著者
谷本 寿男
出版者
恵泉女学園大学
雑誌
恵泉女学園大学紀要 (ISSN:18812554)
巻号頁・発行日
no.23, pp.127-146, 2011-02
著者
谷本 洋
出版者
一般社団法人 電子情報通信学会
雑誌
電子情報通信学会 基礎・境界ソサイエティ Fundamentals Review (ISSN:18820875)
巻号頁・発行日
vol.12, no.3, pp.171-181, 2019-01-01 (Released:2019-01-01)
参考文献数
27

差動対を例にして対称な回路図を持つ回路がどのような性質を有するかを説明し,その性質から差動対を再発明してみる.その過程を通じて,必要な入出力特性を実現するために回路の対称性を利用する実例を幾つか説明する.回路における対称性の有用性と美しさに気づいて頂ければうれしい.
著者
東谷 福太郎 川口 修 御堂岡 あにせ 岩本 有司 松本 拓也 長尾 則男 馬渕 良太 谷本 昌太
出版者
公益社団法人 日本水産学会
雑誌
日本水産学会誌 (ISSN:00215392)
巻号頁・発行日
vol.85, no.5, pp.506-508, 2019-09-15 (Released:2019-09-28)
参考文献数
14
被引用文献数
1

飼育水の塩分が死後硬直へ及ぼす影響を明らかにするため,致死直後から完全硬直に至るまで硬直指数および尾部の垂下角度を算出し,これらの経時変化をモデル化し,海水即殺区,希釈海水即殺区,海水苦悶区で比較した。希釈海水即殺区は海水即殺区と比較して,完全硬直に至るまでの時間に差はなく,海水苦悶区のみ有意に短かった。また希釈海水即殺区は海水即殺区と比較して致死直後の垂下角度が有意に小さかった。飼育水の塩分は死後硬直の進行速度に影響を及ぼさないが,致死直後の垂下角度を有意に低下させることが明らかとなった。
著者
谷本 愼介 Shinsuke Tanimoto
出版者
関西外国語大学・関西外国語大学短期大学部
雑誌
研究論集 = Journal of Inquiry and Research (ISSN:03881067)
巻号頁・発行日
vol.104, pp.31-49, 2016-09

『悲劇の誕生』はニーチェの哲学者としての処女作とされているが、古代ギリシャ悲劇の誕生を論じているのは、全25節のうち第7 、8 節のみであり、古代ギリシャ悲劇の誕生を文献学的に実証しようとした書ではない。本書の正式タイトルは『音楽の精神からの悲劇の誕生』だが、「音楽の精神」という独特の用語はワーグナーが『ベートーヴェン』でくり返し用いたものを借用したものである。また本書で提起される「ディオニュソス的世界観」はバッハオーフェンの「バッカス的世界観」からの借用である。立論に当たってニーチェは先達の発明した概念や命題を借用、活用しながら、「悲劇は音楽の精神から生まれる」という個別命題を一挙に普遍化して、「文化は音楽の精神から生まれる」という前代未聞の画期的な命題を打ち立てた。
著者
谷本 奈穂
出版者
関西大学総合情報学部
雑誌
情報研究 (ISSN:1341156X)
巻号頁・発行日
no.34, pp.39-52, 2011-01

