著者
渡辺 和也
出版者
The Institute of Electrical Engineers of Japan
雑誌
電気学会論文誌A(基礎・材料・共通部門誌) (ISSN:03854205)
巻号頁・発行日
vol.121, no.1, pp.20-24, 2001-01-01 (Released:2008-07-15)
参考文献数
22

The Senju (Thermal) Power Station was constructed by the Tokyo Electric Light Company in 1925 as an auxiliary/emergency plant that supplements the needs of the hydroelectric power plants.Since 1929, the company has successfully operated three 25, 000 kVA Turbo-Generators as synchronous condensers at the Senju Power Station. The generators at the Senju Station produce electrical energy for half of the year.For the remaining half of the year, they are disconnected from turbines and run as synchronous condensers. Used this way, these machines perform double duty. One reason for this arrangement was that the greater capacity of the synchronous condenser was required for the high water season.A second was economic benefits.After the success of the Senju Station, more than 40 utility Turbo-Generators in Japan were altered for use as synchronous condensers, and others were designed and constructed specifically for this purpose. The use of Turbo-Generators as synchronous condensers was an original development of the Japanese electric power companies.This note provides an overview of alterations made to the generators at the Senju Station.
著者
千田 譲 伊東 慶一 大山 健 米山 典孝 原 一洋 中村 亮一 野田 智子 橋詰 淳 熱田 直樹 伊藤 瑞規 渡辺 宏久 安井 敬三 小竹 伴照 木田 義久 岸本 秀雄 祖父江 元
出版者
一般社団法人 日本脳卒中学会
雑誌
脳卒中 (ISSN:09120726)
巻号頁・発行日
vol.35, no.6, pp.441-447, 2013-11-25 (Released:2013-11-25)
参考文献数
27
被引用文献数
1 1

要旨:【目的】回復期入院リハビリテーション(リハビリ)での脳梗塞branch atheromatous disease(BAD)の治療成績を検討した.【対象と方法】レンズ核線条体動脈領域(LSA-BAD)90 例と傍正中橋動脈領域(PPA-BAD)21 例に対し,入院時・退院時の脳卒中重症度(NIHSS),機能的自立度評価法(FIM),上肢・手指・下肢各Brunnstrom stage(BRS)を検討した.【結果】LSABAD群はPPA-BAD 群に比べ入退院時NIHSS は有意に重症であり,手指・上肢の機能改善は不良であった(p<0.05).LSA-BAD 群は入院時上肢・手指BRS の退院時3 段階以上の回復は稀だったが,両群とも退院時FIM は多くが100 点以上であった.【結論】回復期リハビリでのBAD を分類し検討することで,皮質脊髄路障害部位の違いによる運動麻痺と機能的自立度評価の回復過程を評価できた.
著者
渡辺 雅子
出版者
国際日本文化研究センター
雑誌
日本研究 (ISSN:09150900)
巻号頁・発行日
vol.35, pp.573-619, 2007-05-21

本稿では、日米仏のことばの教育の特徴を比較しつつ、その歴史的淵源を探り、三カ国の「読み書き」教育の背後にある社会的な要因を明らかにしたい。まず日米仏三カ国の国語教育の特徴を概観した後、作文教育に注目し、各国の書き方の基本様式とその教授法を、近年学校教育で養うべき能力とされている「個性」や「創造力」との関係から比較分析したい。その上で、現行の制度と教授法、作文の様式はどのように形作られてきたのか、その革新と継続の歴史的経緯を明らかにする。結語では、独自の発展を遂げてきた各国の国語教育比較から何を学べるのか、日本の国語教育はいかなる選択をすべきかを、「国語」とそれを超えたグローバルな言語能力に言及しながら考えたい。
著者
渡辺 匠 唐沢 かおり
出版者
日本グループ・ダイナミックス学会
雑誌
実験社会心理学研究 (ISSN:03877973)
巻号頁・発行日
vol.52, no.1, pp.25-34, 2012 (Released:2012-10-25)
参考文献数
32
被引用文献数
1

