著者
河野 誠也 吉野 幸一郎 中村 哲
出版者
人工知能学会
雑誌
2019年度 人工知能学会全国大会(第33回)
巻号頁・発行日
2019-04-08

対話行為とは,話者が発話において持つ何かしらの「意図」あるいは発話における「機能」であり,その意図や機能の種類として対話行為タグが定義される.対話行為は,対話モデルにおける基本単位の一つとして利用されてきており,特に近年,対話における発話間の相互作用をモデル化する上で有用であることが知られている.しかし,近年広く用いられているニューラル対話モデル (Neural Conversation Model; NCM) では,こうした対話行為によってシステム発話を明示的に操作することが困難である.そこで本研究では,システム応答が持つ対話行為の情報を条件として用いた敵対的生成学習の枠組みをNCMに導入する.具体的には,与えられた対話行為に基づいて応答を生成するGeneratorと,Generatorが生成した応答が指定した対話行為に基づいた適切なものであるかを判別するDiscriminatorを構築し,これらの2つのモデルを交互に敵対的に訓練する.このような学習の枠組みの導入により,NCMが任意の対話行為に基づいた適切な応答を生成することが可能かどうかの評価を行った.
著者
山口 惠三 大野 章 石井 良和 舘田 一博 岩田 守弘 神田 誠 辻尾 芳子 木元 宏弥 方山 揚誠 西村 正治 秋沢 宏次 保嶋 実 葛西 猛 木村 正彦 松田 啓子 林 右 三木 誠 中野渡 進 富永 眞琴 賀来 満夫 金光 敬二 國島 広之 中川 卓夫 櫻井 雅紀 塩谷 譲司 豊嶋 俊光 岡田 淳 杉田 暁大 伊藤 辰美 米山 彰子 諏訪部 章 山端 久美子 熊坂 一成 貝森 光大 中村 敏彦 川村 千鶴子 小池 和彦 木南 英紀 山田 俊幸 小栗 豊子 伊東 紘一 渡邊 清明 小林 芳夫 大竹 皓子 内田 幹 戸塚 恭一 村上 正巳 四方田 幸恵 高橋 綾子 岡本 英行 犬塚 和久 山崎 堅一郎 権田 秀雄 山下 峻徳 山口 育男 岡田 基 五十里 博美 黒澤 直美 藤本 佳則 石郷 潮美 浅野 裕子 森 三樹雄 叶 一乃 永野 栄子 影山 二三男 釋 悦子 菅野 治重 相原 雅典 源馬 均 上村 桂一 前崎 繁文 橋北 義一 堀井 俊伸 宮島 栄治 吉村 平 平岡 稔 住友 みどり 和田 英夫 山根 伸夫 馬場 尚志 家入 蒼生夫 一山 智 藤田 信一 岡 三喜男 二木 芳人 岡部 英俊 立脇 憲一 茂龍 邦彦 草野 展周 三原 栄一郎 能勢 資子 吉田 治義 山下 政宣 桑原 正雄 藤上 良寛 伏脇 猛司 日野田 裕治 田中 伸明 清水 章 田窪 孝行 日下部 正 岡崎 俊朗 高橋 伯夫 平城 均 益田 順一 浅井 浩次 河原 邦光 田港 朝彦 根ケ山 清 佐野 麗子 杉浦 哲朗 松尾 収二 小松 方 村瀬 光春 湯月 洋介 池田 紀男 山根 誠久 仲宗根 勇 相馬 正幸 山本 剛 相澤 久道 本田 順一 木下 承晧 河野 誠司 岡山 昭彦 影岡 武士 本郷 俊治 青木 洋介 宮之原 弘晃 濱崎 直孝 平松 和史 小野 順子 平潟 洋一 河野 茂 岡田 薫
出版者
日本抗生物質学術協議会
雑誌
The Japanese journal of antibiotics (ISSN:03682781)
巻号頁・発行日
vol.59, no.6, pp.428-451, 2006-12-25
参考文献数
17
被引用文献数
37
著者
湯口 彰重 河野 誠也 石井 カルロス寿憲 吉野 幸一郎 川西 康友 中村 泰 港 隆史 斉藤 康己 美濃 導彦
出版者
一般社団法人 日本ロボット学会
雑誌
日本ロボット学会誌 (ISSN:02891824)
巻号頁・発行日
vol.40, no.10, pp.932-935, 2022 (Released:2022-12-24)
参考文献数
8

We propose an autonomous mobile robot Butsukusa, which describes its observations and internal states during the looking-around task. The proposed robot observes the surrounding environment and moves autonomously during the looking-around task. This paper examined several language generation systems based on different observation and interaction patterns to investigate better communication protocol with users.
著者
石田 奈美 佐藤 伊都子 林 伸英 三枝 淳 河野 誠司
出版者
一般社団法人 日本臨床衛生検査技師会
雑誌
医学検査 (ISSN:09158669)
巻号頁・発行日
vol.64, no.2, pp.236-241, 2015-03-25 (Released:2015-05-10)
参考文献数
9
被引用文献数
1