科学は女性と疎遠なものであると捉える認識がある一方で,美容という領域においては,科学は女性をアピールするものとして扱われて続けてきた.本稿は,化粧品広告,および美容雑誌における科学的言説の特徴を考察するものである. 考察の結果,第二次世界大戦以前の科学とは,西洋を模範とする衛生を目指すものであったのに対して,1980年代以降の科学とは,成分を全面に押し出すものであると分かった.また80年代以降,一方で科学そのものが権威として機能し,それへの信仰や依存があること,ところが他方で,科学がわざわざ自然と融合した形で表現されることも見いだした. つまり,近年の科学信仰の中には,科学に対する潜在的な不安も同時に存在する.そこで,不安を和らげるような自然物イメージが,科学に付与されることになる.科学と自然が共犯関係を結ぶことで,より強固な科学信仰を生み出すというパラドックスが,美容の科学における言説に発見できる. People commonly think that women have been alienated from the fi eld of science, however the science of beauty (for example, cosmetics) has appealed to women. In this study, I attempt to explore the features of scientifi c discourse in advertisements on cosmetics and in beauty magazines.Through this analysis, I fi nd that people believe ads' science claims and have trusted science blindly since 1980's, whereas before World War II , we focused on hygiene modeled upon the West. I also fi nd that scientifi c words are tied with natural images.Blind faith in science, ironically, leads to potential distrust of science. To ease this anxiety, natural images are associated with scientifi c words.In analyzing the beauty science discourse, I examine the paradox that belief in science is strengthened by its unscientifi c association with natural images.
著者
三木 文雄 生野 善康 INOUE Eiji 村田 哲人 谷澤 伸一 坂元 一夫 田原 旭 斎藤 玲 富沢 磨須美 平賀 洋明 菊地 弘毅 山本 朝子 武部 和夫 中村 光男 宮沢 正 田村 豊一 遠藤 勝美 米田 政志 井戸 康夫 上原 修 岡本 勝博 相楽 衛男 滝島 任 井田 士朗 今野 淳 大泉 耕太郎 青沼 清一 渡辺 彰 佐藤 和男 林 泉 勝 正孝 奥井 津二 河合 美枝子 福井 俊夫 荒川 正昭 和田 光一 森本 隆夫 蒲沢 知子 武田 元 関根 理 薄田 芳丸 青木 信樹 宮原 正 斎藤 篤 嶋田 甚五郎 柴 孝也 池本 秀雄 渡辺 一功 小林 宏行 高村 研二 吉田 雅彦 真下 啓明 山根 至二 富 俊明 可部 順三郎 石橋 弘義 工藤 宏一郎 太田 健 谷本 普一 中谷 龍王 吉村 邦彦 中森 祥隆 蝶名林 直彦 中田 紘一郎 渡辺 健太郎 小山 優 飯島 福生 稲松 孝思 浦山 京子 東 冬彦 船津 雄三 藤森 一平 小林 芳夫 安達 正則 深谷 一太 大久保 隆男 伊藤 章 松本 裕 鈴木 淳一 吉池 保博 綿貫 裕司 小田切 繁樹 千場 純 鈴木 周雄 室橋 光宇 福田 勉 木内 充世 芦刈 靖彦 下方 薫 吉井 才司 高納 修 酒井 秀造 西脇 敬祐 竹浦 茂樹 岸本 広次 佐竹 辰夫 高木 健三 山木 健市 笹本 基秀 佐々木 智康 武内 俊彦 加藤 政仁 加藤 錠一 伊藤 剛 山本 俊幸 鈴木 幹三 山本 和英 足立 暁 大山 馨 鈴木 国功 大谷 信夫 早瀬 満 久世 文幸 辻野 弘之 稲葉 宣雄 池田 宣昭 松原 恒雄 牛田 伸一 網谷 良一 中西 通泰 大久保 滉 上田 良弘 成田 亘啓 澤木 政好 三笠 桂一 安永 幸二郎 米津 精文 飯田 夕 榊原 嘉彦 螺良 英郎 濱田 朝夫 福山 興一 福岡 正博 伊藤 正己 平尾 文男 小松 孝 前川 暢夫 西山 秀樹 鈴木 雄二郎 堀川 禎夫 田村 正和 副島 林造 二木 芳人 安達 倫文 中川 義久 角 優 栗村 統 佐々木 英夫 福原 弘文 森本 忠雄 澤江 義郎 岡田 薫 熊谷 幸雄 重松 信昭 相沢 久道 瀧井 昌英 大堂 孝文 品川 知明 原 耕平 斎藤 厚 広田 正毅 山口 恵三 河野 茂 古賀 宏延 渡辺 講一 藤田 紀代 植田 保子 河野 浩太 松本 慶蔵 永武 毅 力富 直人 那須 勝 後藤 純 後藤 陽一郎 重野 秀昭 田代 隆良
出版者
The Japanese Association for Infectious Diseases
雑誌
感染症学雑誌 (ISSN:03875911)
巻号頁・発行日
vol.61, no.8, pp.914-943, 1987
被引用文献数
2

