著者
澤田 結基 武田 一夫 川辺 百樹 藤山 広武
出版者
公益社団法人 東京地学協会
雑誌
地学雑誌 (ISSN:0022135X)
巻号頁・発行日
vol.120, no.5, pp.853-863, 2011-10-25 (Released:2012-01-17)
参考文献数
12
被引用文献数
4 8

We conducted an experimental geotour, which was monitored by professional nature guides, to improve our geotour plan and guiding techniques. We asked the nature guides to fill out a questionnaire and give advices to improve the geotours. The experimental geotours were conducted at the Shikaribestu volcano group and Shikaribetu Lake in central Hokkaido, Japan. We explained the geological history of the volcano group and the mechanism of cold talus slopes filled with ice, in as simple terms as possible. However, the nature guides judged our geotours to be “rather difficult”, indicating that our plan and interpretation need to be improved. Based on the results of questionnaires and comments from the nature guides, we propose some ideas to improve the geotour in general: (1) Eliminate technical terms where possible in the explanations; (2) Use clear figures and pictures in explanations; and, (3) Make a story to connect all the geosites included in a tour. To improve guidebooks: (1) Use bird's-eye view map or other 3D maps instead of contour maps to make it easy to understand the landform; (2) Add glossary of technical terms and scale of geologic time; and, (3) Send the guidebook to participants before the geotour. These ideas may help to deepen the participant's' understanding and to achieve high-level of satisfaction among participants.
著者
中谷 幸夫 藤山 昌三
出版者
山口県農林総合技術センター
雑誌
山口県農林総合技術センター研究報告 (ISSN:21850437)
巻号頁・発行日
no.2, pp.43-48, 2011-03

化学合成農薬及び化学肥料を50%以上削減するエコやまぐち農産物認証制度に対応したブドウの防除体系を確立するための試験を実施した。1 簡易被覆栽培においては、開花前まで化学合成殺菌剤を散布しなくても、ベと病、黒とう病の発生は認められなかった。2 植調剤の1回処理を行い、さらに粒数回数を1回のみとして早期に袋かけを行うことで、袋かけ前の防除を1回削減できた。また、摘粒回数を1回のみとすることで、摘粒時間は約35%短縮された。3 作成したエコ50用防除体系の防除効果及び果実品質は、慣行の県防除例と同程度であった。また、エコ50用防除体系の生産コストは、慣行の県防除例に対し、10a当たり約3万円削減されるという試算結果が得られた。
著者
藤山 英樹
出版者
数理社会学会
雑誌
理論と方法 (ISSN:09131442)
巻号頁・発行日
vol.24, no.1, pp.109-119, 2009-05-25 (Released:2010-01-08)
参考文献数
13

本稿では、温泉地域の中心的な組織である旅館に注目し、「地域の異質性および規模」と「地域公共活動」との関係について実証分析をした。「地域公共活動」については、より具体的には、「自治活動」、「旅館組合活動」および「祭り関連の活動」を取り上げた。 調査地域は、長野・山形・群馬・新潟の4県であり、対象は10軒以上の宿泊施設で構成されている旅館組合に加盟している全ての宿泊施設である。有効回答率は51.4%であった。 推定結果から、第1に地域の異質性は自治活動に負の相関があり、第2に地域の規模は組合活動に負の相関があることが示された。解釈は以下の通りである:自治活動といった目的がより漠然とした活動においては、地域の異質性に起因するコミュニケーションコストの高さが大きな影響を与える。他方、組合活動のような目的が決まっている活動では、コミュニケーションコストの効果は小さくなり、公共財としての性質が強くなり、より規模の大きい組織でより多くのフリーライドが生まれる。
著者
阿久津 純 藤山 家徳
出版者
国立科学博物館
雑誌
国立科学博物館専報 (ISSN:00824755)
巻号頁・発行日
no.15, pp.p49-52, 1982-12

