著者
池田 誠喜 芝山 明義 後藤 正彦 Seiki IKEDA Akiyoshi SHIBAYAMA Masahiko GOTHO
出版者
鳴門教育大学
雑誌
鳴門教育大学研究紀要 = Research bulletin of Naruto University of Education (ISSN:18807194)
巻号頁・発行日
vol.34, pp.109-119, 2019-03-11

This paper examines the resilience understanding by biological, psychological and social models and the application to school education. We examined resilience, with particular emphasis on biological models. The interaction between the gene and the environment, the biological response of stress, the relation with specific brain organs, etc. were reported. As a result, we presented a development model of resilience based on biological, psychological and social models.
著者
池田 欽一 時永 祥三
出版者
公益社団法人 日本オペレーションズ・リサーチ学会
雑誌
日本オペレーションズ・リサーチ学会論文誌 (ISSN:04534514)
巻号頁・発行日
vol.42, no.1, pp.18-31, 1999 (Released:2017-06-27)
参考文献数
11
被引用文献数
1 2

本論文では, まずフラクタル性をもつ時系列のインパルス応答関数をスケール関数により近似的に展開した場合に, 時間軸方向にインパルス応答を伸長することにより予測が行える原理について説明し, 予測誤差などについて整理する. 次に, フラクタル性をもつ時系列について, フラクタル次元が未知である場合に, 時系列をウェーブレット変換係数から計算できる方法を整理する. これらを現実の株価時系列へと適用して, 株価予測誤差の検討, フラクタル性, その次元推定について述べる. 具体的な応用例として株価のオプション取引のシミュレーションをとりあげ, 本論文の予測手法とこれに基づくオプション戦略の有効性について示している.
著者
池田 全之
出版者
教育思想史学会
雑誌
近代教育フォーラム (ISSN:09196560)
巻号頁・発行日
vol.14, pp.1-18, 2005-09-18 (Released:2017-08-10)

今回の報告のテーマは「ドイツ観念論のアクチュアリティ」である。だが、ドイツ観念論は絶対者の学であり、近代批判の脈絡で、近代を形成した「確固とした完結した主体」という幻想に立つ主体性の形而上学の極北とみなされ、そのまま支持することが今日では難しいとされている。これまで筆者は、フィヒテの知識学を検討しながら、主体がドイツ観念論の文脈でどのように定式化されたのかを整理し、シェリング(F.W.J. Schelling 1775-1854)において、絶対者への渇望がドイツ観念論の枠内で辿った顛末を究明したが、今回はシェリングの中期以降の試みを辿り直す。というのも、ドイツ観念論研究を始めたときから念頭を去らない問い、「絶対者に基づく形而上学的思考は妥当性を失っているのか」、を真剣に考えなければならないと思われるからである。たしかに現代思想からの批判を侯つまでもなく、現実遊離した超越的な次元を想定して、そこに現実を基礎づけることは許されないだろう。しかし、20世紀の思想を参照すれば、例えばユートピアの痕跡としての芸術作品による社会批判のTh・アドルノの試み(『美学理論(Asthetische Theorie)』)や、脱構築不可能な正義からの呼びかけによる法の脱構築を説くJ・デリダの「亡霊学(hantologie)」には、超越との関係で内在をいかに批判するのかという視点が復活していると思われるからである。こうした問題意識から筆者は、一見関係が見えにくいシェリングと、デリダもまた超越の現代的様態を解明すべく取り上げたベンヤミンを重ねあわせることにより、そこに閃くものを掬い取りたいと思う。
著者
靍久士 保利 金田 聡 飯田 明彦 内藤 哲也 池田 理恵 中澤 保子 若林 由紀子 山崎 明 山本 俊文
出版者
一般社団法人 日本臨床栄養代謝学会
雑誌
学会誌JSPEN (ISSN:24344966)
巻号頁・発行日
vol.3, no.3, pp.183-187, 2021 (Released:2022-01-25)
参考文献数
7