Clavulanic acid (以下CVAと略す) とticarcillin (以下TIPCと略す) の1: 15の配合剤, BRL28500 (以下BRLと略す) の呼吸器感染症に対する有効性と安全性をpiperacillin (以下PIPCと略す) を対照薬剤として, welI-controlled studyひこより比較検討した.<BR>感染症状明確な15歳以上の慢性呼吸器感染症 (慢性気管支炎, びまん性汎細気管支炎, 感染を伴った気管支拡張症・肺気腫・肺線維症・気管支喘息など) およびその急性増悪, 細菌性肺炎, 肺化膿症を対象とし, BRLは1回1.6g (TIPC1.5g+CVA0.1g) 宛, PIPCは1回2.0g宛, いずれも1日2回, 原則として14日間点滴静注により投与し, 臨床効果, 症状改善度, 細菌学的効果, 副作用・臨床検査値異常化の有無, 有用性について両薬剤投与群間で比較を行い, 以下の成績を得た.<BR>1. 薬剤投与314例 (BRL投与161例, PIPC投与153例) 中, 45例を除外した269例 (BRL投与138例, PIPC投与131例) について有効性の解析を行い, 副作用は293例 (BRL投与148例, PIPC投与145例) について, 臨床検査値異常化は286例 (BRL投与141例, PIPC投与145例) について解析を実施した.<BR>2. 小委員会判定による臨床効果は, 全症例ではBRL投与群78.8%, PIPC投与群79.4%, 肺炎・肺化膿症症例ではBRL投与群 (79例) 82.1%, PIPC投与群 (73例) 79.5%, 慢性気道感染症症例ではBRL投与群 (59例) 74.6%, PIPC投与群 (58例) 79.3%の有効率で, いずれも両薬剤投与群間に有意差を認めなかった.<BR>3. 症状改善度は, 肺炎・肺化膿症症例では赤沈値の14日後の改善度に関してPIPC投与群よりBRL投与群がすぐれ, 慢性気道感染症症例では胸部ラ音, 白血球数, CRPの3日後の改善度に関してBRL投与群よりPIPC投与群がすぐれ, それぞれ両薬剤投与群間に有意差が認められた.<BR>4. 細菌学的効果はBRL投与群68例, PIPC投与群57例について検討を実施し, 全体の除菌率はBRL投与群75.0%, PIPC投与群71.9%と両薬剤投与群間に有意差は認められないが, Klebsiella spp. 感染症においては, BRL投与群の除菌率87.5%, PIPC投与群の除菌率16.7%と両薬剤群間に有意差が認められた. また, 起炎菌のPIPCに対する感受性をMIC50μg/ml以上と50μg/ml未満に層別すると, MIC50μg/ml未満の感性菌感染例ではBRL投与群の除菌率69.6%に対してPIPC投与群の除菌率94.7%とPIPCがすぐれる傾向がみられ, 一方, MIC50μg/ml以上の耐性菌感染例ではPIPC投与群の除菌率12.5%に対して, BRL投与群の除菌率は66.7%と高く, 両薬剤間に有意差が認められた.<BR>5. 副作用解析対象293例中, 何らかの自他覚的副作用の出現例はBRL投与群5例, PIPC投与群11例で, 両薬剤投与群間に有意差は認められなかった.<BR>6. 臨床検査値異常化解析対象286例中, 何らかの異常化が認められた症例は, BRL投与141例中45例 (31.9%), PIPC投与145例中28例 (19.3%) で, 両薬剤投与群間に有意差が認められた. 臨床検査項目別にみると, GPT上昇がBRL投与140例中26例 (18.6%), PIPC投与140例中14例 (10.0%), BUN上昇がBRL投与128例中0, PIPC投与127例中4例 (3.1%) と, それぞれ両薬剤投与群間での異常化率の差に有意傾向が認められた.<BR>7. 有効性と安全性を勘案して判定した有用性は, 全症例ではBRL投与群の有用率 (極めて有用+有用) 76.3%, PIPC投与群の有用率の74.8%, 肺炎・肺化膿症症例における有用率はBRL投与群81.0%, PIPC投与群75.3%, 慢性気道感染症症例における有用率はBRL投与群70.0%, PIPC投与群74.1%と, いずれも両薬剤投与群間に有意差は認められなかった.<BR>以上の成績より, BRL1日3.2gの投与はPIPC1日4gの投与と略同等の呼吸器感染症に対する有効性と安全性を示し, とくにβ-lactamase産生菌感染症に対しても有効性を示すことが確認され, BRLが呼吸器感染症の治療上有用性の高い薬剤であると考えられた.
著者
川本 健治 片山 祐介 櫻木 悟 西原 大裕 辻 真弘 市川 啓之 横濱 ふみ 谷本 匡史 大塚 寛昭 山本 和彦 田中屋 真智子
出版者
公益財団法人 日本心臓財団
雑誌
心臓 (ISSN:05864488)
巻号頁・発行日
vol.48, no.2, pp.S2_152-S2_157, 2016

