著者
辻 竜平
出版者
信州大学人文学部
雑誌
信州大学人文科学論集
巻号頁・発行日
vol.2, pp.67-79, 2015-03-15

口承文芸の一つの形態に昔話がある。本稿では,新潟県旧栃尾市で水沢謙一によって収集された「三枚のお札」のヴァリアントを事例に取り上げ,その地理的な分布と物語の内容の特徴が,通婚圏によって規定されているのではないかと考えた。農村集落では近隣集落から語り手の女性が結婚して移動したことから,近隣の農村集落間でヴァリアントの類似性が高く,かつ,比較的特徴的なものであると予想した。一方,町部では女性がより広域に移動したことから,町部における口承文芸のヴァリアントは,折衷的であまり特徴のないものになってしまうと予想した。コレスポンデンス分析の結果,予想はおおむね支持された。
著者
小岩 健 寺尾 貞一 和辻 春樹 氏家 竹次郎
出版者
公益社団法人日本船舶海洋工学会
雑誌
造船協會會報 (ISSN:05148499)
巻号頁・発行日
no.69, pp.175-203, 1942-07-20

For improving the quality of riveted joints, authors studied on matter of MS, HT and SS rivets, by means of chemical, mechanical and photomicrographical method, and concluded the relation of strength between their rivets and riveted joints.
著者
辻川 知伸 薮田 火峰 荒川 正泰 林 晃司
出版者
一般社団法人電子情報通信学会
雑誌
電子情報通信学会技術研究報告. EE, 電子通信エネルギー技術 (ISSN:09135685)
巻号頁・発行日
vol.114, no.130, pp.45-49, 2014-07-03

従来の制御弁式鉛蓄電池に代わる次世代の通信用バックアップ電池として、大容量リチウムイオン二次電池の開発を進めている。通信用バックアップ電源においては、満充電に近い電圧でフロート充電を行いながらスタンバイ状態を維待しなくてはならないため、長寿命および極めて高いレベルで安全性を担保する必要がある。また、データセンタ用バックアップ電源においては、短時間バックアップが要望されるため、極めて大電流で連続的に放電させる必要がある。本検討では、ホスファゼン系難燃剤を添加した電解液とマンガン元素の一部をマグネシウムに置換した正極材料を用いて100Ah級電池を構成した。フロート寿命試験を実施した結果、25℃の使用環境下では約7年の寿命を期待できることがわかった。また、放電試験を実施した結果、電流5CAで定格容量の95%を放電できることを確認した。さらに、安全性の確認のため過充電試験および釘刺し試験を行った。その結果、電池は破裂、発火することがなかった。
著者
辻川 知伸 薮田 火峰 松下 傑 松島 敏雄 荒川 正泰 林 晃司
出版者
一般社団法人電子情報通信学会
雑誌
電子情報通信学会技術研究報告. EE, 電子通信エネルギー技術 (ISSN:09135685)
巻号頁・発行日
vol.108, no.150, pp.61-64, 2008-07-17

マンガン系リチウムイオン二次電池が劣化する要因として,主に正極材料からのマンガン溶出が考えられている。一方,電解液にホスファゼン系物質を添加すると,電解液に難燃性を付加できることがわかっているが,マンガン溶出を促進させる副作用がある.そこで,本報告では電解質塩に着目し,これを変更することで,マンガン溶出量を低減できることを確認した.
著者
辻川 知伸 薮田 火峰 荒川 正泰 林 晃司
出版者
一般社団法人電子情報通信学会
雑誌
電子情報通信学会技術研究報告. EE, 電子通信エネルギー技術 (ISSN:09135685)
巻号頁・発行日
vol.112, no.396, pp.47-51, 2013-01-17

従来の制御弁式鉛蓄電池に代わる次世代の通信用バックアップ電池として、大容量リチウムイオン二次電池の開発を進めている。通信用バックアップ電源においては、満充電に近い電圧でフロート充電を行いながらスタンバイ状態を維持しなくてはならないため、長寿命および極めて高いレベルで安全性を担保する必要がある。本検討では,ホスファゼン系難燃剤を添加した電解液とマンガン元素の一部をマグネシウムに置換した正極材料を用いて200Ah級電池を構成した。フロート寿命試験を実施した結果, 25℃の使用環境下では約10年の寿命を期待できることがわかった。また、通信バックアップでの使用を想定した安全性試験を行った。その結果、電池は破裂,発火することがなかった。
著者
辻川 知伸 薮田 火峰 松下 傑 荒川 正泰 林 晃司
出版者
一般社団法人電子情報通信学会
雑誌
電子情報通信学会技術研究報告. EE, 電子通信エネルギー技術 (ISSN:09135685)
巻号頁・発行日
vol.110, no.151, pp.13-16, 2010-07-22
被引用文献数
4

