著者
新谷 喜紀 田中 誠二 篠田 徹郎
出版者
南九州大学
雑誌
基盤研究(C)
巻号頁・発行日
2011-04-28

昆虫の過変態における遺伝子発現や内分泌機構を調べるために、過変態昆虫の代表であるマメハンミョウについて、同じ温度のもとで光周期だけの違いによって、4齢から5齢への変態(擬蛹化)と4齢からの直接の蛹化を調節できる飼育条件を見つけ出した。このように、擬蛹化と蛹化予定の幼虫を産み出すことが可能になったので、それぞれの幼虫における遺伝子発現の差異をRNA-seqによって調べたところ、コクヌストモドキなどモデル昆虫で知られている変態のキー遺伝子の発現に差異がみられた。
著者
水野 (松本) 由子 田中 康仁 林 拓世 岡本 永佳 西村 治彦 稲田 紘
出版者
公益社団法人 日本生体医工学会
雑誌
生体医工学 (ISSN:1347443X)
巻号頁・発行日
vol.48, no.1, pp.11-24, 2010-02-10 (Released:2010-11-17)
参考文献数
32
被引用文献数
8

The aim of this research was to assess the physiological signals which were relevant working efficiency under mental workload. Eleven healthy subjects were examined. In the first step, their mood status and stress level were evaluated with questionnaire methods:“Profile of Mood States (POMS)” and “Stress Self Rating Scale (SSRS)”, respectively. In the second step, electroencephalography (EEG) and photoplethysmography under the mental workload tasks in four auditory stimuli (silent circumstance, white noise, classical music, and up-tempo music) were measured. The mental workload tasks consisted of two parts:performing Uchida-Kraepelin test (calculating task:CAL) on PC monitor in two minutes and fixating on a crosshair image (after CAL) in two minutes. A procedure of the mental workload task in each auditory stimulus was repeated three times. EEG data were analyzed using a discrete Fourier transform to obtain power spectral density (PSD) in theta, alpha, and beta bands. Pulse waves from photoplethysmography were analyzed for estimating the pulse wave amplitude (PWA) and length (PWL). PSDs of theta band in silent circumstance and classical music under and after CALs, alpha band in classical music under and after CALs, and beta band in up-tempo music under CAL on most or all areas were significantly larger than those in the other auditory stimuli. The results of photoplethysmography analysis showed that changes of PWA and PWL in silent circumstance and classical music were more stable than those in the other auditory stimuli. It was suggested that the classical music would not only affect brain activity under the mental workload and augment the efficiency of it, but also facilitate recovery of the physiological conditions from the stressful situations. These events from the physiological point of view showed that working environments could be considered to avoid adding stress on the brain function and autonomic nervous system during and even after the tasks.
著者
田中 里奈 橋本 禅 星野 敏 清水 夏樹 九鬼 康彰
出版者
農村計画学会
雑誌
農村計画学会誌 (ISSN:09129731)
巻号頁・発行日
vol.32, no.Special_Issue, pp.167-172, 2013-11-20 (Released:2014-11-20)
参考文献数
5
被引用文献数
3 2

This study focused on Subjective Well-Being(SWB) of residents in rural area, and investigated how SWB of residents and its determinants differ between areas with different features. We employed the capital approach in this study to analyze how combinations of different capitals would influence on residents' SWB. The city of Nantan was chosen as a case study area, which was divided into three parts (urban/suburban/rural area) using statistical data. Then we compared the mean SWB of residents, and conducted multiple regression analysis to identify which factor had significant effect on SWB of residents in each area. Our analysis clarified that personal factors such as income and health status had similar effect on SWB in all areas while factors related to living circumstances such as road conditions and trust in neighbors had different effect among areas.
著者
田中 裕士 本間 伸一 今田 彰浩 菅谷 文子 阿部 庄作 西 基
出版者
一般社団法人 日本アレルギー学会
雑誌
アレルギー (ISSN:00214884)
巻号頁・発行日
vol.44, no.2, pp.64-69, 1995-02-28 (Released:2017-02-10)
参考文献数
25
被引用文献数
1

