著者
谷本 道哉
出版者
医学書院
巻号頁・発行日
pp.867-870, 2015-09-25

加齢とともに進行する筋萎縮症(サルコペニア:加齢性筋萎縮症)の予防に最も効果的な方法は,筋肉に抵抗をかけるレジスタンストレーニング(RT)である.通常のRTでは高齢者であっても最大筋力の80%程度の大きな負荷強度を用いなければ明らかな筋肥大は生じない.しかしながら高負荷RTには整形外科的傷害や心臓血管系イベントのリスクが少なからずある.本稿では筋発揮張力を維持しながら動作を行うことで,比較的軽負荷を用いて大きな筋肥大効果の得られる筋発揮張力維持スロー法(スロートレーニング)について解説する.
著者
浦木 梨江 山内 敏子 内田 史絵 大川 咲子 岡村 浩子 奥田 真美 谷本 智香 中山 和子 安房田 司郎
出版者
学校法人高知学園 高知学園短期大学
雑誌
高知学園短期大学紀要 (ISSN:03894088)
巻号頁・発行日
vol.32, pp.67-73, 2001-12-25 (Released:2021-05-07)

Recently, there are many books written about many kinds of diet methods. Many of them seem to be injurious to the health or not to get enough effect. We examined whether it is possible or not to propose a better method for diet. We concluded that it is important for the subject to know an elementary knowledge about nutrition and physiology and to lead an active life always taking the seven items into consideration.
著者
谷本 潤 萩島 理 田中 尉貴
出版者
日本建築学会
雑誌
日本建築学会環境系論文集 (ISSN:13480685)
巻号頁・発行日
vol.74, no.640, pp.753-757, 2009-06-30 (Released:2010-01-18)
参考文献数
13
被引用文献数
1

An improved cellular automaton model based on Yanagisawa & Tomoeda , Nishinari (2007) was established, where both Static Floor Field and collision effect were considered. Several model parameters were carefully determined by going through a turning process based on experimental data provided by other previous studies. Both results by simulation based on the model and analytical approach derived from the so-called Mean-Field Approximation proved that the outflow rate from an evacuation exit, usually estimated by the so-called flow coefficient, can be improved by putting appropriate obstacles in front of the exit. This is because the appropriate allocation of obstacles can deflate collision probability at the exit by increasing collisions around the obstacles before the exit.
著者
谷本 丈夫 劉 岩 里道 知佳 大久保 達弘 二瓶 幸志
出版者
森林立地学会
雑誌
森林立地 (ISSN:03888673)
巻号頁・発行日
vol.38, no.1, pp.1-12, 1996-09-15
参考文献数
23
被引用文献数
5

奥日光における森林衰退の実態とその原因を明らかにする目的で,空中写真と踏査により衰退地域の確認や地形との対応,代表的な枯死域から健全域に移り変わる場所の毎木調査を行い,枯死の形態や樹形と地形,土壌などの立地環境要因との関係を検討した。衰退・枯死の発生時期と原因を特定するため,枯死木に近接する生存木の年輪成長経過を調べ,主に台風との関連を解析した。酸性雨・霧の樹木や土壌への影響についても枝葉の変色などを観察した。これらの要素から森林衰退・枯死現象と立地環境との関係,衰退をもたらした原因について考察した。その結果,調査域で観察された枯死木はいずれも小枝が枯れ落ち幹や大枝のみが残る白骨状あるいは倒木になっており,ほぼ同じ形態であった。枯死木の存在する地形は,南東斜面で風の吹き抜ける場所,あるいは北西斜面でも尾根上部で南東風の吹き抜ける位置で,環境条件が類似していた。年輪解析の結果,奥白根山のダケカンバ,赤城のカラマツでは強風域において完全枯死,やや風の弱くなった場所においては枝の折損時の成長減少,その後,枝の再生によると思われる回復が見られた。念仏平,皇海山などの亜高山性針葉樹林では上層林冠の破壊にともなう前生稚樹の成長促進時期が同調し,とりわけ1982年の台風の襲来と一致していた。これに対し山頂風衝部では矮性化したシラベ類が枯れており,旗棹のように変形した樹形から常風的な季節風が枯損の原因と判定された。薙,崩壊地の周辺では季節的な常風に加えて土壌の崩落にともなう根浮き,倒木などでの枯損がみられた。これら以外ではコメツガやシラベ類に寒風害によって葉裏が褐色に変色した個体や落葉現象が認められたが,樹木全体が枯れる現象はなかった。したがって,奥日光の森林衰退は立地環境に対応して発生する風害を引き金とする,亜高山の森林における更新形態の一つであると判定された。
著者
谷本 涼
出版者
一般社団法人 人文地理学会
雑誌
人文地理 (ISSN:00187216)
巻号頁・発行日
vol.69, no.4, pp.425-446, 2017 (Released:2018-02-23)
参考文献数
48
被引用文献数
2 1

