著者
藤尾 孝
出版者
一般社団法人映像情報メディア学会
雑誌
テレビジョン (ISSN:03743470)
巻号頁・発行日
vol.13, no.5, pp.194-197, 1959

カラー・テレビジョンの映像を再生するには多重化された映像伝送信号から三つの色, または色差信号を得る必要がある.ここでは任意に選んだ一対の色度軸と, これと組合わせた真空管マトリクス回路から所要の色差信号を得る色デコーダ回路について述べる.
著者
藤尾 孝
出版者
一般社団法人映像情報メディア学会
雑誌
テレビジョン (ISSN:03743470)
巻号頁・発行日
vol.19, no.8, pp.546-553, 1965

カラー信号は輝度信号に搬送色信号が多重化されている.このため, フィルム録画や受像管などの非直線系を通したとき, この搬送色信号成分によって大きな輝度ひずみを生じ, また, それ自体ドットストラクチャとなって妨害する.このため従来, 輝度信号としては, 帯域除波回路または低域〓波回路によって, カラー信号から搬送色信号成分を取り除いたものを用いてきたが, 必然的に輝度信号の高域成分が損なわれ, 画像の解像度が低下する.ここでは, カラー信号の近傍相関を利用し, 解像度の低下しない, 高忠実度の輝度信号を分離する回路方式と, その試験結果について報告する.
著者
元木 悟 柘植 一希 北條 怜子 甲村 浩之 諫山 俊之 藤尾 拓也 岩崎 泰永
出版者
THE JAPANESE SOCIETY FOR HORTICULTURAL SCIENCE
雑誌
園芸学研究 (ISSN:13472658)
巻号頁・発行日
vol.18, no.3, pp.269-279, 2019 (Released:2019-09-30)
参考文献数
25
被引用文献数
1

露地夏秋どりミニトマトのネット誘引無整枝栽培(ソバージュ栽培,以下, ソバージュ)の収量は,主枝1本仕立て栽培(以下,慣行)に比べて,株数が6分の1程度であるにも関わらず,慣行と同等以上の収量が見込める.また,ソバージュは収穫作業以外の作業時間を慣行に比べて有意に短縮できる.そこで本試験では,ソバージュを全国に普及させるため,温暖地の神奈川圃場に加え,ソバージュと同じミニトマトの夏秋どり栽培(ただし,ハウス雨除け夏秋どり栽培)が一般的である岩手および広島圃場おいて,3年間(岩手圃場は2年間),ソバージュと慣行の収量および品質を比較した.また,ソバージュの経済性を検討するため,ミニトマトの夏秋どり栽培の農業経営指標を参考に,各地域におけるソバージュの経済性評価を行った.その結果,露地夏秋どりミニトマトのソバージュにおける収量については,既報と同様,岩手および広島圃場においても単位面積当たりの収量は慣行と同等であり,株当たりの収量は慣行に比べて多かった.ソバージュの品質については,岩手圃場では既報と同様,ソバージュの糖度は慣行と同等か低い傾向であったものの,リコペン含量は栽培法および栽培年の間に一定の傾向が認められなかった.一方,広島圃場では,ソバージュの糖度およびリコペン含量は慣行と同等か高い傾向であった.ソバージュの経済性評価については,広島県の農業経営指標を参考に,本試験で実際に栽培した‘ロッソナポリタン’の可販果収量の月別平均値を用い,既報の作業性の結果を参考に試算した結果,ソバージュの利益は10 a当たり86万~110万円,労働時間は333~568時間,1時間当たりの利益は1,933~2,661円であった.
著者
藤尾 芳久 小高 パトリシア・リリアナ・ヒル 原 素之 秋山 和夫
出版者
日本水産學會
雑誌
日本水産学会誌 (ISSN:00215392)
巻号頁・発行日
vol.54, no.6, pp.969-974, 1988
被引用文献数
3 5

