著者
細川 瑠璃
出版者
『年報 地域文化研究』編集委員会
雑誌
年報地域文化研究 (ISSN:13439103)
巻号頁・発行日
no.20, pp.68-89, 2016

Pavel Alexandrovich Florensky (1882-1937), philosopher, priest, scientist and mathematician, showed a unique cosmology in Imaginary points in geometry. He argues that from the viewpoint of the theory of general relativity the cosmos must be closed non-Euclidean space. His conclusion is that the Ptolemaic system, central to the cosmos of Dante's Divine Comedy, is valid. This study addresses the interpretation of Florensky's cosmology, focusing especially on his thought related to mathematics and space. The cosmos, for Florensky, consists of two spheres: the terrestrial sphere, which real number represents, and the celestial sphere, which imaginary number represents. These two spheres are united discontinuously and form the whole. The essential concepts in Florensky's mathematical thought are discontinuity and actual infinity. Under the influence of Nikolai Bugaev(1837-1903), a prominent mathematician in the 19th century, Florensky studied discontinuous function and then applied the concept of discontinuity to various studies beyond mathematics. Florensky argues that the concept of continuity is dominant in every field in the 19th century. However, not all phenomena are explained by continuity and furthermore, discontinuity precedes continuity. Non-Euclidean space is discontinuous on his view. Actual infinity, the concept of which was invented in the set theory of Georg Cantor, is related to discontinuity. While potential infinity is conceived as infinite process, actual infinity, which is larger than any other number, is regarded as a mathematical real existence. Florensky expands the concept of actual infinity into the theological thought and describes God as actual infinity. Florensky's cosmology, which is featured by non-Euclidean space and discontinuity, must be seen as an attempt to overcome the values of the 19th century and to visualize the whole relation between the earth and God, describing God as actual infinity.
著者
安藤 邦雄 佐々木 弘 細川 知良 縄田 喜治
出版者
天然有機化合物討論会実行委員会
雑誌
天然有機化合物討論会講演要旨集 18 (ISSN:24331856)
巻号頁・発行日
pp.317-323, 1974-10-01 (Released:2017-08-18)

Molecular structure and absolute configuration of 4-o-ethyl ascofuranone (C_<23>H_<28>O_5Cl・C_2H_5) were determined by X-ray crystal structure analysis. Crystal structure was solved by the multisolution method. Dihydro-2,2-dimethyl-furan-3-one ring in the molecule adopts an envelope conformation, and the spatial configuration around the asymmetric carbon on the ring is Sinister according to the notation by Cahn, Ingold and Prelog. ORD and CD spectra were consistent with the ketone octant rule which predicted negative Cotton effect for the carbonyl n-π transition. Proton NMR spectra indicated that the ring was rigid, and its conformation in the solution was approximately identical to that in the crystal. All these results are the first stereochemical data on dihydro-2,2-dimethyl-furan-3-one ring in natural product.
著者
萩野谷 俊平 倉石 宏樹 花山 愛子 小林 正和 細川 豊治 杉本 貴史
出版者
公益社団法人 日本心理学会
雑誌
心理学研究 (ISSN:00215236)
巻号頁・発行日
pp.88.16011, (Released:2017-01-14)
参考文献数
52
被引用文献数
1 2

Studies of geographic profiling (GP) have generally investigated the efficacy of two categories of GP strategies for predicting an offender’s base. These strategies can be classified as follows: (a) spatial distribution strategies, assessed by center of the circle hypothesis, mean center, median center, and the center of minimum distance, and (b) probability distance strategies, assessed by linear, negative exponential, logarithmic, and lognormal distributions. GP strategies were compared based on the data of 333 residential burglars who had committed at least three offenses in the Tohoku region during the years 2004-2013. Search area (total area that is searched before locating the offender’s base) was utilized as an index for accuracy measure. The results demonstrated that probability distance strategies are more accurate than spatial distribution strategies. We conclude that this is because probability distance strategies captured crime patterns of residential burglars more precisely than spatial distribution strategies.
著者
窪田 泰夫 宗広 明日香 小浦 綾子 白髭 由恵 横井 郁美 前田 麗子 石川 絵美子 細川 洋一郎 森上 純子 森上 徹也 中井 浩三 米田 耕造
出版者
日本皮膚科学会西部支部
雑誌
西日本皮膚科 (ISSN:03869784)
巻号頁・発行日
vol.74, no.6, pp.630-635, 2012-12-01 (Released:2013-02-26)
参考文献数
7

ダラシン® T ローション 1 %はざ瘡の炎症性皮疹に対して有効性と安全性が確認された外用抗菌剤である。今回,炎症性皮疹を有する成人ざ瘡患者 23 例に,ダラシン® T ローション 1 %を 8 週間,半顔には直接塗布により,また対側半顔にはコットンパフを用いて塗布し,炎症性皮疹の減少率と安全性,また刺激感や使用感等に対する患者自身による評価を比較検討した。その結果,コットンパフ使用法および直接塗布法ともに開始時と比較して外用開始 8 週後には炎症性皮疹減少率が有意に高かった。しかし両群間の炎症性皮疹の減少率において 4 週後,8 週後に有意差は認められなかった。全症例において特記すべき有害事象はなかった。患者自身による評価では,両群間の治療効果・使用感・刺激感に有意差は認められなかったが,70 % (16 例/23 例) の患者が「医師から具体的な塗布方法について説明を受けて良かった」と回答していた。これはざ瘡外用治療の際に医師が患者に外用方法の具体的な説明・指導をすることが患者の治療満足度を向上させるためにも重要であることを示唆していると思われた。また,液状のざ瘡外用治療薬とコットンパフを用いて塗布する方法は日常の化粧行動でコットンパフの使用に慣れている「大人の女性」のざ瘡患者には勧めやすいものと思われた。≥
著者
赤澤 仁司 小川 真 曺 弘規 細川 清人 中原 晋 堀井 新 猪原 秀典
出版者
The Japan Broncho-esophagological Society
雑誌
日本気管食道科学会会報 (ISSN:00290645)
巻号頁・発行日
vol.65, no.4, pp.322-329, 2014

