著者
守屋 進 大澤 隆英 渡辺 健児 中野 正 永井 昌憲 多記 徹 金井 浩一
出版者
公益社団法人 土木学会
雑誌
土木学会論文集E (ISSN:18806066)
巻号頁・発行日
vol.62, no.4, pp.790-797, 2006 (Released:2006-11-20)
参考文献数
9
被引用文献数
1

本報告は,ISO/TC156に採択された国際共同暴露試験地の1つである駿河湾大井川沖に設置された海洋技術総合研究施設において実施された重防食塗装系の海上暴露試験結果である.下塗りに厚膜形ジンクリッチペイントを用い,上塗にふっ素樹脂塗料を用いた重防食塗装系は海上暴露という厳しい腐食環境下でも20年を経過しても良好な防錆性と耐侯性を有することが確認できた.一方,重防食塗装系でもエッジ部でさびが発生しているものがあり,エッジ部の防錆対策が重要であることが認識された.
著者
西村 清和 尼ヶ崎 彬 長野 順子 相澤 照明 山田 忠彰 中川 真 渡辺 裕 津上 英輔 青木 孝夫 外山 紀久子 大石 昌史 小田部 胤久 安西 信一 椎原 伸博 上村 博 木村 建哉 上石 学 喜屋武 盛也 東口 豊 太田 峰夫
出版者
東京大学
雑誌
基盤研究(A)
巻号頁・発行日
2007

本研究は従来自然美論、風景論、環境美学、都市美学という評語のもとで考えられてきたさまざまな具体的、個別的諸問題領域を、日常生活の場において企てられたさまざまな美的実践としてとらえなおし、あらたな理論化を目指すものである。具体的には風景、都市景観、森林、公園、庭園、人工地盤、観光、映画ロケ地、遊芸、雨(天候)、清掃アートなど多様な現象をとりあげて分析し、その成果を『日常性の環境美学』(勁草書房、2012)として刊行した。
著者
渡辺 俊三
出版者
名城大学経済・経営学会
雑誌
名城論叢 (ISSN:13457993)
巻号頁・発行日
vol.8, no.4, pp.121-141, 2008-03
著者
中村 満紀男 平田 勝政 岡田 英己子 二文字 理明 星野 常夫 荒川 智 宮崎 孝治 渡辺 勧持
出版者
筑波大学
雑誌
基盤研究(A)
巻号頁・発行日
1999

19世紀末にイギリスで誕生した優生学は、瞬く間に欧米列強にも後進国にも受容される。それは、それぞれが優生学を必要とする国内情勢と国際環境に置かれており、民族自滅を回避し、人種(種族)改良をめざしていたからである。その具体策として、肯定(積極)的優生学よりは否定(肯定)的優生学が諸科学の関与のもとに展開される。その主たる対象としては「精神薄弱」「狂気」等が、方法としては断種が選択される。断種の当初の目的は、優生学を目的とする劣等種の減少・解消と収容施設の不足に対する補完を意図する優生断種にあったが、優生学の科学的根拠に対する疑問とともに、精神薄弱者のコミュニティ生活可能論および性行動受容論、子どもをもつことによる生活・養育の困難等の社会適応上の理由に基づく選択断種へと転換することになる。この過程において、精神薄弱者およびその行動を正常とみる範囲が拡大したことは確かである。このような優生学とその影響は、国と地方によって差異があったが、それは優生学に対する支持勢力の有無に基づいていた。宗教的要素と科学の関与の度合いが最大の要因となる。概ね優生学を歓迎したプロテスタント教会と社会学等の関与が強力な場合は、優生学運動は拡大し、断種法が可決されたが、ローマ・カトリック勢力が強大で、科学が消極的な場合は、優生学運動の影響は限定され、断種は促進されなかった。20世紀末に至ってても優生学は消失していない。生殖医療と先端医療技術の普及にともなって、障害発生予防を目的として、優生学的思考を孕んだ新優生学として、社会下層やマイノリティや特定のエスニシティに関連して発展しつつある。
著者
渡辺 英夫 平山 史朗 島袋 公史
出版者
日本義肢装具学会
雑誌
日本義肢装具学会誌 (ISSN:09104720)
巻号頁・発行日
vol.28, no.1, pp.7-12, 2012-01-01 (Released:2013-12-15)
参考文献数
10
被引用文献数
3

