著者
安井 雄一郎 藤澤 克樹 笹島 啓史 後藤 和茂
出版者
公益社団法人 日本オペレーションズ・リサーチ学会
雑誌
日本オペレーションズ・リサーチ学会和文論文誌 (ISSN:04534514)
巻号頁・発行日
vol.54, pp.58-83, 2011
参考文献数
20
被引用文献数
1 1

最短路問題はネットワーク上の経路探索などの多くの応用を持ち,また他の最適化問題の子問題として用いられることも多く,適用範囲の広い組合せ最適化問題である.そのため最短路問題を高速に解くことの重要性は非常に大きくなってきている.最短路問題に対する解法としてはダイクストラ法などの安定的かつ効率的な高速アルゴリズムが存在するが,実問題は非常に大規模になるためさらなる高速化が不可欠である.そこで本論文では大規模最短路問題に対し,計算機のメモリ階層構造を考慮しつつ汎用的かつ効率的に高速化を行うための実装方法を示す.さらに論文中では計算機のメモリ階層構造における律速箇所の特定を行うための汎用的な解析方法を示し,高速化の有用性を検証していく.本手法により実装されたバイナリ・ヒープを適用したダイクストラ法は,実行性能,安定性,メモリ要求量などを他の実装と比較すると総合的に最も優れているといえる.また本実装を用いた大規模最短路問題に対するオンライン・ソルバーについても説明を行う.
著者
藤澤 紫
出版者
学習院大学
雑誌
哲学会誌 (ISSN:03886247)
巻号頁・発行日
vol.18, pp.37-60, 1994-06
著者
伊藤 怜子 清水 恵 内藤 明美 佐藤 一樹 藤澤 大介 恒藤 暁 森田 達也 宮下 光令
出版者
日本緩和医療学会
雑誌
Palliative Care Research (ISSN:18805302)
巻号頁・発行日
vol.12, no.4, pp.761-770, 2017 (Released:2017-12-05)
参考文献数
19

質の高い緩和ケアを普及するための対策を検討するにあたり,症状緩和の具体的な目標値を設定するためには,一般市民の自覚症状の実態を把握する必要がある.しかし,これまでに本邦の一般市民における自覚症状の実態を調査した大規模な研究はない.そこで,全国から無作為に抽出した20〜79歳までの一般市民2400人を対象に,郵送による自記式質問紙調査を実施し,Memorial Symptom Assessment Scale(MSAS)を用いて身体,精神症状を多面的に調査した.分析対象は978部(41.1%)で,有症率,症状の強度,苦痛度を性別・年齢階級別に示し,症状の強度とSF-8™による健康関連quality of life(QOL)スコアとの関連を検討した.痛みが46.1%と最も有症率が高く,身体的QOLスコアと相関がみられた(ρ=−0.55).本研究結果は,本邦の一般市民における自覚症状の実態を示した有用な基礎データとなるであろう.
著者
藤澤 泰雄 矢吹 信喜 吉野 博之
出版者
公益社団法人 土木学会
雑誌
土木学会論文集F3(土木情報学) (ISSN:21856591)
巻号頁・発行日
vol.69, no.2, pp.I_63-I_70, 2013 (Released:2014-03-19)
参考文献数
14
被引用文献数
2

土木工学分野における三次元プロダクトモデルの利用は,国土交通省が開始したCIM(Construction Information Modeling)により普及が開始された.CIMでは,計画・調査・設計・積算・施工・維持管理の各分野に渡ってCIMを利用することを目指しているが,その利用方法は開始されたばかりであり関連する研究はほとんど行われていない.CIMにおける三次元プロダクトモデルを設計・積算・施工と連携して利用することによりミスの低減,生産性向上,効率化・品質の向上などに繋がることが期待されている.本研究では,道路橋の下部工を対象に,詳細設計で作成したCIMの三次元プロダクトモデルを発注者側での積算に活用する際の手法を検討し,CIMによる建設生産性の向上を行うためにどのようなことが必要であるかを検討した.
著者
高瀬 雅良 饗庭 絵里子 田中 里弥 藤澤 隆史 赤塚 諭 下斗米 貴之 長田 典子
出版者
日本認知心理学会
雑誌
日本認知心理学会発表論文集 日本認知心理学会第10回大会
巻号頁・発行日
pp.132, 2012 (Released:2012-07-20)

