著者
望月 典樹 中村 壮亮 橋本 秀紀
出版者
一般社団法人 日本機械学会
雑誌
日本機械学会論文集 (ISSN:21879761)
巻号頁・発行日
vol.83, no.851, pp.17-00022-17-00022, 2017 (Released:2017-07-25)
参考文献数
32
被引用文献数
1

Immersive virtual reality system has a problem that the operability deteriorates if the shape of the virtual body is parted from the real body. The authors are assuming that this is caused by misfit of the body scheme, an internal model in the brain used to recall the body position, because it is initially tuned up to the real body instead of virtual body. Thus, the authors have proposed a method using VR technology called“ Body Scheme Calibration ”to change the body scheme adapting to the real body so as to fit the virtual body. However, in the previous approach, presented VR information was limited to visual information, and haptic information normally occurring from interaction with surrounding object was neglected. Therefore, this paper investigated the effect of haptic information on Body Scheme Calibration. As an experimental result, it was verified that the effect of additional haptic information is trivial, and the complex haptic interface for this calibration might be omissible.
著者
神内 謙至 橋本 善隆 新美 美貴子 山下 亜希 山内 光子 四井 真由美 西田 なほみ 山崎 徹 早川 太朗 中山 英夫 槻本 康人 並河 孝 笹田 侑子 前林 佳朗 高橋 正洋 磯野 元秀
出版者
THE JAPAN DIABETES SOCIETY
雑誌
糖尿病 (ISSN:0021437X)
巻号頁・発行日
vol.57, no.4, pp.256-263, 2014

50歳女性.平成4年に糖尿病を指摘され平成16年より当院にて加療中.低血糖で救急搬送された既往あり.インスリン治療で血糖コントロール不良,また低血糖も起こすため,平成23年2月教育入院となった.入院中,血糖正常であるものの低血糖症状のためパニックになることがあった.翌日のスケジュールを説明しても当日になると忘れる,糖尿病教室でテキストを忘れる,と言う出来事があった.そのため,注意欠如/多動性障害(ADHD)を疑い本人の同意の上で滋賀医科大学精神神経科に紹介しADHDの診断となった.抽象的な情報を処理する能力は低く,簡潔で具体的な手本を示し,時間的余裕が必要な症例であると判断された.全成人の4.7 %の有病率とされるADHDであるが,今のところADHDと糖尿病の合併にかかわる報告は極めて少ない.血糖コントロールが極めて悪化することが考えられ,適切な治療方法が必要である.
著者
大澤 香奈子 内藤 章江 小町谷 寿子 石原 久代 橋本 令子
出版者
一般社団法人 日本家政学会
雑誌
一般社団法人日本家政学会研究発表要旨集
巻号頁・発行日
vol.66, 2014

<b>目的</b> 行動と色には結びつきが見られ,色を利用し生活行動を助けることはユニバーサルデザインを考えるうえで有用であると考える.既に捉えた,人が暗黙裡に抱く色の象徴性の共通認識の傾向の中で,左右を象徴する色については20%以上の一致が見られた.本研究では,実際の生活アイテムにあってもそれが認識されるかどうか,行動と色の結びつきを実験的に検証し,色の有効な利用方法を検討する.<br><b>方法</b> 左右の判断を躊躇することがあるアイテムに色を入れた試料を用いて,左右を判断・評価する調査実験を行った.試料には6アイテム,8色(v2,v12,v18,p2,p12,p18,W,Bk)を用いて,計48試料を用意した.被験者は18~21歳の女子学生150名,印刷した試料を1つずつ提示し,7段階で評価してもらった.被験者には併せて試料に用いたアイテムの使用経験を回答させた.<br><b>結果</b> 全てのアイテムにおいて,右との回答がv2の色のついた試料で最も多く,既に行った色票での調査結果と合致する結果であった.トーンについてはビビットトーンに比べ無彩色やペールトーンでは判断があいまい或いは判断に至らない傾向が見られ,色相やトーンが左右の判断に影響していることがうかがわれた.この検証結果から,他の生活行動を助ける色を判断・評価を行う実験へと展開するに要する知見が得られた.
著者
高畑東志明 橋本和明 林和彦 石田哲也
出版者
公益社団法人 日本コンクリート工学会
雑誌
コンクリート工学年次大会2017(仙台)
巻号頁・発行日
2017-06-13

