著者
鎌田 悠奨 滝沢 茂男 武藤 佳恭 田中 敏幸
出版者
バイオフィリア リハビリテーション学会
雑誌
バイオフィリア リハビリテーション学会研究大会予稿集
巻号頁・発行日
vol.2016, pp.11-12, 2016

<p>近年, 脳卒中患者数の増加により理学療法士の負担が増加してきている. 私は患者が自ら行うことのできる創動運動が他のリハビリテーションよりも効果があることを示唆したいと考えた. 本研究ではその前段階として, 脳の錯覚を用いた新たな機能の獲得は可能かについて調べたいと考えている. そのため, ミラーボックスを用いたトレーニングの前後での書く能力の変化を測定し, 評価することで新たな機能は獲得可能かについて調べたい.</p>
著者
渡辺 徹 瀧澤 栄史東 田中 敏春 廣瀬 保夫
出版者
一般社団法人 日本臨床救急医学会
雑誌
日本臨床救急医学会雑誌 (ISSN:13450581)
巻号頁・発行日
vol.18, no.5, pp.624-628, 2015-10-31 (Released:2015-10-31)
参考文献数
10

目的:院外心肺停止症例における声門上気道デバイス使用下での呼気終末二酸化炭素(end-tidal CO2,以下EtCO2)測定の臨床的意義を明らかにする。対象と方法:2011年10月1日から2012年9月30日までの1年間,新潟市における院外心肺停止症例でラリンゲルチューブ(laryngel tube,以下LT)が挿入された例を対象とした。救急車内収容時にEtCO2の測定を行い,測定時の心電図波形,自己心拍再開の有無などについて前方視的に検討した。結果:院外心肺停止症例数は869例,うちLT挿入例でEtCO2の測定を実施したのは160例。全測定例のEtCO2値(mmHg)は中央値で19,測定時の心電図波形別ではVF・PEA 群(n=35);25,Asystole群(n=125);17と,VF・PEA群で有意に高値であった(p<0.01)。自己心拍再開群(n=8)では53で,非自己心拍再開群(n=152)の18に比べて有意に高値であった(p<0.01)。結論:声門上気道デバイス使用下の院外心肺停止例においてEtCO2値は,ROSCの有無,心電図波形の有無と関連していた。声門上気道デバイス下でもEtCO2値は病態を反映し,EtCO2値が高値を示す場合は,ROSCの可能性が高いことが示唆された。
著者
大川 唯 田中 敏幸
出版者
特定非営利活動法人 パーソナルコンピュータ利用技術学会
雑誌
パーソナルコンピュータ利用技術学会論文誌 (ISSN:18817998)
巻号頁・発行日
vol.11, no.2, pp.1-7, 2017 (Released:2019-11-03)
参考文献数
9

近年,社会の高齢化に伴い脳卒中患者数が増加する傾向にある。多くの脳卒中患者は,脳機能に後遺症が 出るため,リハビリテーションが必要となる。認知障害等の高次機能障害におけるリハビリテーションは,重要な問題の一つとなっており,その検査法として三宅式記銘力検査が知られている。この検査は,有関係語対と無関係語対を読み上げて被験者に記憶させ,記憶した語対の一方を提示して,対をなす語を答えさせる検査法である。つまり,聴覚から脳に刺激を与えて検者の認知能力を調べる方法となっている。この検査法は,検者による検査手順のばらつきが大きく,主観的な検査方法となっている。本研究では,三宅式記銘力検査における検査結果のばらつきを低減し,パーソナル検査を可能にするために,実験そのものをAndroid タブレットのアプリケーション(Android アプリ)によって行う方法について提案する。従来法と異なり提案手法は視覚情報による脳刺激となっているため,提案法と従来法における脳への刺激の違いをfNIRS による脳血流の計測結果から検討する。実験の結果として,従来法とAndroid アプリ法における検査時の脳血流の差異が少なく,従来行われている三宅式記銘力検査をAndroid アプリによって行うことができることを示している。
著者
小島 悟 田中 敏明 橋本 伸也 武田 秀勝
出版者
札幌医科大学保健医療学部
雑誌
札幌医科大学保健医療学部紀要 = Bulletin of School of Health Sciences Sapporo Medical University = Bulletin of School of Health Sciences Sapporo Medical University (ISSN:13449192)
巻号頁・発行日
vol.2, pp.25-31, 1999-03