症例は2カ月男児.腸回転異常症・中腸軸捻転で,回盲部は残存するが残存小腸が30cmの短腸症候群となった.馴化期に入った後も,連日10回以上の排便,夜間に2~3時間ごとの排便があった.患児は体重増加が停滞し,頻便によるおむつ皮膚炎が増悪した.また,家人も頻回のおむつ交換で睡眠時間が確保できず,QOLが低下したため,以下の栄養管理の工夫を行った.①グァーガム分解物(partially hydrolyzed guar gum;以下,PHGGと略)の投与,②経管栄養剤や投与方法の検討,③五苓散の使用である.今回これらの3つの工夫を含めて5期に分類し,排便回数および夜間排便回数を比較検討したところ,probioticsとPHGGの併用,成分栄養剤とPHGGの混合液の持続投与に五苓散,離乳食を併用することで便性の改善と良好な体重増加が得られた.特に夜間排便回数が減少したことは,患児・家人のQOL改善につながったと考えられた.
著者
池田 進
出版者
関西大学社会学部
雑誌
関西大学社会学部紀要 (ISSN:02876817)
巻号頁・発行日
vol.33, no.1, pp.25-58, 2001-10-31

1.いわゆる鼻曲りの仮面と呼ばれる特徴的な形状を持つ数例の土製仮面を実見した。2.鼻曲りの仮面についての考古学的研究の文献を展望した。(1)現存の鼻曲りの仮面は縄文時代の後期から晩期の早い時期に属すると考えられている。(2)土製仮面は2類に分類されている。(3)なぜ鼻曲りの造形が現れたのかについてのいくつかの討論がある。3.先史時代における仮面の社会的心理的意義が考察された。(1)呪術との関連(2)悪霊よけ(3)変身(4)精霊の監視を避ける(5)仮面のマツリの社会的機能(6)鼻曲りの仮面の造形的意味4. さまざまな歪みの仮面の実例を供覧した。
著者
池田 浩一 野田 亮 大長光 純
出版者
THE JAPANESE FORESTRY SOCIETY
雑誌
日本林学会誌 (ISSN:0021485X)
巻号頁・発行日
vol.84, no.4, pp.255-261, 2002-11-16 (Released:2008-05-16)
参考文献数
36
被引用文献数
2

シカ糞の消失と糞の分解消失に及ぼす糞虫の影響を明らかにするため, 1996年3月から1999年1月までのほぼ毎月, 福岡県犬ヶ岳の森林に冷凍保存した排泄直後の糞を設置し, 月ごとの糞の消失率を調べた。同時にシカ糞を入れたピットホールトラップを設置し, 糞虫の発生消長を調べた。冷凍した糞と現地で採取した未冷凍糞の消失率の推移に有意差はなく, 冷凍糞を用いた本研究の結果は自然状態での糞の消失実態を再現していると考えられた。消失率の推移は糞を設置した季節によって大きく異なり, 春から秋は最初の1カ月間で急速に消失したが, 冬に設置した糞は緩やかに消失した。糞が急速に消失した季節はオオセンチコガネの, 緩やかに消失した季節はチャグロマグソコガネの出現期間とほぼ一致していた。ほとんどの月では糞の消失率の推移に年間の違いはなかったが, 3月, 9~11月に設置した糞では有意差がみられた。この違いは, 糞虫の出現時期や活動性が気温の影響を受けるためと考えられた。糞虫が入れないようにした糞の消失率は自然状態の糞よりも極端に低かった。以上のことから, 糞の分解消失には糞虫の活動が大きく関与していることが明らかになった。
著者
鈴木 直弥 上田 陽平 高垣 直尚 植木 巌 池田 篤俊
出版者
Advanced Marine Science and Technology Society
雑誌
海洋理工学会誌 (ISSN:13412752)
巻号頁・発行日
vol.27, no.1, pp.73-79, 2022-07-30 (Released:2022-08-27)
参考文献数
23

