著者
谷本 和明
出版者
新潟国際情報大学情報文化学部
雑誌
新潟国際情報大学情報文化学部紀要 (ISSN:1343490X)
巻号頁・発行日
vol.17, pp.99-110, 2014-04-01

昨今、盛んに研究・導入が進んでいる次世代の代替エネルギーである、様々な再生可能エネルギーの活用は、まだ本格的な実用化に至っているとは言えない。2011 年までの地域や企業を取り巻くこれらの取り組みや比較は、谷本(1)でまとめた。本論文では、これらの取組の中から、我が国の現状や国民性に適した小規模の水力・火力発電の現状と可能性について論じる。さらに、昨年行った小(マイクロ)水力・火力発電に関する調査結果をまとめた。
著者
伊藤 直樹 高野 映子 相本 啓太 小早川 千寿子 太田 隆二 谷本 正智 近藤 和泉
出版者
日本理学療法士協会(現 一般社団法人日本理学療法学会連合)
雑誌
理学療法学Supplement Vol.44 Suppl. No.2 (第52回日本理学療法学術大会 抄録集)
巻号頁・発行日
pp.0371, 2017 (Released:2017-04-24)

【はじめに,目的】高齢者の転倒・転落による骨折は,予後を左右する重要な問題であり,様々な予防策が講じられている。当センターは,2014年10月より地域包括ケアシステムを支える目的で地域包括ケア病棟45床の運用を開始した。当病棟のリハビリテーション(リハビリ)対象疾患としては,大腿骨近位部骨折や脊椎圧迫骨折の割合が多く,在宅復帰を目標に,多職種が協力し離床の促進やバランス練習,基本動作練習,日常生活活動練習を積極的に実施している(リハビリ1日平均単位数2.25)。そこで,本研究の目的は,転倒・転落による骨折後に,地域包括ケア病棟を経由することで再転倒や転落のリスクが減少するか否かを検討することである。【方法】対象は,2014年10月1日から2016年9月30日に当センター地域包括ケア病棟を退院した患者614名のうち,入院中にリハビリを行った主病名が骨折の204名とした。対象者の年齢,在棟日数,転帰先,入棟及び退院時のFunctional Independence Measure(FIM)とバランス評価Standing Test for Imbalance and Disequilibrium(SIDE)の結果をカルテより抽出した。入棟時と退院時のFIMの合計を対応のあるt検定,入棟時と退院時のSIDEをカイ二乗検定で比較分析した(P<0.05)。【結果】入棟時もしくは退院時のFIMとSIDEの評価結果が欠損している者を除外した結果,分析対象者は97名(男性24名,女性73名)となった。対象者の属性は,平均年齢が82±9歳,平均在棟日数は48.7±62.5日,疾患別では,脊椎圧迫骨折が56%,大腿骨近位部骨折が27%,その他(上腕骨,膝蓋骨,大腿骨骨折)17%であった。転帰先は,在宅が83%,施設入所が17%,転院や死亡はいなかった。入棟時と退院時のFIM合計では入棟時78.3±32.8点(平均±標準偏差)であったが,退院時86.4±32.9点と有意に改善した(P<0.001)。SIDEについても入棟時(0:55名,1:12名,2a:16名,2b:4名,3:9名,4:1名)に比べ退院時(0:29名,1:6名,2a:20名,2b:10名,3:28名,4:4名)では有意に改善を認めた(P=0.001)。【結論】地域包括ケア病棟は,在宅復帰を支援するための体制が整えられている一方で,施行単位数の制限や短い在棟期間など制約がある病棟である。一般病床から地域包括ケア病棟を経由することで,退院後を見越した日常生活動作やバランス能力を改善する練習を積極的に提供できる。当センターにおいても多職種が協力して積極的にリハビリを行った結果,FIMやSIDEは有意に改善した。特に,SIDEは転落危険度が高いレベル0と1が減少し,転倒危険度が低いレベル2b,3,4が増加していたことから,転倒転落リスクを軽減できる可能性が示唆された。今後,実施プログラムの内容について検討し,より良いリハビリが提供出来るような体制を築きたい。
著者
原田 雅樹 木本 伊彦 藤井 俊彰 谷本 正幸
出版者
芸術科学会
雑誌
芸術科学会論文誌 (ISSN:13472267)
巻号頁・発行日
vol.1, no.1, pp.64-73, 2002 (Released:2008-07-30)
参考文献数
20

フラクタル画像符号化の高速化を実現するために,以下の二つの手法を提案する.第一の手法では,スケーリングパラメータの計算回数を削減させるために,一つのレンジブロック内の最大振幅と一つのドメインブロック内の最大振幅との比(以下ここではこれを最大振幅比と呼ぶ)を用いる.符号として選択されるドメインブロックにおける最大振幅比はスケーリングパラメータ付近の値をとるため,ある閾値を超える大きな最大振幅比を持つ場合にはスケーリングパラメータの計算を行わない.第二の手法では,スケーリングパラメータそのものの計算量を削減させるために,一つのレンジブロック内の輝度偏差と一つのドメインブロック内の輝度偏差との比(以下ここではこれを偏差比と呼ぶ)を用いる.偏差とスケーリングパラメータとの間には相関があるため,計算量の少ない偏差比に定数をかけてスケーリングパラメータを近似的に求める.