本研究は存在脅威管理理論の観点から,死の顕現性が自己と内集団の概念連合に与える影響について検証をおこなった。存在脅威管理理論では,死の顕現性が高まると文化的世界観の防衛反応が生じると仮定している。これらの仮定にもとづき,人々は死の脅威にさらされると,自己と内集団の概念連合を強めるかどうかを調べた。死の顕現性は質問紙を通じて操作し,内集団との概念連合は反応時間パラダイムをもちいて測定した。その結果,死の脅威が喚起された参加者は,自己概念と内集団概念で一致した特性語に対する判断時間が一致していない特性語よりも速くなることが明らかになった。その一方,死の脅威が喚起されても,自己概念と外集団概念で一致した特性語に対する判断時間は一致していない特性語よりも速くはならないことが示された。これらの結果は,死の顕現性が高まると,自己と内集団の概念連合が強化されることを示唆している。考察では,自己と内集団の概念連合と存在脅威管理プロセスとの関係性について議論した。
著者
福井 類 渡辺 哲陽
出版者
一般社団法人 日本機械学会
雑誌
日本機械学会論文集 (ISSN:21879761)
巻号頁・発行日
pp.20-00288, (Released:2021-02-22)
参考文献数
21

This paper reports the launching and organizing procedures of Robomech 2020, the first online conference in the history of Robomech series. We discuss the required functions of an online academic conference and show an implementation example. Analysis of the conference results and responses from the participants reveals the advantages and disadvantages of Facebook that is used as a platform of the online conference. The analysis also indicates the constitutive problems of the online conference. Consequently, this paper provides multiple clues for constructing a new platform suitable for more active and efficient online academic conferences.
著者
渡辺 守邦
出版者
国文学研究資料館
雑誌
国文学研究資料館紀要 = The Bulletin of The National Institute of Japanese Literature (ISSN:03873447)
巻号頁・発行日
no.14, pp.63-123, 1988-03-30

泉州信田の葛の葉狐の子が、母と生き別れて、天文博士に出世する安倍の童子の物語は、源を『簠簋抄』に発する。この話は、むしろ浄瑠璃、歌舞伎に入って以降おもしろみを倍増するのであるが、本稿は、反対に、この話を育んだ、暦数書の仮名注の世界を俳徊してみようとするものである。本題に入る前に、断っておかなければならないことがある。それは書名の読み。「簠簋」と書いて、〈ホキ〉と読む。『論語』公冶長篇に「瑚璉」の語があって、朱子の注に、宗廟に供える黍稷を盛る器、夏に〈瑚〉、商に〈璉〉、周に〈簠簋〉と称した、とする。本来は祭器である。が、貴重品を運んだり、納めておく器具とも考えられたらしく、次のような言い伝えもある。すなわち、釈迦如来像が百済から海を渡って本朝に運ばれたとき、簠簋に入れられて来た、それゆえ、釈迦をホトケと呼ぶ、ホトケはホキの転である―と。『法華経直談鈔』に載る名義譚。早くも話が中世説話の世界に入ってしまったようだ。 A story of Abe no doji who is a child of Kuzunoha (a name of white fox in legend) in Shinoda of Senshu, succeeded as a master of astrology after separating from mother came from "Hokisho"(簠簋抄). This story rather became twice as much as interesting after being taken up as a theme of Joruri and Kabuki, this article tries to wonder around the world of the kanchu (written in kana) of the Rekisusho (the number of years book) that created this story. Before getting to the main point, it is enough for me to say about the reading of the title of a book. "簠簋"is pronounced as "Hoki". There is a word "Koren"(瑚璉)in "The Analects of Confucius" edited by Koyacho, and it was explained: a container to pile millet to offer in the ancestral mausoleum, "Ko" for Hsia, "Ren" for Shang, "Hoki" for Zhou in a note of Shushi. It is originally ceremonial implement. However it seemed to be thought as an appliance which carry and put the valuables, there is the following legend, that is to say, when statue of Shaka Nyorai was put in "Hoki" and carried to our country across the sea from Kudara,that is why we refer to "Shaka" as "Hotoke". "Hotoke" is derivative of "Hoki". This is a "Myogitan" (名義譚)appears in "Hokkekyojikidansho" (法華経直談鈔). The story seems to have already entered the world of the narration in the Middle Ages.
著者
渡辺 英伸 味岡 洋一 太田 玉紀 本山 悌一 岩渕 三哉 本間 照
出版者
医学書院
巻号頁・発行日
pp.659-682, 1990-06-25

