著者
太田 智子 松崎 浩之 児玉 浩子 寺田 宙 野村 恭子 太田 裕二 王 暁水 飯田 素代 日比野 有希
出版者
公益財団法人日本分析センター
雑誌
基盤研究(B)
巻号頁・発行日
2017-04-01

東京電力福島第一原子力発電所事故後、国民の間に放射性物質への不安が広がった。中でも放射性ヨウ素については甲状腺がんとの因果関係が心配され、特に感受性の高い乳児についての影響が懸念されている。本研究では乳児の主たる栄養源の母乳を対象に、数種類存在する放射性ヨウ素のうち半減期が最も長いヨウ素129(1570万年)の分析を実施した。母乳は脂肪分が多いため分析することが難しく、母乳中のヨウ素129を分析した例はない。今回、母乳中のヨウ素を分析する手法を確立し、健康な母親から採取した母乳中のヨウ素129を分析しバックグラウンドを把握すると共に、データを基に乳児の母乳摂取による内部被ばく線量評価を試みた。
著者
田 栄富 王 橋
出版者
久留米大学経済社会研究会
雑誌
経済社会研究 = The journal of the Society for Studies on Economies and Societies (ISSN:24332682)
巻号頁・発行日
vol.59, no.3, pp.25-44, 2019-01-25

日本介護保険制度が実行されてから,介護費用が膨らみ,介護財政を圧迫し,第1,2号被保険者は保険料負担の増加を強いられている。今後の負担は更に重くなる。一方,介護サービス業は国民経済におけるパフォーマンスを確実に増している。投入構造で確認できた介護サービス業は粗付加価値投入であり,そのなかで雇用者所得は93.5%に達している。介護保険三施設の長期労働生産性を計測した結果,全産業平均を大きく下回っている。同部門は日本の産業部門においても有数の成長部門であり,労働・資本等の生産要素がこの部門に集約しつつある。しかし,低労働生産であり,資源配分を歪める恐れもある。また,労働生産性と賃金の間には密接な関係が確認されている。介護サービス業の低労働生産性は必然的に賃金に影響する。つまり低労働生産性から低賃金へという成り行きは従業員の高離職率,低い定着率をもたらす。結局,介護サービス業は人手不足という事態に直面する。賃金を引き上げるには,公定価格の介護報酬のもとでいかに労働生産性を上昇させるかが重要な課題である。
著者
王 財源 池田 裕子 遠藤 宏 川本 正純 藤川 治 吉備 登 北村 智 森川 和宥 河内 明
出版者
関西鍼灸大学
雑誌
関西鍼灸短期大学年報 (ISSN:09129545)
巻号頁・発行日
vol.12, pp.25-29, 1997-10-25

『山海経』東山経には"その下箴石多し",『説文解字』にも"〓石をもって病を刺す", 『帝王世紀』には"太昊九針を製し"などの記載文が認められる。中国医学の歴史はその時代の発展状況に応じて,鍼灸医学,漢方医学,気功学も多くの学説が唱えられた。注目すべきことは,何時の時代にしろ,学説,学派の出現が多いほど,学術論争が激しく,また中国医学の発展も加速されていた。今回は学派の地域別,手技別分類を行い,悠久な鍼灸医学発展の歴史を,古代中国文献を参考に明らかにするものである。尚,筆者らはチベット医学,モンゴル医学を調査するために,敦煌の莫高窟を始めとする内陸部にも現地調査を進めるが,これには限界があるため,本文では現在調査中のものを触れずに報告する。
著者
松王 政浩
出版者
日本科学哲学会
雑誌
科学哲学 (ISSN:02893428)
巻号頁・発行日
vol.27, pp.97-109, 1994-11-18 (Released:2009-05-29)
被引用文献数
1
著者
山王丸 靖子 秋山 隆 沼尻 幸彦 寺尾 哲 和田 政裕
出版者
日本食生活学会
雑誌
日本食生活学会誌 (ISSN:13469770)
巻号頁・発行日
vol.26, no.4, pp.197-204, 2016 (Released:2016-04-27)
参考文献数
26
被引用文献数
3

