著者
清水 一大 加藤 博和 福本 雅之 竹下 博之
出版者
Japan Society of Civil Engineers
雑誌
土木計画学研究・論文集 (ISSN:09134034)
巻号頁・発行日
vol.23, pp.659-666, 2006-09-30 (Released:2010-06-04)
参考文献数
8

本研究では, 名古屋の基幹バス新出来町線の実例をもとに, 中央走行方式バスの中長期的な導入効果を明らかにすることを目的としている. 分析によって, 1) バス走行が一般車両の影響を受けにくくなる結果, 高速化や定時性向上が図られていること, 2) 沿線状況のわりに利用客がより多く喚起されており, 他のバス路線に比べ乗客の減少が少ないこと, 3) 一般車の走行車線は減少するものの, バスも含めた単位時間あたり道路断面通過可能人キロはさほど減少しないこと, 4) 速度向上効果が, 停留所減による沿線住民のバス停アクセス時間の増加を補っていること, などが示されている.
著者
張 江 高塚 威 清水 一功
出版者
公益社団法人 空気調和・衛生工学会
雑誌
空気調和・衛生工学会大会 学術講演論文集 平成27年度大会(大阪)学術講演論文集 第7巻 空気質 編 (ISSN:18803806)
巻号頁・発行日
pp.41-44, 2015 (Released:2017-11-15)

ニオイセンサを用い、厨房における調理臭の拡散状況の実状調査を実施した。その結果とニオイ拡散のCFD解析結果と比較を行った。各サンプリングポイントにおける解析結果はニオイセンサによる実測結果と一致した。CFD解析では実際の拡散状況を再現し、ニオイをCFD解析によって見える化できる事例を蓄積した。また、ニオイセンサを用いたVAV 制御システムの可能性を確認した。
著者
五十嵐 健人 清水 一雄 岡村 律子 赤須 東樹 長岡 竜太 眞田 麻理恵 杉谷 巌
出版者
日本内分泌外科学会・日本甲状腺外科学会
雑誌
日本内分泌・甲状腺外科学会雑誌 (ISSN:21869545)
巻号頁・発行日
vol.33, no.4, pp.200-204, 2016 (Released:2017-01-26)
参考文献数
12

甲状腺・副甲状腺疾患に対する内視鏡手術が開発され,他の領域で内視鏡手術が次々と保険収載されるなか,医療行政変遷のため保険収載には至らなかった。2016年の診療報酬改定においてようやく甲状腺良性疾患や副甲状腺機能亢進症やバセドウ病に対して内視鏡下手術が保険収載された。内視鏡下甲状腺手術ワーキンググループ(WG)は2014年に内分泌外科領域における内視鏡下手術の先進医療Aを開始する時に設立された。2015年WGで臨床成績を検討し,通常手術と比較し安全性や有効性に遜色ない結果を示した。また,整容性に対する高い患者満足度や在院日数の短縮などの医療経済面への貢献も示す結果であった。それらの結果が評価され保険収載されたものと思われる。一方,甲状腺癌に対しては同様のデータであったが先進医療Aの継続となった。今後は保険収載に伴う問題や甲状腺悪性腫瘍に対する保険収載の課題など検討すべき問題が存在する。
著者
髙橋 芳朗 清水 一道 足立 真彦 大城 桂作 片岸 庄史
出版者
Japan Foundry Engineering Society
雑誌
鋳造工学 (ISSN:13420429)
巻号頁・発行日
vol.75, no.3, pp.196-201, 2003-03-25 (Released:2011-02-01)
参考文献数
21

