著者
相馬 直子 山下 順子 陳 國康 王 永慈 栄 多永
出版者
横浜国立大学
雑誌
基盤研究(B)
巻号頁・発行日
2012-04-01

本研究は、晩産化・超少子化・高齢化が同時進行する東アジア社会において、介護と育児のダブルケア分担という新たな社会的リスクにいかに対応しているのか、あるいは対応できずにいるのか、その対応の仕方の共通点と差異は何かを、ミクロな家族の実態分析と制度分析を通じて、日本・韓国・中国・台湾・香港とのケアレジーム比較研究から明らかにした。晩産化、超少子化、高齢化の同時進行は、現存の介護サービス、育児サービスを使いこなしながら親の介護と子育てという「ダブルケア負担」に対応しなければならない世帯が増加することが推察され、包摂的なケア政策の構想が東アジア全体で求められる。
著者
橋本 すみれ 地野 充時 来村 昌紀 王子 剛 小川 恵子 大野 賢二 平崎 能郎 林 克美 笠原 裕司 関矢 信康 並木 隆雄 寺澤 捷年
出版者
一般社団法人 日本東洋医学会
雑誌
日本東洋醫學雜誌 = Japanese journal of oriental medicine (ISSN:02874857)
巻号頁・発行日
vol.60, no.2, pp.171-175, 2009-03-20
参考文献数
13
被引用文献数
2

線維筋痛症による全身の疼痛に対し,白虎湯加味方が有効であった症例を経験した。症例は65歳女性。自覚症状として,夏場に,あるいは入浴などで身体が温まると増悪する全身の疼痛および口渇,多飲があり,身熱の甚だしい状態と考えて,白虎湯加味方を使用したところ全身の疼痛が消失した。線維筋痛症に対する漢方治療は,附子剤や柴胡剤が処方される症例が多いが,温熱刺激により全身の疼痛が悪化する症例には白虎湯類が有効である可能性が示唆された。
著者
辻 王成 岡元 勉 野村 一俊 前川 清継
出版者
西日本整形・災害外科学会
雑誌
整形外科と災害外科 (ISSN:00371033)
巻号頁・発行日
vol.63, no.3, pp.634-637, 2014-09-25 (Released:2014-11-11)
参考文献数
7

新規骨粗鬆症治療薬のデノスマブ(プラリア)はRANKリガンドを標的とするヒト型モノクローナル抗体である.海外で椎体および大腿骨近位部骨折発生リスクを有意に減少させており,本邦でも期待がもたれる.主な副作用として低カルシウム(Ca)血症がある.2013年7月~9月の期間,骨粗鬆症患者に対し,デノスマブ60mgを皮下注射し,カルシウム,天然型ビタミンD配合剤を併用し治療開始前と投与後1,2,4週に血液検査を行い,血清Ca値と骨吸収マーカーを測定し,実臨床での副作用と早期の治療効果判定を行った.国内第II,III相試験での低Ca血症の発生頻度はそれぞれ0.6%,0.8%であったが,本研究では1週後に12%,2週後に7%であった.原因として,本研究の対象患者の平均年齢が79.4歳と高く腎機能低下の影響が推測され,超高齢者には活性型ビタミンDの事前投与が望ましいと考える.また,投与2週間でTRACP-5bは62.1%低下しており,BP製剤を超える強力な骨吸収抑制効果を確認した.
著者
王尾 和寿 村山 祐司 温井 達也 相澤 道代
出版者
公益社団法人 日本地理学会
雑誌
日本地理学会発表要旨集
巻号頁・発行日
vol.2014, 2014