本研究では,第三者被害対策として行っている赤外線調査の熱画像データにより,コンクリート構造物である橋梁の劣化特性や進行性に影響を及ぼす因子を把握し,維持管理の効率化に活用することを目的とする。赤外線サーモグラフィ法により得られた熱画像の定量情報に対して生存時間解析による定量分析を行った結果,初期欠陥が存在する箇所はコンクリート表層部の物質移動抵抗性が低いため,健全部とは劣化進行が異なり早期に劣化することを示した。本分析結果は,施工時の品質管理の重要性を示唆するものであり,維持管理においては補修計画策定時の基礎資料として予防保全に寄与するものである。
著者
橋本 真一 土井 晃一郎 松島 綱治 鳥越 俊彦
出版者
金沢大学
雑誌
基盤研究(B)
巻号頁・発行日
2013-04-01

細胞集団の1細胞ずつの性格を明らかにし、真の細胞状態を把握することは生物学の研究にとって非常に重要である。本研究では微量/1細胞トランスクリプトーム解析法を開発し、がん細胞や免疫細胞の細胞集団の階層性を明らかにし、真の細胞状態を把握することで将来的に臨床研究に役立てることを目的とする。本研究では単一細胞遺伝子発現解析の発展系として数百以上の1細胞の遺伝子発現を同時に観察出来る革新的な技術(Nx1-seq)を開発した。この方法を用いて新たにがん細胞株、免疫細胞の1細胞遺伝子解析を行い有用性を確認した。
著者
橋本 三奈子 桑畑 和佳子 青山 文啓 村田 賢一
雑誌
全国大会講演論文集
巻号頁・発行日
vol.49, pp.139-140, 1994-09-20
被引用文献数
1

「あの人は本の虫だ」の「虫」や「先日の講演会では講師が壇上で涙ぐむ一幕があった」の「一幕」のように、ある名詞がその指されたものの性質・特徴とよく似た.性質。特徴を持つ別のものを表わすことがある。これらは、比喩として使用されたと推測されるが、現代語ではかなり一般的に使われ、一つの用法として定着していると判断してもよいものである。IPAL名詞辞書では、このような名詞の表現を見出し語の持つ一つの用法として認め、項としての用法、連体被修飾語としての用法、述語としての用法などに分けて,情報を記載している。本論文では、このような比喩的な表現について、名詞辞書で記述する際に留意すべき統語的特徴について論じる。
著者
橋本 祐二
出版者
公益社団法人 日本理学療法士協会
雑誌
理学療法学Supplement
巻号頁・発行日
vol.2014, 2015

【はじめに,目的】在宅生活が円滑に過ごせるように在宅復帰に先立って,住環境整備を行う事,また必要に応じて本人同行での訪問指導を行う事は理学療法士にとって重要な役割の1つである。今回,自宅の建て替えを行う事例の自宅内外の住環境整備について,計画段階からコーディネートする機会を得た。その経験から理学療法士が果たすべき役割について詳細設計の確認・検討,本人同行での訪問指導,施工者に対する福祉用具選定の情報提供の3点から反省を踏まえて報告する。【方法】事例は76歳男性で,身長177cm,体重66kg,要介護度3,身体障害者等級1級である。平成25年5月上旬に心原性脳塞栓症を発症し,救急病院へ搬送され保存的に2週間の治療を受ける。その後回復期リハビリ病棟に約6ヶ月入院しリハビリ継続する。家族は入院中に車椅子での在宅生活に備えて自宅の建替えを開始する。自宅完成までのリハビリ継続目的で同年10月下旬に当施設に入所となる。その他の診断名は右加齢黄班変性症,両白内障,両緑内障があり,既往歴は右膝蓋骨骨折(平成23年),左大腿骨骨折(30歳代)である。入所時の心身機能はBRS(RT)II-II-II,感覚重度鈍麻,混合型失語,SIAS30点,立位動作全般に介助が必要であり,FIM69点であった。入所から5ヶ月時点でSIAS37点,基本動作は寝返り~立位保持まで物的介助で自立,車椅子駆動自立,歩行は四点杖と短下肢装具使用し屋内監視,階段は手摺使用し軽介助,ADLは入浴以外自立しFIM93点となった。入所から3ヶ月経過した1月下旬,自宅の内装工事の前段階に本人・家族及びA工務店(2級建築士2名)同行で1回目の訪問指導を実施した。外構工事は盛り土の段階であったが玄関までに階段が設置されることが判明する。家屋は木造2階建て,1階は玄関框を上がればバリアフリー設計であり,車椅子移動に支障はなかった。A工務店が提示した詳細設計からトイレの扉,トイレ内の配置,幅木の設置箇所を協議し,内装工事完成前に再度訪問することを約束する。2月下旬A工務店に外構について問い合わせしメールで詳細設計を確認する。この時,初めて外溝工事はB工務店が担当していると判明する。外構の詳細設計には階段の下側手すりの水平部分が1段目の踏み面上にあり事例には昇降の困難さが推測された。設計は家族から駐車場確保の希望を汲んだ設計であるとB工務店から確認する。そのため,駐車場の広さを保持するため,ゆとりのあった踊り場側に階段を1段移すこと,並びに手すりや階段の設計についての提案をメールで行う。1週間後B工務店から了解の返信を受ける。3月中旬に2回目の訪問指導することをB工務店に連絡する。2回目の訪問時点で外構工事は階段の形状は完成していたが踏み板や手すりは未設置であった。家屋は内装工事が概ね終了していた。本人に自宅内を移動してもらい,その場で玄関及びトイレ内の手すりや洗面台の配置を決定した。【結果】6月上旬に退所に同行し3回目の訪問指導を行う。外構の手すりは提案通りに設計されていたが高さが80cmで事例にはやや低く昇降しにくいものであった。自宅内は玄関框の昇降,生活空間の移動,トイレ内動作,ベッド移乗など施設内で習得した車椅子自立レベルの能力が発揮できた。【考察】建替えの早い段階で訪問を行うことで自宅周辺と自宅内の住環境が把握でき,在宅復帰に備えた必要な階段昇降練習や家族指導を取り入れることが可能となった。また工務店と連絡調整し,内装工事段階に本人同行で訪問指導を行ったことで生活しやすい住環境整備が可能となった。これは訪問指導の目的に沿った結果と言える。また訪問前に詳細設計などを取り寄せで情報収集し,事例とその家族の意向を踏まえて生活しやすいものであるか検討することは今後の訪問指導においても有効な手段であると言える。一方,関与する工務店に本人同行での実地調整の必要性を理解してもらうよう働きかけ日程調整すること,また手すりなどの詳細設計は一般的な高さで設計されていても当事者の心身機能・構造や活動に適しているか検討し情報伝達することが必要であったと言える。【理学療法学研究としての意義】理学療法士が中心となって住環境整備のコーディネートする時の訪問の時期・方法,情報収集の手段,関係者との調整の一助となる。
著者
佐藤 晃矢 岡 瑞起 橋本 康弘 加藤 和彦
出版者
The Japanese Society for Artificial Intelligence
雑誌
人工知能学会論文誌 (ISSN:13460714)
巻号頁・発行日
vol.30, no.5, pp.667-674, 2015

