著者
鈴木 徹 竹内 友里 益田 和徳 渡辺 学 白樫 了 福田 裕 鶴田 隆治 山本 和貴 古賀 信光 比留間 直也 一岡 順 高井 皓
出版者
公益社団法人 日本冷凍空調学会
雑誌
日本冷凍空調学会論文集 (ISSN:13444905)
巻号頁・発行日
vol.26, no.4, pp.371-386, 2009 (Released:2011-05-23)
参考文献数
24

Recently, several food refrigeration equipments that utilize magnetic field have attracted much attention from food production companies, consumers and mass media. However, the effectiveness of the freezers is not scientifically examined. Therefore, the effectiveness should be clarified by experiments or theoretical considerations. In this study, the effect of weak magnetic field (about 0.0005 T) on freezing process of several kinds of foods was investigated by using a specially designed freezer facilitated with magnetic field generator. The investigation included the comparison of freezing curves, drip amount, physicochemical evaluations on color and texture, observation of microstructure, and sensory evaluation. From the results of the control experiments, it can be concluded that weak magnetic field around 0.0005 T provided no significant difference on temperature history during freezing and on the qualities of frozen foods, within our experimental conditions.
著者
渡辺 学
出版者
日本宗教学会
雑誌
宗教研究 (ISSN:03873293)
巻号頁・発行日
vol.81, no.4, pp.785-804, 2008-03-30

宗教における修行と身体の問題は、さまざまな形で論じられてきた。本論では、これらの問題を信と知、信と行、精神と身体などの枠組みにおいて概観してから、湯浅泰雄の修行論としての身体論を取り上げる。湯浅の修行論の特徴は、東洋的修行の本質を身心一如に見出していることである。このような観点を一つの準拠枠としながら、修行の視点から西行の釈教歌の分析を試みる。そして、心と月と西の概念を手がかりとして、西行の宗教的な自然観を浮き彫りにする。西行は、桜の花と月に魅了された生涯を送ったが、月には仏教的な意味づけの世界があり、とりわけ月輪観という密教的な瞑想法と密接な関係がある。本論では、このような月のイメージがさまざまな釈教歌においてさまざまな展開を見せていることを明らかにする。
著者
渡辺 学
出版者
公益社団法人 埼玉県理学療法士会
雑誌
理学療法 - 臨床・研究・教育 (ISSN:1880893X)
巻号頁・発行日
vol.21, no.1, pp.3-7, 2014 (Released:2014-02-05)
参考文献数
2

忙しい臨床の中であらゆる症例に詳細なデータの測定と分析を行っていくのは難しい。治療者の記憶に基づいた臨床経験には主観というバイアスが強く働く。患者の回復能力を最大限に引き出すためには,自らの臨床的意思決定を客観的に評価できるようにしなければならない。そのためには研究的な視点を持った症例検討を行う必要があり,手順として,①フィードバック,②症例検討,③臨床的疑問,④症例研究,の順でステップアップしていくのがよいと思われる。理学療法士というプロフェッショナルとしての臨床技術を高め,そして自信を持てるようになるには,データに基づく症例検討を行うことが非常に有効で近道であると思われる。
著者
渡辺 学 三堀 友雄 酒井 昇
出版者
一般社団法人 日本食品工学会
雑誌
日本食品工学会誌 (ISSN:13457942)
巻号頁・発行日
vol.6, no.4, pp.269-278, 2005-12-15 (Released:2010-06-08)
参考文献数
5

