著者
志田 優樹 津村 遼介 渡辺 貴文 藤井 航平 岩田 浩康
出版者
一般社団法人 日本ロボット学会
雑誌
日本ロボット学会誌 (ISSN:02891824)
巻号頁・発行日
vol.38, no.7, pp.667-674, 2020 (Released:2020-09-05)
参考文献数
23

The shortage of obstetricians and gynecologist is a serious problem in developed countries. To improve the workflow, we have been developing a robotic platform for supporting the fetal echo sonography, ``Tenang'', which allows for the ultrasound scan following the abdominal surface of pregnant women passively. Meanwhile, the acquired image quality was not constant due to the uncertain contact force between the probe and abdomen. In this paper, we aim to investigate the cause of the decreased image quality through a dynamic model analysis and experiment with a PVC phantom, and to propose the scan method which allows for the stable image acquisition. Thorough the investigation, the relative angle between the probe and body surface caused the contact force and acquired image quality. We hypothesized that the contact force and acquired image quality can be stable by maintaining the relative angle is constantly positive. Then, we proposed a spiral ascending scan that the probe constantly rises on the abdomen spirally. The proposed scan method is verified with an abdominal phantom in the second trimester. The results showed that the variation of the contact force under the spiral ascending scan path was reduced and the image quality was maintained.
著者
木村 丈 渡辺 陽和 松岡 太郎
出版者
一般社団法人 日本小児神経学会
雑誌
脳と発達 (ISSN:00290831)
巻号頁・発行日
vol.46, no.1, pp.45-46, 2014 (Released:2014-12-25)
参考文献数
6

抗ヒスタミン薬の投与が熱性けいれんのけいれん持続時間に与える影響について検討した. 当科を熱性けいれんを主病名として受診した患児を前方視的に検討した. 抗ヒスタミン薬内服群 (以下H群) は29例, 抗ヒスタミン薬非内服群 (以下NH群) は158例であった. けいれん持続時間の中央値はH群で4.5分, NH群で2.0分で有意差を持ってH群のけいれん持続時間は長かった (p<0.05). 抗ヒスタミン薬の内服は熱性けいれんのけいれん持続時間を延長する可能性があるため, 熱性けいれん既往のある患児に対する抗ヒスタミン薬の処方は慎重に行うべきと考えられる.
著者
渡辺 晋一
出版者
公益社団法人 日本皮膚科学会
雑誌
日本皮膚科学会雑誌 (ISSN:0021499X)
巻号頁・発行日
vol.122, no.7, pp.1749-1754, 2012-06-20 (Released:2014-11-13)

細菌感染症の治療の際には,起炎菌に感受性がある抗菌薬を投与しなければならないが,感受性がある抗菌薬を投与しても,十分な治療効果が得られないことがある.それは抗菌薬の投与量が少なかったり,不適切な投与法のためと思われる.ここでは最近のPK/PD理論を解説し,抗菌薬の有効性と安全性を高め,また耐性菌の出現を抑えるための適切な抗菌薬の使い方を紹介する.また肝・腎機能低下時の抗菌薬の使い方も述べる.
著者
永野 隆夫 渡辺 与八郎 本間 達二 祐田 泰延 山本 丈夫
出版者
公益社団法人 日本薬学会
雑誌
衛生化学 (ISSN:0013273X)
巻号頁・発行日
vol.24, no.4, pp.182-186, 1978-08-31 (Released:2008-05-30)
参考文献数
8
被引用文献数
1 2

Effect of chlorella, which contained cadmium in its cells, designated as cadmium-containing chlorella, on rats was studied and the following facts were found : 1) When the cadmium-containing chlorella was administered to rats orally for 10 days, no significant difference in body weight from control rats was observed. However, in the case of repeated oral administration of cadmium chloride, the growth of rats was impeded significantly. 2) Cadmium concentration in organs of rats after administration of cadmium-containing chlorella for 10 days was significantly lower than that of rats administered cadmium chloride. 3) Cadmium concentration in blood after single oral administration of cadmium chloride (10 mg/kg) or cadmium-containing chlorella (10 mg/kg) was examined, and 119 ng/ml blood was found 3 hr after cadmium chloride was given but only little cadmium was detected in blood after cadmium-containing chlorella was given. 4) Urinary excretion of cadmium from cadmium-containing chlorella was significantly faster than that of rats administered cadmium chloride.
著者
佐藤 忠雄 清水 雅子 渡辺 一
出版者
医学書院
巻号頁・発行日
pp.585-586, 1956-09-20