<p></p><p>症例は74歳,女性.前医のホルター心電図にて50%を超える心室期外収縮や非持続性心室頻拍を認めた.心室期外収縮は,下壁誘導でのpeak deflection indexが0.66と0.6を超えており,心外膜側起源が疑われた.さらに心室期外収縮は,単形性で,右脚ブロック型+下行軸,Ⅰ誘導でrS,V5-6でS波を認め,下壁誘導にてノッチは認めなかった.大心静脈(以下,GCV)遠位部にて,局所電位はQRS起始部に30ms先行し,perfect pace mapが得られた.さらに,GCV遠位部近傍の左室心内膜側にてactivation mappingを行い,QRS起始部に12ms先行し,good pace mappingが得られた.GCV遠位部での通電も考慮したが,まず左室心内膜側の最早期興奮部位からの焼灼を行うこととし,焼灼開始25秒で心室期外収縮は消失し,その周囲に追加通電を行い,その後,再発を認めない.</p>
著者
真田 樹義 宮地 元彦 山元 健太 村上 晴香 谷本 道哉 大森 由実 河野 寛 丸藤 祐子 塙 智史 家光 素行 田畑 泉 樋口 満 奥村 重年
出版者
一般社団法人日本体力医学会
雑誌
体力科学 (ISSN:0039906X)
巻号頁・発行日
vol.68, no.3, pp.243, 2019-06-01 (Released:2019-05-18)

理由:体力科学 第59巻 第3号 291-302(2010)掲載論文における身体組成データ収集の過程で,資格を持たない者がX線骨密度測定装置を操作したことを理由とした著者からの掲載論文撤回の希望を受け,本誌より撤回する. 一般社団法人日本体力医学会 編集委員長 田中 喜代次
著者
谷本 晃久
出版者
北海道大学大学院文学研究科北方研究教育センター
雑誌
北方人文研究 (ISSN:1882773X)
巻号頁・発行日
no.11, pp.95-109, 2018

近世・近代移行期に札幌市中心部にみられたアイヌ集落の地理的付置については、従来ふたつの見解があり、判然としなかった。本稿ではこの問題につき、おもに開拓使の公文書を用いた検討をおこなった。その結果、1965年に山田秀三の唱えた見解に、より妥当性があることを考察した。 また、1935年に高倉新一郎の記した見解を支持する大きな根拠となっていた「偕楽園図」所載の「土人家」については、1879年に札幌を視察した香港総督ヘンネッシー卿(Sir John Pope HENNESSY)の要望に応じて札幌郡対雁村の樺太アイヌをして急遽作成せしめられた復元家屋であったことを実証した。 その背景には、札幌中心部のアイヌ集落が開拓政策の進展に伴い移転を強いられた経緯があったこと、ならびに対ロシア政策に伴い札幌近郊に樺太アイヌが移住させられていた経緯があったことを指摘した。くわえて、復元家屋設置の経緯は、ヨーロッパ人による当該集落墓地盗掘の動機と同様、当時欧米人がアイヌに向けていた関心がその背景にあった点も指摘した。
著者
戸篠 祥 山城 秀之 谷本 都 Toshino Sho Yamashiro Hideyuki Tanimoto Miyako
出版者
琉球大学資料館 (風樹館)
雑誌
Fauna Ryukyuana (ISSN:21876657)
巻号頁・発行日
vol.43, pp.19-25, 2018-06-19