和音は, 音楽聴取で喚起される情動に大きな影響力を持つ。先行研究の多くは単一の和音を対象としているが, 音楽では和音進行が重要な役割を持っていると考えられる。本研究においては, 和音進行聴取時の脳活動と心理的な印象について,fMRI およびSD 法を用いた検証を行った。その結果,長三和音を含む和音進行の聴取によって, 眼窩前頭皮質(BA47)での賦活が 確認された。また, 和音進行の印象には不協和度・モダリティ(長調的/短調的)・緊張度の3因子があることが示された.さらに和音進行前あるいは進行後の和音の印象 に有意な変化が生じる和音進行が存在することが明らかになり,和音進行の結果として得られる印象が,単一の和音によって得られる印象とは 異なることが分かった。長三和音が特に明確な印象を引き起こす和音であることも示され, 脳活動との間にも整合性が見られた。
著者
佐々原 浩幸 木村 功 藤澤 浩子 吉岡 直美
出版者
香川県産業技術センター
巻号頁・発行日
no.8, pp.77-78, 2008 (Released:2011-12-19)

発酵食品および豆類のmyo-、scyllo-、D-chiro-イノシトールの含有量の測定を行った。納豆を除く、分析試料にはmyo-イノシトールが存在していた。D-chiro-イノシトールは大豆、大豆煮汁乾燥物、納豆中にそれぞれ凍結乾燥重100g当たり、312mg、612mg、1,767mg存在した。scyllo-イノシトールは赤ワインにのみ検出された。
著者
藤澤 英和 矢守 恭子
雑誌
朝日大学大学院経営学研究科紀要 = Bulletin of Graduate School of Business Administration, Asahi University (ISSN:13460544)
巻号頁・発行日
no.17, pp.15-19, 2017-03-31

Mizuho city is a region with many rivers, so flood damage has occurred many times. The authors propose an application that shows the route to the appropriate evacuation site safely and with the shortest path of residents. In this paper, we propose not only a safe route, but also an application that displays a shelter where there is a possibility of flooding or an area where there is a danger of flooding. We also propose a platform that integrates evacuation support information that displays hazard maps and weather information. In this thesis, we develop a navigation application to support flood disaster evacuation for Mizuho city, and implement prototype on Android phone.
著者
藤澤 大介
出版者
日本不安障害学会
雑誌
不安障害研究 (ISSN:18835619)
巻号頁・発行日
vol.5, no.2, pp.93-101, 2014-03-31 (Released:2014-05-02)
参考文献数
19

不安は,生命にかかわるような重篤な身体疾患の患者や家族において,とても頻度が高い症状である。不安症状が介入の対象となるのは,①患者が不安を苦痛に感じている場合,②不安に伴う機能障害を生じている場合,の二つの場合である。鑑別診断に引き続き,重症度(苦痛,機能障害の程度),時期(時間とともに自然回復する余地があるか)を評価し,それに応じて支持的な対応で経過をみるか,より進んだ介入を行うかを判断する。全般的な支援(支持的な対応)と専門的な支援(薬物療法,精神療法)を使い分ける。身体予後が厳しい患者の忍容性の低下のため,抗うつ薬や抗不安薬よりも少量の抗精神病薬が第一に選択されることが多い。リラクゼーション法,心理教育,支持的精神療法,認知行動療法,などさまざまな精神療法の有効性が実証されている。代替療法の有効性も実証されつつある。患者が通常最も望んでいるのは,「精神ケア」よりも,「長生きできること」「身体的に元気でいること」などであり,患者が求めている目標に合わせた形で,精神医学的評価と方針を共有できると良いだろう。
著者
畠山 貴充 平野 幸助 中村 雄太 藤澤 彰宏 土屋 貴司 山口 達也 千田 有一 吉村 達也
出版者
一般社団法人 日本機械学会
雑誌
日本機械学会論文集 (ISSN:21879761)
巻号頁・発行日
vol.83, no.851, pp.16-00531-16-00531, 2017 (Released:2017-07-25)
参考文献数
21