1 0 0 0 OA 展望 地質学史

著者
谷本 勉
出版者
日本科学史学会
雑誌
科学史研究 (ISSN:21887535)
巻号頁・発行日
vol.31, no.184, pp.193-199, 1992 (Released:2021-03-25)
著者
谷本 涼 埴淵 知哉
出版者
公益社団法人 日本地理学会
雑誌
E-journal GEO (ISSN:18808107)
巻号頁・発行日
vol.17, no.2, pp.249-264, 2022 (Released:2022-08-06)
参考文献数
34

個人の全体的な生活の質を考察するには,生活におけるさまざまな目的地の利便性を総体的にとらえられる認知的アクセシビリティの指標を用いた議論が必要である.都市政策における自動車依存からの脱却の方向性も踏まえ,本稿の目的は,もし自動車が使えなくても,日常生活で必要あるいは望む活動が十分にできるか否かというアクセシビリティの総体的感覚(Sense of Accessibility: SA)の指標と,客観的なウォーカビリティ指標(WI),および近隣環境・個人の属性との関係を考察することとした.順序ロジスティック回帰分析の結果,WIはほぼ一貫してSAと有意な正の相関を示した.WIの構成要素の中では,人口密度がSAと強い相関を示した.回答者の性別,年齢,世帯類型は,自動車利用頻度の高低でSAとの相関の正負や強さが大きく異なっていた.この結果は,昨今の都市政策の方向性をある程度支持する一方,自動車に依存しない生活への支援を要する個人の存在も示唆している.
著者
谷本 勝一
出版者
大学共同利用機関法人自然科学研究機構(新分野創成センター、アストロバイオロジーセンター、生命創成探究
雑誌
特別研究員奨励費
巻号頁・発行日
2022-04-22

ハンチントン病は異常伸長したポリグルタミン鎖(polyQ)をもつ変異ハンチンチン(mHTT)が凝集し、神経細胞内に蓄積することで発症する。polyQのN末端側に隣接するドメイン(NT17)がmHTTの凝集を促進すること、アルギニンがmHTTの凝集を阻害すること、及びアルギニンにエステル基を導入することで凝集阻害効果が高まることがこれまでに見出されているが、NT17によるmHTTの凝集促進メカニズム、アルギニンによるmHTTの凝集阻害メカニズム及びエステル基の導入により凝集阻害効果が高まる要因は分かっていない。本研究では、mHTTの詳細な凝集機構及びアルギニンとそのエステル誘導体によるmHTTの凝集阻害機構を理論的に解明することを目的とする。
著者
邉 吾一 谷本 安浩 橋本 美穂
出版者
公益社団法人 日本材料学会
雑誌
材料 (ISSN:05145163)
巻号頁・発行日
vol.47, no.3, pp.287-292, 1998-03-15 (Released:2009-06-03)
参考文献数
2
被引用文献数
1 1

The first experiment for obtaining the static transverse shear modulus and failure strain of CFRP Laminates is presented in this paper. In order to obtain these values, the difference in vertical displacement of two points on the neutral axis of a short beam specimen is measured by a newly devised electro-optical extensometer. The transverse isotropy is first confirmed by our proposed method. Furthermore, the experimental results of transverse shear modulus and failure strain are compared with those based on a classical lamination theory and a three dimensional FEM code, respectively.
著者
吉村 邦彦 中谷 龍王 中森 祥隆 蝶名林 直彦 立花 昭生 中田 紘一郎 岡野 弘 谷本 普一
出版者
The Japanese Respiratory Society
雑誌
日本胸部疾患学会雑誌 (ISSN:03011542)
巻号頁・発行日
vol.22, no.11, pp.1012-1020, 1984-11-25 (Released:2010-02-23)
参考文献数
21

特発性間質性肺炎 (IIP) の急性増悪に関する臨床的諸問題を検討した. 当院の本症急性増悪35例43回の検討成績は 1) 発症から急性増悪までの期間は平均4.8年である. 2) 主な誘因は呼吸器感染症, コルチコステロイド減量, 開胸術の順である. 3) 増悪時全例で胸部Xp上間質性陰影増強, PaO2低下が認められ, 特に増悪前後で有意に血清LDH活性が上昇し, PaO2およびPaCO2が低下した (ともに<0.001). 4) 治療上コルチコステロイドが95.1%の症例に投与されたが, 全急性増悪の81.4%, 対象症例の97.1%が増悪後平均31.5日で死亡し, 本症の急性増悪の転帰はきわめて不良であった. 以上の結果から以下の急性増悪の診断基準を作成した. 1) 呼吸困難増強, 2) crackle ラ音 (Velcro ラ音) 聴取範囲の拡大, 3) 胸部Xp上間質性陰影の増強, 4) 同一条件下でPaO2 10torr以上の低下, 5) 血清LDH活性上昇: 1)-3) の全てと 4), 5) いずれか少なくとも一方を満す場合を本症の急性増悪と診断する.
著者
谷本 奈穂
出版者
関西大学
雑誌
情報研究 : 関西大学総合情報学部紀要 (ISSN:1341156X)
巻号頁・発行日
vol.34, pp.39-52, 2011-01-21