炒め調理過程の伝熱メカニズムについて検討した.モヤシを材料に用いて, 攪拌を行わない静止状態のバルクにおける温度分布の実測を行った結果, 加熱面に接触していないモヤシ片ではほとんど温度上昇がみられないことが明らかとなった.このことから, 炒め調理における攪拌とは, 強制的な物質移動によって熱拡散を代替するための操作であり, 伝熱という面でも非常に大きな役割を担っていることがわかった.以上の知見に基づき, 様々なバルクの伝熱特性を定量的に評価するために1層厚さ, 接触率という特性値を導入し, さらに攪拌頻度をパラメータとして攪拌に起因する熱拡散のモデル化を行うことにより, バルク温度の時間変化を計算で求める手法を構築した.計算結果の1例より, 加熱面とバルクの間の熱伝達率を推算したところ155W/m2Kとなり, 本モデルによりまずまず妥当な結果を得られることが確認できた.
著者
松山 惇 渡辺 学 林 憲一朗 江澤 真 清澤 功 長澤 太郎
出版者
japan association of food preservation scientists
雑誌
日本食品低温保蔵学会誌 (ISSN:09147675)
巻号頁・発行日
vol.19, no.1, pp.24-29, 1993-03-30 (Released:2011-05-20)
参考文献数
20

80℃, 30分間殺菌した豆乳にLactobacillus bulgaricus, Streptococcus thermophilusおよびBifidobacterium longumを混合接種して調製した発酵豆乳および発酵植物油添加豆乳ならびに市販プレーンヨーグルトを10日間冷温保蔵 (5℃) し, 48時間ごとにpH, 酸度, 乳酸菌およびビフィズス菌の生菌数およびホエー量を測定した。発酵豆乳および発酵植物油添加豆乳では, 日数の経過とともにpHは低下し, 酸度が上昇した。乳酸菌数は, いずれも減少傾向を示したが, 10日間保蔵で生菌数107以上を確保することができた。また, B.longumは, 10日間保蔵で108の菌数を保持した。ホエー量は, 保蔵日数の経過とともに, いずれもわずかに増加したが, ヨーグルトより少なかった。次に, 殺菌温度 (80℃, 90℃, 100℃, 30分間および121℃, 15分間) の異なる豆乳を用いて, 発酵豆乳および発酵植物油添加豆乳を調製して冷温保蔵した。その結果, 90℃, 30分間加熱の発酵豆乳は, 0日目のpHが最も高く, 酸度が最も低かったが, 冷温保蔵時にはその変化が, 最も大きかった。生菌数は, いずれの殺菌温度で冷温保蔵によって減少傾向を示したが, 10日間冷温保蔵で107以上を保持した。ホエー量は, いずれの発酵豆乳も殺菌温度が低いほど多かったが, ヨーグルトより低値であった。なお, 植物油添加の有無による差異はとくに認められなかった。
著者
渡辺 学 久ヶ枝 隆子
出版者
熊本大学
雑誌
教育工学センター紀要
巻号頁・発行日
vol.5, pp.139-161, 1988-02-29

カール・オルフのシュールベルクの再認識を,ザルツブルクにあるオルフ・インスティテュートに求め,そこで現在展開されている新しいオルフの方法を目の当りにした.すなわち,音楽教育の最も基本をなす聴覚を,「遊び」を通して洗練するとともに,さらに触覚,そしてお互いに手と手,腕,その他によって感じ合える身体相互の圧力など,現代人が忘れつつある身体各部の機能を確かめ,呼び覚ますことにはじまり,身体の動きと音楽のリズムを一致させようと先ず試みる.次に,音や身体による表現の原泉として自然にある動物や植物や鉱物に至るまでに確かなまなざしを向け,そこに生命を見出だし,それから得たアイデアやファンタジーによって即興的音楽を創る.言葉や詩によって浮かぶイメージを身体を動かし,即興的に歌い,身体によってドラマを作る.また,従来からあるオルフ=シュールベルクの伝統的方法を生かし,さらに発展させ,現代音楽や民俗音楽の手法をもとり入れたりして,オルフ楽器の用法をひろげ,いっそう集団による創作そのものの体をなして来ている,-このようにして,オルフ・インスティテュートでは40年になろうとするシュールペルクの歴史をふまえ,それを現代になお新しく活性化しつつ,子供達の音楽による人間的成長の援けとなるべく努力し続けている.それらの感化に基づき,日本の(熊本の)小学校の普通学校(担任と42人の3年生)において約22分の音楽によるドラマをどのように形成し得るかという実験を試み,今後の教材作成への試金石とした.
著者
平塚 伸 渡辺 学 河合 義隆 前島 勤 川村 啓太郎 加藤 尉行
出版者
園藝學會
雑誌
園芸学会雑誌 (ISSN:00137626)
巻号頁・発行日
vol.71, no.1, pp.62-67, 2002-01-15
参考文献数
10
被引用文献数
5 9

