著者
Bond Francis 藤田 早苗 橋本 力 笠原 要 成山 重子 Nichols Eric 大谷 朗 田中 貴秋 天野 成昭
雑誌
情報処理学会研究報告自然言語処理(NL)
巻号頁・発行日
vol.2004, no.1(2003-NL-159), pp.83-90, 2004-01-13

本稿では、基本語彙知識ベース構築の一環として構築した、ツリーバンク「檜」を紹介する。「檜」は、HPSGで書かれた日本語文法JaCYに基づいて辞書の語義文を解析したものであり、詳細な統語情報と意味情報の両方が付与されている。本稿では、「檜」構築の目的や理論的基盤などについて述べる。 また、「檜」の有効性を示す一例として、知識獲得の予備実験を行なった結果について報告する。
著者
田中 智子
出版者
全国障害者問題研究会
雑誌
障害者問題研究 (ISSN:03884155)
巻号頁・発行日
vol.37, no.4, pp.21-32, 2010-02

本稿は,障害者のいる家族に生じる様々な生活問題を貧困の視点から捉えなおすことを試みる.第一に,障害者・家族の状況を貧困の視角から捉えた調査・研究はあまり見られないが,その中で成人期においても家族への経済的依存は継続していること,障害者のいる家族は,一般世帯と比較して経済的収入が低位におかれていることを明らかにした.第二に,A市における障害者の家族を対象とした調査をもとに,障害者の家族が,貧困状態に陥る構造について考察した.その結果,貧困に陥る構造としては,家計がシングルインカムによって支えられていること,本人にかかる支出が本人収入を上回ることを指摘した.貧困状態に陥った家族においては,その内外で母子一体化による孤立した状態へと帰結することをさらに明らかにした.
著者
加藤 寛 田中 佐代子 由端 敏秀
出版者
耳鼻咽喉科臨床学会
雑誌
耳鼻咽喉科臨床 (ISSN:00326313)
巻号頁・発行日
vol.77, no.6, pp.1367-1373, 1984-06-01 (Released:2011-11-04)
参考文献数
8

その主な周波数領域が1/3オクターブバンド400Hzから4kHzの胎内音を152名の新生児に聴かせ, その鎮静効果を観察した. そのうちの69名にABRを実施し胎内音の反応と比較した.その結果, 胎内音の鎮静効果とABRの反応とはよく一致した. 胎内音に反応の認められない高度難聴児2名が発見された.これらのことから, 本法は, 新生児聴覚スクリーニング検査として有用であるという確信を深めた.
著者
二木 康之 安部 治郎 田中 順子
出版者
一般社団法人 日本小児神経学会
雑誌
脳と発達 (ISSN:00290831)
巻号頁・発行日
vol.19, no.3, pp.222-228, 1987-05-01 (Released:2011-08-10)
参考文献数
14

新生児期, 乳児期早期から経過観察しえた31例の脳性麻痺症例について, 筋緊張, 姿勢反応, 原始反射の月齢による推移について検討した.原始反射については正常小児から得られた結果と比較した.筋緊張は乳児期早期から半数以上の症例で異常を示した.Vojtaの提唱する7つの姿勢反応では多くの症例で乳児期早期から6つ以上の異常を示したが, 生後4~5カ月の時点で4~5の異常にとどまる症例もみられた.原始反射では, 痙直型脳性麻痺において, 交叉性伸展反射, 恥骨上伸展反射, 踵骨反射の各反射で長期残存の傾向, 足把握反射で早期消失の傾向がみられた.しかし, 一方では上述のいずれの評価法においても正常児と区別しえない反応が脳性麻痺児の少数例においてみられ, 脳性麻痺の早期診断のためには, 総合的評価と定期的フォローアップが不可欠と考えられた.
著者
本田 兼基 田中 智久 斎藤 義夫
出版者
公益社団法人 精密工学会
雑誌
精密工学会学術講演会講演論文集 2008年度精密工学会春季大会
巻号頁・発行日
pp.1075-1076, 2008 (Released:2008-09-03)

炭素繊維複合材料は,優れた性能を有しているがその製造工程は自動化が難しく,生産性が劣るためにコストが高いという課題がある.安価な製造技術が求められており,インライン化,新しい低コスト成形技術を開発する必要がある.そこで,内部加熱などの特徴を持つ高周波誘導加熱技術を炭素繊維複合材料の成形過程に適用する方法について実験的に調べ,その可能性について検討した.
著者
田中 仙堂
出版者
三徳庵
雑誌
茶道の研究 (ISSN:02890070)
巻号頁・発行日
vol.54, no.7, pp.50-51,3, 2009-07
著者
衣川 隆生 田中 典子 内山 喜代成 近藤 行人 松尾 憲暁
出版者
日本語教育方法研究会
雑誌
日本語教育方法研究会誌
巻号頁・発行日
vol.22, no.3, pp.94-95, 2016-03-19