健常男性10名を対象に、体幹の前傾角度及び足部位置の相違が椅子からの立ち上がり動作に及ぼす運動学的差異を検討した。体幹の前傾を増加させて立ち上がると、殿部離床時の身体重心?踵部距離と膝関節伸展モーメントが減少し、股関節伸展ならびに足関節底屈モーメントは増加した。足部を後方へ引いて立ち上がると、身体重心の前方移動距離と殿部離床時の身体重心?踵部距離が減少した。しかし、動作時の下肢関節ピークモーメント値に変化はなかった。以上の結果から、立ち上がりの際に足部を後方へ引いたり、体幹をより前傾させることによって、安定した姿勢で殿部を持ち上げることができるものと推察された。また体幹の前傾を増加させることで、股及び足関節の負担は増加するが、動作に必要な膝関節伸展筋群の負担を軽減できるものと考えられた。BACKGROUND : Standing from a seated position is a common activity of daily living, and essential for independent life. Many elderly and patients with musculoskeletal and neurological dysfunctions have difficulty in rising from a chair. Biomechanical analyses of chair rise are needed for the basis for more effective therapeutic programs. PURPOSE : The purpose of this study was to analyze the influence of initial foot position and trunk flexion on sit-to-stand (STS) transfer using a biomechanical model. METHODS : Ten healthy males performed the STS movement under 3 different conditions; 1) natural STS movement, 2) STS movement with increasing flexion of the trunk, 3) STS movement by placing the feet further back toward a chair. A motion analysis system and a force plate were used to collect kinematic and kinetic data. RESULTS : During the STS movement with the feet placed further back toward a chair, the distance between center of mass and base of support at seat off significantly decreased compared to that during the natural STS movement, but there were no siginificantly differences in lower limb moments. During the STS movement with increasing flexion of the trunk, the distance between center of mass and base of support at seat off, the moment of the knee significantly decreased, whereas moments of the hip and ankle significantly increased compared to those during the natural STS movement. CONCLUSIONS : The results suggest that placing the feet further back toward a chair or increased trunk forward lean is a more effective strategy to facilitate postural stability. Moreover, increased trunk forward lean is useful in reducing knee moment, although this strategy may be inefficient for the hip and ankle joints.
著者
田中 敏郎
出版者
日本臨床免疫学会
雑誌
日本臨床免疫学会会誌 (ISSN:09114300)
巻号頁・発行日
vol.38, no.4, pp.291b, 2015

現在,関節リウマチ,若年性特発性関節炎,キャスルマン病に対する治療薬として承認されているヒト化抗IL-6受容体抗体トシリズマブは,他の様々な慢性に経過する免疫難病にも新たな治療薬となる可能性があり,臨床試験が進められている.また,最近,キメラ抗原受容体を用いたT細胞療法に合併するサイトカイン放出症候群にもトシリズマブが著効することが示され,IL-6阻害療法は,サイトカインストームを呈する急性全身性炎症反応に対しても新たな治療手段となる可能性がある.サイトカインストームには,サイトカイン放出症候群,敗血症ショック,全身性炎症反応症候群,血球貪食症候群やマクロファージ活性化症候群など含むが,特に敗血症ショックでは,病初期のサイトカインストームとその後の二次性の免疫不全状態により,予後が極めて悪く,しかし有効な免疫療法がないのが現状である.敗血症患者ではIL-6は著増し,IL-6の血管内皮細胞の活性化,心筋抑制や凝固カスケードの活性化等の多彩な作用,また,同様な病態を呈するサイトカイン放出症候群に対するトシリズマブの劇的な効果を見ると,IL-6阻害は敗血症に伴う多臓器不全に対して有効な治療法となる可能性がある.しかし,現在,トシリズマブは重篤な感染症を合併している患者には禁忌であり,どのように挑戦するのか,症例(報告)の解析,患者検体,動物モデルを用いた我々のアプローチを紹介したい.
著者
田中 敏子 佐藤 寛晃 笠井 謙多郎
出版者
学校法人 産業医科大学
雑誌
Journal of UOEH (ISSN:0387821X)
巻号頁・発行日
vol.41, no.2, pp.217-223, 2019-06-01 (Released:2019-07-09)
参考文献数
13
被引用文献数
1