霧の発生が気管支喘息患者に及ぼす影響について検討する目的で, 45歳, 女性の喘息患者のピークフロー値と, 霧などの気象条件との関係について検討した. 患者は以前より, 香水, 野焼き, 工場からの煤煙などの臭気で発作が誘発されていたが, 2年前に転居してから発作が頻発するようになり, 霧との関係が疑われた. 平成6年6月から71日間のピークフロー値 (n=251) の中で, 霧と臭気のない時間帯 (n=195) の値は403±40L/分 (平均±標準偏差) であった. 霧の発生時間帯 (n=40) では347±60L/分, 臭気のあった時間帯 (n=5) では333±60L/分, 霧および臭気が同時に発生した時間帯 (n=11) では340±53L/分であり, いずれも有意(p<0.01)に低下していた. また, 1日の平均気温, 最低気温, 平均相対湿度, 気圧, 風向きとは有意な関連性はなかった. 気管支喘息患者において, 霧の吸入によりピークフロー値は低下し, 発作誘因の一つとなりうることが示唆された.
著者
宮本 英昭 石上 玄也 田中 宏幸 尾崎 正伸 日野 英逸
出版者
東京大学
雑誌
基盤研究(B)
巻号頁・発行日
2017-04-01

数値計算とデータ解析により火星表面は水平方向に飛来するミュオンが地球上より多く存在し,ミュオグラフィが適用しやすいことを確かめた.ピンゴ状地形の内部氷コアをモデル観測シナリオとして,30日程度で観測可能となる超小型ミュオグラフィ装置を設計し,この原理実証モデルを開発した.地上の3地点で5週間に渡り実証試験を実施し,開発した装置が十分な精度で密度構造を計測可能なことを確かめた.3年と短い研究期間であったが,世界発の宇宙版ミュオグラフィ装置の原理実証機の作成と運用,さらに火星で運用するための移動手段の開発・運用に成功し,予定以上の大きな成果を得ることができた.
著者
田中 久夫
出版者
千葉大学教育学部
雑誌
千葉大学教育学部研究紀要 (ISSN:05776856)
巻号頁・発行日
vol.27, no.1, pp.p231-243, 1978-12
著者
田中 修
出版者
地方独立行政法人 神戸市民病院機構
雑誌
神戸市立病院紀要 (ISSN:0286455X)
巻号頁・発行日
vol.56, pp.1-13, 2017 (Released:2020-03-26)

長期に渡る対策が功を奏し、手術室での気道トラブルは減少した。しかし、手術室外においては未だ課題が多い。 そこで、気管挿管をめぐる最近の文献を調査し、現状と動向を概説する。集中治療室での気管挿管には、MACOCHA スコアや気管挿管バンドルの使用が勧められている。呼吸不全患者の挿管前の酸素化(前酸素化)には非侵襲的陽圧 換気が有効で、挿管操作中は無呼吸酸素化が推奨される。ビデオ喉頭鏡は声門部の視認性に優れ、小型化、低価格化 により普及しているが、各医療現場では適正使用に向けた教育が重要である。上気道エコーによる気管チューブの位 置確認は感度、特異度共に高く、習得も容易なため普及が望まれる。困難気道管理ガイドラインの登場により、アル ゴリズムに沿った気道管理が実施されている。医療従事者は、“cannot intubate and cannot oxygenate”(CICO)シナリ オを念頭に置き、的確に対処できなければならない。
著者
増田 房義 田中 健治
出版者
一般社団法人 日本家政学会
雑誌
日本家政学会誌 (ISSN:09135227)
巻号頁・発行日
vol.40, no.8, pp.721-724, 1989-08-05 (Released:2010-03-10)
参考文献数
10
被引用文献数
2
著者
福田 あずさ 荒木 美樹 平田 裕香 福島 富美子 石井 陽一郎 田中 健佑 下山 伸哉 宮本 隆司 小林 富男
出版者
特定非営利活動法人 日本小児循環器学会
雑誌
日本小児循環器学会雑誌 (ISSN:09111794)
巻号頁・発行日
vol.35, no.4, pp.264-270, 2019-11-01 (Released:2020-02-13)
参考文献数
14