Social Tagging System (STS) which is one of the content management techniques is widely adopted in the online content sharing service. Using STS, users can give any strings (tags) to contents as annotations. It is important to know the usage of tag statistics for accomplishing an effective database design and the information navigation. The frequency of tag usage as well as their dynamics are similar to the ones found in the natural language. It is possible to reproduce the branching process of the tag dynamics using a classical model called Yule-Simon process. Another characteristic aspect of tags is the tag co-occurrence generated from the simultaneous use of tags. Using the tag co-occurrence, STS is able to reconstitute the hierarchy of tags, and recommend the tag which is probably used next. However, Yule-Simon process does not consider the tag co-occurrence and thus how the tag co-occurrence is generated from the model like Yule-Simon has not been addressed yet. In this paper, we propose to expand the Yule-Simon process to model the tag co-occurrence. From the point of view of network hierarchy, we confirm the similarity in the structure of the tag co-occurrence with the empirical data obtained from a social network service called 'RoomClip'. The present result suggested that this simple model like extended Yule-Simon process generates the tag co-occurrence feature.
著者
橋本 順光
出版者
帝京平成大学
雑誌
帝京平成大学紀要 (ISSN:13415182)
巻号頁・発行日
vol.11, no.1, pp.17-26, 1999-06-30

デフォーの『コンソリデイター』(1705)よ従来, 三つの観点から研究されてきた。第一に, 月世界旅行記に仮託した政治パンフレットとみなす解釈。第二に, 古代と現代とのどちらの学芸が優れているかをめぐる当時の新旧論争に注目し現代派を擁護したとする解釈。第三に, 作中の中国の記述を取り上げ, 同時代の中国崇拝を風刺しだとする解釈。本稿は, 論じられることの少なかった新旧論争における中国評価に注目することで, これら三解釈を統合しようとする試みである。古代派の代表テンプルは中国を文明の起源と考え, その政治体制と高度な学芸を賛美した。それに対して現代派ウォットンは, ギリシアを近代ヨーロッパ科学の起源とし中国を停滞した専制国家と批判した。それを踏まえて, 『コンソリデイター』では, 学芸の起源を求めてヨーロッパから中国そして月世界へと旅し最後にはその月世界もヨーロッパに出来していたという円環が描かれる。ここでは, 現代派に基づいて中国崇拝を批判しつつも, 起源をめぐる新旧論争自体が風刺されているのである。