著者
城戸 真希子 河崎 玲子 細川 知聡 行徳 隆裕 今山 修平
出版者
公益社団法人 日本皮膚科学会
雑誌
日本皮膚科学会雑誌 (ISSN:0021499X)
巻号頁・発行日
vol.114, no.12, pp.1911-1916, 2004

病室の滅菌にはUVC領域の波長254 nmを放射する紫外線殺菌灯(クリーンライザー<sup>®</sup>)が広く用いられているが,その危険性のため本装置は無人状態下の使用が原則である.このたび病室に患者と家族が居る病室で本装置が約30分間作動する事態が発生した.そのうちの一人は暴露側の眼の刺激感と頬部のひりつき感を訴え,以降次第に頬の紅斑は鱗屑を形成し脱落した.同じ装置により照射実験を行ったところ,UVC照射24時間後すでに走査電顕的に角層細胞表面には蛋白変性によると思われる陥凹が生じており,経過と共にケラチンによる紋様は著しく不規則になって脱落した.UVCはDNAに吸収されるため,従来,UVC照射により最初は有核細胞が障害を受け,その変化が次第に角層におよぶとされてきたが,24時間後には既に角層細胞に変化がみられたことから,UVCはケラチンなどの細胞質内蛋白にも直接に影響を及ぼすものと考えた.
著者
細川 明 瀬尾 康久
出版者
The Japanese Society of Agricultural Machinery and Food Engineers
雑誌
農業機械学会誌 (ISSN:02852543)
巻号頁・発行日
vol.37, no.1, pp.86-92, 1975 (Released:2010-04-30)
参考文献数
8

Investigations of different types of banana ripening rooms have been made to collect data for aiming at the automation of process of banana ripening and some discussions were given to current commercial processing of banana ripening.1. Actual conditions of banana ripening rooms concerning CO2 and C2H4 concentration, ripening room temperature, pulp temperature of bananas, relative humidity during banana ripening have been obtained.2. Those data have shown that current processing of banana ripeing in practice is conducted by skilled operators' own way.3. Constant air circulation in a ripening room is remained as a future study for uniformity and more accurate control of room temperature during banana ripening. Combined effects of temperature, concentration of CO2 and C2H4, variety of bananas and other factors as well as individual effect are also left for a further study.
著者
竹田 青嗣 細川 英雄 西口 光一
出版者
言語文化教育研究学会:ALCE
雑誌
言語文化教育研究 (ISSN:21889600)
巻号頁・発行日
vol.16, pp.279-300, 2018-12-31 (Released:2019-05-12)

本稿は2018年1月30日(火)に当学会の特別企画として開催された竹田青嗣氏の主著『欲望論』をめぐる本人による講演とパネルディスカッションの記録である。特別企画の前半は,竹田氏が「言語の本質とは何か」という問題から出発する言語ゲーム論を中心に,言語を用いて共通了解を生み出していくための原理としての『欲望論』の哲学原理について講演した。後半はそれを承け,細川英雄氏と西口光一氏が,『欲望論』を日本語教育の分野におけるそれぞれの問題意識に引き寄せつつ講演し,その後,竹田,細川,西口各氏によるパネルディスカッションを行った。その後,フロアとの質疑応答という形でオープンに議論が展開した。どのような社会を構想するべきなのか。それにはどのような哲学原理が必要なのか。そして,ことばの教育に携わる者は,そのような社会の構想に向けてどのような問題意識を持ち,どのように行動すべきなのか。方法論に先立つ「意味」と「価値」を問う「ことばの教育」の哲学原理について,会場では活発な議論が交わされた。本稿では,紙数の関係から竹田,細川,西口各氏の講演部分は要旨のまとめ,他の部分は談話体による記述とした。本稿によって当日の講演およびパネルディスカッションの内容が,臨場感を持って読者に伝われば幸いである。
著者
南條 壮汰 穂積 裕太 細川 敬祐 片岡 龍峰 三好 由純 大山 伸一郎 尾崎 光紀 塩川 和夫 栗田 怜
雑誌
JpGU-AGU Joint Meeting 2020
巻号頁・発行日
2020-03-13

