著者
福富 昌城 坂下 晃祥 塩田 祥子 Masaki FUKUTOMI SAKASHITA Akiyoshi SHIOTA Shoko 花園大学社会福祉学部 花園大学社会福祉学部 花園大学社会福祉学部 Faculty of Social Welfare Hanazono University Faculty of Social Welfare Hanazono University Faculty of Social Welfare Hanazono University
出版者
花園大学社会福祉学部
雑誌
花園大学社会福祉学部研究紀要 (ISSN:09192042)
巻号頁・発行日
no.20, pp.9-19, 2012-03

本報告はケアマネジャーを対象としたグループ・スーパービジョンの連続研修会における調査の結果である。調査は、参加者がどのような学びをしたのかを明らかにすることを目的とした。調査結果として、参加者は「既に得ている情報や利用者像を異なった角度から見直す」ことで「ケースの見方」を深め、事例検討会/グループ・スーパービジョンにおいて「事例提供者の努力を承認する姿勢」を持つことで支持的な関わりを学んでいることが理解できた。
著者
林谷 秀樹 近江 佳郎 小川 益男 福富 和夫
出版者
社団法人日本獣医学会
雑誌
日本獣医学雑誌 (ISSN:00215295)
巻号頁・発行日
vol.51, no.5, pp.905-908, 1989-10-15

1981年6月から1982年5月までの1年間に関東地方で死亡し, 動物霊園に埋葬された猫3936頭の死亡データを用いて, Chiangの生命表作成法に従って, 猫の生命表を作成した. これは家庭飼育猫について作成された最初の生命表と思われる. 生命表から算出された猫の平均余命は, 0歳で4.2歳, 1歳で5.0歳, 4歳で5.4歳, 5歳で5.3歳, 10歳で3.5歳, 15歳で2.2歳で, 最高死亡年齢は22歳であった. 猫の死亡確率は犬に比べ, 0歳から5歳にわたる幅広い年齢で著しく高かったが, 6歳以上においてはほぼ等しく, 犬と同様にGomperzの法則に従うように思われた. このように調査時点では猫の死亡確率の基本パターンは犬のものと著しく異なっていたが, 今後0〜5歳の低年齢における死亡確率が減少した場合には, 両者のパターンは近似すると思われた. 1歳の平均余命(e_1)は, 品種間(雑種, 純血種に大別)では差が見られなかったが, 地域間ではA地域(人口密度1万人以上)はB地域(1万人未満)に比べ有意に長かった. このことから, 犬の場合と同様, B地域ではA地域に比べ猫の平均余命を短くするような要因がより強く作用していることがうかがわれた.
著者
福富 悌 SAKURAI Satomi NADA Kunitoshi MORITA Hideyuki ARAI Takahiro SUZUKI Keiko AOKI Yusuke FUKAO Toshiyuki IWAKOSHI Hiroko CHIKAMATSU Yumiko ORII Tadao
出版者
和漢医薬学会
雑誌
Journal of traditional medicines (ISSN:18801447)
巻号頁・発行日
vol.23, no.4, pp.151-152, 2006-08-30
参考文献数
6

小児の急性胃腸炎による嘔吐に対し,五苓散の注腸を行い有効性について検討した。症例は6ヶ月から11歳までの336例で,平均年齢は3.7±2,3歳であった。方法は五苓散エキス顆粒2.5gを温生理会塩水20mlに溶解し注腸した。その後の症状の経過で有効性を評価した。症例全体の有効率は79%であった。この有効率は年齢による差は認めなかったが,受診までの嘔吐回数とは有意な相関関係を認めた(p<0.01)。五苓散の注腸の有効率は他の報告でも高く評価されている。今回の結果でも有効率が高く副作用もないことから,小児の嘔吐を伴う急性胃腸炎の,点滴を行う前に行う治療としての有用性が示唆された。
著者
福富 満久
出版者
日本中東学会
雑誌
日本中東学会年報 (ISSN:09137858)
巻号頁・発行日
no.24, pp.167-189, 2008-09-25