Drag coefficient on the ocean surface is determined by various studies based on different mechanisms, such as turbulence and wave breaking, closely related to wind speed. The global ocean datasets of wind speed are distributed by various temporal resolutions based on reanalysis, assimilation, and satellite data. Recently, the wind speed data with higher temporal resolution have been provided. Using 6-hourly and hourly wind datasets, the air-sea momentum fluxes were estimated by several drag coefficient models proposed by Large & Yeager (2009), Andreas et al. (2012), Takagaki et al. (2012), & Hwang (2018). The globally averaged annual mean air-sea momentum fluxes were derived from the different drag coefficient models. The maximum difference of the annual mean values among the models reaches approximately 30% of annual mean values. The meridional structure of zonally averaged annual mean air-sea momentum flux has double peak at relatively higher latitudes from 40°S/N to 60°N/S. At those peaks maximum difference among the models reaches more than 30% of the zonally averaged annual mean. In terms of differences in temporal resolution on the wind speed datasets on each grid, the differences between hourly and 6-hourly wind data became larger with decreasing average period. The maximum difference of 66.7% was recognized on daily mean. The large difference was remarkable in higher wind speed regions, such as typhoon’s paths in the western Pacific. The effects of wind variability on different temporal resolution datasets are significant for estimating the air-sea momentum flux.
著者
菅沼 惇一 千鳥 司浩 池田 由美
出版者
The Society of Physical Therapy Science
雑誌
理学療法科学 (ISSN:13411667)
巻号頁・発行日
vol.37, no.4, pp.399-404, 2022 (Released:2022-08-20)
参考文献数
28

〔目的〕本研究の目的は,足部感覚トレーニングが健常若年者の足底の体性感覚に与える影響を明らかにすることである.〔対象と方法〕対象は健常若年者26名とした.介入は,閉眼の座位姿勢にて多軸不安定板上に裸足で足底部を乗せ,前後左右の1ヵ所にランダムに重錘を置き,どこに重錘があるか回答を求めた.介入前後で足底(母趾,小指球,踵)の触圧覚および二点識別覚を計測し比較した.〔結果〕介入後は,触圧覚は変化を認めなかったが,足底(母趾,小指球,踵)の二点識別覚の向上が認められた.〔結語〕本研究で考案した足部感覚トレーニングを実施することで,即時的に足底の感覚機能が向上することが示唆された.
著者
池田 晋平 長谷川 裕司 関本 繁樹 王 建人 平井 美佳 芳賀 博
出版者
一般社団法人 日本作業療法士協会
雑誌
作業療法 (ISSN:02894920)
巻号頁・発行日
vol.41, no.4, pp.427-435, 2022-08-15 (Released:2022-08-15)
参考文献数
28

COVID-19の流行下における行動制限が地域在住高齢者の主観的健康感の悪化に及ぼす影響を検討するため,神奈川県綾瀬市の高齢者を対象に2019年12月と2020年7月に追跡調査を実施した.330名のうち2時点で健康維持(A群)75.2%,健康悪化(B群)7.3%であり,A群・B群を従属変数としたロジスティック回帰分析では,主観的健康感の健康悪化(B群)に「運動器機能の低下(リスクありを維持/ありへ悪化)」,「うつ傾向(リスクありを維持/ありへ悪化)」が影響し,作業療法士が高齢者の主観的健康感の悪化を予防していくうえで,身体の活動性やメンタルヘルスを維持していくことが手掛かりになると考えられた.
著者
池田 卓史
出版者
日本結晶学会
雑誌
日本結晶学会誌 (ISSN:03694585)
巻号頁・発行日
vol.53, no.4, pp.231-239, 2011-08-31 (Released:2011-09-15)
参考文献数
39
被引用文献数
1 1

