著者
渡辺 惇
出版者
駒澤大学
雑誌
駒澤史学 (ISSN:04506928)
巻号頁・発行日
vol.48, pp.1-22, 1995-04
著者
三浦 玲一 川端 有子 戸田山 みどり 渡辺 美樹
出版者
一橋大学
雑誌
基盤研究(C)
巻号頁・発行日
2003

戸田山の日本における『ちびくろサンボ』の受容史研究から、児童文学の評価においては、「優れた」作品であることが、(児童文学として)「教えるに値する」という価値観/イデオロギーと密接に繋がっていることが示された。渡辺の考察は、このことと関連して、児童文学においては、先行する作品から断絶することで成立する独創性(オリジナリティ)の重視が比較的希薄なこと、同時に、ある種の作品においては、児童文学のコンヴェンション/規範に積極的に依拠しようとする姿勢が見られ、それが評価されていることを調査した。非政治的な「美学的価値」や作者の「オリジナリティ」の虚構性は、いわゆる文学研究においても(多くの論争を巻き起こしながら)既に指摘されている点である。本研究は、そのような性質が、より明示的、あからさまに承認されている場としての「児童文学」を対象とした。個々の作品がその固有性としてもつ、オリジナルな美学的価値とは、20世紀初頭のいわゆるハイ・モダニズムの時代に、芸術としての文学という体制が確立すると共に、自明視されることになる。エレイン・ショウォールターの著作に代表されるような、歴史的なジェンダー研究は、このハイ・モダニズム体制の成立を、文学が(性的な含意を伴った)「表現」として認知される過程と同時進行し、それゆえ、このような美学の成立は、世紀転換期のジェンダー配置の転換と、密接に結び付いていることを示唆している。三浦および川端の研究は、クィア理論以降の拡張されたセクシュアリティの理解から見るとき、児童文学のテクストとみなされるものも亦、セクシュアリティ、ジェンダーの力学から構成されており、そこでは、「児童文学」であることからむしろ積極的に、伝統、規範に依拠しようとしつつ、そのことでむしろ逆説的に、転覆的なジェンダーを描くこととなった諸作品のありようを考察した。
著者
山田 貴志 渡辺 富夫
出版者
一般社団法人 日本機械学会
雑誌
日本機械学会論文集C編 (ISSN:18848354)
巻号頁・発行日
vol.79, no.807, pp.4340-4344, 2013 (Released:2013-11-25)
参考文献数
5
被引用文献数
1

In this study, we analyzed facial expressions during muscle strain using a head mounted display (HMD)-based virtual arm wrestling system designed for facial electromyography measurement. We found that facial expressions during muscle strain are characterized by tension of the corrugator supercilii and zygomaticus major muscles. In addition, facial expressions of laughter, anger, and fear, and those during muscle strain can be distinguished based on the active pattern of the corrugator supercilii and zygomaticus major muscles. These findings are useful in the evaluation of emotions based on facial expressions during muscle strain using the HMD-based virtual reality system.
著者
齋藤 寛 柴田 義貞 高村 昇 渡辺 孝男 中野 篤浩 山下 俊一
出版者
長崎大学
雑誌
基盤研究(B)
巻号頁・発行日
2004

1986年のチェルノブイリ原子力発電所事故において、事故時に乳幼児であった世代から甲状腺がんが多発したことはよく知られているが、この詳細なメカニズムについてはまだ明らかになっていない。一方で、事故直後に放射能の除染を目的として鉛をはじめとする重金属類が空中から散布されたことが明らかになっており、すでに鉛の汚染状況についての地図も作成されている。しかしながら、これによる住民の健康影響については、これまで全く調査が行われていない。近年、in vitroにおいて、カドミウムやニッケルといった金属に曝露したcell lineにおける遺伝子不安定性が報告されており、放射線被ばくと同様、金属曝露も遺伝子不安定性の原因となることが示唆されてきている。そのため我々は、主にウクライナ放射線医学研究所との共同研究で、チェルノブイリ原発事故のもう一つの側面として、同地区における金属汚染の実態を明らかにし、さらにこれによる染色体レベルでの変異解明を目的としている。本年度は、昨年度までの解析結果に加えて毛髪を用いた微量金属の再評価を行ったが、毛髪と金属汚染レベルでは相関関係はみられなかった。その一方で血液中の微量元素については有意に上昇しているものがみられ、今後さらなる評価が必要であると考えられた。7月にはこれまでの研究成果の総括を行うために、研究代表者、分担者に加えてウクライナの海外共同研究者、さらに国内や中国、ベラルーシ共和国などからも専門家を招聘しての国際会議を開催し、グローバルな視点からの金属汚染の現状についての報告と今後の取り組みについて協議した。
著者
渡辺 正人
出版者
聖学院大学
雑誌
聖学院大学論叢 (ISSN:09152539)
巻号頁・発行日
vol.18, no.3, pp.187-196, 2006-03-27