After Qaddafi accepted responsibility over the bombings of Pan Am Flight 103 in 1988 and UTA Flight 772 in 1989, he agreed to provide financial compensation to the families of the victims. As a result, the UN sanctions against Libya were lifted on September 12, 2003. In December 2003, Qaddafi publicly announced that Libya had renounced its weapons of mass destruction and ballistic missile development programs. Qaddafi brought Libya back into the world community. Although the 1990s were years of decline and isolation for Libya on both political and economic fronts, it did not pose a serious threat to the Qaddafi regime. On the other hand, Qaddafi successfully established closer relations with the EU and its neighbouring countries. During this period, the Libyan government continued to control the oil revenues dominating its socialistoriented economy -the Rentier State-. The change in Libya's behavior illustrated a bold attempt by Qaddafi to reunify the state and its identity, in order to maintain the Rentier State economy and keep Qaddafi's regime in power.
著者
福富 久夫 安蒜 俊比古
出版者
千葉大学
雑誌
千葉大学園芸学部学術報告 (ISSN:00693227)
巻号頁・発行日
vol.18, pp.85-91, 1970-12-31

前回報告した松戸および柏市の小学校のうち,校舎の平面型が異なる4校を対象として,夏の日課時期における児童の屋外行動を調査した.なお,動的利用調査も一部試みた.その結果を要約すれば次のようである.1.学校における自由時間に屋外で遊ぶ児童は,ピーク時で40〜70%であり,冬の時期に比べて10〜15%多い.中学年が最も高率であり,低学年が最も低い.性差については,女子の方が男子より10%程度低い.この傾向は季節的に変りがない.時間的には,昼休みが最も高く,休み時間の長さが関係する.2.遊びの内容は,年令・性別によって異なる.低学年はスポーツ的な遊びは殆んどなく,器具を使った遊びが最も多い.中学年はポール遊びが最も多く,高学年では殆んどボール遊びである.学校の施設条件などによって差がみられる.また,学校の体育指導による影響から季節的に変化がみられる.3.児童の形成する集団の範囲は,2〜45人であり,各学年を通じて最も多いのは,2〜5人の小グループであるが,学年・性別によって差がある.低学年児童および中学年女子の集団化の大きさは,7人以下が殆んどである.中学年男子および高学年男女は,集団の人数は14人位までである.男女の混合集団は10〜14人の中グループが最も多く,集団化の大きさは19人位までである.遊びの種類別にみると,集団化の大きさは最も盛んな遊びが最も集団のサイズが大きい.季節的には,冬の時期の方が夏より同じ遊びでも,多少集団のサイズが大きくなる傾向がある.4.学年・性別によって使いやすい場に差がある.低学年は器具の近辺と校舎前の限られたスペースであり,中・高学年男子は運動場の広い場所を中心に,最も大きなスペース,同じく女子の行動領域は,この男子と低学年の間に分散し,最もまとまりがない.学校の施設条件や学年構成の違いなどによって,かなりおもむきが異なる.運動場におけるさまざまな遊びや運動は,集団化の水準を高め,知的発達や社会性を育てるために重要なのであって,児童の形成する小集団と,その行動をより重視して校庭の取扱いを検討することが必要である.
著者
福富 隆志 油川 さゆり
出版者
一般社団法人 日本教育工学会
雑誌
日本教育工学会論文誌 (ISSN:13498290)
巻号頁・発行日
vol.47, no.1, pp.1-11, 2023-01-20 (Released:2023-02-01)
参考文献数
23

本研究では,フィードバック(FB)の提供と改善支援がスピーチのパフォーマンスに及ぼす効果を,制御焦点の適性と評価観との交互作用の観点から検討した.大学生を,FB に基づいて問題点と改善策を考えさせる条件(FB・改善支援条件),FB の提供のみの条件(FB 条件),問題点と改善策を考えさせるのみの条件(改善支援条件)に20名ずつ振り分けて,スピーチのパフォーマンスに及ぼす効果を比較した.その結果,言語的パフォーマンスについて,改善的評価観(評価とは学習改善に活用するためのものであるという認識)が低い参加者はFB・改善支援条件で最も高く,促進焦点の適性と改善的評価観が高い参加者はFB 条件で最も高かった.改善的評価観が低い人は,FB の活用を促す支援によりFB に注意を向けて改善に活かす一方で,促進焦点の適性と改善的評価観が高い人は,FB の提供のみで改善を行う傾向にあることが示唆された.
著者
阿川 琢哉 福富 純一郎 重光 亨 井内 一博
出版者
一般社団法人 ターボ機械協会
雑誌
ターボ機械 (ISSN:03858839)
巻号頁・発行日
vol.41, no.4, pp.201-208, 2013 (Released:2015-06-13)
参考文献数
7
被引用文献数
1