においのある物質の溶液,たとえばサルバルサン,カンフル,ビタミンB1等の溶液を鼻からかいでみると,それぞれ特有のにおいを感じる。これは即ち鼻性(呼吸性)嗅覚である。一方これらの溶液を静脈内に注射すると7〜8秒後に同様ににおいを感じ,しかも鼻からかぐ場合よりもより強く感じることは既に知られているところである。静脈注射によつてどうして嗅覚が起るかというと,これらの物質のにおいが気道(主として肺)から放散され,これが呼気に混じて主として後鼻孔から鼻腔に送られ嗅神経末梢を刺戟するために嗅覚を起すと考えるのが常識的な考え方である。このことについては既に1916年にForschhei—merがネオ・サルバルサンを静注すると,注射されたサルバルサンのにおいが呼気に混じて出て,来て,これによつて嗅覚が惹起されると述べている。ところが1930年にBedntär, Langfelder等は静脈注射によつて起る嗅覚は,静脈内に注射されたにおいのある物質—嗅素—が血行中で直接に嗅神経末梢に到達しこれを刺戟するために起るものであるという説を提唱した。彼等はこれを血行性嗅覚(或は静脈内性嗅覚)と呼び,従来考えられている嗅覚,即ち呼吸性(或は鼻性)嗅覚とは全然別に存在するものであると主張した。1938年,石川はこれを追試して両氏の説に賛成し,嗅覚は鼻性と血行性の二つに大別しうるということを述べている。我々は嗅覚障碍の治療法として水溶性カンフル(ガダミン)の静脈注射療法を試みた際,たまたまこの血行性嗅覚の存在について疑念を抱いたので,これを検討した結果,血行性嗅覚なるものは存在せず,所謂血行性嗅覚と考えられたものは普通の鼻性(呼吸性)嗅覚にほかならぬという結論に達したのでここに報告し,諸賢の御批判を仰ぎたいと思う。 Bednär, Langbelder等が血行性嗅覚の存在を主張する根拠は何処にあるかというと,それは彼等の行つた次の如き実験の結果によるものである。即ち彼等は被検者として嗅覚正常なものを選び,鼻腔に流動パラフィンを浸したタンポンを施し,先づ鼻性嗅覚の存在しないことを確かめたのちネオ・サルバルサン溶液,カンフル溶液,再餾テレピン油等を静注すると,それぞれ特有の嗅感覚を認識した。従つてこの際起る嗅覚は鼻性(呼吸性)嗅覚とは無関係の全く別種の嗅覚であつて,これは血行性に直接嗅神経末梢部に到達して起る嗅覚であるから血行性嗅覚であると考えたのである。しかしこの実験では完全に鼻性(呼吸性)嗅覚を除外したとは言えないのである。何故ならば,鼻腔はタンポンによつて遮断されているから,呼気の大部分は口から出るけれども,その一部が後鼻孔から入つて鼻腔の後部から上昇し嗅神部に到達しないとは断言出来ないからである。(嗅神部の全部をタンポンガーゼで覆うことは不可能である)従つて,鼻腔にタンポンを施して鼻呼吸を遮断しておいてもなおかつ嗅覚が起るからこれは血行性の嗅覚であると断定するのは早計であるといわざるを得ない。そこで我々はもつと完全に鼻呼吸を除外してもなおかつ嗅覚(所謂血行性嗅覚)が起るか否かについて実験した。
著者
金子 由佳 金城 美幸 渡辺 秀樹
出版者
一般社団法人 日本肝臓学会
雑誌
肝臓 (ISSN:04514203)
巻号頁・発行日
vol.64, no.11, pp.550-558, 2023-11-01 (Released:2023-11-10)
参考文献数
19

