著者
田中 保
出版者
公益社団法人 日本農芸化学会
雑誌
化学と生物 (ISSN:0453073X)
巻号頁・発行日
vol.49, no.3, pp.187-192, 2011-03-01 (Released:2012-03-01)
参考文献数
31
被引用文献数
1 1

食べる胃腸薬といわれるキャベツやダイコン,春の七草に含まれるナズナ,スズナ,スズシロ(ダイコン)など,胃腸に良いとされる食物にアブラナ科の植物は多い.アブラナ科の植物を生で食べると,植物酵素のホスホリパーゼDと消化酵素のホスホリパーゼA2の作用で生理活性脂肪質のリゾホスファチジン酸(LPA)が生じる.消化管への野菜の効果にLPAが関与する可能性を論じる.
著者
田中 恵海 高橋 謙輔 鳥海 不二夫 菅原 俊治
雑誌
情報処理学会論文誌数理モデル化と応用(TOM) (ISSN:18827780)
巻号頁・発行日
vol.3, no.1, pp.98-108, 2010-01-26

本研究では,日本の中学校の一学級を対象とし,教師のいじめ対策行動の効果を検討するためのエージェントシミュレーションモデルを,ソシオン理論とハイダーの認知的均衡理論に基づいて作成し,教師のいじめ対策行動の効果を検討した.いじめは昨今の学級形成の重要な問題となっているが,その対策は十分確立できていない.教師による学級内のいじめ対策方法を確立するためにはその効果を確認する必要があるが,そのためには長期にわたる観測を行う必要があるため,難しい.本研究では,教師および生徒をエージェントとし,エージェント間の対人関係形成の変異をコンピュータによるエージェントシミュレーションで再現し,その効果を推定する.本研究では対策行動として「班行動,出席停止,予防活動」の3つをモデル化し,それぞれに対していじめ被害者および加害者の割合,全生徒間の好感度平均,教師に対する全生徒の好感度平均から各いじめ対策行動の効果と影響を検討した.本実験から,学級におけるいじめ対策行動として最も適切である学級運営手法は「予防活動」であるとの示唆を得た.
著者
浦壁 隆浩 岩田 明彦 田中 正明
出版者
一般社団法人映像情報メディア学会
雑誌
映像情報メディア学会技術報告 (ISSN:13426893)
巻号頁・発行日
vol.21, no.2, pp.37-42, 1997-01-22
被引用文献数
1

PDPは数百Vの電圧パルスによって制御されており、また構造上容量成分が大きいため電圧パルスによる電力損失は無視することはできない。現在、PDPには電圧パルス発生回路に電力回収回路を付加することにより、この電力損失を抑えている。本報告では、電力回収回路の高効率化を目的とし、従来方式とは違う電流パス切り換え自己回収方式を提案した。この方式は、電荷の反転用に用いる2つのコイルの直、並列接続状態を充電期間の任意の時刻で切り換えることにより、パネル充電の傾きを最適化し、回収回路の高効率化を図つたものである。また、本回路の実パネルヘの適用時にPDPの放電特性に与える影響を調べた。本試験の結果、従来式と回路素子数が同じ条件の場合、従来比63%に電力損失を低減でき、また、損失が同じ条件の場合、回収回路構成素子を半分にできることが分かつた。
著者
加藤 隆寛 田中 聡 渡邉 暁洋 織田 順 浅香 えみ子 有賀 徹 畝井 浩子 鏑木 盛雄 菊池 憲和 桑原 健 篠原 高雄 峯村 純子 眞野 成康 西澤 健司 定光 大海
出版者
一般社団法人 日本臨床救急医学会
雑誌
日本臨床救急医学会雑誌 (ISSN:13450581)
巻号頁・発行日
vol.19, no.6, pp.725-734, 2016-12-31 (Released:2016-12-31)
参考文献数
18

目的:救急医療における薬剤師のおかれた状況や不足するスキルは不明であり,これらを把握することを目的にアンケートを実施した。方法:日本臨床救急医学会の薬剤師会員を対象に,救急医療・集中治療への従事,現在および今後実施したい業務,実施希望のトレーニングコースについて調査した。結果:195名より回答を得た。救急医療への従事は23.1%,集中治療が68.2%であった。救急医療での業務は主に薬品管理で(77.8%),患者対応はおもに依頼された時のみ(64.4%)行われていた。トレーニングコースは中毒,循環器系が求められていた。集中治療では抗菌薬,循環器系薬の介入が多かったが,フィジカルアセスメントの実施率は低かった。結論:救急医療に従事する薬剤師は少ない。全患者へ対応できる体制の整備,中毒,循環器系に関するトレーニングが有効と考えられた。集中治療ではフィジカルアセスメントの活用が次の課題になると考えられた。
著者
土谷 圭央 日下 聖 田中 孝之 松尾 祥和 小田 まこと 笹木 工 神島 保 山中 正紀
出版者
一般社団法人 日本機械学会
雑誌
日本機械学会論文集 (ISSN:21879761)
巻号頁・発行日
vol.82, no.843, pp.16-00072-16-00072, 2016 (Released:2016-11-25)
参考文献数
22
被引用文献数
6

