著者
佐野 順一 田中 正武
出版者
Genetics Society of Japan
雑誌
遺伝学雑誌 (ISSN:0021504X)
巻号頁・発行日
vol.55, no.1, pp.9-17, 1980
被引用文献数
3

In order to estimate chromosomal homology between <i>Aegilops</i> <i>speltoides</i> (genomic constitution SS) and the tetraploid wheats (AABB or AAGG), effects of the B-chromosomes and genotypes of <i>Ae. speltoides</i> on chromosome pairing at MI of meiosis in F<sub>1</sub> hybrids of <i>Ae. speltoides</i> × tetraploid wheats were investigated.<br>In hybrids with B's, chromosome pairing was strikingly affected by the B's and very small amount of pairing was observed. In hybrids without B's, however, extensive pairing was observed, although the amount of pairing varied due to the <i>speltoides</i> genotypes involved. In these hybrids with or without B's, although some minor yet distinctive differences in pairing attributable to the kind of genomic constitution of the wheat parent were observed in the multivalent frequency and in the distribution (or terminalization) of chiasmata, both hybrids with different genomic constitution (SAB or SAG) had essentially the same amount of pairing. Since the B-chromosomes used did not cause asynapsis (or desynapsis) of homologous chromosomes in <i>Ae. speltoides</i>, the pairing reduced by the presence of B's in the hybrids does not seem to be homologous and is probably homoeologous. Therefore, it can be concluded that there is little chromosomal homology between <i>Ae. speltoides</i> and both tetraploid wheats of genomic constitution AABB and AAGG.
著者
田中 孝明 渡辺 勝彦
出版者
Architectural Institute of Japan
雑誌
日本建築学会計画系論文集 (ISSN:13404210)
巻号頁・発行日
vol.75, no.651, pp.1219-1224, 2010

By surveying village <i>Sinto</i> architecture with historical plaques of <i>Simousa</i> fief once a part of Chiba-ken, we can find out the activities of the sculptors represented as <i>Takeda Juzaburo</i> in the late Edo period.<br> We are able to draw out our results by examining the materials as follows; Four sculptors named <i>Takeda Juzaburo</i> once lived in <i>Yuuki</i>, near the northern part of Kanto area, where some shrines have an extreme amount of wood-curving. They had spread the use of large amounts of wood-curving in shrines in the fief, and carved onto not only the panels used as decorative transoms but also entire wooden walls of shrine from 1806 to 1822.
著者
西山 正彦 吉田 和弘 頼島 敬 田中 卓 峠 哲哉
出版者
一般社団法人日本消化器外科学会
雑誌
日本消化器外科学会雑誌 (ISSN:03869768)
巻号頁・発行日
vol.25, no.7, pp.1942-1947, 1992-07-01
被引用文献数
12

80歳以上の高齢者胃癌手術症例52例について合併症,とくに精神障害との関連を検討した.精神障害を含む術後合併症の発生率は術式と密接に関連しており,幽門側胃亜全摘:31%(11/35人),胃全摘:67%(8/12),下部食道胃噴門側亜全摘:100%(3/3),下部食道胃全摘および食道抜去胃全摘:100%(1/1)となった.せん妄は術後最も発生頻度の高い合併症であった(14/52:27%).その発症率と平均発現期間は,幽門側胃亜全摘:32%(8/25),4.5日,胃全摘:43%(3/7),7.0日,下部食道胃噴門側亜全摘:100%(3/3),10.0日であった.また胃幽門側亜全摘術後には老年期痴呆の改善が認められたが,胃全摘術後には西村式評価で39.9から33.0(p<0.05,t検定)と日常生活動作の低下が認められた.器質的,精神的障害両面への影響からみると,幽門側亜全摘術では良好な経過が期待できるが,それ以上の侵襲を有する手術では周到な周術期管理が必要と考えられた.
著者
小塚 良允 田村 博昭 清水 保 長谷川 美知子 田中 熟 日高 敏男 鳥浜 慶熈 杉山 陽一 石井 奏
出版者
公益財団法人 日本感染症医薬品協会
雑誌
The Japanese Journal of Antibiotics (ISSN:03682781)
巻号頁・発行日
vol.28, no.5, pp.684-686, 1975