Nagoya University created teaching materials centered on social issues when they became a popular topic in modern Japanese society. These materials aim to foster academic literacy required from international students. This study examines a practice led by teaching materials on "Black baito", and analyzes what kind of dialogic activity and students' interpretation has occurred. The results of the analysis show that students created their own interpretation through the act of redefining the term "Black baito" as part of an explanation activity that entails looking at the working environment from both the employers' and employees' points of view.
著者
田中 宏宜 板井 陽俊 安川 博
出版者
一般社団法人電子情報通信学会
雑誌
電子情報通信学会技術研究報告. SIS, スマートインフォメディアシステム (ISSN:09135685)
巻号頁・発行日
vol.113, no.467, pp.7-10, 2014-02-27

人間の足音には固有の特徴があり,我々は足音を聞くことで個人を認識することがある.近年,歩行足音による個人識別が可能であることが示され,足音の解析や識別率の向上に関する研究が進められるとともに,足音から様々な情報を抽出するシステムへの応用が期待されている.足音を用いた個人の自動判別が可能となればセキュリティシステムの一環として防犯対策,早期犯人逮捕などに貢献できるシステムを実現できる.本研究では従来研究では適用されていないHMMを用いた歩行足音の識別を試みる.
著者
猪村 元 田中 譲
出版者
一般社団法人電子情報通信学会
雑誌
電子情報通信学会論文誌. D, 情報・システム (ISSN:18804535)
巻号頁・発行日
vol.92, no.11, pp.2022-2032, 2009-11-01
被引用文献数
1

近年,電子図書館やディジタルアーカイブと呼ばれる電子的な文書管理において歴史的文書をはじめとした手書き文書の電子化が重要視されている.これらの文書に対して,文字列検索の手法を提供することは,文書の活用という観点から意義が大きい.本論文では,毛筆の手書き文書画像を対象に,文字の図形としての形状特徴をもとに生成した,擬似的な文字コードを文書の内部表現として用いることで高速な全文検索を実現する手法について述べる.この手法は統計的な画像特徴量による画像検索の手法を応用したものであるため,特定のフォントや言語に依存せずに統一的な手法で適用可能である.提案手法ではまず,文書画像を文字領域を含んだ等しい大きさの方形領域に分割し,各領域から文字の形状特徴量を抽出する.更に,この特徴量に基づいた擬似コードを各領域に付加することによって通常のテキスト文書と同等の文字列検索を画像上で実現する.また,実際に手書きの草書体古文書を対象にした文字列の検索評価実験を行い,3-gramの場合に再現率0.8において適合率0.53の結果を得た.また,文書画像検索に適した形状特徴量,擬似コード生成手法の評価と考察も行った.
著者
濱中 康治 志村 圭太 梅村 悟 永井 洋 伊藤 博子 中島 啓介 長崎 稔 木村 鷹介 中村 拓成 田中 尚喜 柏口 新二 岡田 知佐子 紙谷 武 石崎 一穂 片野 裕司
出版者
JAPANESE PHYSICAL THERAPY ASSOCIATION
雑誌
日本理学療法学術大会
巻号頁・発行日
vol.2012, pp.48101523-48101523, 2013