近年、通学途中の児童と自動車の接触事故、震災や竜巻被害の発生などを契機として、通学路における児童の安全確保は喫緊の課題となっている。本研究では通学路の不安箇所を把握し改善につなげるため、地域に居住し地域を熟知している保護者の視点で不安箇所を抽出し、その属性を用いて空間的特性を明らかにした。データ取得については、地域の危険箇所や不安箇所に関するデータ収集を行うため、2012年10月および2013年12月に、茨城県つくば市内のN小学校区において、児童と保護者による通学路点検を実施した。集団登校に保護者が同行し、通学路の不安箇所を、交通、犯罪、災害の視点でチェックし、GISデータベースを作成した。次にカーネル密度推定により、不安箇所の分布特性を把握し、属性情報と共に分析を行った。 結果として2012年では108枚の不安箇所マップを回収し、393地点の不安箇所(交通不安244、犯罪不安86、災害不安63)を取得した。また2013年では111枚で382地点(交通不安226、犯罪不安101、災害不安55)の不安箇所を取得し、両年次共、交通不安の箇所数が最も多かった。2013年データに対してカーネル密度推定を適用した結果、交通不安、犯罪不安、災害不安、それぞれに不安地点密度の高い場所が異なっていた。交通不安は箇所数が最も多く、学校区全体に分布しているが、特に交通量の多い幹線道路を横断する地点で、密度の高まりが見られた。犯罪不安については、民家や人気が無い農道での不安感が高かった。災害不安については、周辺に民家が無く、災害発生時に避難する場所も無い地域での密度が高く、2012年調査と比較して不安感の高まりが見られた。また、道幅が狭く家屋が密集する地域での不安感も高く、塀や壁が崩れる恐れを指摘する声が多かった。さらに、児童の性別と保護者の不安感の関係を探るため、交通、犯罪、災害、それぞれの不安箇所について、男児のみが通学、女児のみが通学、男女が通学、の3タイプの割合を計算した結果、犯罪不安では女児のみが通学している保護者の割合が高く、災害不安では男児のみが通学している保護者の割合が高い傾向がみられた。
著者
王 淦 Wang Gan
出版者
大阪大学大学院文学研究科 日本語学講座 現代日本語学研究室
雑誌
現代日本語研究
巻号頁・発行日
vol.10, pp.53-65, 2018-03-31

行為や状態の実現の困難を表す接尾辞「-にくい」と「-づらい」を比較すると,「-にくい」は意志動詞にも無意志動詞にも付くのに対して,「-づらい」は意志的な行為を表す動詞に付きやすく,行為の遂行に苦痛が伴うためにその遂行が困難であることを表すと一般に言われる。本稿では,「-づらい」の上接動詞をウェブコーパスによって調査し,無意志動詞と組み合わせられる場合,しばしば表現の背後に実現の困難を感じる主体の存在が想定されることを述べる。
著者
王丸 勇
出版者
エ-スア-ト
雑誌
臨床科学 (ISSN:03850323)
巻号頁・発行日
vol.9, no.10, pp.1381-1383, 1973-10
著者
薬師寺 克行 井上 正也 王 雪萍
出版者
東洋大学
雑誌
基盤研究(C)
巻号頁・発行日
2016-04-01

1993年の自民党政権の下野から22年が経過し、「55年体制」末期の日本政治も漸く歴史研究の対象に入りつつある。しかし、同時代を政治史的に考察する上には未だに分析上の課題を抱えている。第一は、信頼できる一次史料の不足である。第二に、政界再編に関するこれらの二次文献の多くも、自民党経世会を中心とした記述に偏重している点である。ゆえに、同時代に自民党の派閥政治を担っていた安倍派清和会や宮沢派宏池会の派閥の実態については殆ど解明されていない。とりわけ、安倍晋太郎から三塚博へと継承された清和会は、派内に新党さきがけを率いた武村正義、石原慎太郎や党内「右派」を多く擁していた亀井グループ、小泉純一郎といった政界再編後に重要な役割を示す多くの人材が所属しており、清和会内部に存在した政治改革構想や派閥観を検証することなしに、90年代前半の政界再編の描くことには大きな限界があろう。本研究では、研究代表者が政治部の清和会担当記者であった1989年から94年までの記録を活用した。同記録には安倍晋太郎、安倍派幹部であった三塚博や塩川正十郎、小泉純一郎、武村正義の肉声が残されており、55年体制末期から政界再編期にかけての清和会内部の政治改革に対する議論や、政界再編に対する見通しなどをうかがい知ることができる。本研究は、ジャーナリストの経験を積んだ研究代表者と、戦後政治外交史を専門とする研究分担者(井上)と共同作業で、取材メモの本格的な調査分析を実施している。この作業とは別に研究代表者の薬師寺は、村山富市元首相に対するインタビューと資料の再チェックをしたうえで、単行本として2012年に出版された「村山富市回顧録」(岩波書店)の解説部分など加筆修正したうえで、同書を文庫本化し「岩波現代文庫」から出版した。

2 0 0 0 OA 表異録20卷

著者
明王志堅撰
出版者
[李氏惜陰軒]
巻号頁・発行日
vol.[3], 1708
著者
王 宝禮 砂川 正隆 山口 孝二郎 亀山 敦史 金子 明寛
出版者
日本歯科薬物療法学会
雑誌
歯科薬物療法 (ISSN:02881012)
巻号頁・発行日
vol.34, no.1, pp.23-30, 2015-04-01 (Released:2015-06-01)
参考文献数
46

