著者
森本 傑 橋田 朋子
雑誌
研究報告エンタテインメントコンピューティング(EC) (ISSN:21888914)
巻号頁・発行日
vol.2016-EC-39, no.14, pp.1-5, 2016-03-09

カメラで自らを撮影する自撮りにおいて,写真を魅力的に見せるための 「盛る」 撮影・加工技術が急速に広まっている.主な盛り方としては,色味操作や美肌加工などが挙げられる.また SNS などに見られる大量の自撮りやコメントからは,盛り方の好みや盛った自撮りへの評価に性差がある可能性が示唆される.本研究は,魅力的な自撮り写真を自動生成する仕組みの開発を目指し,特に本研究では色味を操作した自撮りの魅力評価が,被写体と閲覧者の性別によって影響されるかどうかを明らかにした.実験の結果,二つの傾向が示唆された.被写体の性別によって自撮り写真を青味と赤味のどちらに加工するかが,次に,閲覧者の性別によって同じ色味でも好まれる変化量が異なることが明らかになった.また,その知見をもとにレンズフィルターを用いた自撮りシステムのプロトタイプを作成した.
著者
森田 雅也
出版者
関西大学
雑誌
奨励研究(A)
巻号頁・発行日
1994

当該年度は、裁量労働制を経営学的に研究するための基礎づくりとして、文献研究と実証研究を行い、その実態把握及び労働の人間化研究の中での裁量労働制の位置づけの明確化に努めた。文献研究では、国内外の労働の人間化関連の文献のサーベイ及び裁量労働制導入企業の事例に関する文献、雑誌、新聞記事等を精力的に収集、分析した。実証研究では裁量労働制を導入している企業6社に対するインタビュー調査及びアンケート調査を承諾して下さった企業への質問票調査を行い、裁量労働制の実態について定性的データ、定量的データの蓄積を行った。その結果、裁量労働制は仕事を離れた生活の確立を容易にする可能性が高いこと、成果と評価が結びつきモチベーションが高まること等、労働の人間化の視点からもホワイトカラーの新しい働き方として有効であることが確認された。しかし、実際にその制度のもとで働く労働者の勤務状況は、裁量労働制導入以前と比べてそれほど変化していないこともインタビュー調査等から確認された。しかし、それは裁量労働制の制度そのものに起因するのか、導入後それほど時間が経過していないためなのかは今後の更なる検討を要するものである。なお、阪神大震災の影響で質問票締切を3月末日に設定せざるを得なかったため、現時点では論文の形にまとめられた成果はまだない。質問票が返送され次第、可及的速やかに論文の形にまとめ公表する予定である。
著者
森田 雅也
出版者
関西大学
雑誌
奨励研究(A)
巻号頁・発行日
1999

企画業務型裁量労働制がどのように認識されているかを数量的に把握するために、従業員規模100人以上企業の人事部長1,673名を対象に「企画業務型裁量労働制に関するアンケート調査」を2001年3月に行った(有効回答率14.9%)。その結果、次のような点が明らかになった。(1)企画業務型裁量労働制導入を考えている企業は少ない(79.9%が「導入を考えていない」)。(2)導入を考えている企業は「成果主義の徹底」や「従業員の自律性を高める」ことを導入目的としている。(3)多数の企業(70.8%)が事業所単位で設ける労使委員会は「煩雑」だと考え、それが「必要である」と考えているのは3割程度しかない。(4)3割強の企業が労基法38条によらない「裁量労働的勤務」を既に導入したり、導入の検討を行ったりしている。また、文献サーベイや聞き取り調査の結果もあわせて検討した結果、企画業務型裁量労働制が「ゆとりと時短」を創出するという本来の趣旨に沿った成果をあげているとは現時点では言い難い。裁量労働制が、その対象者に自律的な働き方を提供する可能性はきわめて高いが、そのためには次のような条件が満たされる必要がある。(1)個人の多様な働き方を認める組織風土の形成、(2)公正な評価能力をもつ管理者の存在、(3)対象者の、自分の働き方(キャリア形成)に対する意識向上、(4)経営者による導入目的の明確化(成果主義徹底だけのための手段として用いない)。これらの点を鑑みると、裁量労働制、特に企画業務型裁量労働制が労使双方にとって有益な人事労務管理施策として定着するためには、経営者も雇用者もかなりの意識変革をすることが、特にエンプロイヤビリティーに対する意識を高めることが求められる。そして、それにはさらにある程度の時間が必要であろうと考えられる。
著者
森田 雅也
出版者
関西大学
雑誌
基盤研究(C)
巻号頁・発行日
2014-04-01