国際宇宙ステーション(International Space Station: ISS)から、デジタル一眼レフカメラ(デジカメ)を用いて都市や海洋、大気などの様子が撮影され、連続カラー画像が NASA のウェブサイトで公開されている。我々は、公開されている画像の中にオーロラが含まれているものを抽出し、背景として写っている街明かりをマーカーにして地理座標上に投影することによって、オーロラの研究、特に脈動オーロラの広域特性の解析に活用することを提案してきた [Nanjo et al., 2020, submitted]。この ISS からのデジカメ観測は 1 秒以下の時間分解能と、地上全天カメラ 3-4 台分の広い視野を持ち、約10分の間にローカルタイム方向に 4-5 時間分に相当する領域を俯瞰的に撮像することができる。脈動オーロラの明滅周期は 2-40 秒、空間スケールは数 10 km 程度であるため、投影されたデジカメ画像によって、脈動オーロラの時間変動・空間変動の双方を十分に分解することが可能である。本研究では、複数の脈動オーロライベントについて投影された連続画像から明滅周期を導出し、その MLT 依存性についての解析を行ったが、明滅周期が MLT に依存しているという傾向を、すべてのイベントに共通するものとして見いだすことはできなかった。次に、デジカメ画像が RGB の 3 チャネルを持つことに着目し、色の違いについての解析を行った。オーロラの色と RGB チャネルの関係は、最も明るい酸素原子の発光である 557.7 nm が G チャネルに対応し、427.8 nm を代表とする窒素分子のバンド発光が B チャネルに対応すると考えられる。窒素分子を発光させる電子のエネルギーは、酸素原子を発光させる電子のそれに比べて相対的に高いため、B チャネルと G チャネルの輝度の比(B/G 比)を用いて降込電子の特性エネルギーに関する情報が得られるのではないかと考え、複数例について B/G 比の解析を行った。その結果、B/G の比は、1) ディスクリートオーロラの領域よりも脈動オーロラの領域において高くなること、2) 脈動オーロラの OFF-time (暗いタイミング)に対して ON-time (明るいタイミング)で高くなること、3) 真夜中よりも朝側の MLT で高くなること、がわかった。これらの結果は、脈動オーロラ電子のエネルギーについてこれまでに知られている傾向と一致するものであり、デジカメで得られた B/G 比を降込電子エネルギーのプロキシとして使用できることを示唆している。本大会では、ここで得られた結果の背景にあるプロセスを、脈動オーロラとの関連が指摘されているコーラス波動の特性を踏まえて議論する。
著者
南條 壮汰 佐藤 夏雄 穂積 裕太 細川 敬祐 片岡 龍峰 三好 由純 大山 伸一郎 尾崎 光紀 塩川 和夫 栗田 怜
雑誌
JpGU-AGU Joint Meeting 2020
巻号頁・発行日
2020-03-13

国際宇宙ステーション(International Space Station: ISS)に搭載されたデジタル一眼レフカメラ(デジカメ)を用いて、オーロラの連続カラー画像が撮影されており、NASA のウェブサイトで公開されている。我々は、それらの画像の中でも、オーロラの高さ構造を同定できる地球をリム方向に撮影した画像を解析的研究に活用することを提案してきた [Nanjo et al., 2020, submitted]。ISS は約 90 分の周期で地球を周回しているため、MLT 方向に 4-5 時間程度のオーロラの大規模な構造をスナップショットとして観測することができる。大規模構造の一例として、オーロラオーバルの朝側領域において、輝度の高い領域が波を打ったような構造になるオメガバンドが広く知られている。これまでに、オーロラを真下/真上から撮影する様々な地上/衛星観測によりオメガ構造の西側(夜側)は東側(朝側)に対して輝度が高くなることが指摘されている [e.g. Opgenoorth et al., 1994; Amm et al., 2005]。しかし、これらの観測はオーロラを二次元的に捉えるため、高さ構造については明らかにされてこなかった。ISS のリム方向デジカメ観測では、オーロラを斜めに捉えているため、高さ構造を識別できる。その結果、いくつかの事例でオメガ構造の明るい領域の西端と暗い領域の境界線上に、南北方向に 300-600 km 伸びる高さ 200-300 km 程度の壁状のディスクリートオーロラ( “Great Wall” )が存在することがわかった。図に示す通り、Great Wall は、底部が緑色で、上部が赤色に発光する。また、Great Wall は南北半球で共通する現象であることもわかった。磁力線方向に伸びる赤と緑の発光は、広いエネルギー帯の電子が加速されていることを意味するが、これは Amm et al. (2005) の UV 観測で見積もられた降り込みエネルギーの 2-5 keV という狭い範囲の数値とは一致しないものである。これは、彼らが用いた観測機器の時空間分解能が低く、Great Wall の部分を切り分けることが難しかったためであると考えられる。また、オメガ構造の内部では、活発な脈動オーロラが観測されることが多いが、THEMIS 衛星との同時観測により、これらがコーラス波動との波動粒子相互作用により降り込む典型的な脈動オーロラであることがわかった。大会では、オメガ構造に現れる Great Wall を作る電子のエネルギー帯やそれらから示唆される磁気圏-電離圏結合系の電流系ついて議論を行う予定である。
著者
浅見 敏彦 細川 [ヨシ]延
出版者
一般社団法人 日本機械学会
雑誌
日本機械学会論文集C編 (ISSN:03875024)
巻号頁・発行日
vol.61, no.583, pp.915-921, 1995
被引用文献数
6