高速凝固採血管は管口内部壁にトロンビンが塗布されているため,迅速な検査結果報告に適した採血管である。しかし,トロンビン添加が検査値に与える影響について一部の項目しか検討されていないことから,健常者を対象にして,ガラス製採血管,従来凝固促進採血管,高速凝固採血管の3種類の採血管を用いて検査値の比較検討を行った。検査項目は生化学関連検査59項目,腫瘍マーカー・ホルモン関連検査38項目,感染症関連検査24項目,自己免疫関連検査25項目の合計146項目である。それぞれの項目について3種類の採血管の測定値の平均とSDを求め,ガラス管を対照に高速凝固採血管および従来凝固促進採血管の測定値について関連のある2群間の差の検定を行った。その結果,一部の項目で有意差(p < 0.05)を認めたが,対象が健常人のため測定値が近似しており小さな差で統計学的有意となった可能性があった。いずれも臨床的に問題のない範囲であった。健常人において高速凝固採血管を用いた検査値は,ガラス製採血管と比較して臨床的に問題となるような検査値への影響は認められなかった。
著者
中村 泰貴 河野 誠也 湯口 彰重 川西 康友 吉野 幸一郎
雑誌
研究報告自然言語処理(NL) (ISSN:21888779)
巻号頁・発行日
vol.2022-NL-253, no.6, pp.1-7, 2022-09-22

ロボットをはじめとする人間を支援するシステムは,観測から状況を正しく理解し,人間が必要とする支援行動を出力する必要がある.特に人間を対象とした支援において,システムがどのような状況理解を行い,どのような動作行動の生成しようとしているかは,言語で表現することが重要である.そこで本研究では,現在の状況からシステムが行うべき行動を予測しその内容を言語で説明する,動作行動予測とその言語化 (captioning operative action) に取り組む.具体的には,ある状況とそこに対して何らかの支援行動が行われた理想状態の画像を入力とし,どのような支援行動が行われたかを説明する言語化タスクによって動作行動予測を実現するシステムを構築した.この際,こうした状況を説明する補助情報であるシーングラフの予測を補助タスクとして用いることで,シーングラフのアノテーションが存在しないテストセットに対しても精度高く動作行動の予測・言語化を行うことができることが確認された.
著者
杉本 健 辻 剛 中澤 隆 豆原 彰 並木 充夫 森信 暁雄 河野 誠司 熊谷 俊一
出版者
日本臨床免疫学会
雑誌
日本臨床免疫学会総会抄録集 第35回日本臨床免疫学会総会抄録集 (ISSN:18803296)
巻号頁・発行日
pp.84, 2007 (Released:2007-10-12)

(症例)71歳女性 (既往歴)65歳:顎下腺腫瘍、70歳:右膝全人工関節置換術後深部静脈血栓症 (家族歴)特記すべきことなし (現病歴)2007年2月下旬よりの下腿浮腫を主訴に当院消化器内科入院。入院後ネフローゼ症候群と診断され、精査中に画像上び漫性膵腫大、膵頭部腫瘤および一部狭窄と不整を伴う主膵管の拡張を指摘された。また、膵周囲、頚部、縦隔など全身リンパ節腫脹も認めた。頚部リンパ節生検から悪性リンパ腫や癌転移は否定され、膵頭部腫瘤については超音波内視鏡下穿刺吸引細胞診にて悪性所見は認めなかった。以上の所見とIgG4高値より自己免疫性膵炎と診断された。また口腔潰瘍、ネフローゼ、汎血球減少、dsDNA抗体陽性,抗核抗体陽性よりSLEと診断された。3月下旬に加療目的にて免疫内科転科となり、PSL(1mg/kg/day)による治療が開始された。膵頭部腫瘤、全身リンパの縮小と蛋白尿の消失、血球減少の改善を得た。 【考察】IgG4関連疾患として注目を浴びている自己免疫性膵炎を合併したSLEの症例を経験した。両者の合併は極めて稀であるため報告する。
著者
城尾 可奈 荒川 裕也 野口 依子 岡崎 葉子 佐藤 伊都子 中町 祐司 林 伸英 河野 誠司
出版者
一般社団法人 日本臨床衛生検査技師会
雑誌
医学検査 (ISSN:09158669)
巻号頁・発行日
vol.65, no.1, pp.64-69, 2016-01-25 (Released:2016-03-10)
参考文献数
13

コリンエステラーゼ(ChE)はコリンエステルをコリンと有機酸に分解する酵素で,アセチルコリンのみを加水分解するアセチルコリンエステラーゼ(AChE)とブチリルコリン等に作用しコリンと有機酸に分解するブチリルコリンエステラーゼ(BChE)の2種類がある。BChEは肝細胞で産生される蛋白で,肝臓の蛋白合成能の指標として肝機能検査に用いられているが,BChEのみ低値となる先天性BChE欠損症が報告されている。遺伝性BChE欠損症では手術時に使用される筋弛緩薬サクシニルコリンの分解が遅れて麻酔後長時間無呼吸を起こす危険性があり注意が必要である。今回我々はBChEが極低値な1症例を経験し,その遺伝子を解析した結果,エクソン2のコドン315でのアデニン(A)の挿入(S型)ホモ接合体を認めた。そのため,下流のコドン322にストップコドンが形成されることが判明した。また,エクソン4のコドン539での遺伝子置換ホモ接合体(K-variant)も認めた。
著者
三枝 淳 森信 暁雄 河野 誠司
出版者
神戸大学
雑誌
基盤研究(C)
巻号頁・発行日
2015-04-01

