- 著者
-
王 珏
- 出版者
- 日本マーケティング学会
- 雑誌
- マーケティングジャーナル (ISSN:03897265)
- 巻号頁・発行日
- vol.41, no.3, pp.57-64, 2022-01-07 (Released:2022-01-07)
- 参考文献数
- 34
消費者の認知,感情,行動に広く影響を与える重要な心理状態を示す概念として,勢力感という概念がある。近年,消費者勢力感の影響に関する研究が徐々に増えてきている。しかしながら,当該領域全体の俯瞰的なレビュー論文はまだ存在しない。そのゆえ,消費者勢力感に関する既存研究の知見を整理し,今後の研究課題を明らかにすることは重要なことである。本稿は,消費者勢力感に関する既存研究を(1)勢力感と補償的消費,(2)勢力感と広告コミュニケーション効果,(3)勢力感と観光,(4)勢力感とSDGs,(5)勢力感と社会的過密という5つの研究潮流に分けて概観する。その結果,今後の研究課題として,(a)補償的WOMの検討,(b)広告の掲載場所と広告の視覚的要素への注目,(c)過密環境セッティングの多様性の探究を抽出する。