労働者の自律性を重視する「裁量労働的な働き方」は境界決定の自律性を制度的に保障しているが、その発揮のためには仕事遂行を支援する上司の行動が重要となる。また、境界決定の自律性を発揮している人はワーク・ライフ・バランスに関する満足度も高い。こうした働き方がワーク・ライフ・バランス施策として有効となり得る。裁量労働制がうまく機能している組織では、「適者適職」が徹底されており、そのために「自己規制の強い管理」が行われている。裁量労働的な働き方を組織に根付かせるためには、適用範囲をいたずらに拡大するより、適した仕事と適した人材を厳選し、「自己規制の強い管理」を行うことが重要となる。
著者
森川 弥寿雄
出版者
公益社団法人 日本心理学会
雑誌
心理学研究 (ISSN:00215236)
巻号頁・発行日
vol.26, no.3, pp.156-171, 1955 (Released:2010-07-16)
参考文献数
23
被引用文献数
4 3

This paper is the first report on the Paired-associated learning process which are investigated by the method of forward-backward recall gradient (FB-RclG). This term is defined operationally as difference between forward recalls (S→R) and backward recalls (R→S). after paired associated learning. The present study intends to examine some variables of FB-RclG.Exper. I. FB-RclG as a function of paired materials.Materials are three in kind. Difficult materials, “N” (two letters, non-sense syllables with about 20% association values). Medium materials, “M” (two letters, meaningful words). Easy materials, “L” (one letter of Alphabet). Conditions of presentation are (1) N-N (S-diff., R-med.), (2) M-M (both med.), (3) L-M (S-easy, R-med.), (4) M-N (S-med., R-diff.), and (5) M-L (S-med., R-easy). Methods : The anticipation method is used. Forward and backward recall tests are performed at about 30 sec. after one perfect trial. Results show that the difference between cond. 1 and 3 is smaller than that between 4 and 5, as regard to number of trials. This fact supports Umemoto's finding-the difficulties of paired associated learning are determined largely by R factor rather than S factor (18). FB-RclG of cond. 1 is greater than that of 4, as well as 5greater than 3. When S is more difficult than R, FB-RclG is greater than when S easier than R. It is confirmed that FB-RclG is a function of materials in pairs.Exper. II FB-RclG as both function of degree of learning and interpolated recall effects.Materials are N-M, 9 pairs in a list. Methods are the same as Exper. I, except that recall tests are interpolated immediately after 1 presentation and after criteria of 3/9, 6/9, 1 perfect, and 3 and 5 successive perfect learning. Results show that FB-RclG increases gradually in early stage, and reaches its maximum in middle stage and then decreases (Fig. 1). The interpolated recall test during learning makes the amount of backward recalls increasing (but not statistically significant), while its effects to forward recalls are negligible.Exper. III FB-RclG as a function of difficulty of learning.Conditions are 3, 5, 7, and 9 pairs of N-N in one list. Except recall criteria, other conditions are the same as Exper. I, Recall tests are performed 3 times after about 1/2, 1 perfect, and 3 successive perfect learning for each list. Results show that EB-RclG increases as the length of list increases, when lists are overlearned.Exper. IVa, IVb FB-RcLG as a function of pair presentation methods.Methods : In stead of anticipation method, simultaneous pair presentation method is used. And after each trial, forward and backward recalls are tested. (Fig. 3). Results show that even under the situation which differs from anticipation learning (S-recognition and R-recall), the existence of FB-RclG is found (Fig. 4, 5). The Vincent curves show that FB-RclG is not unique phenomenon characteristic of anticipation method.Exper. Va, Vb Purpose is the same as Exper. IVa, IVb.Learning method is simultaneous pair presentation, Recall tests are interpolated not after each trial, but after 6, 12, and 18 presentations. Each list contains 3 kinds of presentation set, i.e. N-M, M-N, and N_??_M (alternative presentation). Results are consistent with the writer's previous experiments (Fig. 6). These facts suggest that the first member of pair may be called S, and the second R.ConclusionThe differences in FB-RclG may be explained by the following three hypotheses :a) R is emphasized by the mode of anticipation method, in which S is only discriminative and R acquisitive.b) Based on the facts of Exper. IVa-Vb, one may assume a temporal (porality) factor in learning of paired association.
著者
柴田 翔平 鳴尾 丈司 加瀬 悠人 稲毛 正也 山本 道治 森 正樹 浦川 一雄 廣瀬 圭 神事 努
出版者
一般社団法人 日本機械学会
雑誌
シンポジウム: スポーツ・アンド・ヒューマン・ダイナミクス講演論文集 2018 (ISSN:24329509)
巻号頁・発行日
pp.A-18, 2018 (Released:2019-05-25)