被解剖者は高度肥満で猪首の20代女性である.ダウン症による精神発達遅滞,難聴,先天性白内障および緑内障による弱視などの障害を有していた.他院において緑内障の眼圧検査に際し,チオペンタール(TP) 350 mgを5分間で点滴静注した深鎮静が施された.静注後10分で検査は終了したが,医師がその場を離れた隙に呼吸が急速に悪化した.直ちに人工呼吸が施されたものの約20時間後に死亡し,医療過誤の疑いで司法解剖に付された.剖検上,特記すべき損傷や疾病を認めず,血清中のTP濃度は0.80 µg/mlであった.TPは超短時間作用型の静脈注射麻酔剤で,患者とコンタクトを取りつつ,少量を頻回に投与して最少量のTP投与にとどめるのが一般的である.この事例は,障害のためにコンタクトの取りづらさが予想されたものの,安易なTPの単回投与によって呼吸停止が生じ,医師不在のために蘇生が遅れたことが死因と判断された.
著者
藤原 菜帆 田中 敏幸
出版者
特定非営利活動法人 パーソナルコンピュータ利用技術学会
雑誌
パーソナルコンピュータ利用技術学会論文誌 (ISSN:18817998)
巻号頁・発行日
vol.13, no.1, pp.31-36, 2019 (Released:2019-09-12)
参考文献数
5

現在、病理診断では専門の知識を持つ病理専門医が病理画像を観察し、診断を行っている。しかし、日本では一般病棟当たりの病理専門医はおよそ0.3人という状況である。また、胃癌の罹患率は男女合わせて2位であり、今後高齢化社会が進むにつれて更に罹患者数が増加すると考えられる。いま、各病理医が大量の生検を診断しなければならない状況が問題視されており、その解決策としてコンピュータによる病理診断の自動化が注目されている。胃癌の悪性度を畳み込みニューラルネットワーク(CNN)で分類する研究も報告されているが、まだ十分な判別性能は得られていない。また、CNNに学習させるデータセットによる判別率への影響も十分に検討されていない。そこで本研究では、CNNに学習させるデータセットによる判別率の影響を比較検討する。なお、胃癌取り扱い規約に記載されるGroup分類に基づき、データセットにおける胃癌の悪性度をGroup1、Group3、Group5の3クラスに分類する。
著者
横須賀 直美 田中 敏之 胡谷 佳津志 岩井 達明
出版者
特定非営利活動法人 日本歯周病学会
雑誌
日本歯周病学会会誌 (ISSN:03850110)
巻号頁・発行日
vol.31, no.3, pp.960-969, 1989-09-28 (Released:2010-11-29)
参考文献数
30
被引用文献数
6 6

ラシ (通常歯ブラシ) を対照とした細菌学的汚染について検討した。対象10名を用い, 1, 8, 20日間, 両歯ブラシを交互に計6期間使用させ, 保管条件を一定 (20℃, 65%) とした。試験終了後, 再び保管環境下で乾燥を行い, 0~24時間で毛束を抜毛し, 上下に切断後'付着菌を計測した。その結果, 1) 抗菌コート歯ブラシと通常歯ブラシ毛東上部では, 乾燥時間の経過とともに付着菌が減少した。2) 通常歯ブラシの毛束下部では使用期間が長くなるにつれて, 乾燥時間ごとの付着菌数が明らかに増大した。3) 付着菌種は, 短期使用においてグラム陽性菌が多く、長期では陰性桿菌が検出された。4) 抗菌活性は, 毛束下部では20日間使用後も残存し, 抗菌コート歯ブラシの細菌汚染への有効性が認められた。
著者
松浦 信夫 竹内 正弘 雨宮 伸 杉原 茂孝 横田 行史 田中 敏章 中村 秀文 佐々木 望 大木 由加志 浦上 達彦 宮本 茂樹 菊池 信行 小林 浩司 堀川 玲子 菊池 透
出版者
一般社団法人 日本糖尿病学会
雑誌
糖尿病 (ISSN:0021437X)
巻号頁・発行日
vol.51, no.5, pp.427-434, 2008 (Released:2009-05-20)
参考文献数
25

小児において適応が認められていない,経口血糖降下薬メトホルミンの有効性,安全性を評価するために,臨床試験を行った.47名が試験に登録され,38名が試験を終了した.HbA1c値を指標とした主要評価項目では38名中30名(78.9%)が有効と判定された.HbA1c値,空腹時血糖など7項目を指標とした副次評価項目を経時的に比較検討した.試験開始前に比し12週,24週終了時でのHbA1c値,空腹時血糖は有意に低下した.乳酸値を含めた臨床検査値に異常なく,有害事象は47例中16例に,副作用は1例に認めたが,試験を中止するような重篤なものは認めなかった.
著者
田中 敏郎 嶋 良仁 仲 哲治
出版者
大阪大学
雑誌
基盤研究(C)
巻号頁・発行日
2005