胆管浸潤や胆管圧排による閉塞性黄疸を伴う肝細胞癌に対する内視鏡的胆道ドレナージの有効性について検討した.2008年1月から2023年3月までに閉塞性黄疸を呈した肝細胞癌は20例だった.男性16例,女性4例で,平均年齢は75±8歳,門脈浸潤は,Vp0/Vp2/Vp3=13/3/4例,ステント挿入例は16例であった.閉塞性黄疸の改善の有無で全生存期間(OS)を比較すると,黄疸改善例では良好なOSを認めた(p<0.001).プラスチックステント7例,自己拡張型金属ステント9例で両者のOSに明らかな有意差を認めなかった(p=0.218).ドレナージ前後のT.Bil値で有意差を認めた(p=0.001).肝予備能の低下した進行期の肝細胞癌の閉塞性黄疸に対する内視鏡的胆道ドレナージは有用であり,患者の全身状態を考慮しながら検討すべきである.
著者
武市 尚也 石阪 姿子 西山 昌秀 堅田 紘頌 山川 留実子 平木 幸冶 井澤 和大 渡辺 敏 松永 優子 松下 和彦
出版者
社団法人 日本理学療法士協会関東甲信越ブロック協議会
雑誌
関東甲信越ブロック理学療法士学会 第28回関東甲信越ブロック理学療法士学会 (ISSN:09169946)
巻号頁・発行日
pp.18, 2009 (Released:2009-08-11)

【目的】 昨今,筋力評価法の一つとして,簡便な筋力評価機器であるHand Held Dynamometer (HHD)を用いた方法が活用されている。また,一般的に筋力増強運動の負荷設定の方法としては,1 Repetition Maximum(1RM)が用いられる。しかし,入院患者を対象とし,HHDで測定した値をもとに1RMの予測の可否について詳細に検討されている報告は少ない。本研究の目的は,膝伸展筋に限定し,1RM法の再現性およびHHD値からの1RMの予測の可否について明らかにすることである。 【方法】 対象は,当院リハビリテーション科において理学療法施行中の入院患者134例268脚(男性71例,女性63例)である。このうち,1RMの再現性は,20例40脚(男性10例,女性10例)を対象とした。1RMの測定肢位は,体幹を60度後傾した端座位とした。検者は,測定側の大腿遠位部を固定後,重錘を対象者の下腿遠位部に負荷し,下腿下垂位から膝関節を完全伸展するように指示した。そして最終挙上位で3秒保持可能な最大重錘量(kg)を1RMとした。なお1RMは,3日以内に同方法で2度の測定を行った。 HHDは,アニマ社製μ-tasF1を用い,測定肢位は,端座位,膝関節屈曲90度とした。検者は,圧力センサーを対象者の下腿遠位部に固定し,下腿下垂位から膝関節を伸展するよう指示した。HHDの測定は,左右3回施行し,その等尺性膝伸展筋力値(kgf)をHHD値とした。なお患者背景は,基礎疾患,年齢,身長,体重を診療記録より調査した。解析には,級内相関係数(ICC)および1RM法による膝伸展筋力値を従属変数,HHD値を独立変数とする単回帰分析を用いた。統計学的有意差判定の基準は5%とした。 【結果】 1.基礎疾患および各指標の平均値 疾患の内訳は呼吸器47例,循環器38例,代謝23例,消化器18例,その他8例であった。各指標の平均値は,年齢:70.0±13.5歳,身長:157.3±9.5cm,体重:51.6±11.1kg,1RM:4.6±2.2kg,HHD値:22.5±10.0kgfであった。 2.1RMの再現性 1RMは1回目:4.2±2.1kg,2回目:4.4±2.2kg,ICCは0.93であった(p=0.01)。 3. HHD値と1RMとの関連 解析の結果,1RM=HHD値×0.183+0.474 (R=0.82,R2=0.67,p=0.02)の予測式が得られた。 【考察】 1RMの再現性は,ICCが0.93と良好であった。また,HHD値から1RMが予測できることが明らかとなった。以上より,HHDによる筋力評価で得られた値から,膝伸展筋力増強時の負荷設定が可能と考えられた。
著者
渡辺 学
出版者
公益社団法人 埼玉県理学療法士会
雑誌
理学療法 - 臨床・研究・教育 (ISSN:1880893X)
巻号頁・発行日
vol.21, no.1, pp.3-7, 2014 (Released:2014-02-05)
参考文献数
2