The indexing process, that is determination of unit-cell parameters, is the first important stage of the crystal structure determination from powder diffraction data (SDPD). Accurate Bragg positions (2θ or d values) of 10∼20 peaks picked up by peak-search from low 2θ angle side are indispensable for determination of lattice constants with hkl indices. Subsequently, space group can be estimated according to systematic absences based on obtained lattice constants. Integral intensities of each reflection are tentatively extracted by the whole powder pattern fitting i.e. the Le Bail or Pawley methods. Crystal structure of small organic molecule can be solved by the direct method or the charge flipping algorithm. In this report, the brief summary about indexing and whole pattern fitting was described. Furthermore, some practical examples of SDPD of small organic molecules by the direct method (EXPO2009) and the charge flipping (Superflip) were demonstrated.
著者
池田 千登勢
出版者
Japan Society of Kansei Engineering
雑誌
日本感性工学会論文誌 (ISSN:18845258)
巻号頁・発行日
vol.16, no.3, pp.259-269, 2017 (Released:2017-08-31)
参考文献数
15
被引用文献数
1 2

The purpose of this study is to find effective design elements to make maps easy to use for people with poor directional ability. We conducted comparative experiments using 12 types of existing maps. 58 subjects tried to find their ways using several maps in large spaces such as shopping malls and stations with rather complex structures. After observing their behaviors, we conducted interviews to clarify supportive design elements of maps to find ways. As a result, we found some effective design elements such as vivid color tones, the right angle of bird's-eye-view, the right degree of deformation of illustrations, readable design from upside down position when maps are rotated, for example. We also found two important requirements of map design; (1) landmarks on maps should be easily collated with real landmarks, (2) relations between different stories of the building should be clearly described.
著者
伊藤 晃 吉川 大弘 古橋 武 池田 龍二 加藤 孝浩
出版者
日本知能情報ファジィ学会
雑誌
日本知能情報ファジィ学会 ファジィ システム シンポジウム 講演論文集 第26回ファジィシステムシンポジウム
巻号頁・発行日
pp.157, 2010 (Released:2010-11-05)

アンケートは,企業が市場の動向を調査するための重要な手段の一つであり,アンケートデータを解析し,得られた知見をもとにマーケティング戦略の立案を行うことがしばしば行われている.アンケートデータの解析には様々な手法が用いられているが,その一つにアソシエーション分析がある.アソシエーション分析とは,データに潜むルール(規則性)を,ルールに対する評価指標に基づいて抽出する手法であり,データからの知識獲得において有用な方法である.しかし,アソシエーション分析では一般的に,抽出されるルール数が膨大になり,ルール間の関係性や解析者にとって興味深いルールの把握が困難となる.そこで本稿では,階層グラフ構造を用いてルール間の関係性を可視化する手法を提案する.実際のアンケートデータに提案手法を適用し,解析者とって興味深いルールの探索を行うことが可能となることを示す.
著者
不破 輝彦 本田 寛享 大友 勇人 二宮 敬一 池田 知純 貴志 浩久
出版者
Polytechnic University of Japan 職業能力開発総合大学校
雑誌
技能科学研究 (ISSN:24343706)
巻号頁・発行日
vol.38, no.4, pp.11-15, 2022 (Released:2022-07-11)
参考文献数
6

The purpose of this study was to evaluate the workers' skill levels quantitatively by biological measurement during performance of milling work. We evaluated the relationship between the workers' skill levels, the difficulty levels of the tasks, and the workers' nervous system activities, i.e., changes in oxyhemoglobin and deoxyhemoglobin in prefrontal cortex as central nervous system activities and LF/HF as autonomic nervous system activities. Subjects were divided into two groups, i.e., an expert group and an intermediate subject group. As a result, it was shown that there is a certain relationship between workers' skill levels, the difficulty level of the tasks and nervous system activities. In conclusion, there is a possibility that changes in nervous system activities can evaluate the workers' milling skill level quantitatively.