著者
石田 英子 大戸 梅治 清水 敏之
出版者
日本結晶学会
雑誌
日本結晶学会誌 (ISSN:03694585)
巻号頁・発行日
vol.59, no.2-3, pp.108-113, 2017-06-30 (Released:2017-07-01)
参考文献数
19

Fertilization, the crucial step in sexual reproduction, requires the fusion of haploid sperm and egg to create a genetically distinct offspring. Despite many studies on mammalian fertilization, the molecular mechanisms underlining the membrane fusion remain largely unknown. At present, IZUMO1 on the sperm surface and JUNO on the egg surface are known as the only protein pair essential for fertilization. In this review, we focus on the crystal structures of human IZUMO1, JUNO and IZUMO1-JUNO complex. These structures reveal the molecular mechanism of mammalian gamete recognition, and provide information for development of non-hormonal contraceptive agents.
著者
清水 潤
出版者
日本文学協会
雑誌
日本文学 (ISSN:03869903)
巻号頁・発行日
vol.54, no.9, pp.32-41, 2005-09-10 (Released:2017-08-01)

泉鏡花「龍胆と撫子」は「黒髪」と題して雑誌連載が始まったが、連載誌の変更や連載中断を経た後、前半部分のみが『りんだうとなでしこ』と題して単行本化された。この未完に終わった大作について、本論では複雑な成立過程も考慮に入れた上での作品読解の可能性を探る。成立過程での作品世界の変質や作中人物の役回りの問題(例えば、重要人物であるべき毛利が冒頭部分にしか登場しないこと)も検討しつつ、後期の鏡花文学の中での本作の存在意義を巡って再考察を試みた。
著者
清水 明
出版者
弘前大学人文学部
雑誌
人文社会論叢. 人文科学編 (ISSN:13446061)
巻号頁・発行日
no.28, pp.37-58, 2012-08-31
著者
田中 克 堺 俊克 岡本 信治 清水 康夫
出版者
一般社団法人 映像情報メディア学会
雑誌
映像情報メディア学会年次大会講演予稿集 2010 (ISSN:13431846)
巻号頁・発行日
pp.6-11-1-_6-11-2_, 2010-08-31 (Released:2017-05-24)

We have developed the compact high resolution CRT for HDTV viewfinder. By using phosphor thin-films, the horizontal resolution of 900 TV lines was obtained by optimizing the device structure of CRTs and the growth condition of phosphor thin-films.
著者
清水 泰生 シミズ ヤスオ Shimizu Yasuo
雑誌
国際研究論叢 : 大阪国際大学紀要 = OIU journal of international studies
巻号頁・発行日
vol.30, no.2, pp.91-103, 2017-01-31

Haruki Murakami is a novelist who also competes in triathlons and marathons. How has his running affected him and his literary work? Furthermore, has he read any books about running that offer interesting viewpoints? In addition, how does he train? For this report, I considered works that feature in printed media, such as interviews, essays and other texts. Since many novelists do not participate in sports, Murakami was regarded as a heretic and received continuous criticism. He fought for people who were criticized all the time. It may be said that he is an atypical runner, and is therefore isolated. Also, it can be seen from the Murakami works that literary language and rhythm are important attributes. As well as music, running must affect the form of writing immensely. Additionally, there is the theoretical question about his training, but it may be said that his original training has helped him form a writing style.
著者
清水 亜紀子
出版者
日本パーソナリティ心理学会
雑誌
パーソナリティ研究 (ISSN:13488406)
巻号頁・発行日
vol.17, no.3, pp.231-249, 2009-05-01 (Released:2009-07-04)
参考文献数
20