アレルギー疾患の有病率が増加している現状において、その増加要因の解明と、発症を予防する手段の開発は急務の課題である。本研究においては、遺伝子多型がどのように喘息発症に関与するのか、また抗アレルギー作用を有するフラボノイドの適切な摂取によるアレルギー疾患に対する補完代替療法や予防法の確立を目指して、新たなフラボノイドの作用、作用機序に関して検討を加えた。IL-18の遺伝子多型IL-18-105A/Cは、アトピー型、非アトピー型喘息の発症に関与する多型であることが示された。IL-18-105A/Cは、IL-18遺伝子発現に関与するプロモーター領域のIL-18- -137G/C多型と連鎖不均衡にあり、これらの多型が末梢血単核球からのIL-18産生能に影響するのか検討したところ、遺伝子型がIL-18-105A/AやIL-18- -137G/Gである場合、それぞれ、IL-18-105A/C、IL-18- -137G/Cに比較して、単核球からのIL-18産生が上昇していた。このことは、IL-18が過剰産生されやすい遺伝子背景が、喘息発症のリスクとなることを示唆する。フィセチン、ルテオリン、アピゲニンなどのフラボノイドは、好塩基球からのIL-4やIL-13の産生を抑制するのみならず、CD40リガンドの発現も抑制する。したがって、好塩基球において、B細胞のIgE産生細胞への分化に必須なサイトカイン(IL-4、IL-13)とCD40リガンドの発現を抑制することより、フラボノイドは間接的なIgE産生抑制物質であることが示された。その作用機序として、転写因子のAP-1の活性化を抑制することが明らかとなった。また、フラボノイドのin vitroでのIL-4産生抑制活性と経口投与における体内への吸収性を考慮して、高活性、高吸収性のフラボノイドを合成した。
著者
田中 敏明 五十嵐 聖貴 園田 武 尾島 孝男 福山 龍次
出版者
北海道環境科学研究センター
雑誌
北海道環境科学研究センター所報 (ISSN:09168656)
巻号頁・発行日
no.36, pp.35-40, 2010-10

十勝管内大樹町にある生花苗沼では、他の水域と比べ巨大なシジミが漁獲される。しかし、本シジミが一般的な有用種であるヤマトシジミ(Corbicula japonica)なのか、何らかの原因で成長が著しいのか等不明な点が多い。本研究は、生花苗沼に生息する巨大シジミの成長因子解明を目的とし調査を実施中である。本報では、これまで実施してきた生花苗沼の水質、同沼のシジミの食性、成長についての研究成果の一部を報告する。
著者
池田 和彦 田中 敏夫
出版者
Japan Society of Engineering Geology
雑誌
応用地質 (ISSN:02867737)
巻号頁・発行日
vol.8, no.1, pp.9-29, 1967-03-01 (Released:2010-06-04)

The geology in this area consists of such soft rocks as mudstone, sadstone, tuff and many crashed zone that landslides and collapses of a precipice has happened so freguently. For the purpose of the prevention of these disasters we surveyed thoroughly the geology and selected the root of the double line.This new line has resulted in boring of six tunnels (l=2660m, 1570m, 11355m, 3596m, 1055m and 3025m in length). It is anticipated that these tunnels pass through the swell ing rocks and strata with confined water and gar. sThe writer mentions the correlation about the geology as above mentioned with engineering works.
著者
吉川 恵也 田中 敏夫 三沢 清扶
出版者
Japan Society of Engineering Geology
雑誌
応用地質 (ISSN:02867737)
巻号頁・発行日
vol.9, no.2, pp.66-80, 1968-06-10 (Released:2010-06-04)
参考文献数
3

We used tentatively a Rock Tunneling Machine on the bottom drift of Konoura Tunnel in Japanese National Railways (double track railway tunnel).The purposes of the test were the evaluation of suitability of the machine against geological condition and investigation of economical advantage of machine tunneling method.Rocks in the tunnel are mudstone and tuffacious mudstone which belong to Miocene, Tertiary, and then those compressive strength are 80 to 130kg/cm2 and those seismic speeds at the site are 1.8 to 2.2km/sec.The machine (bore diameter 2.3m) was Robbins type and was being built in the Komatsu Mfg. Co. it was successful on the test excavation. The total length of the excavating by the machine were 987.6m and rates of advance were 24.6m/day at maximum and approximately 350 m/month in average.This paper describes that:(1) Relation between cutter type and rock properties.(2) Relation between advance of excavation and rock properties.(3) Deformation of ground and surface of the drift after excavation on the machine and ordinary tunneling method.