In the present paper, development of an automatic spinach harvester is discussed. Our research group has been developing a prototype harvester and many filed tests have been successfully executed. The field test results show that spinach can be picked up automatically without being grasped after their roots being cut at specified position in soil. The harvester equips two degrees of freedom control units, such as the arm length control unit and the arm angle control unit, for controlling a root-cutting blade which follows the specified path under the ground. In the present paper, modeling and control design for the arm length control is discussed. First, a control design model is developed by several system identification techniques. Next, an I-PD controller is designed by the robust control design procedure. Control performance is verified by numerical simulations and field tests.
著者
近藤 直樹 藤澤 純一 荒井 勝光 近藤 利恵 和田 庸子
出版者
一般社団法人 日本臨床リウマチ学会
雑誌
臨床リウマチ (ISSN:09148760)
巻号頁・発行日
vol.23, no.4, pp.323-328, 2011-12-30 (Released:2015-12-30)
参考文献数
7

トシリズマブ使用下に肺炎を生じた関節リウマチの2例を経験した.2例とも臨床症状は肺炎発症前より持続していた(症例1;全身倦怠感,悪寒,発熱,症例2;咳,痰,呼吸困難)が,初診時のCRPは陰性でありトシリズマブ投与の影響でマスクされていた.白血球数および好中球分画の上昇が見られ,肺炎発症前と比較しても高い上昇率を示していたことから,これらは肺炎の診断の一助となると思われた.2例とも肺炎軽快後RA疾患活動性が上昇し1例(症例1)はトシリズマブ再開,1例(症例2)はエタネルセプトへ変更した.
著者
吉末 竜也 中村 一男 劉 暁龍 長谷川 真 徳永 和俊 御手洗 修 図子 秀樹 花田 和明 藤澤 彰英 出射 浩
出版者
電気・情報関係学会九州支部連合大会委員会
雑誌
電気関係学会九州支部連合大会講演論文集
巻号頁・発行日
vol.2011, pp.1-2, 2011

核融合発電では、プラズマの位置・形状制御が重要である。九州大学のプラズマ実験装置QUESTで扱うプラズマは上下方向に引っ張られるため縦長となる。そのため、垂直方向にプラズマが不安定である。これを安定化するために、高速で応答する電源が必要となる。本研究では、逆電圧を考慮して、IGBTとフリーホイールダイオードを組み合わせたものを逆直列に繋ぎ、1つのスイッチとする。それらを合計6個用いて、3相‐単相変換を行うマトリクスコンバータとする。それを、FPGAと組み合わせて入力側力率を1にし、出力電圧を任意波形に変換する実験等を行う。高速・高効率で動作し、高調波の少ない電源をQUESTに適用するために検討していく予定である。
著者
藤澤 彰宏 千田 有一
出版者
一般社団法人 日本機械学会
雑誌
日本機械学会論文集 (ISSN:21879761)
巻号頁・発行日
vol.83, no.850, pp.16-00472-16-00472, 2017 (Released:2017-06-25)
参考文献数
19

This paper describes about path planning for a root-cutting blade of an automatic spinach harvester. Automatic harvesters for spinach have not been widely used among farmers because mechanical harvesting easily spells bruises to stems and leaves. We have been developing the harvester which successfully harvests spinach without bruising stems and leaves. The path which blade moves in soil is very important in order to attain desired performance and to reduce the amount of soil which is pushed by the blade is the most meaningful factor for successful execution. In this paper, first, we discuss about a method to reduce the amount of soil and proposed a constraint equation for the method. Next, an appropriate path of the blade of the harvester is proposed by using the equation. The effectiveness of the proposed path is verified by numerical simulations based on the Discrete Element Method (DEM).