日本の都市部では,特に医療・介護サービスへのアクセシビリティの不足と格差が,将来的に問題化することが予想される。本稿では,二段階需給圏浮動分析法によるアクセシビリティ分析と,現在の政策の検討を通じて,都市郊外(大阪都市圏北部)における病床へのアクセシビリティの変容やその問題点を考察した。アクセシビリティの現状分析からは,病床へのアクセシビリティには,供給総量の不足と,移動手段間・地域間での格差という二つの問題が存在することが明らかになった。また,公共交通の改善と病床機能別の病床数調整を想定した2025年のアクセシビリティの将来推計から,「不足と格差」の現実的な解決には,地域の既存の資源を効率的に活用するための,多面的なアプローチが必要となることが明らかになった。加えて,国と都道府県の医療政策による入院患者の削減には,受け皿としての介護施設の容量が大きな問題になる可能性も示された。現在の政策の考察からは,医療・介護へのアクセシビリティの確保には,各自治体の都市計画と専門的・広域的な医療・保健政策の連携の実現が必要であることと,その上で各自治体が自らの都市計画の妥当性を柔軟かつ批判的に検討し続ける必要があることが示された。
著者
市川 啓之 櫻木 悟 藤原 敬士 西原 大裕 辻 真弘 横濱 ふみ 谷本 匡史 大塚 寛昭 山本 和彦 川本 健治 田中屋 真智子 片山 祐介
出版者
公益財団法人 日本心臓財団
雑誌
心臓 (ISSN:05864488)
巻号頁・発行日
vol.50, no.1, pp.60-65, 2018-01-15 (Released:2019-03-28)
参考文献数
11

背景:急性冠症候群(ACS)の急性期には,糖代謝異常を認めることが多い.本研究ではACSの急性期に糖負荷試験を行い,糖代謝異常の経時的変化とその機序について検討した. 方法:対象は,ACSで当院に入院した患者のうち,糖尿病既往がなく,心不全などの合併症のない26名.急性期と亜急性期に75 gOGTTを施行し,インスリン分泌能および抵抗性の経時的変化を調査した. 結果:急性期には糖尿病型の割合が46%と多く存在したが,亜急性期には15%に低下した.急性期から亜急性期にかけて,Insulinogenic indexは有意に上昇した(0.50±0.46 vs 0.91±0.78,p=0.003).一方,HOMA-IRには変化がみられなかった. 結論:ACS患者では糖代謝異常が多く存在し,その原因として,インスリン抵抗性よりもインスリン分泌能の低下が大きく関与していると考えられた.

1 0 0 0 大和高取城

著者
高田徹 谷本進編
出版者
城郭談話会
巻号頁・発行日
2001
著者
川口 博明 笹竹 洋 野口 倫子 秋岡 幸兵 三浦 直樹 武石 嘉一朗 堀内 正久 谷本 昭英
出版者
公益社団法人 日本獣医師会
雑誌
日本獣医師会雑誌 (ISSN:04466454)
巻号頁・発行日
vol.69, no.3, pp.143-146, 2016-03-20 (Released:2016-04-20)
参考文献数
16
被引用文献数
1

近年,動物の乗り物による移動の機会が増えている.動物福祉の観点から,輸送ストレスを軽減する対策が必要になってきている.今回,輸送ストレスによる乗り物酔い症状(嘔吐,流涎,元気消失)を示す11頭の犬に対して,より副作用の少ない輸送ストレス軽減のための新規鍼治療を試みた.この鍼治療は円皮鍼という貼り付けるタイプの鍼を経穴「耳尖(じせん)」に装着する簡便な方法であり,全例の嘔吐,流涎,元気消失を抑制した.今後,獣医診療に鍼治療が利用されていくことが期待される.
著者
磯崎 行雄 谷本 俊郎 平田 岳史 圦本 尚義 丸山 茂徳 中村 保夫
出版者
東京大学
雑誌
基盤研究(A)
巻号頁・発行日
1996