This paper proposes an expression for design of optimal dynamic absorbers attached to damped linear systems. The classical expressions were derived from the assumption that the primary system has no damping. There are two optimization criteria in the design of the dynamic absorber : the fixed-points theory and the minimum variance criterion. In the fixed-points theory, the dynamic absorber is optimally tuned and damped with respect to the primary system so that the two resonant amplitudes of the main mass are equal. On the other hand, in the latter criterion the area under the power spectrum density curve of the main mass is adjusted to take the minimum value. The new expression proposed in this paper is based on the fixed-points theory. However, there are no fixed points in the resonance curves of the damped linear systems, so the analytic procedure becomes impossible. Therefore a perturbation method is used to obtain the expression, and the accuracy of the solution is discussed.
著者
三好 和康 細川 直登 馳 亮太 清水 彰彦 安間 章裕 鈴木 啓之 藤田 浩二 鈴木 大介 戸口 明宏 大塚 喜人
出版者
一般社団法人 日本感染症学会
雑誌
感染症学雑誌 (ISSN:03875911)
巻号頁・発行日
vol.91, no.4, pp.553-557, 2017

<p>G 群溶血性連鎖球菌(group G streptococcus(GGS))菌血症はA 群溶血性連鎖球菌による感染症と類似した侵襲性の病態を示し,死亡率は3.3~17.3% と報告されているが日本国内からの血液培養陽性症例についてのまとまった報告は少ない.また,これまでにGGS 菌血症の臨床的特徴を検討した報告は複数あるが,市中発症群と院内発症群に区別して臨床的特徴の違いを詳細に検討した研究はない.当院におけるGGS 菌血症の臨床的特徴,および市中発症群と院内発症群で臨床的特徴に違いがあるのかを後方視的に検討することが本研究の目的である.亀田総合病院で2005 年6 月から2014 年9 月にかけて血液培養陽性となったGGS 菌血症の全症例を対象とした.診療録を用いて臨床情報を収集し,市中発症群と院内発症群に区別して後方視的に解析,検討した.期間中にGGS 菌血症を呈した症例は104 症例で,市中発症例が92 症例,院内発症例が12 症例であった.平均年齢は75.4 歳(±17.1)で市中発症群と院内発症群で有意差は認めなかった.蜂窩織炎が全症例の52.9% を占め頻度が最も高く,次にprimary bacteremia が13.5% であった.院内発症群では皮膚・軟部組織感染の占める割合が小さい傾向OR 0.05(95% CI 0.01~0.27;p<0.01)にあり,Primary bacteremia や好中球減少性発熱といった感染巣不明な疾患の割合が大きい傾向OR 16.4(95% CI 4.38~61.2;p<0.01)を示した.当院のGGS 菌血症は他の報告と比較して年齢中央値が高く,primary bacteremia の割合が小さいという特徴を持つことが明らかになった.また,院内発症群では感染巣を特定できない症例の割合が大きい傾向OR 16.4(95% CI 4.38~61.2;p<0.01)を認めた.</p>
著者
阿久津 達也 永持 仁 細川 浩
出版者
京都大学
雑誌
基盤研究(A)
巻号頁・発行日
2018-04-01

