著者
上里和也 奥谷貴志 浅井洋樹 奥野峻弥 田中正浩 山名早人
出版者
一般社団法人情報処理学会
雑誌
研究報告データベースシステム(DBS)
巻号頁・発行日
vol.2013, no.21, pp.1-8, 2013-11-19

Twitter のユーザ数が増加を続ける一方で,不正に ID 及びパスワードを入手され,他人によってツイートを投稿される被害が増加している.これに対し,我々はアカウント乗っ取りによって投稿されるメッセージの一部であるスパムツイートの検出手法を提案し,8 割程度の正答率を得ている.同手法では特定の単語が含まれているスパムツイートを検出対象とし,検出の有効性を示している.本研究では同検出対象を広げ,アカウントの所持者以外が投稿したツイート全体を 「乗っ取りツイート」 として定義し,これを検出する手法を提案する.また本研究では,以前提案した手法に対してパラメータの再調整を行うと同時に,頻繁に用いるハッシュタグの種類及びリプライを送る相手が各アカウントにおいて特徴的であることを利用し,F 値の向上を図った.100 アカウントに対して評価実験を行った結果,我々が提案している従来手法と比較し,F 値を 0.1984 向上させ F 値 0.8570 を達成した.
著者
田中 実
出版者
日本文学協会
雑誌
日本文学 (ISSN:03869903)
巻号頁・発行日
vol.35, no.2, pp.91-101, 1986-02-10

『舞姫』の主人公は独白し、手記を書いたが、鴎外によって『舞姫』というテクストが成立した時、主人公は多層的意識構造に絡みとられている。母・法の精神・天方伯など彼が認識の光を当てず対象化しなかったことは鴎外終生の近代化批判のかたちに尾を引く問題でもある。それは太田が自己回復のための認識の光を当てるという手記のモチーフから逸脱し、<歌>を歌ってしまったことにも関わろう。そうした『舞姫』の弱点を等閑に付すことはできぬとともに、『舞姫』にはエリスという他者の言葉、あるいは成熟が表出し、それは異国人同志の男女の自我の深刻なすれ違いによる悲劇を齎した要因にもなり、太田は日本の近代化にアンビバレンツを起こさせていった。
著者
田中 秀典 今井 順一 齋藤 巌 春日 伸予 長島 知正
出版者
Japan Society of Kansei Engineering
雑誌
感性工学研究論文集 (ISSN:13461958)
巻号頁・発行日
vol.5, no.2, pp.71-76, 2005

Colic crying, which is a baby's abnormal crying induced by unknown causes, is a typical example of sounds giving unpleasant impressions to listeners. Recently, Mukai <I>et al.</I> suggested that the colic crying would cause the child abuse because of its unpleasantness. In this paper, we propose the extended pitch perturbation quotient (ePPQ) for the evaluation of unpleasantness of crying. It is shown that the ePPQ is an index to quantify instability of fundamental periods, which seems to be cause of unpleasantness of colic crying. The ePPQ for colic crying is significantly higher than that for crying cured by operation. Furthermore, as a result of subjective evaluations, it seems that there is a tendency for the scale of unpleasantness to be high when the ePPQ is high. Therefore, it is considered that the ePPQ is a useful index for evaluating unpleasantness for crying.
著者
西森 裕夫 田中 寿弥 東 卓弥
出版者
和歌山県農林水産総合技術センター
雑誌
和歌山県農林水産総合技術センター研究報告 (ISSN:13455028)
巻号頁・発行日
no.11, pp.1-8, 2010-03

1.'まりひめ'は'章姫'×'さちのか'の組み合わせから育成された促成栽培用品種で、2008年に品種登録を出願された。2.草姿はやや立性で、草勢が強く、草丈は'さちのか'より高く、'章姫'より低い。促成栽培での冬季のわい化は少なく、育成地では電照やジベレリン処理を必要としない。3.育成地のポット育苗における花芽分化時期は9月14日前後で'さちのか'より早く、'章姫'より遅い。頂果房の収穫開始時期は12月上旬であり、'さちのか'よりも2週間以上早い。第一次腋花房の出蕾がやや遅く、頂花房との間に収穫の少ない時期ができやすい。4.1月までの早期収量は'章姫'、'紅ほっぺ'と比べて同等かやや多い。4月までの総収量は'さちのか'、'章姫'より多く、'紅ほっぺ'と比べて同等である。上物率は奇形果や乱形果が少ないため77%と高い。可販果の平均果実重は18g以上で、'さちのか'の15〜16gに比べて大きく、'紅ほっぺ'とほぼ同等である。5.果実糖度は'さちのか'と同等に高く、時期による変動が少ない。酸度は'さちのか'より低く、'章姫'よりやや高い。6.特定の病害には抵抗性を有さず、特にイチゴ炭疽病には'さちのか'と同様に弱い。'紅ほっぺ'と同様に心止まり株の発生がみられる。
著者
田中 孝治 水島 和憲 仲林 清 池田 満
出版者
日本教育工学会
雑誌
日本教育工学会論文誌 (ISSN:13498290)
巻号頁・発行日
pp.40065, (Released:2017-01-31)
参考文献数
31