The purpose of this study is to examine the accuracy of the system analyzing pitching data using baseball-type sensor (MAQ) and to measure kinematic parameter (ball velocity, spin rate, and spin axis) of baseball pitches by various pitchers. The accuracy of the developed system using a 3D motion analysis system and the high-speed cameras were examined. The spin axis of pitched ball was calculated from data of 12-axis sensor using the sensor fusion by extended Kalman Filter. The ball velocity and spin rate calculated by MAQ and the 3D motion analysis system showed similar values (ball velocity: r = 0.95 spin rate: r = 0.90). In several data, it was indicated that the spin axis calculated by MAQ, the 3D motion analysis system, and the high-speed camera showed similar values. In addition, there was a correlation between ball velocity and spin rate over the velocity range from 6.7 m/s to 41.0 m/s (n=188). From these results, the developed system can be used to evaluate baseball pitching skill with high accuracy.
著者
藤井 諒 三田 雅人 阿部 香央莉 塙 一晃 森下 睦 鈴木 潤 乾 健太郎
出版者
一般社団法人 言語処理学会
雑誌
自然言語処理 (ISSN:13407619)
巻号頁・発行日
vol.28, no.2, pp.450-478, 2021 (Released:2021-06-15)
参考文献数
45
被引用文献数
1

ニューラル機械翻訳 (NMT) の登場により,ニュース記事など文体の整った入力に対する翻訳の品質は著しく向上してきた.しかし,ソーシャル・ネットワーキング・サービス (SNS) に代表されるユーザ生成コンテンツ (UGC) を対象とした NMT の翻訳には依然として多くの課題が残されている.異文化・多言語交流の促進に向けた機械翻訳システムの活用には,そうした特異な入力を正確に扱うことのできる翻訳モデルの構築が不可欠である.近年では,UGC における翻訳品質の向上に向けたコンペティションが開催されるなどその重要性は広く認知されている.一方で,UGC に起因するどのような要因が機械翻訳システムの出力に悪影響を及ぼすのかは明らかでなく,偏在するユーザコンテンツの翻訳に向けた確かな方向性は依然として定まっていない.そこで本研究では,言語現象に着目した日英機械翻訳システムの頑健性測定データセット PheMT を提案する.特定の言語現象を含む文に特化したデータセットにより,当該表現の翻訳正解率,および正規化に基づく翻訳品質の差分を用いた精緻なエラー分析を可能にする.構築したデータセットを用いた評価により,広く商用に利用される機械翻訳システムを含む,最先端の NMT モデルにおいても十分に扱えない,対処すべき言語現象の存在を明らかにする.
著者
森 正人
出版者
三重大学人文学部文化学科
雑誌
人文論叢 (ISSN:02897253)
巻号頁・発行日
no.29, pp.45-55, 2012

