著者
田中 享英
出版者
北海道大學文學部
雑誌
北海道大學文學部紀要 (ISSN:04376668)
巻号頁・発行日
vol.41, no.3, pp.129-162, 1993-02-26
著者
大野 元己 根本 紘志 田中 和哉 鈴木 寛
出版者
一般社団法人 人工知能学会
雑誌
人工知能学会全国大会論文集 第32回全国大会(2018)
巻号頁・発行日
pp.1F2OS5a01, 2018 (Released:2018-07-30)

人工知能の発展は社会や人々の生き方を規定すると言われるが,同時に人々がより好ましい未来を作るための努力の必要性も指摘されている.本稿では未来を担う大学生が人工知能技術の発展とそれが今後もたらす社会をどう考えるかを調査した.未来について考える自主ゼミを開講し,多様な視点から技術と社会について議論する機会を設け,それらを経験した学生に「技術と社会の変化にどう向き合うか」についてのエッセイの提出を求めた.エッセイの内容から,学生自身の専攻・進路への展望によって科学技術に対する姿勢が異なること,また科学技術を考えることの意味づけも多様であることが示唆された.
著者
小牧 一裕 田中 國夫
出版者
日本社会心理学会
雑誌
社会心理学研究 (ISSN:09161503)
巻号頁・発行日
vol.11, no.3, pp.195-205, 1996-03-30 (Released:2016-12-04)
被引用文献数
1

The purposes of this study were to investigate 1) the effects of social support on the relationships between stressors and mental-health, work-motivation, and 2) the relationships between social support and job characteristics (autonomy and variety). Subjects were 493 young workers in Study 1 and 174 female office workers in Study 2. Job stressors (role conflict, role ambiguity, quantitative work overload, qualitative work overload) and social support (emotional and instrumental support from co-workers, senior colleague and supervisors) were used to predict employees' work-motivation and mental-health. The main results were as follows: 1) The form of the interaction was different from the predictions of the buffering hypothesis, and it implied that the effects of social support might have a limitation. 2) The effects of social support were dependent on the differences of the level of job characteristics. That is, social support had little effect on work-motivation at low levels of autonomy and variety. Social support was the most effective on mental-health at middle levels of autonomy and variety.
著者
小河原 孝司 冨田 恭範 田中 有子 長塚 久
出版者
茨城県農業総合センター園芸研究所
巻号頁・発行日
no.14, pp.35-42, 2006 (Released:2011-03-05)

茨城県内現地におけるトマト灰色かび病の発生実態と防除対策について調査し、BS剤の防除効果を最大限に発揮させるための温度条件並びにその防除効果の持続期間について検討した。また、BS剤を組み入れた防除体系の有効性について検討した。1.トマト促成栽培における殺菌剤散布は、主に灰色かび病防除が目的であり、本病が主要病害であった。2.トマト灰色かび病に対するBS剤の防除効果は、気温15℃以下では低く、20-25℃において高かった。3.灰色かび病多発生条件下において、BS剤は、メパニピリム水和剤と比較し、薬剤散布18日後までほぼ同等の防除効果が認められた。4.BS剤を防除体系の中に組み入れ、発病葉除去等の耕種的防除を徹底し、化学合成殺菌剤の散布回数を3割程度削減した場合、生育後半の葉における灰色かび病の発生はやや増加したが、果実では十分な防除効果が認められた。
著者
宮崎 愛弓 田隈 広紀 長尾 徹 田中 みなみ 淺野 友希 小田 裕和
出版者
一般社団法人 国際P2M学会
雑誌
国際P2M学会研究発表大会予稿集 2018 春季 (ISSN:24320382)
巻号頁・発行日
pp.17-36, 2018 (Released:2018-04-16)
参考文献数
10

イノベーション事業を牽引するメンバーには、その適用対象のありのままの姿から問題を発見・定義する洞察力が不可欠である。一方で、大学をはじめとする工学教育における課題研究やPBLでは問題解決力の養成が主眼に置かれ、その前段となる発見・定義力については学生個々の経験や問題意識に依存している。本研究ではP2Mのプロファイリングマネジメントとの関係性を意識しつつ、問題を発見するフィールド調査方法において、フィールドのありのままの姿から問題を発見する為に「一次情報と解釈を分けることを意識した上で一次情報を収集する」方法を提案し、試行実験にてその有効性を示したものである。
著者
田中 啓規 寺岡 睦 佐伯 昌彦
出版者
日本作業療法士協会
巻号頁・発行日
pp.436-444, 2016-08-15