Solidification structures and frictional wear characteristics of high P cast iron containing 3.3 mass%C, 1.7 mass%Si, 1.4 mass%Mn, 0.3-3.0 mass%P, 0.37 mass%Cr, 0.20 mass%V were examined with an image analyzer and original braking test machine. High P cast iron consists of steadite, eutectic cementite and flaky graphite distributed in pearlitic matrix. The addition of higher levels of P increases the steadite, which raises frictional wear resistance against the wheel steel.The wear resistance effectively improved with the addition of about 0.6 mass%P. The braking ability also improved with the addition of more than 1 mass%P at the initial braking speed of above 15 m/s. The contact surface was heated above 990 K at the initial braking speed of 25 m/s and the steadite partially melted or softened, which enhanced the braking ability of cast iron.
著者
清水 一広 川添 祥一 山田 修 長瀬 英生
出版者
公益社団法人 日本薬学会
雑誌
YAKUGAKU ZASSHI (ISSN:00316903)
巻号頁・発行日
vol.105, no.8, pp.784-790, 1985-08-25 (Released:2008-05-30)
参考文献数
22
被引用文献数
1

The present study was undertaken to determine if adenosine triphosphate-magnesium chloride (ATP-MgCl2) would have beneficial effects on the membrane electrolytes transport and deformability of shocked red blood cells (RBC) with impaired cellular energy metabolism. Shocked RBC suspensions were obtained by incubation of 10% rabbit RBC suspension in phosphate buffered saline at 37°C for 14 h. Cellular ATP level was reduced to approximately 6% of normal value by this incubation. ATP-MgCl2 (100 μM), added to the incubation medium along with glucose (10 mM) after 14 h of incubation, significantly prevented further decreases in cellular ATP and 2, 3-diphosphoglycerate (2, 3-DPG) levels. Increases in intracellular sodium concentration and potassium leakage from RBC were counteracted by simultaneous ATP-MgCl2 and glucose treatment and pH of the incubation medium showed significant reduction compared with the control. It was also observed that glucose utility and deformability of shocked RBC were improved by ATP-MgCl2 and glucose treatment. These results indicate that ATP-MgCl2 would be helpful to restore the impaired RBC function by improving the intracellular energy metabolism.
著者
川上 裕司 本堂 朋子 米田 麻子 庄子 健一 清水 一郎 井上 正
出版者
日本家屋害虫学会
雑誌
家屋害虫 (ISSN:0912974X)
巻号頁・発行日
vol.26, no.2, pp.135-143, 2004-12-15
参考文献数
22
被引用文献数
2

2000年8月~9月に,東京都所在の一般住宅6軒と病院1軒を対象として,フェロモントラップを使ってタバコシバンムシを捕獲した.捕獲した個体から2つの方法で細菌と酵母菌を分離した.一方の個体群は1頭ずつ解剖して消化管を取り出し,滅菌チユーブに移した.もう一方の個体群は1頭ずつ翅を外した腹部のみを滅菌チユーブに移した.検体を入れた滅菌チューブに1mlのリン酸緩衝生理食塩水を加え,タッチミキサーを使って振とうした.この洗浄液を6種類の培地を用いて,好気性または嫌気性培養して細菌と酵母菌を分離した.分離された細菌と酵母菌からDNAを抽出した.そして,SSUrDNAの塩基配列を調べることによって細菌と酵母菌の同定を行った.この結果,14種29株を同定した.この内訳は,グラム陽性菌8種20株,グラム陰性菌4種7株,酵母菌2種2株であった.細菌は7属が分離された.この内訳は,Bacillus cereusを含むBacillus属が4種,Enterobacter agglomeransを含むEnterobacter属が3種で,他の5属は1種ずつだった。病院で採集した個体から抗生物質耐性菌として知られているEnterococcus faecalisが分離されたことは注目すべき結果だった.また,酵母菌はCandida kruseiとRhodotorula rubraであった。
著者
清水 一
出版者
大阪経大学会
雑誌
大阪経大論集 (ISSN:04747909)
巻号頁・発行日
vol.72, no.2, pp.165-180, 2021 (Released:2021-07-28)