脳卒中に対してのシューホーンブレースとその類似装具を含めたシューホーン型短下肢装具は,わが国での処方頻度が高いが,その形状と適応病態との関連についての検討はまだ十分とは言えない.本装具の形状によるプラスチックのたわみの程度と完成時の背屈角度,靴を履いて起立した時の下腿の前傾角度(SVA)などの違いによって,適応となる足関節部の筋力,膝関節の安定性,下腿三頭筋の痙縮の程度などが変わることを強調した.さらに本装具を装着しての歩行で問題が見られた時の対処法について述べた.
著者
瀧川 裕貴 永吉 希久子 呂 沢宇 下窪 拓也 渡辺 誓司 中村 美子
出版者
NHK放送文化研究所
雑誌
放送研究と調査 (ISSN:02880008)
巻号頁・発行日
vol.73, no.3, pp.70-85, 2023-03-01 (Released:2023-03-30)

今日の社会におけるソーシャルメディアの社会的影響力は大きく、世論の動向を把握する際にソーシャルメディアの影響を考慮することは避けられない。他方で、従来の世論調査による世論の把握に比べて、ソーシャルメディアを用いた言論分析がどのような特徴と課題をもっているかについては検討が必要である。しかし、ソーシャルメディアの言論分析は従来の世論調査とは異なる方法が必要とされる。そこで、本論文では、ソーシャルメディアにおける「世論」に計算社会科学という社会科学の新たな分析方法を適用し、世論調査の結果と比較することで、ソーシャルメディアにおける「世論」の意味について検討する。その際、Twitterにおける安倍首相に関するツイートの分析を例として用いる。具体的には、教師あり機械学習によるセンチメント分析という手法を用いて、大規模なツイートデータから、安倍首相に対する支持と不支持の態度を推定する。機械学習のモデルは、ディープラーニングに基づく事前学習言語モデルBERTの改良モデルの一種であるRoBERTaを使用する。モデルの正解率は85.79%であり、十分な性能を発揮することが示された。 分類結果では、ツイートの8割近くが安倍首相に対するネガティブな態度を表していると分類され、観察期間を通じて不支持が支持を大幅に上回っていた。また、モデルが分類したセンチメントに特徴的な語を分析した結果,人間の目から見ても理解可能であり,分類がある程度妥当なものであることがわかった。このように、Twitterから読み取った安倍首相への支持と不支持の時系列変化と世論調査の内閣支持率の比較を行うと,両者は一致せず大きな乖離が見られることが明らかになった。これらの結果は,Twitter上での意見表明と一般世論との関係を考えるための材料となる。次号では,支持と不支持がどのようなトピックをめぐってなされたのか,トピックモデル分析という手法を用いて詳細に分析し,Twitter分析の有用性と課題について報告したい。
著者
渡辺 登 坂井 禎一郎 多田 幸司
出版者
医学書院
雑誌
精神医学 (ISSN:04881281)
巻号頁・発行日
vol.26, no.10, pp.1120-1122, 1984-10-15

I.はじめに エフェドリン(ephedrine)は気管支喘息治療薬として繁用されるphenylethylamine誘導体であり,覚醒剤(phenylaminopropaneやphenylmethylaminopropane)と化学構造や薬理作用が極めて類似している。そのため,本邦では大量のエフェドリン服用によって覚醒剤中毒と近似した精神障害を呈した症例が現在までに23例報告1〜4,6,9,10,12,13)されている。 立津11)は慢性覚醒剤中毒の精神病状態として最もよく発現するのが,1)躁うつ病様状態であり,次いで,2)分裂病様状態,3)両者の混合状態,4)無欲・疲労・脱力状と述べている。ところが,報告されたエフェドリン精神病に生じた病像のほとんどは幻覚や妄想を主体とする分裂病様状態であり,躁うつ病様状態はなかった。今回,われわれはエフェドリンを主成分とする市販喘息薬である新エスエスブロン液を乱用し躁うつ状態を呈した1症例を経験したので報告したい。