要旨:作業に根ざした実践2.0(Occupation-Based Practice 2.0;以下,OBP 2.0)は,クライエントの作業機能障害の種類を評価し改善しつつ,クライエントを取り巻く環境で生じる信念対立に対処していく方法論である.本報告では,子育てに困難さを抱える脳性麻痺のあるクライエントの母親に対して,OBP 2.0を用いた評価と介入を実施し,発達領域の作業療法におけるOBP 2.0の臨床有用可能性を考察した.その結果,子育てに重要な役割を持っていた母親に対する作業機能障害の種類と信念対立への評価と介入が,適応的な子育ての形成に有用であった.脳性麻痺のあるクライエントの母親に対してOBP 2.0を用いた評価と介入を実施し,良好な結果を得たので報告する.
著者
田中 福代 庄司 靖隆 岡崎 圭毅 宮澤 利男
出版者
公益社団法人 日本食品科学工学会
雑誌
日本食品科学工学会誌 (ISSN:1341027X)
巻号頁・発行日
vol.64, no.1, pp.34-37, 2017-01-15 (Released:2017-01-24)
参考文献数
8
被引用文献数
2 2

前報でリンゴみつ入り果の嗜好性の高さは2-メチル酪酸エチル,ヘキサン酸エチル,チグリン酸エチルなどのエチルエステル類と関連すると推定した.これを検証するために,リンゴ非みつ果の加工品(混濁果汁,ピューレ)とリンゴ風味の加工食品(果汁飲料,キャンディ)に対し,みつ入り果の香気成分プロファイルを再現した7種のエチルエステル類からなるみつ香フレーバーの添加実験を行った.その結果,リンゴ非みつ果の加工品においてみつ風味および嗜好性が高められたことから,エチルエステル類はみつ入り様風味を与え,リンゴの嗜好性を高める主要な成分であることが確認された.また,リンゴ風味食品にこのフレーバーを添加した場合も,みつ風味と嗜好性を強化する効果があり,特に清涼飲料とキャンディにおいて顕著であった.
著者
原 徹 田中 啓一 前畑 京介 満田 和久 山崎 典子 大崎 光明 大田 繁正 渡邉 克晃 于 秀珍 山中 良浩 伊藤 琢司
出版者
公益社団法人 日本顕微鏡学会
雑誌
顕微鏡 (ISSN:13490958)
巻号頁・発行日
vol.44, no.4, pp.289-291, 2009-12-30 (Released:2020-01-21)
参考文献数
8
被引用文献数
1

透過型電子顕微鏡(TEM)におけるEDS分析のエネルギー分解能を大幅に向上させることを目的として,超伝導遷移端センサ型マイクロカロリメータをTEMに搭載した分析電顕を開発した.実験機として単素子検出器を無冷媒式冷凍機で駆動する検出器を製作し,現在,TEMの性能を損なわずにシリコンKα線の半値幅として7.6 eVを達成しており,多くの近接したピークを分離した測定が可能になっている.
著者
折田 悦郎 新谷 恭明 藤岡 健太郎 梶嶋 政司 永島 広紀 陳 昊 井上 美香子 横山 尊 市原 猛志 田中 千晴
出版者
九州大学
雑誌
基盤研究(C)
巻号頁・発行日
2009

戦前期の帝国大学(以下、帝大)のうち、法文学部が設置されたのは九州帝大と東北帝大だけであった。東京、京都の両帝大には、法学部、文学部、経済学の3学部が置かれ、一方、九州・東北帝大以降の北海道、大阪、名古屋の各帝大には、法文系学部は設置されなかった。このことは法文学部の存在そのものが、帝大史研究の中では一つの意味を持つことを示唆している。本研究は、このような法文学部について、九州帝大の事例を中心に考察したものである。
著者
田中 俊一
出版者
一般社団法人 日本数学会
雑誌
数学 (ISSN:0039470X)
巻号頁・発行日
vol.19, no.4, pp.239-251, 1968-03-05 (Released:2008-12-25)
著者
村山 篤子 古田 和浩 金子 慶子 田中 照也 伊藤 直子 山崎 貴子 岩森 大 堀田 康雄
出版者
日本調理科学会
雑誌
日本調理科学会大会研究発表要旨集
巻号頁・発行日
vol.19, pp.174, 2007