忙しい臨床の中であらゆる症例に詳細なデータの測定と分析を行っていくのは難しい。治療者の記憶に基づいた臨床経験には主観というバイアスが強く働く。患者の回復能力を最大限に引き出すためには,自らの臨床的意思決定を客観的に評価できるようにしなければならない。そのためには研究的な視点を持った症例検討を行う必要があり,手順として,①フィードバック,②症例検討,③臨床的疑問,④症例研究,の順でステップアップしていくのがよいと思われる。理学療法士というプロフェッショナルとしての臨床技術を高め,そして自信を持てるようになるには,データに基づく症例検討を行うことが非常に有効で近道であると思われる。
著者
渡辺 裕之 中村 和行 石川 歩未 李 振雨 足立 康則 鍋島 俊隆 杉浦 洋二
出版者
日本緩和医療学会
雑誌
Palliative Care Research (ISSN:18805302)
巻号頁・発行日
vol.16, no.2, pp.133-138, 2021 (Released:2021-04-22)
参考文献数
28

【緒言】糖尿病を合併した終末期悪性リンパ腫患者の経口投与が困難な難治性悪心に対して,アセナピン舌下錠を使用し,悪心の改善ができたので報告する.【症例】78歳男性,糖尿病を併発するびまん性大細胞型B細胞リンパ腫の患者で右前頭葉,小脳に腫瘤や結節,周囲脳実質に浮腫が認められた.中枢浸潤が原因と考えられる悪心・嘔吐を繰り返し,経口投与はできなかったためメトクロプラミド,ハロペリドール,ヒドロキシジン注を併用したが,悪心のコントロールは困難であった.アセナピンは糖尿病患者にも使用可能で,制吐作用があるオランザピンと同じ多元受容体作用抗精神病薬に分類される.その作用機序から制吐作用が得られることを期待し,アセナピン舌下錠5 mg,1日1回就寝前の投与を開始した.アセナピン舌下錠の開始後,難治性悪心は著明に改善した.【考察】アセナピンは,難治性悪心に対する治療の有効な選択肢となる可能性がある.
著者
渡辺 恒夫
出版者
心の科学の基礎論研究会
雑誌
こころの科学とエピステモロジー (ISSN:24362131)
巻号頁・発行日
vol.5, no.1, pp.45-75, 2023-05-15 (Released:2023-06-02)

異世界転生アニメの流行に促され、異世界転生は可能かを、現象学と分析哲学を用いて考えてみた。まず異世界とはSF的な平行宇宙などではない。他者「X」を存在論的な対等他者と認める時、この私が「X」として生まれたような世界の実在を認めたことになり、それが異世界と呼べるのである。現実世界では私は「渡辺*」なので、私が「X」であるような世界は可能世界に留まるが、ルイスの様相実在論は可能世界が現実世界と同等に実在すると説くので最初の手掛かりとなる。次に死生観を、終焉テーゼ、死後存続説、世界消滅説、「私の死後も存在する他者とは誰かの問い」の4タイプに分類し、最後の説のみが検討に値するとした。そこでフッサール他者論を足掛かりに、他者とは時間を異にする私であるという第一の定式化を得た。ルイスの様相実在論ではこの私と時間を異にする私との間の貫世界同一性が否定されるし、可能世界の間にいかなる時間的関係もないので、この定式はそのままでは成立しない。この難点を克服するため、八木沢(2014)の5次元主義可能世界論に着目し、他者とは世界を異にするこの私の世界切片であるという新たな定式を得た。私の世界切片としての存在論的対等他者の判別法は自我体験・独我論的体験に求められ、この定式をよき物語=死生観へ肉付けする必要性が説かれた。
著者
渡辺 正晃
出版者
日本中東学会
雑誌
日本中東学会年報 (ISSN:09137858)
巻号頁・発行日
no.13, pp.149-183, 1998-03-31