ギ酸カルシウムによるニホンナシの摘花効果と, その機構について検討した.1%のギ酸カルシウム溶液を受精前の雌ずいに散布すると, 柱頭への花粉の付着と花柱内の花粉管伸長が明確に抑制され, 30∿40%の果実が落果した.一方, 同濃度の酢酸カルシウムや乳酸カルシウム溶液による摘花効果は認められなかった.有機酸カルシウムが花粉発芽に及ぼす影響をin vitroで比較すると, ギ酸カルシウムは他の塩より明らかに強い抑制力を示した.有機酸について同様に調査した結果, ギ酸の発芽抑制作用は際立っていた.以上の結果より, ギ酸カルシウムによるニホンナシの摘花機構は, ギ酸による受精阻害と考えられた.摘花されなかった果実の生長や成熟期の果汁糖度は, 対照区と殆ど差が認められなかった.このように, ギ酸カルシウムはニホンナシの摘花剤として利用できる可能性が示された.
著者
平塚 伸 渡辺 学 河合 義隆
出版者
園藝學會
巻号頁・発行日
vol.71, no.1, pp.62-67, 2002 (Released:2011-03-05)

ギ酸カルシウムによるニホンナシの摘花効果と、その機構について検討した。1%のギ酸カルシウム溶液を受精前の雌ずいに散布すると、柱頭への花粉の付着と花柱内の花粉管伸長が明確に抑制され、30~40%の果実が落果した。一方、同濃度の酢酸カルシウムや乳酸カルシウム溶液による摘花効果は認められなかった。有機酸カルシウムが花粉発芽に及ぼす影響をin vitroで比較すると、ギ酸カルシウムは他の塩より明らかに強い抑制力を示した。有機酸について同様に調査した結果、ギ酸の発芽抑制作用は際立っていた。以上の結果より、ギ酸カルシウムによるニホンナシの摘花機構は、ギ酸による受精阻害と考えられた。摘花されなかった果実の生長や成熟期の果汁糖度は、対照区と殆ど差が認められなかった。このように、ギ酸カルシウムはニホンナシの摘花剤として利用できる可能性が示された。
著者
目黒 智康 桒原 慶太 金子 志保 渡辺 学 新井 智之 松永 篤彦
出版者
社団法人 日本理学療法士協会関東甲信越ブロック協議会
雑誌
関東甲信越ブロック理学療法士学会 第25回関東甲信越ブロック理学療法士学会 (ISSN:09169946)
巻号頁・発行日
pp.80, 2006 (Released:2006-08-02)