関節リウマチ(RA)の関節破壊に関与している滑膜細胞(RA-FLS)の細胞内代謝に着目して研究を行い、以下の知見を得た。1. RA-FLSではグルタミナーゼ(GLS)1の発現が亢進しており、GLS1阻害によりRA-FLSの増殖は抑制された。2. GLS1阻害薬の投与により、関節炎モデルマウスの関節炎は抑制された。以上より、グルタミン代謝はRAの病態に関与していることが示唆され、GLS1は新たな治療標的と考えられた。
著者
中野 佑哉 河野 誠也 吉野 幸一郎 中村 哲
雑誌
研究報告自然言語処理(NL) (ISSN:21888779)
巻号頁・発行日
vol.2020-NL-244, no.3, pp.1-5, 2020-06-26

質問応答とは,与えられた質問に対し適切な答えを見つけて提示するタスクであり,機械読解や対話システムなど様々な応用を構成する重要な基本タスクの一つである.これまでの質問応答システムの研究は様々な問題を解決し,いくつかのベンチマークで高い精度を実現してきた.しかしながら,質問応答システムを実際に利用する場合,様々な課題が残されている.その中の一つに,質問応答システムに対するユーザ発話の曖昧性がある.本論文では,解答が一意に定まらない曖昧な質問文に対し,問い返しを行うことによって質問文の意味を一意に定めることを目的とする新たな質問応答タスクを設定した.その上で,この問題のベンチマークとなる質問応答データセットを既存の質問応答タスク向け大規模データセットから変換することにより作成した.また,作成したデータセットに対して既存モデルを用いた際の精度評価実験を行い,どのような問題が存在するか議論した.
著者
早川 郁代 徳野 治 橋本 誠 中屋 雄介 籔本 義人 高岡 裕 前田 英一 河野 誠司 西郷 勝康 杉山 大典 杉本 健 南 博信
出版者
一般社団法人 日本輸血・細胞治療学会
雑誌
日本輸血細胞治療学会誌 (ISSN:18813011)
巻号頁・発行日
vol.58, no.4, pp.547-551, 2012 (Released:2012-09-10)
参考文献数
7
被引用文献数
1 2

輸血後感染症検査の施行については適切な検査時期と検査項目を踏まえて実施することが重要である.本院では検査実施率を向上させるため,診療科へ検査実施時期を通知する具体的手段として,輸血同意書取得時の患者へのアナウンス,輸血患者リストの活用,電子カルテ画面を用いての輸血後感染症検査を通知する方法(輸血後感染症検査通知システム)を順次実施した. これらの方法の有効性を検証するため,本院において2008年1月から2011年9月迄に同種血輸血を受けた患者6,647人を対象に,輸血後感染症検査実施状況について,患者カルテの検査情報を後向きに調査した.1期:輸血患者リスト送付前,2期:輸血患者リスト送付後,3期:輸血後感染症検査通知システム導入後の各期間における肝炎検査(HBV,HCV)実施率の平均は21.6%,22.2%,39.7%,肝炎+HIV検査実施率の平均は7.0%,8.2%,31.2%であり,1期・2期と比較して3期で有意に向上した. 輸血後感染症検査実施率の向上において,輸血後感染症検査通知システムの継続した有効性が認められた.
著者
河野 誠哉
出版者
教育思想史学会
雑誌
近代教育フォーラム (ISSN:09196560)
巻号頁・発行日
vol.11, pp.175-188, 2002-12-04 (Released:2017-08-10)

科学の名を冠する調査的実践の歴史的系譜のなかで、児童という存在はいかなる分析視角のもとで捉えられてきたのか。こうした問題関心のもとに、本稿は、近代日本において取り組まれた2つの大規模児童測定調査(明治期における医学士・三島通良によるそれと、大正末における心理学者・大伴茂によるそれ)をとりあげ、これらを分かつ「隔たり」に注目するところから出発して、近代日本の児童研究の系譜のなかで児童を対象化するまなざしの根本的な転換について論じる。ここで本稿が指摘するのは、個人性への分析視角の移動と、それに伴って生じた教育臨床的なまなざしの成立という局面である。また、そのうえで、大正末から昭和初年にかけての時期において、このような根本的な転換をへて生まれることになった新しいタイプの科学的知の実践のもつ、近代学校論的な含意について検討していく。それは、当時の学校システムが直面しつつあった危機的状況への対応として、新たに要請された実践であったというのが、ここでの論点である。