本稿は一九〇五年に大阪毎日新聞社が開催した「西国三十三所順礼競争」に注目し、それが日本の近代化のプロセスに埋め込まれる様態を検討する。ここではギデンズの近代性の三つの側面、すなわち、時間と空間の切り離しと再編成、象徴的通標(貨幣)や専門化システムをとおした信頼に基づく社会関係の切り離し、思考や行為を吟味する再帰性が、順礼競争においてどのように現れていたのかを考える。競争という言葉が表すように、それは札所寺院間の空間的隔たりを交通機関を用いることで乗り越え、巡礼空間を圧縮し、それにより巡礼に要する時間を短縮しようとした。また、空間的に隔たった場所の地理的情報を、電信システムを用いながらできるだけ早く読者に発信したのである。順礼競争において巡礼の事物や行為の吟味も行なわれた。すなわち、慣習として巡礼に携帯してきた物品や衣装は取捨選択され、動きやすさを重視するために洋装も取り入れられた。情報伝達のための時間と空間を圧縮する近代的な装置の新聞社は、巡礼を宗教的な文脈からいったん切り離し、娯楽、観光、学問の文脈へと位置づけ直していった。とりわけ巡礼中に記される記事は、各地の地理的データの収集にも寄与した。その中で、巡礼空間の風景もまた、前近代的な風景観や身体感覚に根ざした宗教的な風景観とは異なり、風景を風景として対象化する近代的な風景観によって描写された。
著者
宮腰 淑子 五十嵐 修一 永尾 侑平 井上 重宏 佐藤 朋江 関谷 可奈子 新保 淳輔 佐治 越爾 森田 健一 佐々木 修 岡本 浩一郎 佐藤 晶 山崎 元義
出版者
一般社団法人 日本脳卒中学会
雑誌
脳卒中 (ISSN:09120726)
巻号頁・発行日
vol.34, no.1, pp.8-15, 2012-01-25 (Released:2012-01-27)
参考文献数
19
被引用文献数
1

【背景および目的】可逆性脳血管攣縮症候群(reversible cerebral vasoconstriction syndrome; RCVS)は,雷鳴頭痛を主徴とし,脳血管に可逆性の分節状攣縮を認める疾患である.本疾患の臨床経過と画像所見の経過の検討を目的とした.【方法】2004年6月から2010年12月までに当科にRCVSの診断で加療を行った6例について検討した.【結果】発症年齢は39-53歳(平均44歳)で,女性が4例,男性が2例であった.全例に雷鳴様頭痛を認めた.3例が脳卒中を発症し,全例が女性であった.脳出血が1例,くも膜下出血と脳出血との合併例が2例であった.ベラパミルが5例に投与され,症状改善がみられたが,1例に片麻痺の後遺症を残した.【結論】突然の激しい頭痛を訴える患者を診察する際には,RCVSを鑑別に含める必要がある.
著者
森田 剛仁 日笠 喜朗 芹川 忠夫 島田 章則 佐藤 耕太 竹内 崇
出版者
鳥取大学
雑誌
基盤研究(C)
巻号頁・発行日
1999