混合性喉頭麻痺とは,声帯麻痺に他の脳神経麻痺を合併したものであり,多彩な臨床症状を呈する。今回われわれは,頭部外傷の後,高度嚥下障害を発症した両側の混合性喉頭麻痺症例に対して手術的加療を行い,良好な結果を得たので報告する。症例は78歳男性。木から転落して頭部を打撲し,救急救命専門施設に搬送された。頭部CT検査において,くも膜下出血および右側頸静脈孔・舌下神経管周囲に骨折が認められた。全身状態および意識レベルの改善の後,失声・嚥下障害が判明した。嚥下障害の治療のため当科に紹介受診された。内視鏡検査下に,右声帯は傍正中位に,左声帯は中間位に完全固定していた。嚥下造影検査において,バリウム嚥下を試みるも嚥下反射は全く生じなかった。嚥下改善目的に両側輪状咽頭筋切断術・喉頭挙上術・気管喉頭分離術・喉頭閉鎖術を施行した。術後,肉の塊を除く多様な形態の食物が摂食可能となった。また後日プロテーゼを挿入して言語コミュニケーションが可能となった。以上より,複数の脳神経損傷に起因する咽喉頭の機能障害であっても,種々の機能外科的手術を適切に組み合わせることにより生活の質の改善が期待できると考えられた。
著者
細川 雅人
出版者
医学書院
雑誌
訪問看護と介護 (ISSN:13417045)
巻号頁・発行日
vol.14, no.7, pp.602-605, 2009-07-15

高齢者の場合,認知症か体力の低下で掃除ができなければ家事援助を利用できる。ゴミ捨てができないときは近所の人に頼んでもよい。ところが,室内がゴミであふれていても援助を拒み,説得も受け入れない人がいて,周囲に迷惑を及ぼすようになると相談が寄せられる。 若い人の例を調査すると,ほとんどが自閉症をともなう知的障害者であったことから,高齢者の場合でも,広汎性発達障害による例がかなり含まれていると考えている。特に,若いときから家の中にゴミが散乱していた人や,わざわざ粗大ゴミを拾ってくる人の場合はその可能性が高いと推定するが,精神科医による診断や心理検査による裏付けがほとんど得られないので,実態はよくわからない。
著者
細川幽斎 注
出版者
柏屋九郎左衛門
巻号頁・発行日
vol.[3], 1662
著者
細川 宗孝
出版者
京都大学農学部附属農場
巻号頁・発行日
no.23, pp.7-12, 2014 (Released:2015-06-24)
著者
渡邊 法男 細川 佐智子 山田 卓也 吉田 知佳子 鈴木 瑛子 安部 成人 伊藤 真也 丹羽 伊紀詠 山村 恵子
出版者
一般社団法人 日本プライマリ・ケア連合学会
雑誌
日本プライマリ・ケア連合学会誌 (ISSN:21852928)
巻号頁・発行日
vol.40, no.1, pp.27-32, 2017-03-20 (Released:2017-03-25)
参考文献数
11

目的:フェンタニル舌下錠(Fentanyl Sublingual Tablets:FST)の有用性および安全性について調査を行い,FSTの適正使用に向けた問題点について検討した.方法:薬学的管理を行ったがん性疼痛入院患者のうち,突出痛に対してFSTを使用した18名を対象に,FST使用前後の疼痛スコアおよび副作用(嘔気・嘔吐,傾眠)の変化について調査した.結果:FST使用前後の疼痛スコアは,投与直前6.4±2.4と比較して,投与30分後3.4±2.8と有意な改善が認められた(p<0.01).傾眠は,投与直前と比較して,投与30分後および2時間後に有意な発現の増加が認められた(p<0.05).嘔気・嘔吐は,有意な変化を認めなかった.FST使用患者9名に口腔乾燥が出現し,口腔乾燥出現時には,疼痛スコアおよび副作用に有意な変化を認めなかった.結論:FSTの適応を判断する上で口腔状態の観察は必須で,十分な口腔ケアを行った上でFSTを使用すべきである.また,傾眠の副作用が高頻度に出現する可能性が示唆された.
著者
金井 宏彰 柳生 清秀 越谷 邦雄 塩見 次雄 田岡 悟 細川 重三
出版者
一般社団法人 日本繊維機械学会
雑誌
繊維機械学会誌 (ISSN:03710580)
巻号頁・発行日
vol.47, no.1, pp.T16-T22, 1994
被引用文献数
1

目的 トップ針布の針先を従来のものより, よりシャープに加工した場合, そのシャープさがシリンダ~フラット間の開繊・除塵等のカーディング性能に及ぼす影響を検討することを目的とした.成果 新しく設計した針先のシャープなトップ針布と従来からの針布との比較実験により, 次のことが明らかになった.(1) スライバ中のネップは, トップ針布の針先をシャープにすることにより著しく減少した.(2) スライバ中のはかすは, トップ針布が新品でしかも針先がシャープな場合, 著しく減少した.(3) 針先がシャープな場合, よろい綿中のくず物および清浄綿の含有率は実験条件に関係なくほぼ一定の水準を維持する.(4) 針布の針先と繊維間の動摩擦係数は, 針先がシャープな方が大きいがスライバ巾の短繊維含有率は変化しない.(5) トップ針布の作用面上の繊維配向状態は, 針先がシャープな方が繊維の配向性がよい.