1967年6月に始まったイスラエルによる占領は,ヨルダン川西岸に重層的な法体系をもたらした。国際法上は1967年以前に施行されたヨルダンの国内法が依然として有効と見做されたにも拘らず,イスラエル当局は占領の開始以降,数多くの軍命令を発し,1967年当時のヨルダン川西岸の統治機構に大きな変化を与えた。このような状況下で,電気,上下水道,公共保健などの住民に対する福祉に直接的な責任を有した地方自治体の機能にも,さまざまな制約が課せられることとなった。本稿では,まず第一章で西岸地区に対するヨルダンの主権の正統性を巡る議論を概観した上で,第二章に於いてハーグ協定およびジュネーブ協定の観点から,イスラエル当局が発した軍命令の合法性を検証してみたい。更に第三章では,1955年の地方自治体法をはじめとするヨルダンの国内法とこれらの軍命令とを比較することにより,占領行政が如何に地方自治体の機能に影響を及ぼしたかに就いての分析を試みたい。
著者
渡辺 賢治 長崎 正朗
出版者
慶應義塾大学
雑誌
基盤研究(B)
巻号頁・発行日
2009

われわれはこれまでの研究により、漢方薬十全大補湯が1型インターフェロンであるインターフェロンαの遺伝子発現経路に作用してインターフェロン産生を制御していることを見出した。本研究ではさらなる機序解明のため、大腸の固有粘膜層に存在するインターフェロン(IFN)産生細胞について明らかにするとともに、Toll Like Receptor(TLR) 4およびMyD88ノックアウトマウスを使用してそのメカニズムを解明する事を試みた。その結果、十全大補湯はTLR4依存かつMyD88非依存のシグナル経路に働きかける事が明らかとなった。また、MyD88ノックアウトマウスではI型インターフェロン関連遺伝子の定常状態における発現レベルが高くなっており、十全大補湯により発現レベルが減少する事が認められ、同様の現象が無菌(GF)マウスでも認められた。さらに、それらの作用細胞は全て同じ単球系細胞であったが、既報のインターフェロン産生細胞とは異なることが示された。次に十全大補湯の感染防御能を確かめる目的でインフルエンザ感染実験を行ったが、対照群の補中益気湯と比べ、十分な抗インフルエンザ効果が認められなかった。マウスの系統やウイルスの特性によって十全大補湯の実験系に影響を及ぼす事が考えられた。また補中益気湯について、その感染防御メカニズムの一端を明らかにした。
著者
町田 昌彦 山田 進 岩田 亜矢子 乙坂 重嘉 小林 卓也 渡辺 将久 船坂 英之 森田 貴己
出版者
一般社団法人 日本原子力学会
雑誌
日本原子力学会和文論文誌 (ISSN:13472879)
巻号頁・発行日
vol.18, no.4, pp.226-236, 2019 (Released:2019-11-20)
参考文献数
34
被引用文献数
9

After direct discharges of highly contaminated water from Units 2 and 3 of the Fukushima Daiichi Nuclear Power Plant (1F) from April to May 2011, Kanda suggested that relatively small amounts of run-off of radionuclides from the 1F port into the Fukushima coastal region subsequently continued, on the basis of his estimation method. However, the estimation period was limited to up to September 2012, and there has been no report on the issue since that work. Therefore, this paper focuses on the discharge inventory from the 1F port up to June 2018. In the missing period, the Japanese government and Tokyo Electric Power Company Holdings have continued efforts to stop the discharge, and consequently, the radionuclide concentration in seawater inside the 1F port has gradually diminished. We show the monthly discharge inventory of 137Cs up to June 2018 by two methods, i.e., Kanda’s method partially improved by the authors and a more sophisticated method using Voronoi tessellation reflecting the increase in the number of monitoring points inside the 1F port. The results show that the former always yields overestimated results compared with the latter, but the ratio of the former to the latter is less than one order of magnitnde. Using these results, we evaluate the impact of the discharge inventory from the 1F port into the coastal area and the radiation dose upon fish digestion.
著者
鳴海 邦匡 渡辺 理絵 小林 茂
出版者
日本地図学会
雑誌
地図 (ISSN:00094897)
巻号頁・発行日
vol.60, no.1, pp.17-35, 2022-03-31 (Released:2023-09-14)
参考文献数
63