Data center has been built with spread of cloud computing. Further, electric power consumption of it is growing rapidly. High power cooling fans are used for servers in the data center and there is a strong demand to increase power of it because of increase of quantity of heat from the servers. Contra-rotating rotors have been adopted for some of the high power cooling fans. It is important to clarify complicated internal flow condition and influence of a geometric shape of the cooling fans on performance and internal flow condition to achieve the high performance cooling fans. The performance characteristics of the front and rear rotor of high power contra-rotating small-sized cooling fan is clarified by numerical analysis and design guideline to improve the performance is discussed.
著者
櫻庭 隆浩 松井 豊 福富 護 成田 健一 上瀬 由美子 宇井 美代子 菊島 充子
出版者
The Japanese Association of Educational Psychology
雑誌
教育心理学研究 (ISSN:00215015)
巻号頁・発行日
vol.49, no.2, pp.167-174, 2001
被引用文献数
4

本研究は,『援助交際』を現代女子青年の性的逸脱行動として捉え,その背景要因を明らかにするものである。『援助交際』は,「金品と引き換えに, 一連の性的行動を行うこと」と定義された。首都圏の女子高校生600人を無作為抽出し, 質問紙調査を行った。『援助交際』への態度 (経験・抵抗感) に基づいて, 回答者を3群 (経験群・弱抵抗群・強抵抗群) に分類した。各群の特徴の比較し,『援助交際』に対する態度を規定している要因について検討したところ, 次のような結果が得られた。1) 友人の『援助交際』経験を聞いたことのある回答者は,『援助交際』に対して, 寛容的な態度を取っていた。2)『援助交際』と非行には強い関連があった。3)『援助交際』経験者は, 他者からほめられたり, 他者より目立ちたいと思う傾向が強かった。本研究の結果より,『援助交際』を経験する者や,『援助交際』に対する抵抗感が弱い者の背景に, 従来, 性非行や性行動経験の早い者の背景として指摘されていた要因が, 共通して存在することが明らかとなった。さらに, 現代青年に特徴的とされる心性が,『援助交際』の態度に大きく関与し, 影響を与えていることが明らかとなった。
著者
橋本 修二 福富 和夫 市川 誠一 松山 裕 中村 好一 木原 正博
出版者
日本エイズ学会
雑誌
日本エイズ学会誌 = The journal of AIDS research (ISSN:13449478)
巻号頁・発行日
vol.2, no.1, pp.35-42, 2000-02-20
参考文献数
13
被引用文献数
4

緒言: 日本におけるHIV/AIDSの将来予測を行った。なお、凝固因子製剤によるHIV感染は検討の対象外とした。<BR>対象及び方法: 1998年末までのエイズサーベイランス報告、HIV感染報告の捕捉率、新しい抗HIV治療の受療者割合、AIDS発病の潜伏期間を基礎資料として, HIV感染者時点有病数とAIDS患者累積数を2003年末まで予測した。<BR>結果: HIV感染者時点有病数は日本国籍では1998年末で7,300人と推計され、2003年末で15,400人と予測された。外国国籍では1993年以降一定という仮定の下で700人と予測された。AIDS患者累積数は日本国籍では1998年末で925人と報告されており、2003年末では3,300人と予測された。外国国籍では1998年末で361人と報告されており、2003年末では900人と予測された<BR>。結論: HIV/AIDSの2003年末までの将来予測値を示した。
著者
松代 平治 田知本 正夫 福富 雅夫
出版者
石川県公立大学法人 石川県立大学
雑誌
石川県農業短期大学農業資源研究所報告 (ISSN:09153268)
巻号頁・発行日
vol.1, pp.22-31, 1989 (Released:2018-04-02)