【はじめに、目的】成長期における野球肘においては、発育途上にある骨端骨軟骨の障害が多いことに特徴がある。なかでも離断性骨軟骨炎とも呼ばれる、上腕骨小頭骨軟骨障害(以下OCD)は進行すると治療に難渋するため早期発見が望まれる。OCDの早期発見を目的として、1981年から徳島県で実施されている野球肘検診をはじめ、全国各地で野球肘検診活動の取り組みが行われ、その活動は広まり始めている。その多くは、各地の野球教室や野球大会と合同で開催され、野球教室や大会の現場での検診が実施されているが、大規模な検診になると、より多くの機材やマンパワーが必要となるため、都市部での野球肘検診の実施には高いハードルがある。当院では、都市部における野球肘検診活動として、2010年より医療機関内における野球肘検診を実施している。OCD発症予防のための啓発活動と野球肘検診活動の更なる拡大を目的として、その取り組みの紹介とこれまでの検診結果を報告する。【検診方法】当院では1ヵ月に1度、平日の午後6時から、スポーツ健康医学実践センター内で野球肘検診を実施している。野球肘検診については、その目的と機能から保険外診療とし、1件の受診料は2500円に設定している。対象はOCDの好発年齢・保存的加療の適応年齢を考慮し、原則として10~12歳の小学生としている。理学療法士(以下PT)による理学所見評価、臨床検査技師による超音波画像検査(以下エコー検査)、医師による総合評価を実施する。 理学所見評価については、肘関節屈曲・伸展の他動運動時の疼痛と可動域制限の有無、内側上顆・腕橈関節・肘頭の圧痛、外反ストレステストでの疼痛、手関節屈筋群(上腕骨内側上顆に起始するもの)の筋委縮、橈骨頭の肥大、尺骨神経溝部での尺骨神経亜脱臼の有無を評価し、その他、肘関節以外にも利用者が疼痛を訴えた箇所に必要な所見を評価している。エコー検査では前方・後方から上腕骨小頭の不整像の有無とその程度を評価し、それらの結果から、医師による総合評価で二次検診の必要性を判断し、二次検診の必要ありと判断された利用者には、医師が紹介状を作成し、医療機関での精査を勧めている。【倫理的配慮、説明と同意】今回の報告におけるすべての調査は電子カルテを用いて後方視的に行っており、対象者に有害事象は生じなかった。また匿名性の保持と個人情報流出には十分留意した。【検診結果】2010年6月から2012年11月までに、延べ119名の利用があった。年齢は10.5±1.1才だった。理学所見評価での異常所見は肘関節の他動運動時痛3名(2.3%)、可動域制限39名(32.8%)、内側上顆の圧痛10名(8.4%)、肘頭の圧痛1名(0.8%)、腕橈関節部の圧痛0名(0%)、外反ストレステストでの内側部痛20名(16.8%)、手関節屈筋群の筋委縮2名(1.7%)、橈骨頭の肥大4名(3.4%)、尺骨神経溝部での尺骨神経亜脱臼3名(2.5%)に認められた。エコー検査での異常所見を認めたものが6名(5.0%)であった。医師の総合評価によって二次検診の必要ありと判断されたのは27名(22.7%)で、肘内側部障害の疑い18名、OCD疑い6名、上腕骨近位骨端線障害1名、体幹・下肢の骨軟骨障害疑い4名だった。二次検診の必要ありと判断された利用者27名のうち、当院でのフォローアップを実施したものは18名(66.7%)であった。【考察】OCD疑いと判断された6名のうち、3名が肘内側部に圧痛・外反ストレス痛を認めた。1名は肘関節の伸展制限のみを認めたが、2名についてはエコー所見以外、全ての所見で異常は認められなかった。一般的にOCDは投球時の肘外反ストレスによる肘外側部への圧迫・剪断力によって生じ、外側部に疼痛が出現するとされているが、当院の野球肘検診でOCDが発見された6名はいずれも肘外側部の理学所見は認めなかった。このことは早期のOCDは理学所見に乏しく、OCDの早期発見にはエコー検査が有用であることを示すものである。また、当院でフォローアップを実施したOCD疑い5名の中で、定期的な野球肘検診の必要性を示唆する1例を紹介する。初回の検診時(10歳10ヶ月時)にはエコー検査を含めた全ての所見で異常を認めなかったが、その7ヶ月後(11歳5ヶ月時)の検診で外反ストレステストでの内側部痛があり、エコー検査で初期のOCDが発見された。その後、投球動作を禁止することで約7ヶ月後に良好な骨化が確認され、競技復帰が可能となった。この経験から、当院では10歳前後のOCD好発年代には定期的な検診の必要性を啓発し、6ヶ月に1度の検診を勧めている。【理学療法学研究としての意義】医療機関における野球肘検診を紹介することで、野球肘検診を実施できていない地域にも野球肘検診を広め、PTがその活動に参加することにより、より多くの野球プレーヤーを障害から守ることが可能になる。
著者
阿部 善右衛門 田中 邦雄 堀田 正生
出版者
公益社団法人 計測自動制御学会
雑誌
計測自動制御学会論文集 (ISSN:04534654)
巻号頁・発行日
vol.10, no.3, pp.290-297, 1974-06-30 (Released:2009-03-27)
参考文献数
29
被引用文献数
1