Nowadays, in Japan, there is a high ratio of women who complain of chilliness. In this study, the effects of lifestyle and frequency of certain types of food intake on chilliness among female college students were studied using a questionnaire (n=215). According to the diagnostic criteria for chilliness, 42% of all responders routinely experienced chilliness. The influence of food and lifestyle habits on chilliness was ana lyzed using logistic regression analysis. First, exploratory factor analysis was per formed on 41 items about food and life habits. These items combined into 4 factors with a few items forming their own one-item factor. Using logistic regression analysis, these factors, together with BMI (Body Mass Index), were examined to see whether they predicted the relative risk of respondents for chilliness. The factors “Eating more vegetables”, “Eating more noodles” and “Feeling stress” were shown by the regression analysis to be positively related to experiencing chilli ness (p<0.05). An increase in the consumption of noodles by one level of intensity on a Likert scale of one to five is associated with a 4.75 relative risk of chilliness (given average levels of BMI); an increase in stress by one level (on a one to five Likert scale) is associated with a 3.07 relative risk; an increase in the consumption of vegeta bles by one level (one to five Likert scale) is associated with a 5.56 relative risk. BMI was negatively related to chilliness (p<0.05). These results suggest that to prevent chilliness women should avoid primarily eat ing vegetables and foods like noodles (which are typically eaten by themselves, unlike rice, which is usually part of a balanced meal). Eating a variety of nutritionally-bal anced foods will help with chilliness as well as maintaining a proper weight. The ne cessity of reducing stress is also clear.
著者
黒田 栄喜 王 大超 西 政佳 坂本 甚五郎 佐川 了
出版者
日本作物学会
雑誌
日本作物学会東北支部会報 (ISSN:09117067)
巻号頁・発行日
no.51, pp.9-10, 2008-12-20

最近、一般品種よりも胚芽重が約2倍程度大きい巨大胚芽品種や良質良食味で直播適性の高い品種が育成され、コメの用途拡大や低コスト化に貢献することが期待されている。寒冷地向け巨大胚芽米品種として「恋あずさ」、また、倒れにくく直播向けの多収性品種として「萌えみのり」が品種登録された。本研究では、1980年代後半以降当地方の主要な普及品種である「あきたこまち」を基準品種として、「恋あずさ」および「萌えみのり」の生育特性および乾物生産特性について比較検討した。水稲。
著者
王 秀文
出版者
国際日本文化研究センター
雑誌
日本研究 : 国際日本文化研究センター紀要 (ISSN:09150900)
巻号頁・発行日
vol.20, pp.125-171, 2000-02-29

旺盛な繁殖力・生命力をもつものは、同時に不思議な呪力をも持っているが、桃も例外ではない。桃の呪力に関する伝承は、中国の諸史書にみられる。たとえば、古代の帝王や諸侯のあいだで行われた喪式・盟会・進食などの時や貯蔵した氷を取り出す時などに、桃の枝などで不祥を防ぎ凶悪を追い払った。『山海経』にみえる有名な度朔山伝説においては、巨大な桃の木の東北の枝間に鬼門があり、万鬼が出入りする。見張りの神荼・鬱塁の二神はその悪鬼を捕らえて虎に食わすと述べられている。この伝説を受け継いで、桃の呪力が古くから行われてきた追儺式にも用いられているし、中国の門神信仰や日本の鬼門信仰の起源ともなっている。そして、桃は黄泉国の神話において鬼を退散させたことから、桃太郎が鬼が島へ鬼征伐に出かける時にも、その呪力を発揮している。概して、桃は陰に対しての陽であり、死に対しての生であるので、時間的・空間的な境目において、生を扶助する呪力が認められる。
著者
王 欣
雑誌
嘉悦大学研究論集 = KAETSU UNIVERSITY RESEARCH REVIEW
巻号頁・発行日
vol.62, no.2, pp.35-49, 2020-03-16