理工系学部(約240学部)のデータを分析した結果,①学部卒業後の進路として,偏差値の低い大学ほど就職を選び,偏差値の高い大学では進学を選ぶ確率が高いこと,②退学率,進学率とST 比率は有意な相関があるものの実質的な効果は小さいこと,進学率と就職率の和である決定率はST 比率と有意な関係がないこと,③理学部と工学部の比較では,退学率には有意な違いがないが,進学率,進路の決定率は工学部のほうが有意に高いことが分かった。 また,社会科学系と理工系の比較では,①どちらも退学率,就職率,進路決定率に対して偏差値の影響が大きいこと,②退学率の全体の平均値は同程度で,国公立・私立別・偏差値階級別の退学率の傾向も両方の学部系統で似ていること,③理工系では国公立は私立より退学率が有意に低く,就職率,進路の決定率は有意に高い。一方,社会科学系では国公立と私立に有意な差はない。
著者
ハーマッハー ヴェルナー 宮﨑 裕助[訳・解題] 清水 一浩[訳]
出版者
新潟大学大学院現代社会文化研究科共同研究プロジェクト「世界の視点をめぐる思想史的研究」新潟大学人文学部哲学・人間学研究会
雑誌
知のトポス : 世界の視点 : topos = 知のトポス : 世界の視点 : topos (ISSN:18809995)
巻号頁・発行日
vol.11, pp.173-206, 2016-03

In: Kontroversen, alte und neue. Akten des VII. Internationalen Germanisten-Kongresses Göttingen 1985, hg. v. Albrecht Schöne, Band II: Historische und aktuelle Konzepte der Literaturgeschichtsschreibung, Tübingen: Niemeyer 1986, S. 5-15.
著者
田中 昌一郎 粟田 卓也 島田 朗 村尾 敏 丸山 太郎 鴨井 久司 川崎 英二 中西 幸二 永田 正男 藤井 寿美枝 池上 博司 今川 彰久 内潟 安子 大久保 実 大澤 春彦 梶尾 裕 川口 章夫 川畑 由美子 佐藤 譲 清水 一紀 高橋 和眞 牧野 英一 三浦 順之助 花房 俊昭 小林 哲郎 日本糖尿病学会1型糖尿病調査研究委員会
出版者
一般社団法人 日本糖尿病学会
雑誌
糖尿病 (ISSN:0021437X)
巻号頁・発行日
vol.54, no.1, pp.65-75, 2011 (Released:2011-03-29)
参考文献数
19
被引用文献数
8

日本糖尿病学会1型糖尿病調査研究委員会の緩徐進行1型糖尿病分科会(旧日本糖尿病学会緩徐進行1型糖尿病調査委員会)では委員会委員の所属する施設において発症から5年以内の新規受診糖尿病687例を前向き(2004年4月~2009年12月)に登録し膵島関連自己抗体(glutamic acid decarboxylase[GAD]抗体,insulinoma-associated protein 2[IA-2]抗体およびinsulin autoantibodies[IAA])の測定を行った.2型糖尿病と思われる症例で膵島関連自己抗体が一種でも陽性の場合には緩徐進行1型糖尿病:slowly progressive IDDM(以下SPIDDM)と病型区分した.その結果,1)2型糖尿病と思われる症例の10%(49/474, 95%信頼区間:8-13%)にSPIDDMが認められた.2)膵島関連自己抗体陰性の2型糖尿病に比しSPIDDM例の自己免疫性甲状腺疾患の合併頻度,HbA1c値,初診時のインスリン治療の頻度は有意に高く,BMIは有意に低かった.3)SPIDDMではGAD抗体の頻度(69%,34/49)はIA-2抗体の頻度(39%,19/49)やIAA(29%,14/44)の頻度に比し有意に高かった.4)SPIDDMでは急性発症1型糖尿病に比し膵島関連自己抗体の単独陽性例が高頻度だった.以上の結果から2型糖尿病と思われる症例に高頻度にSPIDDM症例が含まれる可能性があること,SPIDDMは2型糖尿病や急性発症1型糖尿病と異なる臨床的特徴を呈することが全国規模調査で明らかとなった.
著者
清水 一彦
出版者
筑波大学
雑誌
基盤研究(C)
巻号頁・発行日
2000