琉球列島から鉢虫綱の1種アマクサクラゲ Sanderia malayensisのメデューサとエフィラが採集された. 本種はインド太平洋の亜熱帯域や熱帯域に広く分布し, 日本では日本海や瀬戸内海, 本州太平洋岸, 四国および九州沿岸から報告があるが琉球列島からの記録はなかった. 本報告はアマクサクラゲの琉球列島からの初記録となる. 本研究では形態学的手法と分子生物学的手法を用いて琉球列島産標本と他海域産のアマクサクラゲ標本を比較してみたところ, 非常によく一致したため同種であると断定した.A scyphozoan jellyfish, Sanderia malayensis was collected from the Ryukyu Archipelago, Okinawa Prefecture, southern Japan. Sanderia malayensis is widely distributed through tropical and subtropical waters in the Indo-Pacific. This species has been reported from the Sea of Japan, Seto Inland Sea, Pacific coast of Honshu, and the coasts of Shikoku and Kyushu in Japan. This study represents the first record of this species from the Ryukyu Archipelago, Okinawa, southern Japan. Morphological and molecular phylogenetic analyses provided evidence that S. malayensis from the Ryukyu Archipelago and Imari Bay, Saga Prefecture, eastern Japan are conspecific.
著者
谷本 奈穂
出版者
The Japan Sociological Society
雑誌
社会学評論 (ISSN:00215414)
巻号頁・発行日
vol.55, no.4, pp.418-433, 2005-03-31 (Released:2010-04-23)
参考文献数
31

本稿では複数ある「ものの見方=視覚モード」を整理する.「言葉」をモデルにして対象に潜む意味や物語やイデオロギーなるものを「読解」するというモードや, 「芸術作品」をモデルにして対象と (論理を媒介にしない) 「直接的交流」をするモードが考えられる.しかし現代においては, メディア (広告ポスター, テレビ, マンガ, インターネットの動画) をモデルにした視覚モードもある.本稿ではそのモードを〈イメージ〉の生成と名づけた.このモードは「じっくり鑑賞する」というより「ちらっと・ぼんやり散見する」点, 対象に表層と深層があるとするなら「深層」ではなくて「表層」に焦点を当てる点に特徴がある.また〈イメージ〉の生成の登場は, 人が魅惑に対してむしろ醒めて麻痺したような態度を取るようになったことを意味している.
著者
亀山 宗彦 佐藤 孝紀 谷本 浩志 小川 浩史 角皆 潤 山下 洋平
出版者
北海道大学
雑誌
挑戦的萌芽研究
巻号頁・発行日
2015-04-01

本研究では海表面への落雷に伴う物質循環が起きる可能性を検証した。実際の海水、河川水、純水に純空気及びアルゴン雰囲気下で放電を行うことで実際の落雷を模擬した。本研究では特に窒素酸化物の生成がみられ、放電に伴い硝酸・亜硝酸塩及び亜酸化窒素が生成されていることがわかった。硝酸・亜硝酸は気相中での生成が知られており、本研究でも主な生成は気相中で起こっていたが、液相中でもその生成が起きていることがわかった。また、溶存態・粒子態有機物の生成・分解も確認された。
著者
藤田 裕久 濱田 雅彦 谷本 匡亮 中田 明夫 東野 輝夫
雑誌
情報処理学会研究報告システムLSI設計技術(SLDM)
巻号頁・発行日
vol.2007, no.2(2007-SLDM-128), pp.79-84, 2007-01-18

ハードウェアには配線遅延があるためクロック周波数の向上に限界がある。そこで、実行時間削減を目的としてクロックサイクルを消費しない即時通信がしばしば用いられる。そのような通信を行うサイクル精度動作記述には、組み合わせ回路としての閉路が発生することに起因する値の発振や発散の可能性といった難しさがある。そこで、本論文では wire による即時通信を行うサイクル精度動作記述モジュール群に発振や発散の問題が生じるか否か等を、モデル検査によって検証する手法を提案する。実験では上述した問題の発生を含んだ簡単なテストケース群に対して提案手法を適用し、その有効性を確認した。
著者
吉川 一志 谷本 啓彰 岡崎 定司 柿本 和俊 淺井 崇嗣 橋本 典也 木下 智 池尾 隆 今井 久夫 小正 裕
出版者
THE ACADEMY OF CLINICAL DENTISTRY
雑誌
日本顎咬合学会誌 咬み合わせの科学 (ISSN:13468111)
巻号頁・発行日
vol.25, no.3, pp.426-431, 2005