In current Japanese culture, the rise of one particular subculture has been especially conspicuous in recent years. The "hobby-world" (called otaku in Japanese) has been a powerful social force which has transformed Akihabara, the electronics discount district fo Tokyo. It has been the birth of a new community: "community through hobby/interest." The influence of this subculture is reflected in the novels of Haruki Murakami.
著者
井田 喜明 山岡 耕春 渡辺 秀文
出版者
東京大学地震研究所
雑誌
東京大学地震研究所彙報 (ISSN:00408972)
巻号頁・発行日
vol.63, no.2, pp.183-200, 1988-11-11

伊豆大島火山の山頂火口で,1986年12月以後に発生した3回の小噴火について,その発生機構を考察し,以下のモデルを提案する.伊豆大島火山の北西山腹の地下には,約5kmの深さにマグマだまりが存在する.1986年11月の山頂噴火と割れ目噴火では,マグマだまりの圧力が高まり,そこからマグマが上昇した.その後伊豆大島火山ではマグマの後退が進行し,そのような状況下で,12月以後の小噴火が発生した.マグマの後退は,火道内に空洞をつくり,同時にマグマの圧力を低下させて,水蒸気の発泡を促進する.1987年11月16日の噴火前には,長い前駆期間を通じて,水蒸気の発泡,移動と,火道上部におけるその蓄積が進行した.水蒸気の発生,上昇過程は,火山性微動を生み,空洞に蓄積された水蒸気の高まりは,地震と噴気の活動を活発化した.十分に高まった水蒸気圧は,最終的には,噴火と対応する爆発を起こすに至った.一方,1986年12月18日と1987年11月18日の噴火では,マグマの後退のために生じた火道内の空洞が,重力不安定で崩壊した.旧火口内部にたまっていたマグマは,3回の小噴火で段階的に地下に逆流した.逆流は,1987年11月18日の噴火のときが最も顕著で,その効果は,火道を伝わってマグマだまりの圧力を急激に高め,伊豆大島内外の傾斜や体積歪に,系統的な変化をもたらした.

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著者
渡辺辰五郎 述
出版者
赤心社
巻号頁・発行日
1909
著者
渡辺 ゆきの
出版者
社団法人情報科学技術協会
雑誌
情報の科学と技術 (ISSN:09133801)
巻号頁・発行日
vol.61, no.2, pp.76-81, 2011-02-01
参考文献数
11

参加型サービス「kumori」の紹介を行なう。kumoriとは, 本の紹介を投稿するとそれがしおりになり, 図書館で配布されるサービスである。しおりには, 投稿者からの本の紹介と所蔵情報等が載っている。しおりを投稿者と協同で作成している点が特徴である。本稿ではまず, kumoriの目的・形状・システム・作成方法・特徴等を紹介する。次にkumoriへの意見, そして課題について述べる。
著者
佐藤 卓己 渡辺 靖 植村 和秀 柴内 康文 福間 良明 青木 貞茂 本田 毅彦 赤上 裕幸 長崎 励朗 白戸 健一郎 松永 智子
出版者
京都大学
雑誌
基盤研究(B)
巻号頁・発行日
2009

情報化の先進諸国におけるメディア文化政策の展開を地域別(時系列的)、メディア別(地域横断的)に比較検討し、国民統合的な「文化政策」と情報拡散的な「メディア政策」を明確に区分する必要性を明らかにした。その上で、ソフト・パワーとしては両者を組み合わせた「メディア文化政策」の重要性が明らかになった。佐藤卓己・柴内康文・渡辺靖編『ソフトパワーとしてのメディア文化政策』を新曜社より2012年度中に上梓する。
著者
根本 匡文 松藤 みどり 生田目 美紀 三牧 敏太郎 萩田 秋雄 櫻庭 晶子 川島 光郎 渡辺 隆 皆川 洋喜 石原 保志 中瀬 浩一
出版者
筑波技術短期大学学術国際交流委員会
雑誌
筑波技術短期大学テクノレポート (ISSN:13417142)
巻号頁・発行日
vol.10, no.2, pp.69-77, 2003

筑波技術短期大学聴覚部では、授業に関する情報を共有し、個々の教官の授業改善に資するために、平成14年度に授業研究 FD を3回実施した。そこでは5つの学科専攻及び一般教育等からビデオに記録した授業素材が提供され、意見交換と協議が行われた。本稿では、実際に提供された授業素材の内容とビデオ視聴後の協議の概要を整理・記録し、あわせて、FD に関する聴覚部教官の評価結果を記述した。授業改善のための努力をこれからも続ける必要がある。
著者
六角 正廣 竹内 順一 渡辺 好明 藤幡 正樹 野口 玲一
出版者
東京芸術大学
雑誌
地域連携推進研究費
巻号頁・発行日
1999

