more constructive, because it explains the background theory in different research communities.
著者
高安 桃子
出版者
ジェンダー史学会
雑誌
ジェンダー史学 (ISSN:18804357)
巻号頁・発行日
vol.5, pp.51-65, 2009 (Released:2010-11-02)
参考文献数
25

This paper discusses the measures taken to assist disabled soldiers in finding marriage partners from the outbreak of the war between Japan and China to the Pacific War. I will also consider the role that disabled soldiers and their wives were expected to play during wartime. During the war years, the numbers of disabled soldiers increased dramatically, and measures were taken to help these disabled soldiers find marriage partners.This program to aid disabled soldiers began in 1938 when an organization of women took the lead in efforts to introduce future partners to disabled soldiers. In response to a request from the government, the activities were extended to the whole country in 1941.A number of goals lay behind the program including: a desire to assist in the rehabilitation of disabled soldiers so that they might comeback to serve the nation; a desire to secure manpower; and bestowing honor on the soldiers. Disabled soldiers needed a strong commitment if they were to complete rehabilitation, and also needed to have a sense of their own identity as disabled soldiers. Thus it was important to draw a distinction between those with congenital disabilities, and the disabilities of the soldiers who were wounded in combat.The movement sought Japanese woman who were willing to marry disabled soldiers. Women did not normally join the military services, but marrying a disabled soldier and relieving him of despair was promoted as a way for a woman to serve the nation. In the training schools set up to support the brides of disabled soldiers, women were taught useful vocations so that they would be able to earn a living instead of their husbands.The disabled soldier's wife was also expected to be a caregiver. The wife's most important role was to support the rehabilitation of her husband so that he could again serve the nation. She was supposed to be strong enough to bear the burden in her marriage. We can imagine that it must have taken a very strong resolve for a woman to decide to marry a disabled soldier.
著者
森嶋 桃子
出版者
国公私立大学図書館協力委員会
雑誌
大学図書館研究 (ISSN:03860507)
巻号頁・発行日
vol.121, pp.2141, 2022-08-31 (Released:2022-08-26)

慶應義塾大学湘南藤沢メディアセンターでは2020年春,コロナ禍によって不可能となった対面によるレファレンスサービスの代替手段として,チャット,LINE,ZoomといったICTツールの利用を開始した。また,キャンパスに来られない学生への図書館のプレゼンスを高め,新サービスを広報する手段として,SNS(Twitter,Facebook,Instagram)を積極的に活用した。各ツールの特徴,メリットやデメリット等について紹介する。
著者
松原 耕平 新屋 桃子 佐藤 寛 高橋 高人 佐藤 正二
出版者
一般社団法人 日本認知・行動療法学会
雑誌
認知行動療法研究 (ISSN:24339075)
巻号頁・発行日
vol.45, no.1, pp.39-50, 2019-01-31 (Released:2019-06-08)
参考文献数
39

本研究の目的は、幼児期の社会的スキルと問題行動が児童期の社会的スキルと抑うつ症状に与える影響を検討することであった。調査開始時点で年長児(5~6歳)であった100名を対象として、幼児期に社会的スキルと問題行動を測定し、小学校5年生時(10~11歳)と6年生時(11歳~12歳)にそれぞれ社会的スキルと抑うつ症状を測定した。その結果、幼児期の協調スキルと主張スキルは児童期の社会的スキルを媒介して、抑うつ症状の低減に寄与することが明らかとなった。幼児期の問題行動は児童期の社会的スキルと抑うつ症状のどちらにも影響はみられなかった。これらの結果から、児童期の抑うつ予防のために幼児期の社会的スキルに焦点を当てることの意義について議論された。
著者
石過 桃子
巻号頁・発行日
2014

筑波大学修士 (図書館情報学) 学位論文・平成26年3月25日授与 (32617号)