<BR><B>【目的】</B><BR> 生体活動により、生物内に強い酸化作用を有する過酸化物(ラジカル)が発生する。野菜は、この過酸化物を打ち消すために、体内で還元力の強いビタミンCを生成する。一方、野菜を厳しい環境ストレス化におくことで、それに対抗するために、酵素の働きを活性化させて、抗酸化物質「ビタミンC」をより多く生成して体を守ろうとする。今回、これらのメカニズムを応用した低温スチーム調理方法を考案した。<BR> <B>【方法】</B><BR> ビタミンCを有する野菜として、春菊およびほうれん草を用いた。これらの野菜を、スチーム機能を有する家庭用オーブンレンジを用いて、庫内温度を40℃程度にコントロールし、低温スチーム調理にて加熱をおこない、ビタミンC含有量の差を測定した。<BR> <B>【結果】</B><BR> その結果、春菊では低温スチーム調理温度が約37℃~47℃で10分、ほうれん草では約38℃~48℃で27分の加熱で、野菜内のビタミンC含有量が増加する結果を得た。これは、この温度帯において、野菜が環境ストレスを受け、それに対抗してビタミンC生成酵素の働きが活性化されたためであり、37、38℃未満では十分な環境ストレスを与えられず、また47、48℃より高温になると生体活動が抑制されてしまうためであると考える。また、これらの野菜を電子レンジ加熱調理すると、生の状態から電子レンジ加熱した場合に比べて、低温スチーミングによって一旦ビタミンC含有量を増加させた後に電子レンジ加熱をした場合の方が、調理後のビタミンC残存量が多かった。<BR> このことより、40℃程度で短時間の低温スチーム調理を施すことで、春菊やほうれん草のビタミンCを増加させることができ、より多くのビタミンCを摂取することができる。
著者
山本 直樹 田中 哲文 大上 賢祐 籏 厚 三宅 陽一郎
出版者
特定非営利活動法人 日本血管外科学会
雑誌
日本血管外科学会雑誌 (ISSN:09186778)
巻号頁・発行日
vol.26, no.3, pp.165-169, 2017-06-12 (Released:2017-06-08)
参考文献数
11

症例は74歳,男性.診断は下行大動脈瘤であった.下行大動脈置換術直後より脳脊髄液ドレナージを開始し,術当日の覚醒後に対麻痺症状のないことを確認した.しかし,術後1日目に対麻痺が出現した.脳脊髄液ドレナージの排液はなく,閉塞も考えられたため新たに脳脊髄液ドレナージチューブを挿入した.脳脊髄液の流出が確認されたが,脳脊髄液初圧10 cmH2Oと上昇はなかった.すぐにD-マンニトールと副腎皮質ホルモンの点滴を併用し,血圧維持管理を開始した.また,フェンタニルによる疼痛管理を中止しナロキソン持続静注を開始した.対麻痺発症から4時間後より徐々に症状は改善し,発症から24時間目で歩行器歩行が可能となった.下行大動脈置換後に遅発性対麻痺が出現したが,ナロキソン持続静注と血圧維持が著効した症例を経験したので,文献的考察を踏まえ報告する.
著者
鈴木 静香 村田 雄二 杉本 彩 永井 智貴 正木 信也 田中 暢一
出版者
公益社団法人 日本理学療法士協会
雑誌
理学療法学Supplement Vol.39 Suppl. No.2 (第47回日本理学療法学術大会 抄録集)
巻号頁・発行日
pp.Cb0511, 2012 (Released:2012-08-10)