【はじめに】本態性振戦は,姿勢時及び動作時振戦だけを唯一の神経症状とする良性の神経疾患である.また,本態性振戦の亜型として書字振戦が報告されている.この書字振戦は書字という特定の動作においてのみ出現する課題特異的振戦であり,書字動作そのものの障害だけでなく,手段的日常生活動作能力の著しい低下に繋がる可能性がある.しかし,書字振戦に対する理学療法の介入効果に関する研究報告は極めて少ない.今回我々は,書字振戦を呈した高齢患者に対して,失調症に対して弾性緊縛帯を適用し,書字振戦が改善する経験を得たので報告する.【症例紹介】症例は85歳の男性で,特記すべき既往歴はみられなかった.現病歴は誘因なく発熱,嘔吐,頚部硬直を伴って意識レベルが低下し,ヘルペス脳炎の診断を受ける.なお,パーキンソニズムや小脳失調性などの神経学的な異常所見は認められなかった.第21病日より理学療法を開始し,第30病日には院内T杖歩行が可能となった.第31病日より書字練習開始した.【初期評価】安静時には振戦はみられないものの,上肢を挙上するとわずかに手指振戦が出現し,さらにこの振戦は書字時に増悪した.感覚機能は正常であり,運動機能は,握力が右16.0kg・左12.5kg,ペグボードテストが右12本・左13本,簡易上肢機能検査(STEF)では右85点・左91点であった.さらに Mini Mental State Examinationによる得点は27点, Functional Independence Measureによる運動項目は91点であった.いずれの評価も著しい低下はみられなかった.【理学療法介入】書字振戦に対する理学療法として,弾性緊縛帯を適用した.方法は,弾性包帯で手関節を固定するように巻き,毎日1時間程度ひらがなの文章を書写する練習を繰り返し,計15日間行った.【結果と考察】書字練習開始時では弾性緊縛帯で手関節を固定した時のみ振戦が減少し書字の不均整に改善を認めたのに対して,退院時には弾性緊縛帯を適用しない状態で書字の不均整に明らかな改善がみられた.先行研究によると,弾性緊縛帯は失調症に対して固有感覚系を介して運動制御を促通する効果があると報告されている.本症例の書字振戦が改善した理由も,弾性緊縛帯により書字の際に手関節の不随意運動が制限され,書字動作時の運動制御を促通した可能性がある.また,弾性緊縛帯による書字の不均整の減少(即時効果)が書字練習時の正しい結果のフィードバックにつながり,さらにはこの学習過程が繰り返し継続されたことが書字という緻密な動作の再学習に効果的に働いたと考えられた.
著者
小林 りか 田村 朝章 渡辺 学 鈴木 徹
出版者
公益社団法人 日本冷凍空調学会
雑誌
日本冷凍空調学会論文集 (ISSN:13444905)
巻号頁・発行日
vol.32, no.2, pp.155-161, 2015-06-30 (Released:2016-06-30)
参考文献数
8
被引用文献数
1

食品冷凍において,凍結,低温貯蔵,解凍といった一連の冷凍操作すべてが品質劣化に影響を与える.特に大部分をタンパク質で構成される魚介類の品質は,タンパク質の冷凍変性に大きく影響を受ける.そのような中,解凍過程におけるタンパク質変性挙動に関する研究は,凍結貯蔵過程と比較してあまり着目されてこなかった.そこで本研究では,マグロ魚肉の解凍過程でのタンパク質変性の反応速度をCa-ATPase 活性値を指標として算出し,解凍中保持温度よる影響を議論した.同時にドリップ流出量を測定して両者の相関性を検証した.結果として,10℃以下の解凍中保持温度によってタンパク質変性進行は抑制され,Ca-ATPase 比活性値とドリップロスには緩やかな相関関係が確認された.
著者
渡辺 学 久ヶ枝 隆子
出版者
熊本大学
雑誌
熊本大学教育実践研究
巻号頁・発行日
vol.6, pp.137-148, 1989-02-28

歌唱・器楽・創作といった各領域がそれぞれ系統化されてはじめて音楽科という教科が成り立っているという,他教科のそれにならってする理論立て-リズム・メロディ・ハーモニーという音楽の3要素を,それぞれ低・中・高学年のグレードとし,発達段階をふまえてする系統に見倣すような錯覚も含めて-をすることへの反省として,また,すべての子供に同一の課題を出し,一線にならべて競わせ,優劣を問うような音楽科でなく,それぞれが異る活動をしながら,全体が統一されていく集団的パフォーマンスとしてのミュージカル学習を想定し教材づくりをまとめた.実践を通して,稚拙で荒けずりではあっても,より自由にして自発的な表現そのものをまず認めるべきであるということを知ったことを特記したい.いうなれば,言語・音楽リズム・身体運動・造型性・社会性などのいわゆる保育目標を向上させると同時に,それぞれの領域に分離しない綜合的な表現をということになるのであるが,幼稚園・保育園のみならず,小学校もその延長線上にあることを認識したい.
著者
渡辺 学
出版者
日本宗教学会
雑誌
宗教研究 (ISSN:03873293)
巻号頁・発行日
vol.79, no.2, pp.375-398, 2005-09-30 (Released:2017-07-14)