近年における抗生物質の開発進歩には目覚しいものがあり, 各種感染症に対してあるいは汚染手術の術後感染予防に対して著明な効果を期待できるまでに至つている。しかし, その投与方法に関しては, 未だに慣用的な要素が多く, 今後の研究の余地が残されている。抗生物質の本来の効果を期待するには, 薬剤の濃度と起炎菌の感受性との関係を解明した上での正しい投与法をおこなう必要がある。<BR>産婦人科領域における術後感染症として最も重要なのは, 子宮頸癌-広汎子宮全摘除術における骨盤死腔炎である。私どもは, この種の手術にさいして, 子宮全摘除後の骨盤死腔内に, Sodium cophalothin (商品名, ケプリン, 以下CETと略す) の粉末29を散布し, 術後骨盤死腔炎の予防効果を挙げている。今回, CET2g骨盤死腔内投与後の血中濃度を測定し, 術後の抗生物質の投与方法について検討する機会を得たのでその成績を報告する。
著者
田中 尚 藤森 裕二 貝戸 清之 小林 潔司 安野 貴人
出版者
Japan Society of Civil Engineers
雑誌
土木学会論文集D (ISSN:18806058)
巻号頁・発行日
vol.66, no.3, pp.329-341, 2010

浄水場施設のアセットマネジメントにおいて,コンクリート版に対する維持管理が重要な課題となっている.短・中期間を対象とした中性化速度式では,中性化深さが経過年数の平方根に比例するという仮定(以下,「ルート<i>t</i>則」と略す)が採用されている.しかし,アセットマネジメントの対象となる長期間に及ぶ中性化過程に関しては十分な知見が蓄積されていない.本研究では,浄水場施設のコンクリート構造物を対象に,長期にわたって蓄積された中性化深さの測定データに基づいて,長期的な中性化過程を解析するための加速劣化ハザードモデルを提案する.さらに,ルート<i>t</i>則に関する統計的仮説検定の結果,少なくとも対象とした長期間のデータに関してルート<i>t</i>則は棄却され,現実の中性化過程はルート<i>t</i>則より,加速して進行することが判明した.
著者
岡本 典子 田中 有紀
出版者
日本精神保健看護学会
雑誌
日本精神保健看護学会誌 (ISSN:09180621)
巻号頁・発行日
vol.23, no.1, pp.91-100, 2014-06-20

精神科病棟に1年以上入院している統合失調症患者の社会行動を,病棟看護師がSocial Behaviour Schedule (SBS)日本語版を用いて評価した場合の妥当性について検討した.尺度は<対人交流における奇妙さ><過剰で不適切な行動><低下したための不適切な行動><反社会的な行動><対人交流における自己顕示><不安や気分の落ち込み>の6因子構造であった.Cronbach a係数0.88, 2名の看護師間の信頼性係数の範囲は-0.09≦k≦0.78, 1ヵ月の期間をおいて行った再検査の信頼性係数の範囲は0.43≦r≦0.83であった.Global Assessment of Functioning(GAF)尺度との相関係数はr=-0.65であり,本尺度が測定する社会的に容認されない行動が多いほど,全体的機能が悪い傾向にあることが示された.SBS得点は,52.7%の患者に【社会との適切な接触】の問題が見られ,長期在院者の状況を反映していた.以上の結果から,構造的側面,一般化可能性の側面,外的側面,結果的側面からの証拠が集められ,SBS日本語版を病棟看護師が1年以上入院している統合失調症患者の社会行動評価に使用した場合の妥当性を確認することができた.
著者
田中 信行
出版者
一般社団法人中国研究所
雑誌
中国研究月報 (ISSN:09104348)
巻号頁・発行日
vol.69, no.6, pp.1-15, 2015-06-25

2011年に広東省烏坎村で燃え上がった土地紛争は,同年末に広東省党委員会が村民の要求を基本的に受け入れるかたちで収束した。烏坎村の経験は貴重な紛争解決の成功事例ともてはやされ,「烏坎モデル」と呼ばれるようにもなった。ところが,それから3年経った現在でも,村は失われた土地の大半を取り戻せていない。そして,なぜ土地を取り戻せないのかという問題をたどっていくと,土地紛争の実態は多くのメディアが伝えていたようなものではなかったことが明らかとなってくる。本稿は,村に土地が返還されない原因を分析することを通じて,烏坎村における土地紛争の実態を解明しようと試みたものである。
著者
岩舘 忠雄 田中 泰彦 竹俣 裕行
出版者
一般社団法人 日本高圧力技術協会
雑誌
圧力技術 (ISSN:03870154)
巻号頁・発行日
vol.23, no.6, pp.286-293, 1985-11-25 (Released:2010-08-05)
参考文献数
2

