著者
江口 麻優子 野坂 俊介 植松 悟子 藤野 明浩 金森 豊 岡本 礼子 窪田 満 石黒 精
出版者
日本小児放射線学会
雑誌
日本小児放射線学会雑誌 (ISSN:09188487)
巻号頁・発行日
vol.35, no.2, pp.107-115, 2019 (Released:2019-11-22)
参考文献数
18

小児の盲腸捻転は稀であるが,重症心身障害児,特にCornelia de Lange症候群(以下CdLS)での報告が多い.症状は非特異的で,画像診断の役割は大きい.早期診断は腸管壊死を回避する上で重要で,診断や治療の遅れは死亡に繋がる可能性がある.当院で経過観察中のCdLS 13例中4例に盲腸捻転を認めた.いずれも盲腸捻転に特異的な腹部単純撮影所見,もしくは過去と比較して変化を認め,引き続き行った造影CT所見から全例で術前に盲腸捻転を疑うことができた.盲腸捻転併発4例と捻転非併発9例を比較すると,併発例全例が胃瘻造設術・噴門形成術後で,これらの手術が捻転の誘因になると考えられた.また,既報告と比較して死亡率と術後合併症率は,より低率であった.CdLSで,胃瘻造設術・噴門形成術後の児が腹部症状を示す場合,盲腸捻転の併発を念頭に,腹部単純撮影に続く造影CTが早期診断と治療に有用である.
著者
森永 康子
出版者
一般社団法人 日本科学教育学会
雑誌
日本科学教育学会年会論文集 43 (ISSN:21863628)
巻号頁・発行日
pp.7-8, 2019 (Released:2020-07-31)
参考文献数
5

STEM分野における女性研究者や女性学生はなぜ少ないのかについて,ジェンダー・ステレオタイプ(GST)に関する社会心理学的研究を取り上げて,1) GSTが他者評価に影響を与え,女性が低く評価される可能性,2) ST脅威の現象に見られるように,GSTが自己成就予言として働く可能性,3) 潜在的STの影響,4) 表面的にポジティブに聞こえる場合でも,GSTがネガティブな結果をもたらしうること,の4点から説明を試みる.これらの研究をもとに科学教育にどのような示唆ができるかを考えてみたい.

2 0 0 0 OA 大元帥明王考

著者
森田 龍僊
出版者
密教研究会
雑誌
密教研究 (ISSN:18843441)
巻号頁・発行日
vol.1942, no.80, pp.1-20, 1942-02-01 (Released:2010-03-12)
著者
三森 弘
出版者
一般社団法人 日本建築学会
雑誌
日本建築学会技術報告集 (ISSN:13419463)
巻号頁・発行日
vol.24, no.56, pp.441-446, 2018 (Released:2018-02-20)
参考文献数
8
被引用文献数
1 2

Daikou Campus of Nagoya University was established based on Mitsubishi Heavy Industries’ Daikou Factory, which had been used as arsenal since World War II.The Factory had been destroyed by bombing in 1944 but the part of the main building still exists in Daikou Campus.In this study, I thought that the selection of the location and the way of using under the premise of saving the building of historical value.Therefore, the study also clarified the repair of the factory after it has been destroyed in the bombing.
著者
郭 潔蓉 杉本 雅彦 森下 一成 金塚 基
出版者
学校法人 三幸学園 東京未来大学
雑誌
東京未来大学研究紀要 (ISSN:18825273)
巻号頁・発行日
vol.15, pp.181-189, 2021-03-31 (Released:2021-05-26)

本報告は、2018年4月より2019年3月までに実施された「足立区菓子業界の魅力発信事業」において、東京商工会議所と足立区の菓子業界団体と東京未来大学との協働により行った産学連携事業を活用した実践型教育の事例報告である。足立区の地場産業である菓子業界を取り上げ、その伝統と文化を国内外に情報発信を行うことで足立ブランドの魅力を広く伝えることを目指した本事業は、学生参加型の産学連携事業としても、実践型教育としても新しい試みであり、学生にとっても得られる知見が多い事業であったことは特筆すべきである。本連携事業がどのような背景で発足し、事業を推進する過程においてどのような成果と課題が得られたのか、本稿において報告を行うものとする。
著者
藤掛 和広 田中 貴紘 吉原 佑器 米川 隆 稲上 誠 青木 宏文 金森 等
出版者
公益社団法人 自動車技術会
雑誌
自動車技術会論文集 (ISSN:02878321)
巻号頁・発行日
vol.50, no.1, pp.134-141, 2019 (Released:2019-01-26)
参考文献数
11
被引用文献数
1

本研究では,ドライバエージェントによって運転行動が変容するのか検証した.エージェントのサポートは,「運転支援」「フィードバック」「運転支援とフィードバック」の3種類とした.その結果,エージェントを使用することで運転行動が改善された.運転行動が最も改善された条件は,「運転支援とフィードバック」だった.
著者
小林 右京 伊藤 淳子 宗森 純
雑誌
第77回全国大会講演論文集
巻号頁・発行日
vol.2015, no.1, pp.763-764, 2015-03-17