この研究の目的は、芸術文化の実情とそれらを取り巻く環境に焦点を当て、特に藝術を街づくりの主要な要因として、都市や建築、ランドスケープ等の環境整備を行い、街全体が美術館化していくことを期待し、市民の情操教育や活動に役立つ方法を開発していくことである。近年、街づくりの手法の一つとして、藝術(以降アートと呼ぶ)を手がかりとしたものが増えつつあり、それらが周囲にあたえる影響や変化がどのようなものであるのかを研究・分析する必要性が出てきている。街を美術館化する、ということは、単純に彫刻物等の作品を駅前のロータリーや商店街等の街中に飾っていくといったことではなく、アートを介在して街のイメージが形成されたり、様々なアクティビティが生じて、結果アートが街にとっての共有財産となることが目的とされる。観光資源や文化、歴史的背景を持たない地において、街づくりや再開発を進める場合、画一的手法により全国どこでも同じような風景がひろがっていくケースが多々ある。何を核にこの街ならではの顔を作り出すことができるのか、といった点がこれらの街に共通の問題点であるが、アートはそのプログラムの組み方によって街にとっての共有財産をつくりあげていく手がかりとなる。本研究ではアートが街の共有財産となるための手法をつくりあげていくプロセスの一つとして、主に茨城県取手市と東京藝術大学との連携のケースを中心に、実践と成果のプロセスを報告する。又、他に地理的特長や、歴史的特長、現実にかかえる問題等に対して実際に「アート」と「地域-街-」との関係性を実現化していった(あるいはしつつある)3例、宮城県岩出山町、埼玉県吉川市、埼玉県熊谷市の例を挙げる。
著者
梅本 通孝 熊谷 良雄 小林 健介 石神 努 渡辺 実 室崎 益輝 大西 一嘉
出版者
地域安全学会
雑誌
地域安全学会論文報告集
巻号頁・発行日
no.7, pp.228-233, 1997-11
被引用文献数
1

The Great Hanshin-Awaji Earthquake Disaster caused an LPG leak incident at a plant in Higashinada ward, Kobe city. Kobe municipal authorities announced evacuation recommendation to 72,000 inhabitants. A questionnaire was conducted to know when, where and how the inhabitants received the information of evacuation recommendation. Results of the questionnaire are as follows : ・In the day the evacuation order was announced, 9.9% of inhabitants in the recommendation area concerned did not receive the information of the recommendation. ・The farther from the plant where the incident happened, the more lately inhabitants received the information of the recommendation. ・Though about 80% of people who received the information of the recommendation become aware of the cause of it, many of them didn't know the further information.
著者
渡辺 博芳
出版者
一般社団法人電子情報通信学会
雑誌
電子情報通信学会技術研究報告. SITE, 技術と社会・倫理 (ISSN:09135685)
巻号頁・発行日
vol.108, no.75, pp.39-43, 2008-05-23

SNSは,人と人とのつながりを促進・支援し,コミュニティ型のウェブサイトである.近年,企業や大学等の組織内に限定したSNSを導入する例も増えている.一方,大学においては,教育・学習活動を支援し,広げるツールとして,コース管理システム(CMS)が導入されている.CMSが学習活動を直接支援するのに対して,SNSでは,モチベーションの向上等に寄与することで学習活動を間接的に支援できる可能性がある.このような観点で,2007年度に帝京大学宇都宮キャンパスにおいてSNSを構築し,利用実践を行ってきた.SNS上の日記やコミュニティでの投稿内容を分析した結果,学習活動や学生生活の支援として有効と思われる場面がいくつか観察された.
著者
長澤 槙子 渡辺 知恵美 伊藤 貴之 増永良文
出版者
一般社団法人情報処理学会
雑誌
情報処理学会研究報告エンタテインメントコンピューティング(EC) (ISSN:09196072)
巻号頁・発行日
vol.2007, no.37, pp.69-76, 2007-05-11

近年MP3プレーヤの流行により,多くの人がたくさんの楽曲を聞く機会が増えてきている.楽曲には様々な音楽的特徴があり,楽器の種類,ハーモニーの変化,コード進行,リズムパターン,モチーフなどが挙げられる.そこで我々は,これらの音楽的特徴と作曲者,年代,ヒットチャートとの関係や,あるユーザの好みの楽曲の音楽的特徴の関係やユーザ同士の好みの楽曲の音楽的特徴の関係といったマイニングを行う.本稿では,以上に述べたことのマイニングを行うために,ポピュラー音楽を対象としたコード進行に着目した楽曲クラスタリングシステムを提案する.コード進行の類似度に関して,我々は音楽理論にて定義されている近親調をもとに定義した.Recently we have more chances to listen to a lot of music due to the spread of MP3 players. There are various features in music, including musical instruments, harmony, chord progression, ryhthm patterns, and motifs. Target of our study is mining of relativity among various features of music and their attributes, such as composers, date of release, ranking of hit charts, and among features of listeners' favorite music. In this paper we propose a music clustering system focusing on the chord progression of popular music for mining of the above relativity. We define similarity of chord progression according to relative keys defined by music theory.