背景:出生前に先天性疾患と診断される機会の増加に伴い,診断後の家族支援の重要性が増加している.群馬県立小児医療センターでは,先天性心疾患と診断された家族の支援を行っており,活動の一つとしてPICUの看護師もパンフレットを用いた出生前訪問を行っている.出生前訪問後のアンケートにより,先天性心疾患と診断された家族が,出生前訪問に求めるニーズを明らかにし,その効果と改善点について検討した.方法:先天性心疾患を疑われ群馬県立小児医療センターへ紹介受診となり,児がPICUに入室した母親51名を対象とし調査を行った.結果:対象者のうち23人(45.1%)から研究の同意が得られた.PICU看護師の出生前訪問を記憶していた母親は19人(82.6%)で出生前訪問を全員が「必要」と回答した.その理由は「心配・不安の軽減につながる」「PICUの雰囲気を把握できる」が多かった.しかし現在の出生前訪問では家族が求める情報が網羅できていなかった.結論:現在の出生前訪問により,家族の不安を軽減する可能性が示唆された.出生前訪問の内容の見直しとパンフレットの改訂を行い,家族の思いに沿った看護を提供する必要がある.
著者
田中 麻巳
出版者
日本読書学会
雑誌
読書科学 (ISSN:0387284X)
巻号頁・発行日
vol.58, no.2, pp.74-86, 2016-08-12 (Released:2016-11-04)
参考文献数
15
被引用文献数
2

This article attempts to clarify the effects of illustrations of novels on reading. A number of studies have focused on the effects of illustrations on “children's” reading activities. Not much is available on the effects on “adults'” reading activities, so the focus of this study is what effects illustrations have when adults read novels.Thirty people were recruited and divided into two groups. The subjects in one group read a novel with illustrations, and the other read the same novel without illustrations. Next, the subjects were asked questions concerning the reading: 1)their understanding of the content, 2)imagination 3)the degree of interest. The answers of the two groups were then compared.In conclusion, it was revealed that illustrations of novels did not affect the understanding of the content and the degree of interest; however, illustrations did have an impact on imagination. This indicates that illustrations have influence in case authors want to give readers common images and express their images more faithfully.
著者
長坂 猛 田中 美智子
出版者
宮崎県立看護大学
雑誌
基盤研究(C)
巻号頁・発行日
2011

目もとへの温罨法がスムーズな入眠に与える影響を日常生活の実験で調べた。実験には20代の22名に参加してもらい、睡眠中の心拍変動と体の動きを記録した。目覚めてからのアンケートにも答えてもらった。就寝前の10分間に、暖かいアイマスクを装着する条件と、何も装着しない(対照)の2条件を設定し、それぞれ別の日に参加者の自宅で実験した。入眠直後の心拍数は、どの条件でも減少した。交感神経活性は、暖かいアイマスクを装着したときに減少した。アンケートによる主観評価の一部に差が見られたのみで、入眠までの時間に統計的に有意な差は見られず、今回の結果からは、目もとの温罨法が入眠に効果があるとは言えない。
著者
竹迫 賢一 川平 和美 日吉 俊紀 川津 学 上土橋 浩 東郷 伸一 田中 信行
出版者
The Japanese Association of Rehabilitation Medicine
雑誌
リハビリテーション医学 (ISSN:0034351X)
巻号頁・発行日
vol.31, no.3, pp.173-177, 1994-03-18 (Released:2009-10-28)
参考文献数
13

脳卒中患者の感情失禁に対する新しい治療法として感情失禁を有する脳卒中患者23例に種々のβ-遮断薬を試み,著明改善26.1%,改善26.1%,やや改善13.0%(なんらかの改善65.2%)が得られた.その効果は性,年齢,病巣部位による差はなかった.血液脳関門通過性やβ1,2-受容体選択性の異なるプロプラノロールとアテノロールは同程度の効果を示し,ラベタロール,メトプロロールでも各1例の改善がみられたことから,その効果はβ1-作動系の遮断を介するもので,血液脳関門の破綻も推測された.またβ-遮断薬で改善を認めた6例で薬剤を中止したところ,5例はほぼ1週間以内に感情失禁の悪化を認めた.以上の結果から,β-遮断薬は感情失禁に対し明らかに有用な薬剤と思われた.
著者
小俣 好作 望月 敬司 千野 正彦 井口 孝伯 飯田 龍一 渡辺 秀夫 山本 雅博 古家 正道 浅尾 武士 田中 昇
出版者
特定非営利活動法人 日本臨床細胞学会
雑誌
日本臨床細胞学会雑誌 (ISSN:03871193)
巻号頁・発行日
vol.24, no.4, pp.680-685, 1985 (Released:2011-11-08)
参考文献数
20
被引用文献数
5 2

超音波検査による8,976名の甲状腺癌集団検診において, 496名の穿刺吸引細胞診が施行され, 男性14名 (0.22%), 女性19名 (0.69%) に甲状腺癌を発見した. 癌の最大径の平均は11.9±4.2mmであり, その半数以上が10mm以下の小型癌であった.