本研究では,自我体験の「体験内容」・「体験の位置づけ方」の類型化を試みる。そこで,25名の被調査者を対象に,自我体験に関する個別面接調査を実施した。得られた語りを分析した結果,自我体験の体験内容は,時間軸・空間軸への問い,存在への感覚的違和,自・他の実在への懐疑,独一性への気付きの4つに分類された。また現時点での自我体験の位置づけ方は,個人史再編成,体験同化,意味づけ途上,体験疎外の4つに分類された。特に,個人史再編成では,新たな自己が生成される一方で,体験疎外では,旧来の自己のあり方を堅持しようする様子がみて取られた。さらに,事例的検討から,自我体験とは,「第二の私」が「今ここの私」として生きるという新たな自己の成立の契機的体験であり,その体験をいかに受けとめるかによって,「今ここの私」を根底から崩すものにも,支えてくれるものにもなりえるパラドキシカルな体験なのではないかと考えられた。
著者
川上 裕司 本堂 朋子 米田 麻子 庄子 健一 清水 一郎 井上 正
出版者
日本家屋害虫学会
雑誌
家屋害虫 (ISSN:0912974X)
巻号頁・発行日
vol.26, no.2, pp.135-143, 2004-12-15
参考文献数
22
被引用文献数
2

2000年8月~9月に,東京都所在の一般住宅6軒と病院1軒を対象として,フェロモントラップを使ってタバコシバンムシを捕獲した.捕獲した個体から2つの方法で細菌と酵母菌を分離した.一方の個体群は1頭ずつ解剖して消化管を取り出し,滅菌チユーブに移した.もう一方の個体群は1頭ずつ翅を外した腹部のみを滅菌チユーブに移した.検体を入れた滅菌チューブに1mlのリン酸緩衝生理食塩水を加え,タッチミキサーを使って振とうした.この洗浄液を6種類の培地を用いて,好気性または嫌気性培養して細菌と酵母菌を分離した.分離された細菌と酵母菌からDNAを抽出した.そして,SSUrDNAの塩基配列を調べることによって細菌と酵母菌の同定を行った.この結果,14種29株を同定した.この内訳は,グラム陽性菌8種20株,グラム陰性菌4種7株,酵母菌2種2株であった.細菌は7属が分離された.この内訳は,Bacillus cereusを含むBacillus属が4種,Enterobacter agglomeransを含むEnterobacter属が3種で,他の5属は1種ずつだった。病院で採集した個体から抗生物質耐性菌として知られているEnterococcus faecalisが分離されたことは注目すべき結果だった.また,酵母菌はCandida kruseiとRhodotorula rubraであった。
著者
清水 たくみ 平野 雅章
出版者
一般社団法人 経営情報学会
雑誌
経営情報学会 全国研究発表大会要旨集 2020年全国研究発表大会
巻号頁・発行日
pp.269-272, 2021-01-28 (Released:2021-01-18)

ICT投資は経済・企業成長の主要な要因としての役割を果たし続けている。マクロレベルでのICT投資の正の影響については合意が形成されつつある一方、ミクロレベルでどのような組織がICT投資を成果に結びつけているかについては統一的な見解が得られていない。そこで本研究では「デジタル文化資本」概念に着目し、ICT投資成否を左右する組織要因について明らかにする。日本企業に対する大規模サーベイ調査のパネルデータ分析を行った結果、ICT投資は組織内デジタル文化資本の高低に応じて企業業績に与える影響が変化することが示された。本研究により、ICT投資と企業業績の関係性に関する新たな理論的・実証的貢献がもたらされた。
著者
清水 健太郎 小倉 裕司 高橋 弘毅 和佐 勝史 平野 賢一
出版者
一般社団法人 日本臨床栄養代謝学会
雑誌
学会誌JSPEN
巻号頁・発行日
vol.2, no.2, pp.95-102, 2020

<p>リフィーディング症候群は,飢餓状態にある低栄養患者が,栄養を急に摂取することで水,電解質分布の異常,心合併症を引き起こす病態であるが,低血糖との関連は明らかではない.BMIが14未満の低血糖を伴うリフィーディング症候群を発症した12例の本邦報告例を検討したところ,たこつぼ型心筋症や心停止を含む致死的な心合併症を10例に発症していた.機序は不明な点が多いが,低栄養状態でのエネルギー供給による過剰なインスリン分泌が低血糖を生じ,低血糖によるカテコラミンの過剰分泌がたこつぼ型心筋症をひきおこすことが推察された.また,心筋への不十分なエネルギー供給が心合併症の要因と考えられた.この病態は重症化する可能性があるため,極度の低栄養患者には心電図モニターや血糖値および電解質管理等の全身管理を要する.目標投与エネルギー量を適切に設定し,リフィーディング症候群およびそれに伴う合併症を予防しつつ厳密な栄養管理が必要である.</p>
著者
風間 孝 菅沼 勝彦 河口 和也 堀江 有里 清水 晶子 谷口 洋幸 釜野 さおり 石田 仁
出版者
中京大学
雑誌
基盤研究(C)
巻号頁・発行日
2010