Starch gel electrophoresis was carried out to survey the genetic variation in the haploid lavers of the <i>Porphyra</i> sp. claimed to be <i>Porphyra renera</i>. Eleven enzyme loci were resolved and scored. Eight of the eleven loci were monomorphic, while the three loci, catalase (CAT), glucosephosphate isomerase (GPI) and mannosephosphate isomerase (MPI) showed polymorphism. At the <i>Gpi</i> and <i>Mpi</i> loci, a number of lavers had electrophoretic phenotypes characteristic of heterozygotes.<br> In order to compare with <i>Porphyra yezoensis</i>, the allelic frequencies were calculated on the assumption that the heterozygous phenotypes possessed two alleles. The genetic distance between <i>Porphyra</i> sp. and <i>Porphyra yezoensis</i> was 0.1511, indicating the differentiation of the subspecies level.<br> Electrophoretic phenotypes characteristic of heterozygotes is unexpected, since <i>Porphyra</i> lavers are in a haploid phase. Our findings suggest that the plant is either in the diploid phase or that duplication occurs in one of the chromosome sets.
著者
井上 大輔 宮本 定治 惠飛須 俊彦 藤尾 圭司
出版者
公益社団法人 日本理学療法士協会
雑誌
理学療法学Supplement Vol.46 Suppl. No.1 (第53回日本理学療法学術大会 抄録集)
巻号頁・発行日
pp.H2-193_2, 2019 (Released:2019-08-20)

【はじめに、目的】腰椎椎間板ヘルニア(LDH)患者では多裂筋の組織学的変化が報告され、罹患側にて萎縮が生じる可能性が示されている。一方、MRI画像を用いて多裂筋の萎縮を示した報告も散見されるが、罹患高位と萎縮が生じる明確な部位については一定の見解が得られていない。また、多裂筋を除く傍脊柱筋を検討した研究は少なく、ヘルニアが傍脊柱筋に及ぼす影響は不明である。本研究の目的はLDH患者において傍脊柱筋の筋断面積(CSA)を測定し、罹患高位と萎縮との関連性を明らかにすることである。【方法】対象は 2013年4月から2018年4月に当院整形外科を受診した腰痛を有するLDH患者63名(L4-5:32名、L5-S1:31名、年齢36.8±8.3歳、罹病期間3.4±4.0ヶ月)であった。両側性の下肢症状、多椎間のヘルニア、腰部の手術既往を有する者などは除外した。CSAはMRI画像にてCraigらの報告に準じ、L1からL5の下部椎骨終板およびL5からS1の上部椎骨終板の計7スライスを用い、大腰筋、腰方形筋、脊柱起立筋、多裂筋を罹患側と非罹患側で計測した。得られた各CSAはL4上縁椎体面積で除し正規化した。統計処理は、各スライスの罹患側と非罹患側におけるCSAの比較をMann-WhitneyのU検定およびχ2適合度検定を用い、有意水準は5%とした。【結果】L4-5ヘルニア患者ではL4、L5上縁、L5下縁、S1で、L5-S1ヘルニア患者ではL5上縁、L5下縁、S1で罹患側の多裂筋CSAは非罹患側と比較して有意に低値を示した(p<0.05)。また、L4-5ヘルニア患者ではL4、L5上縁、L5下縁、S1で、L5-S1ヘルニア患者ではL5上縁、L5下縁、S1で罹患側の多裂筋が萎縮している割合が有意に高かった(p<0.01)。一方、大腰筋、腰方形筋、脊柱起立筋は全てのスライスにて罹患側と非罹患側で有意差を認めなかった。【結論(考察も含む)】L4-5およびL5-S1ヘルニア患者において罹患側の多裂筋に萎縮を認めた。多裂筋は棘突起と同高位の脊髄神経後枝内側枝から分節性に神経支配を受けるため、罹患高位に一致した萎縮が生じた可能性がある。LDH患者では多裂筋の筋線維サイズが罹患側で有意に減少すると報告されており、MRI画像上のCSAにおいても組織学的変化が反映されたと考えられた。また、本研究では罹患高位に隣接する多裂筋にも萎縮を認めた。対象者は全例で腰痛を有しており、不活動やreflex inhibitionにより萎縮が生じた可能性がある。一方、大腰筋、腰方形筋、脊柱起立筋は筋の形状や神経分布形態などの観点からヘルニアの影響は受けにくいと推察された。今回の検討により、腰痛を有する単椎間のLDH患者は、罹患側の罹患高位および隣接椎体の多裂筋に萎縮が生じる可能性が示唆された。【倫理的配慮,説明と同意】本発表はヘルシンキ宣言を遵守し、当院倫理審査委員会の承認(承認番号:第30-60号)を得ている。
著者
藤尾 雄策 川合 良岳
出版者
粉体工学会
雑誌
粉体工学会誌 (ISSN:03866157)
巻号頁・発行日
vol.26, no.1, pp.27-32, 1989-01-10 (Released:2010-04-30)
参考文献数
14