The high pressure reactors are sometimes autofrettaged to have the life elongated which is based on the highly compressive residual stress near the bore surface. In this study, to evaluate the material degradation based on the autofrettaged strain, the effect of autofrettage on the fracture toughness behavior was investigated using the 3.5% Ni-Cr-Mo-V steels.(1) When the prestrain increases, the fracture toughness decreases, especially in the higher yield strength steel. The decrease of the fracture toughness of the material was observed in the prestrain range larger than 5 percent for the about 1000MPa yield strength steel and than 2 percent for the about 1150 MPa yield strength steel.(2) The material resistance to ductile fracture, that is, tearing modulus TJ decreases in the same prestrain ranges as those of the fracture toughness.(3) However, the autofrettaged material taken out of the actual pressure reactor shows no decrease of the fracture toughness and the tearing modulus which is caused by the small amount of the prestrain, less than about 1 percent even in the 100 percent autofrettaged reactors.
著者
田中 亘
出版者
法学政治学研究科
巻号頁・発行日
2013-12-19

学位の種別: 論文博士
著者
田中 誠一郎 樫村 博 石井 武美
出版者
公益社団法人地盤工学会
雑誌
土質工学会論文報告集 (ISSN:03851621)
巻号頁・発行日
vol.18, no.1, 1978-03-15

凍結工法に際して凍結対象地盤に急速な地下水流があるとき, 完全止水の可能な凍結限界流速を知るために行なった実験結果である。縦40・横60・高さ60cmの試料箱に豊浦標準砂を詰め銅製凍結管6本を10cmピッチにそう入し, 水そうから水を自由落下させることによって試料箱中に所定の流速を持つ水流を生じさせる。凍結用寒冷源には液体窒素(LN_2)を用いた。この装置を用いて水流の流速を0m/day〜19m/dayまで変化させ, 凍結止水時間・凍結土の形状寸法・凍結管周辺部の温度を測定した。実験結果によれば, 13.5m/dayまでは流速V(m/day)と凍結止水時間(hour)との間にT=2.0V+3.0の実験式が得られた。流速が13.5m/day以上になると液体窒素の使用量は急激に増大し, 凍結止水までに要する時間も長くなるので実際上は凍結不可能になる。流速と凍結土壁の形状との関係は, 流速が大きいと凍結管下流側に凍結土の成長が著しいことがわかった。
著者
筒井 幸 神林 崇 田中 恵子 朴 秀賢 伊東 若子 徳永 純 森 朱音 菱川 泰夫 清水 徹男 西野 精治
出版者
一般社団法人 日本総合病院精神医学会
雑誌
総合病院精神医学 (ISSN:09155872)
巻号頁・発行日
vol.24, no.1, pp.40-50, 2012-01-15 (Released:2015-08-26)
参考文献数
42

近年,統合失調症の初発を想定させる精神症状やジスキネジア,けいれん発作,自律神経症状や中枢性の呼吸抑制,意識障害などの多彩な症状を呈する抗NMDA(N-メチルD-アスパラギン酸)受容体抗体に関連した脳炎(以下,抗NMDA受容体脳炎と略する)の存在が広く認められるようになってきている。若年女性に多く,卵巣奇形腫を伴う頻度が比較的高いとされている。われわれは合計10例の抗NMDA受容体抗体陽性例を経験し,これを3群に分類した。3例は比較的典型的な抗NMDA受容体脳炎の経過をたどり,免疫治療が奏効した。他の7例のうち3例は,オレキシン欠損型のナルコレプシーに難治性の精神症状を合併しており,抗精神病薬を使用されていた。また,残り4例に関しては,身体症状はほとんど目立たず,ほぼ精神症状のみを呈しており,病像が非定型であったり薬剤抵抗性と判断されm-ECTが施行され,これが奏効した。
著者
田中 実
出版者
社団法人日本化学会
雑誌
化学教育 (ISSN:03862151)
巻号頁・発行日
vol.11, no.2, pp.195-201, 1963-06-20
著者
田中 英夫
出版者
名古屋大学
雑誌
名古屋大学史紀要 (ISSN:09155848)
巻号頁・発行日
vol.2, pp.25-88, 1991-04