石川県の水田転換畑の主要作物であるダイズの共生窒素固定活性を,加賀地方の主要な三つの土壌型について比較した.窒素固定量の評価には二組の根粒着生,非着生の等質遺伝系統(A62-1,A62-2;T201,T202)を用い,根粒着生系統との比較に奨励品種"エンレイ"も供試した.またその活性に影響する要因を明らかにするために,各土壌のダイズ根粒菌群の共生窒素固定活性を,土壌の理化学性の影響を除いた条件で調べた.更に各土壌から分離した純粋培養のダイズ根粒菌の窒素固定力も測定した.その結果,ダイズの共生窒素固定活性の土壌間の順位は,等質遺伝系統と"エンレイ"とでは異なった.なお"エンレイ"の場合,その順位は灰色低地土&gt;黒ボク±≧黄色土となり,しかも窒素固定量は等質遺伝系統よりもかなり多かった.これらの結果から,等質遺伝系統の選定には"エンレイ"と生育期間,草型の同じ系統を選ぶ必要があることがわかった.次に土壌のダイズ根粒菌群の共生窒素固定活性は,灰色低地土と黒ボク土の間ではほとんど差がなく,黄色土の活性だけが劣った.しかしこれら三つの土壌から分離した大部分のダイズ根粒菌の窒素固定力には差がなく,黄色土から分離された1菌株だけが特異的に窒素固定力が高かった.以上の結果から,供試土壌でのダイズの共生窒素固定活性に対しては,土壌条件の影響のほうが根粒菌本来の窒素固定活性の影響よりも強く,その土壌条件の中で生物的要因についても調べる必要のあることが明らかになった.
著者
福富 雅夫 平形 〓 浜田 正博
出版者
関西病虫害研究会
雑誌
関西病虫害研究会報 (ISSN:03871002)
巻号頁・発行日
vol.24, pp.20-27, 1982

本報告はブラジル国パラ州トメアスー地方の篤農家について聞き取り調査により, <I>Fusarium solani</I>, β-typeの菌に基因する根腐病および胴枯病の過去における発生の実態を調べた結果である.<BR>1) 本病発生に関係がみられなかった要因-挿穂母樹の樹令, 枝令, 挿穂の節数, 圃場における定植間隔, 植穴の大きさ, 土性, 地形, 通風, 前作植物 (コショウを除く) の種類などは本病発生に影響しなかった.<BR>2) 本病発生に関係のあった要因-苗床に表土を用いた場合, 堆肥などを混用した場合は心土盛土の場合に比して育苗中の根腐の発生が多くなった. 焼土を高く盛土した苗床では種々病害の発生が少なくなった. 重粘土質の排水不良の圃場, 有機質肥料および敷草施用ならびに草生栽培は本病の発生を助長する傾向にあった. 無肥料, 極端な少肥, 年6~7回の分施, 燐酸, カリ主体の極端な窒素少量施用, 鶏糞単用などは一般に胴枯病の発生を減ずる傾向にあった. 特に, 雨季に1度に多量の施肥は本病が激発する傾向にあった. 樹令と本病発生との間には明瞭な関係があり, 1~2年木では本病の発生はほとんど見られないが, 3年木より多発し始めた.<BR>3) 本病発生の地域的推移一根腐病はコショウ栽培の当初より点発的に発生していた. 胴枯病は1962年にブレウで始めて発生が見られた. 初発地よりの距離と根腐病, 胴枯病の初発年との間には高い正の相関が認められ, 年速3.9±2.9kmの速さで新しい移住地へと拡がって行った. 以前はコショウ栽培開始後約20年を経て病害の発生を見ていたが, 現在では3~5年木ですでに激発している.<BR>4) 本病発生の季節的消長-毎年3月頃より発生が見られ, 5~7月に激発した. 感染は雨季に入った1月~2月より盛んに起っていた. 乾季には新しい感染はほとんどないようである.
著者
上田 哲行 架谷 成美 西屋 馨 宮川 泰平 嶋田 敬介 福富 宏和 水田 陽斗 酒井 亮輝
出版者
石川県立大学
雑誌
石川県立大学研究紀要 = Bulletin of Ishikawa Prefectural University (ISSN:24347167)
巻号頁・発行日
no.2, pp.1-10, 2019-03

絶滅危惧種イカリモンハンミョウは、日本では九州と本州だけに分布する。本州では能登半島の1カ所の海岸にのみ生息する。能登半島では一時絶滅したと考えられていたが、1994 年に現生息地の海岸で再発見された。2012 年から2018 年に行った成虫調査では、再発見当初1800 頭近い個体数が記録されていた海岸北部で最初の3年間はほとんど発見されない状態が続き、その後、緩やかに増え始め2018 年に急増したことが確認された。海岸南部と中央部では、最初の2年間は発見当初とほぼ同じ個体数が維持されており、2014 年から急速に増えたことが確認された。このように能登半島の個体群は、ここ数年は増加傾向にあるが、2010 年前後の著しい個体数低下がボトルネックとなり、遺伝的多様性が低下していることが示唆されている。