現在の環太平洋地域では、いずれも海洋プレートが大陸プレートの下に沈み込んでおり、典型的なプレート沈み込み帯型の造山帯をなしている。本研究計画の前半では、その造山帯成長を司る二つの主要なプロセス、すなわち付加体の形成と花崗岩帯の形成についての地質学的研究がなされ、日本列島に分布する顕生代の付加型造山帯の基本構造と形成過程が解明された。また、そこで開発された研究手法は、日本列島からみると太平洋の対岸にあたる北米西岸のカリフォルニア州のコルディレラ造山帯においても適用され、新たな成果をあげた。この一般的な造山帯形成過程に対して、都城型造山運動と命名した。これは超海洋の誕生から消滅に及ぶ一つのウイルソンサイクルの中での一般的プロセスと理解される。一方、これらのプレート沈み込み型造山帯の基本的体制が何時成立したのかについては従来不明であったが、本研究後半では、本邦における最古期岩石群の特徴に着目し、それらの起源が約7-6億年前に超大陸ロディニアが分裂した時に出現したリフト帯にあったことを明らかにした。すなわち、日本列島の成長核になる揚子地塊の海洋側に産する5億8千万年前のオフィオライト(西九州および北上山地)が太平洋の最古断片を代表することをつきとめた。この事実は、先に解明した付加型造山帯の成長極性と調和的で、揚子地塊の太平洋側大陸縁が、もともとの受動的なものから、約4.5億年前に活動的大陸縁に転換したことを示す。一つの超大陸の分裂から大海洋が生まれ、同時にそれをとりまく新しい大陸縁辺のグループが生じる。その海洋が面積を拡大していゆくと、やがて地球の反対側で別の海洋が開き始める頃には、もとの大陸縁はプレート収束帯に進化してゆくという大陸縁造山帯の一般的成長プロセスが、日本列島の研究から導かれたことになる。
著者
谷本 奈穂
出版者
The Japan Sociological Society
雑誌
社会学評論 (ISSN:00215414)
巻号頁・発行日
vol.49, no.2, pp.286-301, 1998-09-30 (Released:2009-10-19)
参考文献数
53
被引用文献数
2

従来, 研究対象として無視されがちであった恋愛に関する言説を分析し, 恋愛の社会的物語を明らかにする。また分析素材として雑誌記事を採り上げるが, その方法として, 個々の記事を社会的物語の「断片」と捉え, それらを一つの物語として「復元」するというやり方を提案する。また, その際には物語記号論と物語論を援用する。分析の結果, 見えてきた現代的恋愛モデルは, (1) プロセスが肥大し結末は延期された, (2) 享楽的で苦しみを最小化している, というものである。更に, このモデルを生み出し, また受け入れる読者 (若者) の心性は, 以下のような側面を持つと解釈できる。 (1) 結果よりプロセスを大事にする。 (2) 仲間内でシェルターの中に閉じこもる。 (3) 最終決定を避けようとする。
著者
谷本 太朗 小林 敬明
出版者
日経BP社
雑誌
日経systems (ISSN:18811620)
巻号頁・発行日
no.215, pp.33-37, 2011-03

意図しないシステム停止を抑え、また仮に停止した場合でも迅速に復旧させるには、運用フェーズでシステムの稼働状態を綿密に監視し、異常が見つかったらすぐに対処する必要がある。 ただし、構築が完了したシステムを運用部門や運用監視サービスを手掛けるデータセンターに持ち込めば、それだけで希望通りの可用性が必ず確保されるというわけではない。
著者
喜多 秀行 谷本 圭志 福山 敬
出版者
Japan Society of Civil Engineers
雑誌
土木学会論文集 (ISSN:02897806)
巻号頁・発行日
vol.2003, no.737, pp.147-157, 2003-07-20 (Released:2010-08-24)
参考文献数
15
被引用文献数
2

個人間での意思決定に基づく個人の選択行動を分析する道具としてゲーム理論がある. ゲームを用いてある現象の再現を試みる場合には, 利得を正確に与える必要がある. しかし, ゲームの分析者は利得を観測しえないため, これをどのように推定するかが問題となる. 一方で, ゲームの結果は分析者によって観測可能である. そこで本研究では, 同一の利得関数をもつプレイヤーによって行われる2人ゲームを複数回観測した結果を用いて利得の構造を逆解析する方法を提案する. その際, 離散選択モデルをベースとし, 最尤推定法を用いることで利得を推定しうることを示す.
著者
山口 健太郎 谷本 圭志 長曽我部 まどか
出版者
公益社団法人 土木学会
雑誌
土木学会論文集F4(建設マネジメント) (ISSN:21856605)
巻号頁・発行日
vol.74, no.2, pp.I_173-I_181, 2018 (Released:2019-01-10)
参考文献数
30

今日の社会が抱えている社会的課題の多くは,複数の分野にわたる「子課題」を内包している.防災はその典型であり,高齢者など弱者の支援,被災後のまちづくり,防災投資の経済効果などの子課題を内包している.このような課題の解決に向けては,子課題に精通している専門家が総合的な解決策を模索するための協働的な体制づくりが必要である.しかし,それぞれの専門家の関心を直ちに把握することができないため,適切な構成員の人選には試行錯誤を伴うのが一般である.そこで本研究では,テキスト情報の背後にある関心を解析する手法を用い,専門家が発信するテキスト情報から個々人の関心を定量的に評価し,その結果を活用して体制づくりを支援するための手法を検討する.