国立情報学研究所で電子化したコンテンツを使用している。
著者
田中 潤 瀬戸口 佳史 今村 克幸 松本 秀也 中島 洋明 大勝 洋祐
出版者
JAPANESE PHYSICAL THERAPY ASSOCIATION
雑誌
日本理学療法学術大会
巻号頁・発行日
vol.2004, pp.B0915-B0915, 2005

【はじめに】チャーグ-ストラウス症候群(Churg-Strauss Syndrome:CCSと略す)は稀な疾患で、好発年齢は40歳代である。病因として気管支喘息、好酸球増多が先行し、血管炎症候が特徴である。神経症状では多発性単神経炎が高率に認められる。知覚・運動障害が出現し上肢よりも下肢の障害が重度であり、理学療法(以下PT)が必要とされる。今回PTを施行し家庭復帰が可能となった。また本人・家族の同意を得ることもできたので報告する。<BR>【症例紹介】43歳、女性、診断名:CCSによる多発性単神経炎。現病歴は先行症状として38歳頃から難治性気管支喘息があり、平成15年2月頃から食思が低下し、るいそうの進行、四肢のしびれ、脱力、筋萎縮が生じ、半年で体重が約20kg減少した。同年11月に腹痛で救急搬送され前医に入院、腸管膜動脈血栓症にてS状結腸が穿孔しており手術にてストーマ造設された。平成16年2月27日に当院へ転院し、病歴、重度の末梢性多発神経炎の所見、免疫学的検査(好酸球26%、MPO-ANCA80)、神経生検などからCCSと確定診断される。ステロイドホルモンによる治療が開始された。<BR>【PT評価】身長152cm、体重35.9kg、四肢末梢部に紫斑著明。しびれと冷感がある。MMT:両上肢PからG、体幹F、両下肢P-からFであり筋力低下は遠位部に著明であった。握力右2Kg、左4Kg。ROM-T:正常。感覚:両上肢、両下肢、表在・深部ともに重度鈍麻。歩行は、歩行器介助にて休憩を含み約50mがようやく可能で、下垂足による鶏歩を認めた。訓練用の階段で12cmの段差が介助で可能。ADL-TはFIM運動項目(91点満点)にて81点。<BR>【経過・理学療法プログラム】筋力増強・ROM訓練、視覚的フィードバックをさせながらの立位、歩行訓練やADL訓練、パラフィン浴を実施した。1ヵ月後、易疲労性であるも介助にて自室からリハ室まで歩行器で移動可能。体重37kg、握力右5kg、左9kg。2ヵ月後、T字杖使用し屋内歩行は監視レベル、屋外歩行は約100m軽介助レベル。FIM88点。3ヵ月後、筋力は全身的にF~G、表在・深部感覚ともに重度鈍麻であるが極軽度の改善を認めた。しびれの変化なし。T字杖使用し屋内・屋外歩行・階段昇降は自立。FIM90点。体重39Kg、握力右6Kg、左10Kgとなり、同年5月に家庭復帰した。<BR>【考察】本症例は筋力低下に加えて表在・深部覚ともに重度鈍麻で起立・歩行が困難な症例であった。今回視覚的フィードバックを意識したPTを実施したところ、歩行を獲得し家庭復帰が可能となった。小松は、自己身体が環境に対して移動することにより網膜像が変化し、その網膜像の変化を生じる原因となった自己運動を分析すると報告している。これより体性感覚のフィドーバックが困難でも、視覚刺激によるフィードバックにより残存している身体機能を活性化しボディーイメージを再構築できたと考えられる。また回復への意欲も高かったことがPTを進めていく上で効果的に働き、歩行の獲得につながったと考えられる。
著者
田中 彩乃
出版者
文光堂
雑誌
臨床スポーツ医学 = The journal of clinical sports medicine (ISSN:02893339)
巻号頁・発行日
vol.22, no.6, pp.755-761, 2005-06-01
参考文献数
7
被引用文献数
1