The fossil lake of Oshino, northeast of Mt. Fuji, was caused by damming up of the Oshino lava, a basaltic lava flow of My. Fuji Volcano. The lake deposits of Oshino, about 11-12m in thickness, lie at a depth of 12-25m and dated 7,150±140 years B. P. by the ^<14>C method. The geological sequence in and around the Oshino basin and the pollen flora and the insect fauna of the deposits are reported in another paper in this volume. Forty-five species of fossil diatom are identified, and the most dominant species among them is Stephanodiscus dubius which has not yet been reported from recent lakes in Japan. Other planctonic species include Cyclotella comta, Fragilaria construens, Melosia granulata, Stephanodiscus astrara and Tabellaria fenestrata. Other spiecies are all epiphytic and occupy less than 10% of total individuals.
著者
藤山 直之 幡野 喜子 杉山 和宏
出版者
一般社団法人電子情報通信学会
雑誌
電子情報通信学会技術研究報告. EID, 電子ディスプレイ (ISSN:09135685)
巻号頁・発行日
vol.105, no.314, pp.33-36, 2005-09-28
被引用文献数
1

デジタルカメラの普及に伴い, 撮像画像の手ぶれ補正処理の必要性が高まっている.本稿では, 静止画手ぶれ補正に対して画像修復アルゴリズムの適用を検討した.画像修復アルゴリズムは, 劣化画像の修復問題であることから, CCD平面における像の振れを, インパルス応答関数として捉えることで, 手振れ補正処理を行うことができる.しかし, 有限領域の離散データに対してアルゴリズムを適用するだけでは, 所望の解を導くことはできない.そこで, 定義された劣化画像の領域よりも外側に, 数学的画像モデルに適合するようなデータを埋め込むことで, 所望の解が導けることを数値実験により示した.
著者
藤山 開三
出版者
The Japanese Society of Health and Human Ecology
雑誌
民族衛生 (ISSN:03689395)
巻号頁・発行日
vol.27, no.5, pp.417-444,A24, 1961 (Released:2010-11-19)
参考文献数
16

Statistical investigations were made on relations between the infant mortality and the social biological factors as a previous paper. The infant death rate was 44.3 (male 48.6, femal 39.9), the neonatal death rate was 22.4 (male 24.5, femal 20.3).The neonatal death rate of premature infant was ten times higher than that of mature infant. The death rate fo premature infant was 194.1 and existed obvious difference between in case of male and in case of female. The death rate of premature infant was the lowest in the third born and in the mother's age from 25 to 29.
著者
藤山 新
出版者
日本スポーツとジェンダー学会
雑誌
スポーツとジェンダー研究 (ISSN:13482157)
巻号頁・発行日
vol.1, pp.15-26, 2003 (Released:2023-06-23)
参考文献数
8

This paper discusses gender relations in the context of boat racing in which both male and female players compete together. This situation is used as an example of partially equal gender relations, as seen by post-structuralism gender theory. This theory perceives the physical sexual differences between men and women as being created differences. Even in this situation where mixed competition is achieved, gender differences still exist. Examples include regarding physical sexual differences between males and females as being absolute differences, the system in which the women's league competition is separated from the mainstream boat races, and the tendency of the media to feature female players in a manner unrelated to the actual racing. In short, there is no system that assures the equality and fairness of the results. Therefore, gender equality in the form of mixed competition does not necessarily assure equal gender relations in other areas. In order to establish equal gender relations in sport, at least gender-based differences in participations in competitions must be eliminated, and a system to maintain the equality and fairness of competition results must be established. The issue of treating all players equally, regardless of gender, remains to be resolved in each competitive sporting arena.
著者
一宮 一夫 佐川 康貴 山本 武志 藤山 知加子 千々和 伸浩
出版者
大分工業高等専門学校
雑誌
基盤研究(A)
巻号頁・発行日
2022-04-01