本研究は、(1)アメリカの大学におけるオナーズ・プログラム(honors program)の導入過程及び歴史的発達過程を明らかにするとともに、(2)わが国の大学への導入・実践の可能性及びその諸条件を提言することを目的とした。本研究によって得られた知見は、次のようにまとめられる。1.選択制や単位制度を世界最初に開発したアメリカの大学では、量的システムの弱点を補強するためにオナーズコースを導入し、優秀な学生のための教授内容・方法の改善を図った。2.このオナーズコースは、当初から大学によって多種多様な形態で実践されていたが、その実践形態は大きく次の二つに分類できるものであった。一つは、2〜3の通常のコース(科目)が免除される「不完全タイプ」であり、二つは、大部分のコースが免除されオナーズ試験が課せられる「完全タイプ」である。3.今日多くの大学で実践されているオナーズ・プログラムは、初期の形態とはやや異なり、通常のコースとは別に固有のコースを設けたり、プロジェクト方式のコースを設けたりする大学もみられる。また、ハイスクールと大学のアーティキュレーション(接続)の改善に寄与し、1年次プログラムや下級年次プログラムといった移行の円滑を図るプログラムと結びつける場合もある。4.オナーズ・プログラムの実践は、大学間というより領域や専門分野において著しい差異があり、それぞれの特性に応じた多様な形態が可能である。わが国の場合、飛び入学という特別措置的なシステムの中に類似したものがみられる、入試制度の多様化への対応ではなく、教育プログラムやカリキュラムの編成あるいは教授法の改善の中で導入される必要がある。
著者
長峯 健太郎 矢島 秀伸 清水 一紘 青山 尚平 平下 博之 Hou Kuan-Chou Chen Li-Hsin Zhu Qirong Sadegh Khochfar Claudio Dalla Vecchia
出版者
大阪大学
雑誌
基盤研究(A)
巻号頁・発行日
2014-06-27

宇宙論的銀河形成流体コードGADGET-3を用いて、早期宇宙から現在に至るまでの銀河形成と進化の統一的理解を推進した。具体的には、新たな超新星爆発モデルとダストの破壊・成長モデルをシミュレーションコードに組み込み、ダストとメタルを空間的・時間的に追うことに成功した。銀河の光度関数や質量関数、及びダストによるextinctionの空間分布も計算した。また、宇宙論的ズーム計算においては、矮小銀河の質量獲得史および星形成史を調べた。その結果、フィードバックが強いモデルにおいては、ガスが吹き飛ばされて銀河円盤が破壊され、より乱れたガス分布の初代銀河が形成されることがわかった。
著者
黒田(澤井) 玲子 佐々木 裕 西川 智子 黒田 和道 桜井 孝治 山本 樹生 清水 一史
出版者
社団法人 日本食品科学工学会
雑誌
日本食品科学工学会誌 (ISSN:1341027X)
巻号頁・発行日
vol.58, no.10, pp.496-498, 2011-10-15 (Released:2011-11-30)
参考文献数
5
被引用文献数
1 2

我々は,カリン(Chaenomeles sinensis)中の高分子ポリフェノールの季節性インフルエンザウイルス A/Udorn/ 307/72 (H3N2)に対する感染性中和活性および赤血球凝集抑制効果を既に報告している. カリン中の活性画分CSD3を用いて,新型インフルエンザウイルス A/Chiba/1001/2009 (H1N1) pdm に対する赤血球凝集抑制活性および感染性中和活性を評価したところ,5 μg/ml のCSD3で処理したウイルスは赤血球凝集価が約1/2に,感染性が約1/10に減少することが明らかになった.250 μg/mlの処理では感染価は1/3 000に減少したこれらの結果は,カリン中の抗インフルエンザウイルス活性成分は,H1N1新型インフルエンザウイルスに対しても有効であることを示す.更に,赤血球凝集価の減少以上に感染性が減少したことからウイルス吸着段階以降における抑制作用の存在が示唆された.
著者
清水一
雑誌
作業療法
巻号頁・発行日
vol.10, pp.291-299, 1991
被引用文献数
4