本論は、オウム真理教元幹部Aの入信と脱会の事例を扱う。Aは、精神的な探求者としてさまざまな宗教団体や霊能者などを遍歴した後、教祖と出会い同教団の最初の出家者となった。強い信仰と神秘体験によってAは人類の救済を目指すとされた教団の活動に積極的に関わったが、同時に同教団の犯罪行為へと深く関与することとなった。強い信仰を持っていたときには、教団による殺人行為も救済としてのポアとして宗教的に正当化したり合理化したりすることができたが、棄教に至ったとき、それは単なる殺人としてAの心に重くのしかかることになった。
著者
渡辺 学 網本 和 新井 智之 廣瀬 隆一(MD)
出版者
社団法人 日本理学療法士協会関東甲信越ブロック協議会
雑誌
関東甲信越ブロック理学療法士学会 第25回関東甲信越ブロック理学療法士学会 (ISSN:09169946)
巻号頁・発行日
pp.17, 2006 (Released:2006-08-02)

【目的】「鏡失認」は、鏡上の物体を探索しその物体が視野内に呈示された後でもその探索行動を変容できない症状で、1997年にRamachandranが初めて報告した。また彼は鏡の利用により半側空間無視が改善する可能性を示唆しているが、その後も定量的な研究は行われていない。今回、半側空間無視に鏡失認を認めた例に対して定量的な評価を行い、次に鏡を利用することで半側無視の改善が得られたので報告する。【対象】症例A:85歳、女性。右頭頂葉皮質下出血、左片麻痺。JCSI-1、Brunnstrom stage上肢II手指I下肢II、左感覚重度障害、同名半盲なし。合併症は、見当識障害、認知障害、注意障害、病態失認、左半側空間無視、Pusher症候群。ADLは全介助、作話あり。症例B:89歳、女性。右側頭頭頂葉皮質梗塞、左片麻痺。JCSI-1、Brunnstrom stage全てVI、左感覚障害なし。合併症は、同名半盲、認知障害、構成障害、注意障害、病態失認、左半側空間無視。ADLは監視レベル。【方法】車椅子の右側に矢状面方向で姿勢鏡を隣接した。検査者は対象者の右前方に位置し、鏡に注意を向けさせそれが何かを呼称させた後、鏡上に映る物体を呼称させた。次に閉眼させ、対象者の前方50cm両眼の下20cm高さで鏡面から水平方向に左50cm(対象者の身体正中線より左側)の所に、ピンク色で直径6.5cmのボールを上方から糸で吊して呈示した。対象者を開眼させ鏡上に映るボールが認識できるか確認してから、「手を伸ばしてボールを取って下さい」と口頭指示した。鏡上を探索し実際のボールが掴めない場合は再び閉眼させ、ボールを10cm間隔で鏡面に近づけて同様の指示した。これを実際のボールを掴めるまで繰り返し、掴めたら今度は10cm間隔で鏡面から離していき、再びボールを掴めなくなる位置を確認しこれを閾値とした(鏡条件)。その後、鏡条件での閾値位置前後でボールの認識とリーチ動作を繰り返し(ミラーアプローチ)、治療前後でAlbertテストを実施した。【結果】鏡条件では、症例Aはボールを鏡面から10cm、症例Bは5cmの位置に近づけるまでは一度実際のボールを見ても鏡像を掴もうとして鏡面を探り、「鏡に浮いていて掴めない」「掴めるわけない」と訴えた。反対にボールを鏡面から離していくと症例Aは40cmで再び鏡上を探るようになり、症例Bは50cm離れても実際のボールを直接握ることができた。ミラーアプローチ前後のAlbertテストは、症例Aは17/40から36/40に、症例Bは38/40から40/40に変化した。【考察】実際の目標をつかめた距離の測定により、鏡失認と半側空間無視の評価を定量的に行う手段となりうる。一方、鏡の利用により半側空間無視が改善する例があり、治療法として有効な手段の一つであると同時に、症例により効果が異なる可能性が示唆された。
著者
渡辺 学 米澤 千夏 潤 園田 真人 大木 直弥 富井 政信 島田
出版者
日本地球惑星科学連合
雑誌
日本地球惑星科学連合2016年大会
巻号頁・発行日
2016-05-19