要旨 炎症性腸疾患を病理学的に鑑別するには,まず病変が肉眼的に,①縦走潰瘍型,②輪状潰瘍型,③円・卵円形潰瘍型,④玉石状所見・炎症性ポリポーシス型,⑤浮腫・充血・出血・びらん型,および⑥腫瘍様多発隆起型,の6基本肉眼型のどれに帰属するかを判定しなければならない.各基本肉眼型はいくつかの病変を含んでいる.次いで,基本肉眼型である基本病変の肉眼的特徴とその周辺粘膜の肉眼的特徴とを組み合わせることで,各疾患は肉眼的に診断できる.これに組織所見を加えることで,炎症性腸疾患の病理学的鑑別診断はより確実なものとなる.
著者
渡辺 洋子 政木 みき 河野 啓
出版者
NHK放送文化研究所
雑誌
放送研究と調査 (ISSN:02880008)
巻号頁・発行日
vol.69, no.6, pp.2-31, 2019

ニュースメディアの多様化が政治ニュース接触や政治意識に及ぼす影響を検証するためNHKが2018年に実施した全国世論調査を元に分析を行う。▼最も多くニュースに接するメディアは性、年層などで異なり「新聞」「NHK報道」「民放報道」「民放情報番組」「Yahoo!ニュース」「LINENEWS」などに分かれる。▼このメインメディア別にみると①「新聞」「NHK報道」がメインの人は政治ニュースに自発的、積極的に接触し、接触頻度や政治への関心、投票意欲が高い。②「Yahoo!ニュース」「民放報道」がメインの人は中程度の態度、③「民放情報」「LINENEWS」がメインの人は政治ニュースの接触態度が受け身で、接触頻度、政治への関心、投票意欲が低い傾向にある。「LINENEWS」がメインの人は「Yahoo!ニュース」がメインの人に比べ情報源を気にする人が少ないなどネット系メディア利用者の間でも差がある。▼政治への評価や個別課題の賛否でもメディア別の差がみられたが、あるメディアをメインに使う人が政権の打ち出す政策に対し一貫して肯定的だったり、保守的傾向が強かったりといった一定の方向性はうかがえなかった。政治的意識の違いを生み出しているのはメディア利用だけではなく、性、年層、支持政党なども影響していると考えられる。ただし、情報接触態度の違いが接触する政治情報の量や質の差を広げ、将来政治的態度の差を拡大する可能性は考えられる。
著者
渡辺 俊一
出版者
公益社団法人 日本都市計画学会
雑誌
都市計画論文集 (ISSN:09160647)
巻号頁・発行日
vol.46, no.3, pp.673-678, 2011-10-25 (Released:2011-11-01)
参考文献数
15
被引用文献数
1 3

本稿は、日本語「まちづくり」の定義の論理構造の解明にむけられています。まず予備作業として、用語の定義に関する論理的議論をおこないます。ついで、都市計画・建築系の4人のまちづくり論者の言説による「まちづくり定義」の論理分析をおこない。それらは、西山夘三、田村明、佐藤滋、澤村明の4氏(6例)です。その結果をうけて、これら多様な「まちづくり定義」を体系的に整理する方法として、定義語に「次元」と「広義・狭義」の概念を導入することによる仮説枠組を提起してむずびとします。
著者
渡辺 優
出版者
日本宗教学会
雑誌
宗教研究 (ISSN:03873293)
巻号頁・発行日
vol.86, no.3, pp.505-529, 2012-12-30