今年度は以下の研究を行った。(1) ニューラルネットワークについての原像問題に取り組み、学習した階層型ニューラルネットワークに対し、出力ベクトルから入力ベクトルを求める問題を混合整数線形問題(MILP)として定式化し、MILPソルバーを用いて入力ベクトルを計算する手法を開発した。この手法を実装し、Core i5 1.8GHz CPU上でCPLEXソルバーを用いた予備的な計算機実験を行った結果、入力層が200頂点、中間層(一層)が200頂点、出力層が1頂点の場合に2秒以内で計算結果を得ることができた。(2) ニューラルネットワークの応用面についても研究を行い、遺伝子発現データと他の情報を統合して解析するための2種類の手法を開発した。一つは遺伝子発現データとタンパク質相互作用ネットワークデータを統合して解析する手法であり、タンパク質相互作用ネットワークデータをグラフらプラシアンを用いて2次元点集合に変換し、遺伝子発現データを対応する点の強度とすることにより、各サンプルのデータを画像データとして扱えるようにし、それに対し深層学習による画像解析技法を適用することにより腫瘍細胞の分類を行う。もう一つは遺伝子発現データと遺伝子間の進化的距離を統合して解析する手法であり、進化的距離データに多次元尺度構成法を適用することにより各遺伝子を2次元点集合に変換し、前者と同様の手法を適用することにより、腫瘍細胞のサブタイプの分類を行う。いずれも公開データから取得した遺伝子発現データを用いた計算機実験により、その有用性を示した。(3) 木構造に対する離散原像問題に取り組む事前研究として、無順序木の包含問題(Unordered Tree Inclusion)問題の計算量改善に取り組み、最大次数に関する指数時間依存性を改良することに成功した。
著者
細川 義隆 細川 育子 尾崎 和美 松尾 敬志
出版者
特定非営利活動法人 日本歯科保存学会
雑誌
日本歯科保存学雑誌 (ISSN:03872343)
巻号頁・発行日
vol.61, no.1, pp.10-16, 2018 (Released:2018-02-28)
参考文献数
15

目的 : テアフラビンは紅茶に含まれる渋味成分の一つであり, ポリフェノールに分類される色素成分である. テアフラビンは, 抗酸化作用・抗炎症作用などさまざまな生理活性作用が報告されているが, 口腔上皮細胞に対する作用に関しては不明な点が多く, 十分に明らかにされていない. 本研究では口腔上皮細胞に対するテアフラビンの抗炎症作用について調べることを目的とし, 炎症性サイトカインの一つであるインターロイキン (IL)-27が誘導するケモカイン産生に与えるテアフラビンの影響を明らかとするため検討を行った. 本研究では, Th1細胞浸潤に関与するケモカインであるCXC chemokine ligand (CXCL) 9, CXCL10およびCXCL11産生に着目した. 材料と方法 : 口腔上皮細胞としてTR146細胞を用いた. TR146細胞のケモカイン産生は市販のELISAキットを用いて, テアフラビンにて1時間前処理後にIL-27で24時間刺激を行い, 上清中のCXCL9, CXCL10およびCXCL11産生を測定して検討した. また, IL-27が活性化するシグナル伝達経路に与えるテアフラビンの影響についてWestern blot法を用いて検討した. シグナル伝達経路としては, IL-27が活性化することが知られているprotein kinase B (Akt), extracellular signal-regulated kinase (ERK), signal transduction and activator of transcription (STAT) 1およびSTAT3に着目した. 結果 : テアフラビンの前処理によりIL-27で誘導されたTR146細胞のCXCL9, CXCL10およびCXCL11産生は, 濃度依存的に抑制された. また, IL-27が誘導したAkt, ERK, STAT1およびSTAT3のリン酸化は, テアフラビン処理により抑制された. 結論 : テアフラビンは口腔上皮細胞においてIL-27誘導ケモカイン産生を抑制することにより, 歯周炎組織の炎症を軽減できる可能性が示唆された.
著者
木全 崇 寺西 裕一 細川 貴史 原井 洋明 下條 真司
雑誌
情報処理学会論文誌 (ISSN:18827764)
巻号頁・発行日
vol.61, no.2, pp.339-350, 2020-02-15