The angles of repose of nonglutinous and glutinous rice as typical biological particles were measured by the revolving cylinder test under variable ambiences ranging from air to water.The results were as follows:1) Almost the same angle of repose of glass beads resulted under the ambience in air and in water. When comparing the angle of repose of rice under ambience in water with that in air, angles of repose of 8 and 10 degrees were given for nonglutinous rice and for glutinous rice, respectively. for glutinous rice, respectively.2) As the amount of water was increased, defined as the total kg of water per 100kg of dried rice particles, the angle of repose of rice suddenly increased at 30 to kg of water. When the amount of water was 50 to 150×10-3kg, the angle of repose could not be determined because of strong cohesive force among the particles.3) Both the increase in the bulk volume and the decrease of the apparent density of rice caused by an increase of granule size since the adsorption of water had little on the measures of the angle of repose.4) A strong minus correlation existed between the apparent density and the angle of repose in water up until water was noticed on the surface of the rice granules.
著者
豊坂 祐樹 藤尾 光彦 廣瀬 英雄
出版者
一般社団法人電子情報通信学会
雑誌
電子情報通信学会技術研究報告. R, 信頼性 (ISSN:09135685)
巻号頁・発行日
vol.106, no.306, pp.13-17, 2006-10-13
被引用文献数
1

21世紀人類が直面する恐れのあるパンデミックインフルエンザ,あるいはテロ行為による疫病感染拡散などに対してその社会的影響は極めて大きいことを考えると,リスク回避という面から様々な条件のもとでの疫病感染の拡散状況を事前に知っておくことが望ましい.ここでは,空気を媒体にして人から人へ伝染する疫病を想定した人と人とのネットワーク構造をモデル化した上で,初期感染者から未感染者へと疫病が伝染するシミュレーションを行い,最終的なパンデミック段階の感染者蔓延状況を予測することを行った.このことにより,新たな疫病のアウトブレイクやテロ行為による疫病蔓延に対するリスク回避への準備や対策を講じることが可能となる.
著者
藤尾 豪 椎塚 久雄
出版者
工学院大学
雑誌
工学院大学研究報告 (ISSN:03685098)
巻号頁・発行日
vol.99, pp.119-128, 2005-10-30

This paper presents a software for DJ mixing. Most valuable point of this software is that there are no GUI turntables that the user has to control. Therefore, anyone can easily enjoy listening to the songs that this software mixes. There are two important processes in this method. First, the user acquires the beat positions from the song using sound wave GUI. Then, two songs that are selected at random are mixed automatically on this software, and a WAVE data of the mixed song is folded in the exclusive folder. It is only necessary that the beat positions are acquired by user. However this process is not complicated.
著者
藤尾 久美 井上 莉沙 荻野 枝里子
出版者
一般社団法人 日本耳鼻咽喉科頭頸部外科学会
雑誌
日本耳鼻咽喉科頭頸部外科学会会報 (ISSN:24365793)
巻号頁・発行日
vol.126, no.7, pp.863-870, 2023-07-20 (Released:2023-08-01)
参考文献数
20