Anteflexion of the spine is essential for many physical activities of daily living. However, this motion places the lumbar disks because it generats heavy load due to changes in the shape of the lumbar spine and can lead to low back pain. In older to reduce low back pain, here we proposed a wearable sensor system configuration that can estimate lumbosacral alignment and lumbar load by measuring the shape of the lumbar skin when the lumbosacral alignment changes. The shape of the lumbar skin and posture angle are measured by using curvature sensors and accelerometers. In addition, the system must be constructed in consideration of the physique, in order to absorb in a variety of human. We proposed this system by measuring the body parameters of anteflexion and studied the change in dimensions of the lumbar spine from changes in posture. By extracting the dimensions of the lumbosacral spine in X-ray images, the attitude angle, body surface area and the dimensions of the lumbosacral spine have relevance. The lumbosacral dimensions calibration method was developed by using that relation. Lumbosacral alignment estimation considering the difference in physiques is developed, and lumbosacral spine alignment was to improve the estimation accuracy. The proposed method could improve accuracy lumbosacral alignment estimation.
著者
Kuroda Noritaka Sakai Masamichi Nishina Yuichiro Tanaka Masatoshi Kurita Susumu クロダ ノリタカ サカイ マサミチ ニシナ ユウイチロウ タナカ マサトシ クリタ ススム 黒田 規敬 酒井 政道 仁科 雄一郎 田中 正俊 栗田 進
出版者
The American Physical Society
雑誌
Physical Review Letters (ISSN:00319007)
巻号頁・発行日
vol.58, no.20, pp.2122-2125, 1987-05-18
被引用文献数
3 104

A midgap absorption band is observed in the quasi one-dimensional semiconductor [Pt(en)2]-[Pt(en)2Cl2](ClO4)4 under hydrostatic pressures at room temperature, where en is ethylenediamine. The transition is allowed only for the polarization parallel to the -Cl-PtII-Cl-PtIV- chain. The peak position remains near the middle of the Peierls gap at any pressure up to 2.2 GPa. The intensity increases exponentially with the peak shift. The gap states responsible for this band are attributed to soliton excitations corresponding to kinks of the charge-density wave.顕著な一次元物性を示すことで注目を集めている擬一次元白金錯体[Pt(en)2][Pt(en)2Cl2](ClO4)4の結晶について光吸収スペクトルを静水圧下で測定した結果、パイエルスギャップのほぼ中間に対応する近赤外波長位置に、加圧と共に成長する一つの吸収帯が発見された。パイエルスギャップ自体は移動積分の増大のために圧力によって減少するが、新しい吸収帯も低エネルギー側にシフトし、かつシフト量はパイエルスギャップの減少分のほぼ二分の一に等しい。この結果に基づいて、新しい吸収帯は擬一次元結合上に生成した電子ソリトンによるものとの解釈を提案し、静水圧という手段で物理的に制御できた初めてのソリトンであることを論述した。
著者
糸井 良太 田中 美栄子
雑誌
情報処理学会論文誌数理モデル化と応用(TOM) (ISSN:18827780)
巻号頁・発行日
vol.6, no.1, pp.31-37, 2013-03-12

戦略の自動進化を取り入れた繰返し囚人のジレンマモデルにおいて,特に2進表現による1次元遺伝子配列の複写変異や分離変異を点変異と組み合わせることで遺伝子の長大化の効果を考察することを目的としたLindgrenモデルがあり,その結果として生き残りやすい戦略に共通した特徴のあることが指摘された.我々はこのモデルに依拠して長大な遺伝子配列が出現するまでシミュレーションを行った結果をもとに,長期間生存する遺伝子の配列パターンに共通する性質,遺伝子長32以下の範囲内で,長寿戦略の約60%が[1001 0*0* 0*0* 0001]という形の遺伝子に対応することを突き止め,さらにこの形の遺伝子の性質が1.自分から裏切らない(最右遺伝子が1=協力),2.裏切られたらすぐに報復する(4つ組の第3要素が0=裏切り),3.裏切りが続くと自分から協力行動を行う(最左遺伝子が1=協力)の3要素であることを見出した.このことは,Lindgrenの先行研究で報告されている[1**1 0*** 0*** *001]の遺伝子配列に比べて,より明確に長寿戦略の遺伝子構造を同定することができたといえる.これらの戦略は単純なしっぺ返し戦略より強く,多様な戦略との対戦に勝利した結果,長期間生存し続けることのできるロバストな戦略であるといえる.このような戦略の出現・生存に対する条件について考察する.
著者
津野田 賢伸 高田 雅士 秋田 庸平 田中 博志 佐藤 真琴 伊藤 雅樹
出版者
一般社団法人電子情報通信学会
雑誌
電子情報通信学会技術研究報告. RECONF, リコンフィギャラブルシステム (ISSN:09135685)
巻号頁・発行日
vol.105, no.451, pp.37-41, 2005-11-24
被引用文献数
31 7