本研究では、セクシュアリティおよびジェンダーの軸と、階層・階級、人種・民族、地域、国籍といった軸とを交差させるなかで、日本においてクィア・スタディーズを展開していくことを目的とした。その結果、法制度や社会調査、社会制度設計において、理論研究と実証研究の問題意識とが交流のないままに研究が進められている現状が明らかとなり、研究成果を他の学問分野および(市民)社会領域と交流させていくことの意義と緊要性が確認された。
著者
清水 一
出版者
大阪経大学会
雑誌
大阪経大論集 (ISSN:04747909)
巻号頁・発行日
vol.72, no.2, pp.165-180, 2021 (Released:2021-07-28)

理工系学部(約240学部)のデータを分析した結果,①学部卒業後の進路として,偏差値の低い大学ほど就職を選び,偏差値の高い大学では進学を選ぶ確率が高いこと,②退学率,進学率とST 比率は有意な相関があるものの実質的な効果は小さいこと,進学率と就職率の和である決定率はST 比率と有意な関係がないこと,③理学部と工学部の比較では,退学率には有意な違いがないが,進学率,進路の決定率は工学部のほうが有意に高いことが分かった。 また,社会科学系と理工系の比較では,①どちらも退学率,就職率,進路決定率に対して偏差値の影響が大きいこと,②退学率の全体の平均値は同程度で,国公立・私立別・偏差値階級別の退学率の傾向も両方の学部系統で似ていること,③理工系では国公立は私立より退学率が有意に低く,就職率,進路の決定率は有意に高い。一方,社会科学系では国公立と私立に有意な差はない。
著者
阿部 正義 清水 直美 柴田 和彦 桂木 猛
出版者
公益社団法人 日本薬理学会
雑誌
日本薬理学雑誌 (ISSN:00155691)
巻号頁・発行日
vol.116, no.supplement, pp.88-93, 2000 (Released:2007-01-30)
参考文献数
12

気管支喘息の病態での補体活性化の関与を検討した。能動感作ラットに抗原(OA)と共に補体活性化産物であるアナフィラトキシンC5aを気管内投与すると、即時型反応に引き続いて持続的な気道抵抗の上昇を認めた。同時に胆汁中の Cysteinyl-Leukotrienes の主要な代謝物であるN-Ac-LTE4を測定するとOAとC5aの同時刺激により持続的に肺での Cysteinyl-Leukotrienes 産生の増加が認められた。一方、能動感作ラットにOAを反復曝露することにより気道粘膜下組織に好中球を中心とした著明な炎症性細胞浸潤と遅発型の気道反応をおこす実験モデルを作成した。肺組織を抗C5a受容体抗体で免疫染色すると、浸潤した好中球並びに肺胞マクロファージにその発現が認められた。次に、補体系をその上流(C3およびC5転換酵素レベル)で阻害する、二種類の抗補体剤(nafamostat mesilate (Futhan) 並びに sCR1)で前処置してから抗原を曝露すると、いずれも遅発型反応を抑制したがsCR1の方がより強く抑制した。病理組織学的にも反復抗原曝露による炎症性細胞浸潤はsCR1前処置により著明に抑制された。またC5a受容体拮抗剤で前処置すると遅発型気道反応並びに気道粘膜下への細胞浸潤はともに抑制された。更に、sCR1前処置により補体系を阻害したラットに抗原とともに微量の C5a des Arg を気管内に投与すると遅発型気道反応並びに気道粘膜下組織への炎症性細胞浸潤の両方を再現することができた。一方、Interleukin-8ファミリーに属する Cytokine-induced neutrophil chemoattractant-1 (CINC-1) は C5a des Arg の100倍濃度まで使用しても有意の作用は認められなかった。以上より、反復する抗原・抗体反応により産生される気道内の微量C5aが一部の喘息の病態を重症化していると考えられ、抗補体剤、殊にアナフィラトキシンC5a受容体拮抗剤は新規の抗喘息薬に成り得る可能性が示唆される。