当教室では突発性に全身性発作を生じ、それが数日から数ヵ月の寛解期を経て発作を反復する特発性家族性てんかん犬の家系を獲得・維持している。本家系のてんかん発生メカニズム解明を最終目的とし,以下のような結果得た。【材料と方法】1)脳波検査(家系犬6例):国際式10-20法により、生後経時的にキシラジン(1.0mg/kg,I.M.)鎮静下で実施。2)脳内アミノ酸の検討:(1)脳脊髄液内(家系犬6例、正常犬4例):混合深麻酔下,大後頭孔より採取。高速液体クロマトグラフィー電気検出器(HPLC-ED)によりグルタミン酸,グルタミン,アスパラギン酸,アスパラギン,アルギニン,グリシン,タウリン,GABA,スレオニン及びアラニンを定量。(2)in vivo脳実質内(家系犬5例,正常シェルティー犬4例):深麻酔下にて,過換気状態で前頭葉皮質からマイクロダイアリシス法によりサンプル採取。HPLC-EDによりグルタミン酸,グルタミン,アスパラギン酸,アスパラギン,アルギニン,グリシン,タウリン及びGABAを測定し,各アミノ酸の変動を検討。脳波測定を同時に実施。(3)免疫組織化学的検討:グルタミン酸、グルタミン酸代謝に関連する蛋白質およびグルタミン酸レセプターに対する抗体を用いた免疫染色を実施した。【結果】1)脳波検査の結果、発作初期には鋭波及び棘波が前頭葉優位に確認され,発作を長期間反復した症例では,程度に差はあるもののそれらが頭頂葉および後頭葉にも検出された。2)家系犬の脳脊髄液内スレオニン値が高値を示した(家系例:549.35±72.94nmol/ml、対照例:301.71±87.51nmol/ml)。3)家系犬2例において正常換気から過換気状態(血中PCO2:15-25)に移行した時に高振幅鋭波の群発および棘波の散発が記録された。1例で過換気状態でグルタミン酸、グルタミン及びGABAの値が上昇した。他の1例では過換気状態でアスパラギン酸の値が上昇した。他の家系犬および対照例では各アミノ酸の著明な変動を認めなかった。4)てんかん重責後死亡例では、大脳全域におけるグルタミン酸トランスポーターの発現の低下が観察された。壊死した神経細胞周囲に顆粒状にグルタミン酸陽性を示した。【考察】家系犬1例の大脳前頭葉における異常脳波出現と一致し,前頭葉皮質のグルタミン酸あるいはアスパラギン酸の変動が認められた。また、免疫組織化学的にグルタミン酸の代謝に関係するグルタミン酸トランスポーターの発現の低下が観察された。今後、他のレセプターの発現を含め検討する必要がある。
著者
三浦 麻子 鳥海 不二夫 小森 政嗣 松村 真宏 平石 界
出版者
一般社団法人 人工知能学会
雑誌
人工知能学会論文誌 (ISSN:13460714)
巻号頁・発行日
pp.NFC-EC1, (Released:2015-12-15)
参考文献数
27
被引用文献数
1 8

In this article, we investigate “retweeting in Twitter” or information transfer behavior in social media to figure out some characteristics of our information processing behavior in emergency situation from social psychological perspective. We made an exploratory log analysis of Twitter focusing on the relationship between diffusion of disaster information and user's emotional response on them. Disaster-related tweets which were retweeted over 10 times around the time of the Great East Japan Earthquake were extracted and emotional words in them were categorized and counted. Frequently retweeted tweets tended to include more negative (anxious or angry) or active emotional words than positive or inactive words. As results of multiple and quantile regression analyses, negative (especially anxious) or active emotional words in tweets had a significant effect on the increase of retweeting regardless of a kind of disasters. The results were discussed in terms of the difference with those based on common tweets.
著者
杉浦 愛子 森 俊夫 日下部 信幸
出版者
一般社団法人 日本家政学会
雑誌
一般社団法人日本家政学会研究発表要旨集
巻号頁・発行日
vol.60, pp.58, 2008

<B>目的</B> 衣服はその色や柄,形などを媒介に着用者の様々な情報を発信しており,衣服に用いられる柄はその情報を左右する重要な要因のひとつである.従来,縞柄や水玉柄といった基本的な柄について様々な研究が行われてきたが,複雑な要素をもつ柄について研究されたものはあまりみられなかった.本研究では,近年,色々な服飾品に取り入れられているアニマルプリント柄に注目し,アニマルプリントに対する嗜好性とテクスチャ特徴との関係について検討した.<BR><B>方法</B> 試料はレオパード柄やゼブラ柄,ホルスタイン柄などのアニマルプリント10種類である.嗜好性の評価は,被験者43名(男性20名,女性23名)を対象に,アニマルプリント柄の布の外観をカラースキャナで読み込み印刷したものを用い、官能評価を行った.また,テクスチャ特徴は,アニマルプリントのカラー画像を256階調のグレイレベル画像に変換し,輝度平均(MIU),角二次モーメント(ASM),コントラスト(CON),相関(COR),エントロピー(ENT),フラクタル次元(D)を抽出した.<BR><B>結果</B> アニマルプリントの嗜好性はテクスチャ特徴のうち,CORやMIUと高い相関がみられた.このことから,アニマルプリントは柄の明るさや線状性が高いものほど嗜好性が高く評価されると推察された.
著者
小島 世大 石槫 隼人 坂田 美和 武藤 敦子 森山 甲一 犬塚 信博
出版者
一般社団法人 人工知能学会
雑誌
人工知能学会全国大会論文集 第33回全国大会(2019)
巻号頁・発行日
pp.1E2OS3a04, 2019 (Released:2019-06-01)