Kampo medicine has a long experience and actual performance over a long period of history. The first oriental medicine was approved by Japanese national health insurance in 1976, and 147 kinds of oriental medicine are currently approved by the National Health Insurance Drug Price. Those of 7 kinds of Kampo medicine were approved by Japan Dental Association of “National Health Insurance Drug Price Standard related with dental treatment” on April 2012. It has been reported that approximately 70 to 80% of doctors has an experience to use oriental medicine in a clinical site. Meanwhile, oriental medicine was used at more than 85% of medical facilities in a survey of Kampo medicine usage at oral surgery clinics in all Japanese Dental University hospital and Medical University hospital. However, only a few Kampo medicine was used at general dental clinics. Establishment of the evidence of oriental medical treatment in dental lesions is one of the solution of popularizing a treatment of Kampo medicine in oral surgery. Hence, efficacy of Kampo medicine which was approved by the new drug standard since 1986 was evaluated from the aspect of Evidence-based medicine(EBM).
著者
明王世貞輯
出版者
藤田庄右衞門刊
巻号頁・発行日
vol.[1], 1650
著者
山田 沙奈恵 沼尻 幸彦 和田 政裕 山王丸 靖子
出版者
特定非営利活動法人 日本栄養改善学会
雑誌
栄養学雑誌 (ISSN:00215147)
巻号頁・発行日
vol.76, no.5, pp.109-120, 2018-10-01 (Released:2018-11-06)
参考文献数
32
被引用文献数
2

【目的】我が国の健康食品について,医療従事者を含む消費者が持つ知識・認識等について調査し,表示認識およびニーズの実態を明らかにすることを目的とした。【方法】2015年1月~8月に一般消費者,薬剤師,管理栄養士,助産師を対象(合計有効回答数:1,502名)に,健康食品に対するイメージ,知識・認識等に関する無記名自記式質問紙調査を実施し,集団間の違いについて包括検定および対比較(χ2 検定,steel-dwass法)により検討した。本調査における健康食品とは,「健康の維持向上を目的としたすべての食品」と定義した。【結果】健康食品の知識は,一般消費者よりも医療従事者の正答率が高い傾向を示し,一般消費者と管理栄養士との間では有意な差が認められた。一般消費者と比較して医療従事者のポジティブイメージは有意に低い項目が多く,ネガティブイメージは有意に高い項目が多かった。どの集団でも,健康食品の認可機関としては「国」を希望する者が最も多く,機能性表示としてふさわしい段階は「健康増進に効果があること」,「病気のリスクを低減すること」の順となった。安全性に関するニーズは助産師が高い傾向を示した。【結論】一般消費者と医療従事者及び,医療従事者間にも健康食品に対するイメージ,知識・認識等には差が見られ,医療従事者であっても知識は十分ではなかった。表示の認可機関と機能性表示に対する期待の程度は,医療従事者の専門性により異なる傾向を示した。
著者
王 屶瀟
巻号頁・発行日
2017 (Released:2018-03-01)

2 0 0 0 OA 釋氏往來

著者
[伝守覚法親王] [撰]
出版者
巻号頁・発行日
1302

本書は、守覚法親王(1150-1202)の作と伝えられ、親王の没年から推定して鎌倉時代初期の成立とされる。内容は、仏家の一年間の行事を簡単明瞭な文体で書いたもので、進状とそれに対する返状の形をとったいわゆる消息文の文例集である。和漢朗詠集などと共に、文章の規範として、また習字学習の手本として用いられることが多く、その伝本も能筆家によって書かれている場合が多い。編成は、第一条から第二七条までの合計五四通を収め、一月から十二月までを月別順に配当している。該当本は、巻首を欠いているので七通不足しているが、正安4(1302)年の書写奥書があり、『釈氏往来』の最古写本として知られる。
著者
王 怡文 須永 剛司
出版者
一般社団法人 日本デザイン学会
雑誌
日本デザイン学会研究発表大会概要集 日本デザイン学会 第64回春季研究発表大会
巻号頁・発行日
pp.368, 2017 (Released:2017-06-29)

本研究は工学系大学生と美術系大学生がチームでデザインを行った事例を振り返り、成功したプロセスと失敗したプロセスを比較しながら、工学系と美術系チームにおける協働について考察する。比較の結果、美術系には美術系同士のチームでしか伝わらない「なにか違う」という感覚があり、その感覚を言葉で論理的に工学系に伝えることでお互いに信頼感が生まれ、工学系と美術系のチームがより互いを信頼しあい、協力しながらチームとして活動し高品質なアウトプットを出せるようになると考えられる。