The possibilities for the measurements of the blood flow and water contents in the human body by NMR techniques have been analyzed during the last four years. A new technique for this purpose is proposed as one of the new approaches.This paper will deal with the following four topics connected with our past studies for noninvasive testing of biological materials.(1) Proposal of magnetic focusing techniques and generation of the focusing field.(2) Deterioration of the signal level originating frcm the loose coupling between the measuring target and the detector, and minimum limit for measurements of the stationary body fluid utilizing steady NMR.(3) Improvement on the blood flowmeter utilizing pulse NMR.(4) Measurement of the stationary body fluid utilizing pulse NMR.For non-invasive measurements of the nuclear magnetic substances distributed in the human body, a new approach is proposed by utilizing the magnetic focusing technique on the measuring target. And several methods for generating this magnetic focus are discussed theoretically. Moreover, the degree of inevitable deterioration of the signal from the focus induced by a loose coupling between the target in the body and the detector on its surface is calculated theoretically.Theoretical estimations of a new blood flowmeter are shown by taking advantages of the tag effect by radio frequency pulse on the blood flow.For this improvement of the blood flowmeter, the techniques are explained to estimate the pseudo-signal intensity originating from the neighbouring tissues around the blood vessel. A method similar to blood flowmetry can also be applicable to detect the stationary body fluids with some modifications.And some simple assumptions of the minimum limit of detectability are summarized from the view point of bio-medical applications.In conclusion, the authors are able to explain a few considerations and theoretical prospects on these applications of NMR.
著者
田中 邦雄 佐野 文男 阿部 善右衛門
出版者
一般社団法人 日本生体医工学会
雑誌
医用電子と生体工学 (ISSN:00213292)
巻号頁・発行日
vol.12, no.2, pp.81-89, 1974-04-30 (Released:2011-03-09)
参考文献数
25
被引用文献数
1

Several papers on the applications of the nuclear magnetic resonance (NMR) technique-for the biological measurements have been published since the first proposal of the NMR blood flowmeter by Bowman. However, the problems arising inherently from the non-invasive measurements of the specified area in the body were not discussed in these papers. The authors proposed previously the magnetic focusing technique as one of the new approaches and discussed some problems related to this technique.In this paper, some basic problems of the applications of NMR for the non-invasive measurements are discussed and the fundamental properties affecting the measuring sensitivity attained by the magnetic focusing technique is analyzed. The problems treated and the obtained results are as follows : 1) The relations among parameters such as relaxation times and radio frequency magnetic field which influence the measuring sensitivity are experimentally analyzed.2) The distributions of RF magnetic field inside or outside the transmitter coil are theoretically calculated. Approximate values of relaxation time of 1-2 sec. and 0.1-1 sec. are experimentally obtained respectively with the various body fluids and tissues of the dog and the human. Philosophy of choosing the appropriate parameters are discussed based on these results by taking the saturation factor in Bloch's equation and the measuring sensitivity into account.3) Application for the tumor detection is discussed and the differences of 20% and 200% in relaxation time between normal and cancer cases are experimentally obtained respectively with the tissues from the stomach and the breast. Further, it has been found that the relation between hematocrit of blood and its relaxation time was linear.4) The deterioration of signal output by body tissues is examined by a model experiment. According to this experiment, it is shown that the deterioration of S/N ratio was equal to approximately 30%, at f = 60 MHz.5) From above results, in the case of applying our proposed magnetic focusing technique, the resolution or the minimally detectable volume of water in the typical organs by S/N of unity at resonance frequency of 60 MHz should be about 0.3 ml.
著者
淺井 裕斗 村田 滋 田中 洋介
出版者
一般社団法人 日本機械学会
雑誌
日本機械学会論文集 (ISSN:21879761)
巻号頁・発行日
vol.81, no.823, pp.14-00348-14-00348, 2015 (Released:2015-03-25)
参考文献数
11

This paper presents a normalized deconvolution approach for a digital holographic particle measurement in order to decrease the elongation of the reconstructed particles along the depth direction. The performance of this approach is evaluated using numerical simulations, and its practicality is experimentally demonstrated. In the numerical simulations, the performance is evaluated mainly based on the cross-correlation between the true distribution and the deconvolution results. Tests were carried out for two types of recording systems and three kinds of reconstructed information. The results indicate that the most accurate particle images were obtained using the phase-shifting observation method and reconstructed quantities that contain phase information, such as the complex amplitude. Furthermore, the RMS error in the particle depth position is found to be improved especially for higher number density within the particle distribution. Experimental measurements with standard particles confirm that particle elongation along the depth direction can be successfully suppressed using the normalized deconvolution method. The experimental results thus confirm that this method is useful for real particle measurements.