近年ICカードの普及に伴い、ICカートのログデータを用いた人の行動分析に関する研究がされている。本研究では、非負値多重行列因子分解 (Non-negative Multiple Matrix Factorization,NMMF)を用いたユーザの行動パターンを抽出し、因子行列を用いたクラスタリングし、クラスタリング結果を用いて決定木学習によるパターンと属性情報の関係を分析する手法を提案する。最後に、我々は提案手法を用いて入退室データの分析を行い、その有効性を確認する。
著者
村田 健児 金村 尚彦 羽田 侑里子 飯島 弘貴 高栁 清美 森山 英樹
出版者
公益社団法人 埼玉県理学療法士会
雑誌
理学療法 - 臨床・研究・教育 (ISSN:1880893X)
巻号頁・発行日
vol.18, no.1, pp.61-66, 2011 (Released:2011-03-30)
参考文献数
15

加齢により関節軟骨は退行性変化を呈し,主要構成要素であるプロテオグリカン含量やⅡ型コラーゲンの減少が認められる。この関節軟骨の退行性変化は運動がもたらす関節への機械的刺激によって抑制および修復させることが報告されている。本研究では老齢ラットモデルの距腿関節軟骨を組織学的に分析し,走行運動およびバランス運動が距腿関節軟骨にあたえる影響を検討した。結果,老齢ラット群の関節軟骨は若齢ラット群と比較してⅡ型コラーゲン及び関節軟骨厚が減少し,関節軟骨表層部に亀裂が認められた。一方で,老齢ラット通常飼育群に比較してバランス運動群の軟骨厚が増加していた。このことから加齢によって距腿関節軟骨退行性変化を呈するが,関節運動を伴う機械的刺激によって関節軟骨変性を抑制,改善に作用する可能性があることが示唆された。
著者
高野 浩一 森下 宗彦 山本 正彦 山県 香 高田 勝利
出版者
The Japanese Respiratory Society
雑誌
日本胸部疾患学会雑誌 (ISSN:03011542)
巻号頁・発行日
vol.15, no.11, pp.769-774, 1977-11-25 (Released:2010-02-23)
参考文献数
12

BCG-CWS was administered in 30 patients with primary lung cancer, and in most cases this was in conjunction with other therapeutic procedures such as irradiation, chemotherapy and/or surgery.Oil-attached BCG-CWS was prepared by homogenizing 4mg of BCG-CWS, two drops of mineral oil and 2ml of 0.2% Tween 80 saline.Two hundred μg of BCG-CWS was injected intradermally every week. In patients with carcinomatous pleuritis, 400μg of BCG-CWS was injected into the pleural cavity every week.Prolonged survival periods in advanced lung cancer cases treated with BCG-CWS was observed in comparison with historical controls. Most of the patients showed increased PPD skin reaction and increased in vitro PHA response after BCG-CWS administration.As adverse reactions, minimal skin ulceration was observed in 37% of the patients, and fever in 57% after repeated intradermal injection of BCG-CWS, none of which necessitated the interruption of immunotherapy. No serious side effects, however, have been observed during the BCG-CWS treatment.
著者
森本 政之
出版者
一般社団法人 日本音響学会
雑誌
日本音響学会誌 (ISSN:03694232)
巻号頁・発行日
vol.34, no.6, pp.356-361, 1978-06-01 (Released:2017-06-02)
被引用文献数
1