COVID-19 嗅覚障害は従来の感冒後嗅覚障害とは異なる臨床像を呈することが判明してきた. その一つに CT 画像上での嗅裂所見がある. われわれは, CT 画像での嗅裂所見に注目し, 臨床研究を行った. 対象96症例に対し, CT 上の嗅裂の閉塞なし, ありの2群に分けて, 年齢, 性別, COVID-19 と診断され, 嗅覚障害を自覚した日から受診までの日数 (以下, 発症から受診までの日数), 異嗅症の有無, 嗅覚障害程度について調査した. 嗅覚検査は Visual analogue scale (VAS), 日常のにおいのアンケート, 基準嗅力検査, 静脈性嗅覚検査 (アリナミンテスト), スティック型嗅覚検査 (odor stick identification test for Japanese: OSIT-J) を行った. さらに, 経過を追えた23例に対し, 嗅覚障害改善の予測因子について探索した. CT での嗅裂閉塞あり群の症例では閉塞なし群より嗅覚障害の程度は高度であった. 治癒までの経過を追えた23症例で, 発症から受診までの日数が予後の予測因子となった. 嗅裂の閉塞所見を認める症例では, 嗅覚障害の程度は閉塞なし群の症例より高度であった. 今回の調査では, 経過を追えた症例での予後因子は発症から受診までの日数となり, 治療の早期加入が必要であること, もしくは嗅覚障害が遷延する症例は難治性が多いことが推測された.
著者
信吉 真璃奈 金生 由紀子 松田 なつみ 河野 稔明 野中 舞子 藤尾 未由希 下山 晴彦
出版者
公益社団法人 日本心理学会
雑誌
心理学研究 (ISSN:00215236)
巻号頁・発行日
vol.89, no.5, pp.507-513, 2018 (Released:2018-12-25)
参考文献数
30
被引用文献数
1 2

The purpose of this study was to develop a Japanese version of the Sensory Gating Inventory (SGI; Hetrick, Erickson, & Smith, 2012) and to examine its reliability and validity. SGI measures abnormalities in the quality of sensory input, heightened awareness of background noises, and poor selective attention at the phenomenological level. The questionnaire was completed by 515 university and graduate students. The questionnaire package included 3 scales; 35 items from the Japanese version of SGI, 27 items from the Japanese version of the Highly Sensitive Person Scale (HSPS; Funahashi, 2011), and 25 items from the Japanese version of the Cognitive Failures Questionnaire (CFQ; Yamada, 1991). Confirmatory factor analysis showed that the Japanese SGI had an acceptable level of internal consistency. Cronbach’s alpha was calculated to examine reliability and showed high values. Correlation analyses showed that the Japanese SGI and Japanese HSPS or CFQ were moderately positively correlated. This study suggests that the Japanese SGI is reliable and valid. It can be used to screen for abnormal sensory gating before physiological or behavioral inspection.
著者
藤尾 慎一郎
出版者
国立歴史民俗博物館
雑誌
国立歴史民俗博物館研究報告 = Bulletin of the National Museum of Japanese History (ISSN:02867400)
巻号頁・発行日
vol.36, pp.255-294, 1991-11-11

考古学からみた江戸は市中を中心に進んだ発掘調査によって全貌が徐々に明らかにされつつある。特に焼物をつかって江戸市民の暮しの復原や武家と町民の比較研究も盛んである。江戸時代の焼物には広域にわたって流通する陶磁器と各地で生産された素焼・瓦質の土器があるが,何を解きあかそうとするかによって資料として選ぶ焼物の種類は変わってくる。今回は江戸時代最大の消費都市である江戸とその周辺に位置する譜代大名の城下町の違いを日常生活のレベルからおさえるために,ゴマやマメを妙る土器である焙烙(ほうろく)を用いて迫ってみたものである。焙烙は底部がきわめて薄くつくられているため,長距離の運搬には向かず,広域流通には不適な土器と考えられるところから,各地でつくられその商圏は非常に狭かったといわれている。したがって焙烙にみられる地域色を追求すれば,その商圏の範囲をおさえることができるし,各地の生活レベルや囲炉裏や竈といった火力施設にあった焙烙がつくられていたと予想されるため,当時の各地の生活の実態を探るうえでも有効な遺物であるといえよう。分析の結果,江戸市中に比べて佐倉では囲炉裏から竈への転換がかなり遅れたことや,江戸とその周辺に中世からつながる工人集団と17世紀に関西から招聘されたとされる関西系工人が存在し,両者が消費のニーズにあわせてしのぎを削っていた状況があきらかとなった。しかし絶対数が多い在地系工人主体の生産がここ佐倉では大勢を占めていたのである。また彼らと歴史上の下総土器作り集団との関連も注目される。江戸時代の煮沸具にみられる地域差が当時の生活状態を反映していたことは,筆者の専門である縄文・弥生時代の生活実態にもつながるものとして大いに期待できる分野である。

1 0 0 0 縄文論争

著者
藤尾慎一郎著
出版者
講談社
巻号頁・発行日
2002