科学は女性と疎遠なものであると捉える認識がある一方で,美容という領域においては,科学は女性をアピールするものとして扱われて続けてきた.本稿は,化粧品広告,および美容雑誌における科学的言説の特徴を考察するものである. 考察の結果,第二次世界大戦以前の科学とは,西洋を模範とする衛生を目指すものであったのに対して,1980年代以降の科学とは,成分を全面に押し出すものであると分かった.また80年代以降,一方で科学そのものが権威として機能し,それへの信仰や依存があること,ところが他方で,科学がわざわざ自然と融合した形で表現されることも見いだした. つまり,近年の科学信仰の中には,科学に対する潜在的な不安も同時に存在する.そこで,不安を和らげるような自然物イメージが,科学に付与されることになる.科学と自然が共犯関係を結ぶことで,より強固な科学信仰を生み出すというパラドックスが,美容の科学における言説に発見できる. People commonly think that women have been alienated from the field of science, however the science of beauty (for example, cosmetics) has appealed to women. In this study, I attempt to explore the features of scientific discourse in advertisements on cosmetics and in beauty magazines.Through this analysis, I find that people believe ads’ science claims and have trusted science blindly since 1980’s, where as before World War II , we focused on hygiene modeled upon the West. I also find that scientific words are tied with natural images.Blind faith in science, ironically, leads to potential distrust of science. To ease this anxiety, natural images are associated with scientific words.In analyzing the beauty science discourse, I examine the paradox that belief in science is strengthened by its unscientific association with natural images.
著者
谷本 省三
出版者
一般社団法人 表面技術協会
雑誌
実務表面技術 (ISSN:03682358)
巻号頁・発行日
vol.22, no.2, pp.60-66, 1975-02-01 (Released:2009-10-30)
参考文献数
7
著者
谷本 純子 有馬 千弘 亀田 篤史 花房 佑樹 鶴崎 展巨
出版者
鳥取県生物学会
雑誌
山陰自然史研究 (ISSN:13492535)
巻号頁・発行日
no.5, pp.39-42, 2010-04-05

鳥取県に最近侵入したと考えられる外来性の半翅目昆虫2 種,アワダチソウグンバイとセイタカアワダチソウヒゲナガアブラムシの鳥取県内における分布を調べた。アワダチソウグンバイはセイタカアワダチソウの調査地点ではほとんどの場所で確認された.よって本種はすでに全県的に分布を拡大していると思われる。また,本県の東部から西部までの広範囲で,セイタカアワダチソウヒゲナガアブラムシの生息を鳥取県から初めて確認した。 / The lace bug, Corythucha marmorata iptera: Tingidae) is an exotic species of Tingidae which was recently introduced to Tottori Prefecture. Although the species utilizes an exotic plant, goldenrod Solidago altissima L. (Asteraceae) as a main host, it also attacks crops such as the sweet potato Ipomoea batatas (Convolvulaceae). Thus special attention is needed for the expansion of the species range. We surveyed present range of distribution of C. marmorata in Tottori Prefecture, by checking S. altissima growing roadside along main national roads. The species was widely found from various sites of Tottori Prefecture. During the survey, we also found colonies of an exotic aphid Uroleucon nigrotuberculatum (Hemiptera: Homoptera: Aphididae) which is also parasitic on S. altissima from various sites in the prefecture.
著者
ナ・バンチャン プリム 藤井 俊彰 谷本 正幸
出版者
一般社団法人 映像情報メディア学会
雑誌
映像情報メディア学会技術報告 (ISSN:13426893)
巻号頁・発行日
vol.26, pp.1-4, 2002
参考文献数
11

我々はリアルタイムの画像光線空間データ獲得とその処理を行うシステム、「自由視点テレビ」を提案する。このシステムを用いて、ユーザはリアルタイムに実世界で視点を移動するかの如く自由に視点を変更することができる。この手法は実画像を元に視点修正を行う光線空間法を基本としており、我々の試作システムでは一直線上に配置した16台のCCDカメラを使用してこれを実現している。補間は光線空間データ補間フィルタリングを基本に行っている。我々の試作システムは民生機のみの使用であるが、処理速度と画質の双方において良好な結果が得られている。