現在,個人やグループにおいて数多くのRPGが制作されている.個人やグループといった少人数でのRPG制作におけるシナリオライターの役割とは,シナリオを制作するだけにとどまらず,それ以外にもシステムの制作など数多くの作業にたずさわらなければならない場合がある.その中で,シナリオの制作は非常に負担となる作業である.そこで,本研究ではシナリオ作成者の負担を軽減するため,ストーリーの印象を入力することで,その印象に沿ったRPGのプロットを自動生成し,また,シナリオ作成の支援を行うシステム「RPGプロットメイカー」の開発を行う.
著者
水野 累 米丸 加余子 森 崇
出版者
一般社団法人日本獣医がん学会
雑誌
日本獣医がん学会雑誌 (ISSN:18843344)
巻号頁・発行日
pp.2020-003, (Released:2021-05-19)
参考文献数
11

A 14- year-old spayed female miniature Dachshund presented to our hospital with a mass at a previous incision site 7 months after the removal of a lung adenosquamous cell carcinoma (ASCC). Needle tract implantation (NTI) caused by fine needle biopsy was presumed as the cause of the mass. Extended resection of the mass was performed and histopathological examination revealed ASCC and thyroid transcription factor-1 (TTF-1) positivity. No local recurrence was observed; however, the dog died. The incidence of NTI in lung ASCC in dogs is unknown. However, the development of NTI should be monitored.
著者
長谷川 浩一 林 真人 川口 健司 田代 晴彦 森川 篤憲 岡野 宏 川上 恵基 村田 哲也
出版者
一般社団法人 日本農村医学会
雑誌
日本農村医学会学術総会抄録集
巻号頁・発行日
vol.56, pp.29, 2007

(症例)患者はインドネシア国籍の29歳男性で、平成19年1月17日に頭痛を主訴に当院外来を受診。頭部単純CTで左側頭葉に低吸収域を呈する脳病変を認めた。しかしながら不法滞在者であると判明し、それ以上の精査治療は母国で行うべきと初診医が判断し、即時の帰国を勧めた。しかしながら、症状は徐々に悪化し発熱と意識障害をきたしたため、1月21日に当院救急外来を受診し内科入院となった。入院時、口腔内カンジダ症を認め、抗HIV抗体が陽性であった。髄液検査では異常を認めなかったが、AIDSによる脳トキソプラズマ症が最も疑われ、ST合剤とクリンダマイシンの投与を開始した。治療により解熱しCRPも9.0から0.5に低下したが、意識状態の改善はあまり認められず、到底旅客機で帰国できる状態ではなかった。2月1日に局所麻酔下で定位的に病変部位の生検術を施行し、病理組織にて脳トキソプラズマ症の確定診断が得られたため、2月8日に三重大学附属病院血液内科に転院した。その後、ピリメサミンを用いた積極的な治療により旅客機で帰国できる状態にまで回復した。(当院での対応)不法滞在のため保険には未加入で、治療費は自費のため金銭的な援助をインドネシア大使館にも相談したが、予算がないため金銭的な援助は不可能との返事であった。また、当院はAIDS拠点病院に指定されていないため、県内のAIDS拠点2病院への転院も考慮したが困難であった。三重大学附属病院のみHIV感染により何らかの合併症を発症している事が確認されていれば、何とか受け入れ可能であるが、少なくとも脳の生検でAIDS以外の脳病変を否定する事が前提条件であった。HIVに対する手術器具の消毒法もHCV等と同じであるが、HIV感染患者の手術は当院では初めてであり手術室等からの反対もあったが、転院のためには他に手段はなく、当院でやむなく生検術を施行した。 (考察)不法滞在患者でなく金銭的に問題なければ、大学病院以外のAIDS拠点病院への転院も可能であったと思われるが、研究機関でもある大学病院しか受け入れは許可してもらえなかった。鈴鹿市は外国人の割合が高いので、不法滞在の外国人も多いと予想されるが、これは全国的な問題と考えられる。不法滞在者であるからといって人道的に治療を拒否する事はできず、行わなければならない。その様な場合、どこからか金銭的な援助を得て、なんとか治療を行える方法はないのであろうか。また、外来受診の翌日に名古屋の入国管理局から連絡があり、すぐに帰国させる様に伝えたが、手続き上少なくとも1週間以上かかり、結局その間に症状が悪化し帰国できなくなってしまった。不法滞在ではあるが、この様な緊急事態の場合、入国管理局はもっと早く帰国の手続きをとる事はできないのであろうか。この患者は治療により帰国できる状態にまで回復したが、回復しなかった場合は二度と自国の土を踏む事はできなかったと考えられた。