多様化する仕事に適応できるように,企業の人材育成には,日常的に自ら育つ環境づくりが重要である.本研究では,分析過程が残る特徴と分析過程でストーリーラインが記述される特徴を持つ質的データ分析手法SCATを用いることで,新入社員の学び方の学びとその指導にあたった指導員の支援方法の表出化を試みた.本研究では,新入社員研修で用いる週報を新入社員と指導員とが対話する学習環境として捉え,週報に5週間に渡って記述された新入社員の振り返りとその振り返りに対する指導員のコメントを分析対象とした.分析結果から,指導員が,経験の積み重ねによる知識構築のプロセスである経験学習サイクルに沿って,実習員の学び方の学びを支援することで,実習員の学び方の学びが深化していることが読み取れた.本研究では,週報の分析から得られた結果を基に,学び方の学びの経験学習サイクルを転回する実習員と指導員の相互作用モデルを作成した.
著者
田中 洋次 澤田 佳宏 山本 聡 藤原 道郎 大藪 崇司 梅原 徹
出版者
THE ASSOCIATION OF RURAL PLANNING
雑誌
農村計画学会誌 (ISSN:09129731)
巻号頁・発行日
vol.30, pp.255-260, 2011
被引用文献数
4

To clarify the current status of irrigation pond abandonment and the problem for aquatic plant conservation, we investigated the percentage of abandoned pond in local area, the relationship between the depth of pond and aquatic and meadow plants diversity at farm village on hilly terrain in northern part of Awaji Island. The investigation was carried out by interviewing 133 pond manager and by field survey. We found half of ponds had been abandoned already, and, we verify the strong correlation between depth of pond and species richness of aquatic plants.
著者
田中 薫 Kaoru TANAKA
雑誌
宮崎公立大学人文学部紀要 = Bulletin of Miyazaki Municipal University Faculty of Humanities
巻号頁・発行日
vol.7, no.1, pp.105-134, 2000-03-21

メディアの世界が、今日のような多彩な姿に発展するきっかけとなったのは、写真の発明である。写真術の登場と、その技術的な進歩がその後のジャーナリズムのあり方を大きく変えた。それ以前、最初の重要な転換点はグーテンベルクによる印刷術の発明であった。そして印刷物の図版の部分は、初期は木版による凸版方式によるものであったが、やがてアミ凸版が発明され、写真の取り入れが可能となった。その後、ふんだんに写真技術を応用したオフセット印刷とグラビア印刷が発達し、紙メディアの進化に拍車をかけた。1946(昭和21)年。その年の4月に創刊され、その後15年間続いて1960(昭和35)年3月に廃刊となった『サン写真新聞』という、「写真」という言葉を題字に入れた紙メディアがあった。当時、すでにモノクロームの写真の質は高く、技術的な完成度も高かったが、印刷技術は、今日と比べてレベルが低かった。したがって『サン写真新聞』も写真の印刷の質はあまりよくない。それ以前には写真を主体にした印刷媒体として戦前から『アサヒグラフ』という雑誌があり、それらはグラフ雑誌と呼ばれていた。戦後は急速に写真雑誌の時代となる。写真の雑誌には3種類がある。カメラの普及を企図したもの及び写真を芸術として扱うものと、写真の技術を生かして報道することを旨としたものなどである。前者が技術系の専門誌及び『カメラ毎日』や、『アサヒカメラ』などであり、後者が『FOCUS』『FRIDAY』などの雑誌類である。『サン写真新聞』は、そのどれとも少し異なっていた。その『サン写真新聞』の約10万枚に近い保存ネガを素材に、廃刊から約30年後に私はMOOKを編集し、雑誌として再生を試みた経験がある。その体験を踏まえ、ある時代にのみ実在し、滅びていった写真ジャーナリズムの存在を確認し、どのようなメディアであったかを記録することにより、「写真ジャーナリズムとは何か」という問題について考察してみたい。
著者
山田 博胤 田中 秀和 宮原 俊介 尾形 竜郎 楠瀬 賢也 西尾 進 鳥居 裕太 平田 有紀奈 大北 裕 佐田 政隆
出版者
一般社団法人 日本超音波医学会
雑誌
超音波医学 (ISSN:13461176)
巻号頁・発行日
2016

症例は,46歳男性,循環器内科医師,主訴は左足関節内果部と上腕の疼痛である.僧帽弁逸脱症による僧帽弁逆流と発作性心房細動の既往がある.足関節の疼痛は蜂窩織炎を疑って,血液検査と表在エコー図検査を行った.疼痛部は皮下浮腫が著明であったが,軟部組織の血流シグナルが乏しく,後脛骨動脈の血管壁を主体とした炎症と,同動脈の閉塞が確認された.一方,左手関節近位の尺骨動脈は逆行性血流を示しており,左尺骨動脈分岐部直後で閉塞していた.これらの所見から多発性血管閉塞性動脈炎と診断し,その原因究明のために直ちに心エコー図検査を施行した.その結果,僧帽弁に可動性を有する棍棒状の異常構造物を認め,僧帽弁逆流は高度に増悪しており,感染性心内膜炎と診断された.頭部MRI検査で異常を認めなかったため,外科的加療(疣腫摘除術,僧帽弁形成術,左房縫縮術,左心耳閉鎖術,Maze手術)が行われた.血液培養は陰性であったが,摘出した疣腫の培養からStaphylococcus warneriが同定された.Staphylococcus warneriは皮膚常在菌であり,本病原体による自己弁の感染性心内膜炎は報告が少ない.術後の経過は良好であり,抗生剤を6週間静脈投与した後に社会復帰した.患者が循環器内科医であり,自身の足関節および上腕の疼痛を契機に,表在エコー図検査と心エコー図検査を用いることで,感染性心内膜炎を迅速に診断した稀有な症例であり,かつ,感染性心内膜炎の起炎菌としては稀なStaphylococcus warneriが同定されたので,文献的な考察を加えて報告する.
著者
田中香涯 [著]
出版者
文芸刊行会
巻号頁・発行日
1935
著者
田中 寛子
出版者
大阪市立大学
巻号頁・発行日
2015

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