従来、「不老不死の丹薬」、「八月十五日の家出」、「月宮殿へ行く」、挿絵という要素から上田秋成の作品『諸道聴耳世間狙』(以下、『世間狙』と略称する)四之巻三は、『竹取物語』、「嫦娥」の故事と関連付けられたが、詳細な分析が行われなかった。その他、唐土太夫の唐風好みの役割もまだ検討されていない。 本稿では、まず、『世間狙』四之巻三の住屋吉介と唐土太夫の恋愛譚を、『竹取物語』の帝の求婚譚と比較し、両作品の高い関連性を明らかにする。その次に、人物造型の変更、趣向の置換という視点から両作品の相違点を考察し、唐土太夫と住屋吉介の詩と和歌の贈答と、浄瑠璃『新うすゆき物語』の和歌、『江談抄』第四の都在中の詩と女房の和歌、謡曲『白楽天』の白楽天の詩と漁翁の和歌との関連性を明確にする。さらに、女性が詩を作り、男性が和歌を作るという設定から、人々の通念及び遊廓の規則に反しながらも、恋愛を展開していく唐土太夫と住屋吉介の滑稽さを読み解く。このことから、筋立てとして『竹取物語』の帝の求婚譚が受け継がれた『世間狙』四之巻三の恋愛譚が、遊廓の規定を無視する唐風好みの唐土太夫の滑稽譚として構想されていると結論付ける。
著者
流王 貴義
出版者
日本社会学会
雑誌
社会学評論 (ISSN:00215414)
巻号頁・発行日
vol.63, no.3, pp.408-423, 2012-12-31 (Released:2014-02-10)
参考文献数
29

『社会分業論』にてデュルケムは有機的連帯という社会統合の概念を提示している. この連帯概念の特徴は, 集合意識に基づく機械的連帯とは異なり, 社会的分化を許容している点に存する. しかし社会統合の概念である以上, 有機的連帯は個々人の自己利益にのみ基づく経済的な関係から区別されるべきであり, その基礎となる契約関係も当事者間の合意に還元はできない性質を持っている. 「契約における非契約的要素」とは, 経済学的な契約観に対するデュルケムの批判をパーソンズが定式化したものである.しかし「契約における非契約的要素」とは具体的に何を指しているのか. 有機的連帯に固有の統合メカニズムの特定に重要となる論点であるにもかかわらず, デュルケム研究者の間でも見解が分かれている. 集合意識を指しているのか, 人格崇拝なのか, 社会の非合理的基礎なのか, それとも社会に由来する強制力を意味しているのか. 本稿は「契約における非契約要素」とは契約法である, との解釈を提示する.契約法の役割は, 契約当事者間の権利義務を定め, 有機的連帯の安定を可能にする, という法の執行のみに留まらない. 契約関係における調和の維持という積極的な役割も契約法は担っている. 合意が契約として法的保護を受けるためには, 法により定められた条件を満たす必要があるが, デュルケムはこの条件を調和的な協働が維持されるための条件として理論的に読み替えるのである.
著者
王 飛 高橋 光輝
雑誌
研究報告コンシューマ・デバイス&システム(CDS) (ISSN:21888604)
巻号頁・発行日
vol.2016-CDS-15, no.7, pp.1-7, 2016-01-14

戦後女性が社会生活で活躍し,同時にアニメ作品の内容も変貌した.特に近年における日本のヒットアニメはフェミニズムが色濃く反映されていると言っていい.影響を及ぼしているオタク文化やコスプレ文化など,フェミニズムがアニメに浸透している.日本のアニメにおけるフェミニズムの歴史に遡り,近代ヒットアニメのフェミニズム的要素,市場ニーズなどを通じ,ヒットとフェミニズムの関連性を分析し考察する.

3 0 0 0 OA 日本書紀

著者
舎人親王 編
出版者
上原佐之吉
巻号頁・発行日
vol.巻第1, 1884
著者
王 珊
出版者
アジア経営学会
雑誌
アジア経営研究 (ISSN:24242284)
巻号頁・発行日
vol.22, pp.103-115, 2016 (Released:2017-03-31)
参考文献数
43

In the automobile industry, the Japanese supplier system has been evaluated as one of the crucial factors which support the growth of the industry in history. Regarding the previous research of automotive parts suppliers, “Drawings supplied” and “Drawings Approved” features are recognized as one of standard methods which are used to evaluate the technological capability of suppliers. However, accompanied with the technological progresses, the advanced development phase for both auto-makers and their suppliers is becoming to be considered more and more important, and this phase is implemented ahead of yielding “the drawings”. Moreover, the supplier engaged in the advanced development phase may not be properly assessed based on the previous research. Thus, it is worth discussing the relationship between auto-makers and their suppliers on which focus the advanced development phase. This thesis uses the case study of Denso Germany and Denso Japan which present the No.1 Japanese automotive supplier, to analyze the contribution of Japanese supplier in the advanced development phase by transaction governance theory framework. In addition, it suggests the two possibilities for Japanese suppliers with plans to expand their business in China.