【はじめに、目的】 上腕骨近位部骨折や鎖骨骨折患者において、困難となる日常生活動作の一つとして結帯動作がある。しかし、結帯動作の制限因子について言及している文献は少なく、その因子も画一化されたものではない。そこで、結帯動作を再獲得するため、その制限因子を検討した。結帯動作を運動学的に捉えると、肩関節伸展・内旋・外転の複合運動である。また、解剖学的に捉えると、肩関節の筋・靭帯・関節包の影響を受けると考えられる。今回は制限因子として短期間で効果が得られる筋に着目し、制限因子を検討することとした。【方法】 対象は右上肢に整形外科疾患の既往のない健常者15名(男性11名・女性4名、年齢:22~37歳)とした。結帯動作の運動学的要素のうち肩関節伸展・内旋の可動域(以下ROM)に影響する筋として、烏口腕筋・棘下筋・小円筋を対象とした。各筋に2分間ストレッチを実施する群と筋に介入を加えず2分間安静臥位とする群の計4群(烏口腕筋群・棘下筋群・小円筋群・未実施群とする)にて、前後の結帯動作の変化について検討した。結帯動作は立位にて右上肢を体幹背面へと回し、第7頸椎棘突起-中指MP関節間の距離(以下C7-MP)を測定し、各筋の介入前後にて評価した。C7-MPの変化は、実施前の距離を100%とし変化率として表した。被験者15名には各筋に対する介入効果が影響しないよう、各群間で介入後1週間以上の期間を設けて実施した。次に、C7-MPの変化に及ぼす因子の検討として、肩関節でのLift off・第2内旋・伸展の3項目(以下関連項目)を測定した。Lift offの測定は、腹臥位にて右上肢を体幹背面へと回し、尺骨茎状突起をヤコビー線に合わせ、肩関節内旋により尺骨茎状突起がヤコビー線から離れた距離とした。統計処理は、C7-MPの変化率について4群間での比較を一元配置分散分析にて行い、多重比較はTukey法を用いた。次に、有意差を認めた2群間について関連項目での比較にはt検定を用いた。有意水準はそれぞれ5%未満とした。【倫理的配慮、説明と同意】 全ての被験者に対して事前に研究参加への趣旨を十分に説明し、同意を得た。【結果】 C7-MPの変化率については烏口腕筋群と未実施群間(P=0.006)、棘下筋群と未実施群間(P=0.009)で有意差を認めた。有意差を認めた各群間での関連項目の検討では、烏口腕筋群と未実施群間で第2内旋ROMに有意差を認め(P=0.009)、棘下筋群と未実施群間で伸展ROMに有意差を認めた(P=0.019)。【考察】 烏口腕筋と棘下筋が、介入前後でのC7-MPの変化率に未実施群と有意差を認めたことより、これらの筋が結帯動作の制限因子となっていることが示唆された。また、烏口腕筋への介入により第2内旋ROMの改善を認め、棘下筋への介入により伸展ROMの改善を認めており、運動学的にこれらが結帯動作改善の因子と考えられる。烏口腕筋・小円筋は起始・停止より、第2内旋ROMの制限因子と考えられる。結果では、烏口腕筋のみに結帯動作の改善を認め、第2内旋ROMの改善に関与していた。烏口腕筋は、肩関節前面に位置しており、小円筋は後面に位置している。結帯動作では肩前面に伸張が生じることから、烏口腕筋の介入の影響が大きかったと考える。棘下筋は伸展・内旋で伸張されるという報告があり、伸展ROMの制限因子と考えられ、烏口腕筋も起始・停止より伸展ROMの制限因子と考えられる。結果では、棘下筋のみに結帯動作の改善を認め、伸展ROMの改善に関与していた。これらの筋は、伸展・内旋ROMに関与しており結帯動作の制限因子となると考えられる。烏口腕筋に有意差を認めなかった原因として、今回筋のみに着目しているが前関節包や靱帯の影響が大きく、伸展ROMの改善を認めなかったと考える。今後は、関節包や靭帯等も視野に入れた検討が必要である。今回、烏口腕筋・棘下筋・小円筋を対象に検討したが、小円筋は未実施群と有意差を認めなかった。有意差を認めなかった原因は、有意差を認めた烏口腕筋や棘下筋は肩関節中間位において肩関節伸展すると伸張される。しかし、小円筋は肩関節中間位では肩関節伸展時、伸張位とはならない。これより、小円筋への介入が結帯動作に影響を及ぼさなかったと考える。また、結帯動作では伸展運動が生じた後、内旋運動が生じる。以上を踏まえると、結帯動作の改善には伸展ROM改善の影響が大きく、棘下筋への介入により伸展ROM改善を認めたことから、棘下筋への介入が最も効果があるのではないかと考える。【理学療法学研究としての意義】 烏口腕筋・棘下筋が結帯動作の制限因子と示唆されたことにより、これらに介入する事で早期に結帯動作の再獲得となり、日常生活・QOLの改善につながると考える。
著者
田中 友理 比企 直樹 小菅 敏幸 峯 真司 布部 創也
出版者
一般社団法人 日本静脈経腸栄養学会
雑誌
日本静脈経腸栄養学会雑誌 (ISSN:21890161)
巻号頁・発行日
vol.30, no.5, pp.1137-1144, 2015 (Released:2015-10-20)
参考文献数
17
被引用文献数
2

【目的】胃癌術後早期は経口摂取が不十分のため、静脈栄養を併用した効果的な栄養管理が必要となる。胃癌術後に脂肪乳剤・アミノ酸・糖を含む末梢静脈栄養法を併用する新しいクリニカルパス(CP)の有用性と安全性について検討した。【対象および方法】胃癌周術期に新しい CPを使用した94例(新 CP群)と従来の CPを使用した91例(旧 CP群)を対象とし、パス完遂率、合併症率、術後在院日数、体重変化、栄養指標について後ろ向きに比較検討した。【結果】パス完遂率、合併症率、在院日数に差を認めなかった。脂肪乳剤連日投与を含む術後栄養管理で重篤な有害事象を認めなかった。新 CP群における術後1ヶ月の血清アルブミンの減少割合は有意に少なく、術後7日目の体重減少率も少なかった。【結論】胃癌術後に脂肪乳剤・アミノ酸・糖を含む末梢静脈栄養法を併用する CPは術後合併症の発生を増加させることなく、早期に栄養状態を改善し体重減少を抑制する可能性がある。