動的に機能を変更可能なALUを二次元配列状に接続した演算セルアレイをベースとし, 各種ホストCPUと接続可能なディジタルメディア処理向け動的再構成プロセッサであるフレキシブルエンジン(Flexible Engine/Generic ALU array, FE-GA)を開発した.FE-GAは, 自由度の高い内部データ転送を可能とするクロスバネットワーク, 多バンクの演算用ローカルメモリに加え, コンフィギュレーションデータの効率的な2レベルの階層記憶とバックグラウンド転送, および自律的に動作するシーケンス制御を可能とする周辺機能モジュールを備え, 独立性の高いサブシステムとして動作することを特徴とする.
著者
田中 孝之 本多 幸太郎 山藤 和男
出版者
一般社団法人日本機械学会
雑誌
ロボティクス・メカトロニクス講演会講演概要集
巻号頁・発行日
vol.2000, 2000

犬は訓練により, 空中に投げられたフリスビーや物体の落下する近くまで駆けて行って口で受けとめることができる。本研究はそのような犬の動作をロボットで実現するため, 多関節の二足をもつロボットを開発した。空中に放り投げられたこのロボットが空中でオイラー角を検出し, 足を常に地面に向けて軟着陸するようにゴム人工筋を制御することにより, ロボット犬の足からの軟着地実験に成功した。
著者
田中 利秋 矢田 信一
出版者
一般社団法人映像情報メディア学会
雑誌
テレビジョン学会年次大会講演予稿集 (ISSN:09191879)
巻号頁・発行日
no.31, pp.43-44, 1995-07-26

ID display system is availabie to identify the information of character base in the image on a monitor which is multiplexed by ID inserter to superimpose on a display by ID decorder.
著者
上原 赫 田中 誠 村田 二郎
出版者
社団法人 日本化学会
雑誌
工業化学雑誌 (ISSN:00232734)
巻号頁・発行日
vol.70, no.9, pp.1564-1567, 1967
被引用文献数
14

アセチルアセトナト型の金属キレートによるラジカル重合開始反応を銅(II)-α-置換アセチルアセトナトのメタノールおよびジオキサン中での熱分解から検討した。EDTAによる配位子交換反応で銅(II)キレートから遊離したリガンドのUVスペクトル(λmax290mμ付近)を測定した。メタノール中で置換基の異なる3種の銅(II)キレートについて比較されたリガンドの吸収の減少速度は重合開始速度に対応した。吸収強度は加熱時間とともに単調に減少し,ついには消失した。これは1molの銅(II)キレートから2molのリガンドラジカルを生成することを示す。ジオキサン中では,リガンドラジカルがジオキサンから水素を引き抜きリガンドとなり,これが低原子価の銅と反応して銅(II)キレートを再生するところのレドックスサイクル過程が優勢であった。四塩化炭素は銅(II)キレートと反応し,リガンドラジカル,トリクロルメチルラジカルおよび塩化銅(I)を生成するために重合が加速されることがわかった。
著者
田中 泉
出版者
早稲田大学大学院経済学研究科経済学研究会
雑誌
経済学研究年報 (ISSN:02867265)
巻号頁・発行日
vol.27, pp.139-154, 1988-02-29
著者
前野 圭輝 田中 將己 吉村 信幸 白幡 浩幸 潮田 浩作 東田 賢二
出版者
一般社団法人 日本鉄鋼協会
雑誌
鉄と鋼 (ISSN:00211575)
巻号頁・発行日
vol.98, no.12, pp.667-674, 2012 (Released:2012-11-30)
参考文献数
31
被引用文献数
7 27

In order to elucidate the mechanism behind the decrease in the brittle-to-ductile transition (BDT) temperature with the addition of Ni, impact tests and tensile tests were performed at various test temperatures from 130K to 320K with Ni added ultra-low carbon steels. The dependence of absorbed impact energy on temperature and the Ni content indicates that the BDT temperature was decreased with the increasing Ni content, which suggests that the dislocation mobility at low temperatures was increased with the Ni content. The yield stress which is also influenced by the dislocation mobility was decreased at low temperatures while it was increased at room temperature with the Ni content. The values of the activation volume and the effective stress were measured at several temperatures, and then the dependence of the activation energy for dislocation gliding on Ni content was obtained by extrapolating the relation between temperature and the multiplication of the activation volume and the effective stress to 0K. The activation energy was found to decrease with the increasing Ni content, which suggests that the dislocation mobility was increased with the addition of Ni. Discrete dislocation dynamics simulation was also performed in order to calculate the dependence of fracture toughness on temperature and the Ni content, and it was clarified that the BDT temperature is decreased by increasing dislocation mobility.