神秘主義研究にとって「体験」は最重要の鍵概念である。しかし、「神秘主義」概念自体が近世西欧キリスト教世界に起源をもつのと同様、現在に至るまで我々の神秘主義理解を多かれ少なかれ規定している体験概念もまた、固有の歴史的背景をもつ。近世神秘家たちの権威の源泉となった体験は、同時代の認識論的(学問論的)転回の産物であり、新世界旅行記や十七世紀科学革命において新しく構成された体験/経験概念と一致している。他方、少なくとも近世に至るまで、一人称の知覚的体験を信憑性の権威とする信とは異なる信の様態がたしかに存在した。近世神秘主義においても、体験より「純粋な信仰」に価値をおく傾向が認められる。十七世紀フランスのイエズス会士J.-J.スュランは、数々の超常の体験にもかかわらず、ついには通常の信仰に神秘の道を見出した。彼の魂の軌跡を辿ることによって、「現前」の体験を神秘主義の本質とみなす理解は根本的に問い直され、新たな神秘主義理解を提起する「不在」の地平が拓けてくる。
著者
渡辺 雅子 渡邉 雅子 渡辺 雅子
出版者
国際日本文化研究センター
雑誌
日本研究 (ISSN:09150900)
巻号頁・発行日
vol.35, pp.573-619, 2007-05

本稿では、日米仏のことばの教育の特徴を比較しつつ、その歴史的淵源を探り、三カ国の「読み書き」教育の背後にある社会的な要因を明らかにしたい。まず日米仏三カ国の国語教育の特徴を概観した後、作文教育に注目し、各国の書き方の基本様式とその教授法を、近年学校教育で養うべき能力とされている「個性」や「創造力」との関係から比較分析したい。その上で、現行の制度と教授法、作文の様式はどのように形作られてきたのか、その革新と継続の歴史的経緯を明らかにする。結語では、独自の発展を遂げてきた各国の国語教育比較から何を学べるのか、日本の国語教育はいかなる選択をすべきかを、「国語」とそれを超えたグローバルな言語能力に言及しながら考えたい。 個性と創造力の視点から作文教育を見ると、日本とアメリカの作文教育における自由と規模の奇妙なパラドックスが浮かび上がり、また時節の議論からは超然としたフランスの教育の姿が現れる。また評価法の三カ国比較からは、言葉のどの側面を重要視し、何をもって言語能力が高いと認めるのかの違いが明確になる。規範となる文章様式とその評価法には、技術としての言語習得を超えた、言葉の社会的機能が最も顕著に現れている。 社会状況に合わせて常に革新を続けるアメリカの表現様式と、大きな転換点から新たな様式を作り出した日本、伝統様式保持に不断の努力を続けるフランス。三カ国の比較から見えてくるのは、表現様式を通した飽く無き「規範作り」のダイナミズムである。
著者
我妻 奏 高嶋 葵 奥村 俊昭 澁谷 倫子 渡辺 仁史 齋 麻子 大原 理恵
出版者
一般社団法人 映像情報メディア学会
雑誌
映像情報メディア学会技術報告 (ISSN:13426893)
巻号頁・発行日
vol.41, pp.125-128, 2021

本研究の目的は,著名な平安時代の随筆作品である『枕草子』の可視化を通して,文学作品の特徴を生かした新しい読み進め方の提案を行うことである.『枕草子』は約 300章段からなっており,ストーリー性がなく直線的な展開がないため、どこから読み始めてもよいという特徴がある.そこで,本のような従来のメディアが直線的な構造であるのに対して,どこから読み始めても良く,自由に読み進めることのできる構造を持ったシステムの構築を行う. 3DCGを用いた表現で読者への提示を行い,各章段を球体として扱い 3次元空間に配置する.このような可視化システムを開発することにより,空間を動き回るようにして自由に読み進めることが可能となり,章段の情報を多角的に提供できる.その結果,『枕草子』に馴染みのない読者に対しても新しい楽しみ方・読み進め方を提案できる.