For the Taiwan expedition (1874) and military action to suppress local resistance after the SinoJapanese War (1894-5), Japanese navy prepared nautical charts re-engraving from British Admiralty charts. Concerning place names, Japanese Hydrographical Office tried to transcribe those on British charts into Chinese characters locally used. However, it was not easy to infer exact Chinese characters on the basis of transliterated alphabetical local place names on British charts. Although a Chinese nautical chart titled Da Qing yi tong hai dao zong tu 大清一統海道總圖 (General map of the Chinese coast and sea-routes) re-engraved from a British chart was consulted, even place names of major ports of Taiwan on it were not always correct, because it transliterated many local place names phonetically into Chinese characters. After a process of trial and error up to 1905, place names in Chinese characters conformed to local use were put on Japanese charts of Taiwan.
著者
小池 宙 吉野 雄大 松本 紘太郎 竹原 朋宏 竹本 治 松浦 恵子 渡辺 賢治
出版者
一般社団法人 日本東洋医学会
雑誌
日本東洋医学雑誌 (ISSN:02874857)
巻号頁・発行日
vol.63, no.4, pp.238-244, 2012 (Released:2013-02-13)
参考文献数
14
被引用文献数
1 2

近年,気候変動や生薬輸出国の経済発展により生薬の供給は不安定になりつつある。本稿では,生薬原料の国内生産の増加・自給率向上を目的に,需要が減少傾向にある葉タバコから生薬原料への転作の可能性について検討した。まず,転作をすすめる生薬原料として需要・品質・価格面を考慮し,当帰と柴胡を選定した。次に,これら生薬原料と葉タバコの国内生産について収益性等を比較した。当帰の収益性は葉タバコよりも低かったが,転作奨励金等で収益を補えば葉タバコからの転作が促されると考えられた。具体的には,年間3,500万円の転作奨励金により当帰の自給率は10割にまで上がるという試算結果となった。一方,柴胡の収益性は葉タバコを上回っていたが,国産品の販売価格は輸入品の約3倍であり,薬価よりも高く,生産補助金で価格競争力を補う必要があると考えられた。具体的には,年間6.6億円の生産補助金で柴胡の自給率は5割に上がるとの試算結果となった。
著者
渡辺 香 恵土 孝吉
出版者
日本武道学会
雑誌
武道学研究 (ISSN:02879700)
巻号頁・発行日
vol.15, no.2, pp.68-69, 1982-11-30 (Released:2012-11-27)
被引用文献数
1
著者
渡辺照宏著
出版者
筑摩書房
巻号頁・発行日
1975
著者
国田 賢治 藤原 勝夫 渡辺 一志
出版者
札幌国際大学
雑誌
基盤研究(C)
巻号頁・発行日
2007

本研究では、(1)自発性瞬目の出現数の頚部前屈保持に伴う変化の運動経験による差異、(2)頚部前屈保持を伴う眼球運動反応トレーニング後の、眼球運動反応時間および自発性瞬目数の頚部前屈保持による変化、および(3)自発性瞬目及び随意性瞬目時の運動関連脳電位への頚部前屈保持による影響について検討した。検討の結果、以下のような知見を得た。(1)頚部前屈保持を伴う自発性瞬目数の減少は、高速ボール追従群でのみみられた。(2)頚部前屈を伴う眼球運動反応トレーニングを行うと、反応時間短縮効果がみられるようになったが、自発性瞬目数の減少効果はみられなかった。(3)随意性瞬目時のみ運動関連脳電位がみられ、その電位の立ち上がり先行時間は頚部前屈を保持すると短くなり、その電位のピークは大きくなった。