PALSAR-2 (Phased Array type L-band Synthetic Aperture Radar 2), L-band SAR on-board Advanced Land Observing Satellite-2 (ALOS-2), data were used to detect disaster areas caused by the 2016 Kumamoto earthquake.1. Coherence change technique with coherence filter [1] was used to detect damaged urban areas.2. Alpha angle [2] and HH-VV coherence [3] change techniques were used to detect landslide areas.The coherence change technique with coherence filter identifies candidates of severely damaged urban areas located along a fault, which induces the earthquake. The detected damaged areas are Mashiro town, Koyo area in Minamiaso village, which incudes Aso campus of Tokai university, Aso Ohashi bridge, and some of landside areas.Some landslides occurred in a forest area before the disasters were detected by using the alpha angle and HH-VV coherence change techniques. But miss-identification were often observed. Additional forest mask was produced from the image taken before the disaster, and tested to reduce the miss-identification. It is confirmed that the forest mask works well to reduce the miss-identification of landslide area.[1] M. Watanabe, R. Natsuaki, H. Nagai, T. Motohka, T. Tadono, M. Ohki, R. B. Thapa, C. Yonezawa, M. Shimada, S. Suzuki, Damaged area detection caused by 2015 Nepal earthquake with coherence difference obtained by PALSAR-2 three observations, JpGU 2015, May 24-28, 2015, Makuhari Messe/Chiba[2] Pi-SAR-L2 observation of the landslide caused by Typhoon Wipha on Izu Oshima Island, M. Watanabe, R. B. Thapa, M. Shimada, Remote Sensing, 8(4), 282, 2016[3] M. Shimada, M. Watanabe, N. Kawano, M. Ohki, T. Motooka, W. Wada, Detecting mountainous landslides by SAR polarimetry: A comparative study using Pi-SAR-L2 and X band SARs. Trans. Jpn. Soc. Aeronaut. Space Sci., Aerosp. Technol. Jpn. 2014, 12, 9–15.
著者
大野 寿子 石田 仁志 河地 修 木村 一 千艘 秋男 高橋 吉文 竹原 威滋 中山 尚夫 野呂 香 溝井 裕一 山田 山田 山本 まり子 渡辺 学 早川 芳枝 藤澤 紫 池原 陽斉 松岡 芳恵
出版者
東洋大学
雑誌
基盤研究(C)
巻号頁・発行日
2009

「異界」を、「死後世界」および「時間的空間的に異なった領域」をも指し示す、古来より現代に至る人間の精神生活の「影」、「裏」、「奥」に存在しうる空間領域と定義し、その射程をクロスジャンル的に比較考察した。文字テクストのみならず、音楽・図像における「異界」表現、精神生活内の「異空間」としての「異界」、仮想空間、コミュニケーション上の他者としての「異界」等、「異界」という語と定義の広がりとその広義の「異界」に潜む、何でも「異界」にしてしまう現代日本語の危険性を考察した
著者
渡辺 学 三堀 友雄 酒井 昇
出版者
日本食品工学会
雑誌
日本食品工学会誌 (ISSN:13457942)
巻号頁・発行日
vol.6, no.4, pp.269-278, 2005-12
著者
渡辺 学 岡本 能里子 甲賀 正彦 岡本 能里子 甲賀 正彦
出版者
学習院大学
雑誌
基盤研究(C)
巻号頁・発行日
2006

ビジュアル・グラマー、タイポグラフィーなどに注目しながら、日本語とドイツ語を中心とする言語社会での言語記号(文字)と視覚的記号(図像)の分布や使用法を観察し、文字と視覚的要素との相互行為によって生み出される意味創出と意味伝達の動的な諸相を調査分析・考察し、テクストデザインの問題性とのリンケージを試みたうえでポライトネス研究へと視野を拡大することにより、爾来の社会言語学のテーマ領域的・方法論的進展への貢献を行った。