スポーツを行う際, 選手同士が激突したり, 器具や用具による負傷が起こることがある.それらの不測の事故による歯, 顎骨など口腔内の外傷を防ぐためにマウスガードの装着が提唱されているが, 野球など選手間の連携のために発声するスポーツにおいては.マウスガードの装着により発声が困難になることに対する危険も危惧される.<BR>今回われわれは, (財) 日本高等学校野球連盟の協力を得て, 第21回AAA世界野球選手権大会に参加した日本選抜チームの選手に対してマウスガードを作製し, その装着感, 機能性, 不具合についてアンケート調査により検討したので報告する.第21回AAA世界野球選手権大会に臨む高校球児18名に対して, 印象採得後, ジャスタッチ (ハイブラークラレメディカル社製) を用いて, マウスガードを作製し, マウスガードを装着した状態で, 練習, 試合を行い, 使用後, 装着感, 発声, 機能性, 不具合について支障がないかアンケート調査を行った.以前マウスガードをつけたことがあるかとの質問に対して, 78%の選手が使用したことがないと回答した.マウスガード使用時の問題点については会話しにくいとの回答が21%を占め, つばがよく出るが8%, 違和感があるが4%となった.しかし野球をプレイ中に口腔内の外傷から歯を守るためにマウスガードは必要かという質問に対しては, 78%の選手が必要であると回答し, また今後も積極的にマウスガードを使用したいと思いますかとの質問に対しては, 67%の選手が使用したいと回答した.今回のアンケートの結果から, 選手もマウスガードに対して高い関心を持っており, 外傷を防ぐなどの目的で積極的にマウスガードを使用する必要があると感じていることが明らかになった.
著者
滝井 健二 石丸 克也 吉田 幸功 井上 修一 日高 久美 眞岡 孝至 谷本 文男 伏木 省三
出版者
近畿大学
雑誌
近畿大学水産研究所報告 (ISSN:09117628)
巻号頁・発行日
vol.10, pp.11-18, 2006-03-25

飼料への自己消化酵母Hansenula anomala(Ha)の添加が,アユの飼育成績やレンサ球菌症の自然発症率に及ぼす効果について調べた。チリ魚粉をタンパク質源とした飼料に,Haを18,9および3%配合した飼料(Ha-18,-9および-3)を,体重35.7gのアユに1日4回,1週間に6日飽食給与して12週間飼育したところ,Ha-9およびHa-3区の成長および飼育成績は,対照のHa無配合飼料区(Ha-0)やHa-18区より優れていた。また,終了時におけるレンサ球菌症の発症率は,Ha配合区がHa-0区より僅かに低かった。ついで,レンサ球菌症の発症を抑えるための,Ha-3飼料の効果的な給餌法を検討するため,平均体重33.0gのアユにHa-0およびHa-3をそれぞれ連続給与する区,Ha-3とHa-0を毎日交互に給与する(Ha-3, 0)区などを設けて10週間飼育したところ,増重率はHa-3給与によって向上し,発症率はHa-3, 0区で28.6%で低く,Ha-0区の45%,Ha-3区の50%の順に増加した。以上の結果から,飼料のHa添加は成長促進だけでなく,レンサ球菌の感染防御にも効果のあることが示唆された。
著者
谷本 真理子 芥田 ゆみ 和泉 成子
出版者
日本緩和医療学会
雑誌
Palliative Care Research (ISSN:18805302)
巻号頁・発行日
vol.13, no.4, pp.341-355, 2018 (Released:2018-12-21)
参考文献数
62
被引用文献数
9

【目的】日本におけるアドバンスケアプランニング(ACP)に関する研究を統合的にレビューし,現状と課題を検討する.【方法】2011年1月~2017年11月の医学中央雑誌,CINAHL, MEDLINEを検索,日本のデータを用いた研究でSudoreら(2017)のACP定義に沿う論文を選定し,統合的レビューを行った.【結果】選定された39論文のうち,研究方法は基礎的記述研究が最も多く,終末期医療の希望や事前指示の調査が多かった.近年ではACPの実施方法に関する研究もみられたが,診療録調査では患者の価値やゴールを反映したものかが不明,介入研究では介入方法の詳細が不明確等の限界があった.【結論】日本におけるACP研究は萌芽期にある.研究の枠組みとなる日本に適したACPとは何かを医療者と社会が協働して明確に定義し,社会的実装を支援する検証可能な知識の蓄積に資する研究が求められる.