IoT(Internet of Things)において生成されるデータを,時刻などの連続値をキーとして保存・処理可能な分散クラウドストレージ上で消費電力の削減を実現する新たな管理・制御手法VNLB-ESを提案する.VNLB-ESは,分散クラウドストレージシステムにかかるストレージ負荷・検索負荷・処理負荷を,仮想ノードを用いて効率的に複数の物理ノード(計算機)に分散させる機能を備える.また,要求される処理に必要となるリソース量が少ない状況では,仮想ノードが稼働しない物理ノードを確保して,停止/一時停止状態とする機能を提供する.これら2つの機能の組合せにより,物理ノード間の効率的な負荷分散を実現しつつ,システム全体の消費電力を大幅に削減する.シミュレーション評価,および,実機を用いた評価により,VNLB-ESが,既存の負荷分散方式と比べて最大で電力消費量を70%程度削減できることを示した.
著者
田港 見布江 冨田 興一 矢野 健二 細川 亙
出版者
一般社団法人 日本乳房オンコプラスティックサージャリー学会
雑誌
Oncoplastic Breast Surgery (ISSN:24324647)
巻号頁・発行日
vol.3, no.1-2, pp.12-18, 2018-09-28 (Released:2018-09-30)
参考文献数
47

人工物を用いた乳房再建では, 一度感染を生じると再手術や抜去につながる可能性も高く, さらには最終的な整容面にも影響を及ぼす可能性がある。SSI予防のための標準的な清潔操作, 術前処置を講じ, 愛護的手技に留意する必要がある。危険因子としては, 喫煙, 肥満, 糖尿病, 大きな乳房, 放射線照射, 術後化学療法, 高齢, 一次再建, 両側再建, 腋窩郭清, MRSA保菌, 高血圧・高脂血症, 免疫不全状態などが知られている。感染の危険度が高い患者群においては, 自家組織再建を含めた適切な術式の選択, 合併症を含めた十分なインフォームドコンセント, および術前計画が重要であると考えられる。また, 感染症例に対する洗浄入れ替えによる救済率は比較的高いが, その後の再感染や被膜拘縮なども懸念され, 救済後の慎重なフォローアップは必要不可欠である。
著者
龍田 希 仲井 邦彦 鈴木 恵太 黒川 修行 細川 徹 佐藤 洋
出版者
一般社団法人日本衛生学会
雑誌
日本衛生学雑誌 (ISSN:00215082)
巻号頁・発行日
vol.68, no.3, pp.189-196, 2013 (Released:2013-09-28)
参考文献数
30
被引用文献数
1 1

Objectives: The Boston Naming Test (BNT) has been used to assess the language development of children in many epidemiology studies, and its usefulness is confirmed. The BNT consists of 60 black and white line drawings of objects and animals. There are no normative data available for this test for Japanese children. The purpose of this study was to collect normative information in Japan and to examine the correlation between the score of the BNT and Intelligence Quotient (IQ) of the Wechsler Intelligence Scale for Children third edition (WISC-III). Methods: The BNT was translated into Japanese and administered in children registered to the birth cohort of the Tohoku Study of Child Development at the age of 84 months. The participants for analysis in this study were 449 children (237 boys, 212 girls). Results: There were four items with percentage scores below 1%; Igloo, Knocker, Muzzle, and Yoke. Many Japanese children could answer ‘abacus’ and ‘compass’, which are difficult for US children. Although the score of the BNT correlated with IQ of the WISC-III (p<0.001), as compared with the previous studies, the correlation coefficient was low. Conclusions: The BNT is quick and easy to use and valuable for researchers in evaluating language ability in children. Since the BNT was developed in the United States, the cultural values of that country are reflected in the BNT score. This implies that the BNT should be modified to fit Japanese population.