石灰石を主原料とするセメントは,製造時のCO2の大量排出,天然資源の消費抑制の点で課題がある。一方,セメントと同等以上の性能を有し,国内外で研究開発が進行中のアルカリ活性材料(AAMs)は,石炭火力発電が縮小・廃止されると,主要材料のフライアッシュ(石炭灰)の確保が困難になる。本研究では,火山堆積物や木質バイオマス灰などの各種未利用資源をAAMsへ適用するための,材料調整方法や施工法を開発する。
著者
末廣 栄一 藤山 雄一 杉本 至健 五島 久陽 篠山 瑞也 小泉 博靖 石原 秀行 野村 貞宏 鈴木 倫保
出版者
一般社団法人日本脳神経外科コングレス
雑誌
脳神経外科ジャーナル (ISSN:0917950X)
巻号頁・発行日
vol.26, no.3, pp.178-184, 2016 (Released:2017-03-25)
参考文献数
17
被引用文献数
4 2

One Week Study 2012 (日本頭部外傷データバンク) によると, 軽症・中等症頭部外傷は入院を要する頭部外傷の86%を占め, 頻繁に遭遇する病態である. 中等症頭部外傷においては15%, 軽症頭部外傷においては7.6%の割合で重症化し, 外科的治療が必要となっており, 軽視せずに慎重な判断や対応が重要である. 入院後は, 重症化の危険因子を踏まえたうえで, 積極的な経過観察が重要となる. 頭蓋内病変の有無や重症化の予測ツールとしてS-100B proteinやD-dimerなどの血液biomarkerが注目を浴びており, 自験例も含めて紹介する. 軽症・中等症頭部外傷においては, “重症化” への対応と同様に, 高次脳機能障害や脳震盪後症候群などの社会的問題への対応も重要である. 今後, 脳神経外科医が真摯に取り組むべき分野である.
著者
影山 玲子 中澤 慎介 青島 正浩 藤山 俊晴 伊藤 泰介 戸倉 新樹 本田 哲也
出版者
公益社団法人 日本皮膚科学会
雑誌
日本皮膚科学会雑誌 (ISSN:0021499X)
巻号頁・発行日
vol.131, no.4, pp.707-711, 2021-04-20 (Released:2021-04-21)
参考文献数
9

特発性後天性全身性無汗症(AIGA)の診断には,ミノール法を代表とするヨードデンプン反応を利用した温熱発汗試験が一般的である.通常,同試験では全身皮膚への試薬塗布が行われるが,全身への試薬塗布は患者・医療者双方にとって肉体的・時間的負担が大きい.当科ではそれらの問題を解決するため,同試験を12カ所のスポットで施行している(スポット法).スポット法により診断されたAIGA 30例の解析から,AIGAでの無汗・低汗部位として上腕・前腕・大腿・下腿の四肢で最も頻度が高いことが示唆された.
著者
藤山 あやか Ayaka Toyama
出版者
滋賀文教短期大学
雑誌
滋賀文教短期大学紀要 (ISSN:09126759)
巻号頁・発行日
no.22, pp.29-38, 2020-03

ドイツ連邦共和国・ハンブルク州の基礎学校 "Glundschule" に導入されている器楽教育プロジェクト "Jedem Kind ein Instrument(どの子どもたちにも一つの楽器を)" (以下、 JeKi) について、その教育理念や概要を述べる。 現地調査(2019年3月, 同年9月)では、①ハンブルク州における JeKi の運用、②基礎学校3・4年生対象の授業見学、③ハンブルク教育省 JeKi 部門主任ガブリエラ・フスラーゲ氏および講師インタビューを行うことができた。当該プロジェクトの効果検証について、ドイツ連邦教育研究省よりストレス対応力と自己肯定感の向上が明らかにされており、特に教育環境に恵まれない、あるいは経済的に困難な家庭の子どもたちにおいて効果が高いことが示されている。これらの実態分析により、学校教育の枠組みで実施されている JeKi の取り組みから、多文化共生教育の実現を念頭に置いて展開されているカリキュラムや実際の授業展開および指導法の特質を見出し、わが国における器楽教育への適用の方向性について示唆を得る。
著者
藤山 英樹 鈴木 努
出版者
数理社会学会
雑誌
理論と方法 (ISSN:09131442)
巻号頁・発行日
vol.33, no.1, pp.45-48, 2018 (Released:2019-02-01)
参考文献数
16
被引用文献数
1