通信用電源のバックアップ用途にリチウムイオン電池を使用するためには、コスト、寿命に加え、鉛蓄電池を使用している既存システムとの整合性のための放電電圧の平坦性や、安全性が重要な因子となる。我々は、放電電圧の平坦性や、過充電および内部短絡時における電池の熱安定性の観点から、マンガンスピネル系化合物を正極材料に用いたリチウムイオン電池にっいて研究を進めた。まず、リチウムイオン電池の電解液および正極に、ホスファゼン系難燃剤を添加することで、電池の安全性を向上させた。さらに、電池の長寿命化の目的で、正極マンガン元素の一部を他の金属元素に置換した材料を使用することで、電池を長寿命化できる見通しを得た。
著者
舟越 光彦 田村 昭彦 峠田 和史 辻村 裕次 西山 勝夫
出版者
公益社団法人日本産業衛生学会
雑誌
産業衛生学雑誌 (ISSN:13410725)
巻号頁・発行日
vol.45, no.6, pp.235-247, 2003-11-20
被引用文献数
5 8

タクシー運転手の腰痛の実態と腰痛に関わる労働要因を明らかにするために,福岡市内某タクシー事業所の男性運転手を対象に1999年(n=280名,以下第1回調査)と2001年(n=284名,以下第2回調査)に腰痛と労働実態に関する質問紙調査を実施した.調査は,1)第2回調査時における腰痛の有訴率と腰痛に関わる労働要因についての断面研究と,2)第1回調査で腰痛の既往がなく,かつ,腰痛の訴えがなかった運転手で,第2回調査時に「最近1年間の腰痛あり」と新規に回答した者を腰痛の罹患例とし,腰痛の罹患率と腰痛罹患にかかわる第1回調査時点の労働要因について検討した縦断研究である.この結果,タクシー運転手の腰痛の有訴率は45.8%で,腰痛多発が報告されている他の職業運転手と同様に高率であり,タクシー運転手にとって腰痛が重要な問題であることが示された.また,2年間の腰痛の罹患率は25.9%と推定された.断面研究と縦断研究の結果,腰痛と有意な関連を認めた労働要因は,「運転席座面(以下,座面)の適合性」,「車両の延べ走行距離」,「全身振動」,「職務ストレス」および「タクシー運転手としての乗務経験年数」であった.さらに,腰痛と「車両の延べ走行距離」の問には有意な量反応関係を認めた.以上より,タクシー運転手の腰痛に「座面」の人間工学的問題と「全身振動」および「職務ストレス」が関与していることが示唆された.また,「車両の延べ走行距離」が腰痛に関与しているとの報告例はなく,「車両の延べ走行距離」が腰痛発症に関与する機序について今後の検討が必要であると考えられた.さらに,「全身振動」の影響の評価のため,実車両を対象とした曝露振動の実態把握が必要と考えられた.
著者
小吹 健太郎 辻 剛正 上田 博唯
出版者
一般社団法人電子情報通信学会
雑誌
電子情報通信学会技術研究報告. MVE, マルチメディア・仮想環境基礎 (ISSN:09135685)
巻号頁・発行日
vol.110, no.457, pp.31-36, 2011-02-28
被引用文献数
1

本稿では,複数の対話ロボットが配置されたスマートホームにおける,対話ロボットとユーザのより良いインタラクションのためのロボット視線制御方式を提案する.また,本方式の例として試作した,玄関に配置した対話ロボットが来客の対応を行う,「来客対応サービス」についても説明する.本方式は不可視マーカによるユーザ位置姿勢推定システムによって得られる情報とロボットに内蔵されたカメラによる顔認識結果を組み合わせたことによって,タスク実行に最も適切なロボットを選択することができ,更には,確実でスムーズな視線制御を実現することができた.
著者
高木 康文 横関 弥樹博 辻 琢人 左文字 克哉 大島 直樹 朴 康司 米津 宏雄
出版者
一般社団法人電子情報通信学会
雑誌
電子情報通信学会技術研究報告. ED, 電子デバイス
巻号頁・発行日
vol.95, no.387, pp.73-78, 1995-11-24

初期成長機構を制御することにより、エピタキシャル層を貫通する結晶欠陥の発生を抑制することを試みた。GaAs基板上の(InAs)_1(GaAs)_1歪短周期超格子(Strained Short-Period Superlattice:SSPS)の成長において、原子状水素照射下で成長することで、格子不整合歪に起因して生じる3次元成長を抑制することを試みた。原子状水素が基盤表面に付着する成長温度350℃の成長において3次元成長の抑制効果が顕著に現れた。その結果、3次元成長に起因した貫通転位の発生を抑制することができた。また、Si基盤上のGaPの成長において、MBE法で成長した場合、高密度のV字型の積層欠陥(Stacking Fault:S.F.)がGaP-Si堺面より発生していた。このS.F.の発生はMEE法で成長することで抑制することができた。
著者
甲田 和也 津行 篤士 海野 徹也 竹下 直彦 辻村 浩隆
出版者
公益社団法人 日本水産学会
雑誌
日本水産学会誌 (ISSN:00215392)
巻号頁・発行日
vol.82, no.5, pp.720-726, 2016 (Released:2016-10-06)
参考文献数
41
被引用文献数
2

クロダイ幼魚を塩分5, 10, 17, 34 PSUの飼育水で60日間飼育した。飼育塩分の違いは幼魚の成長,生残,耳石Sr:Ca比に影響を及ぼさなかった。ただし,飼育塩分が低いほど肝重量や筋肉中の脂質含量が低下する傾向がみられた。淡水馴致飼育試験では幼魚の死亡率が高く,成長が低下した。クロダイは幅広い塩分に順応可能であるが,天然クロダイにとって河口などの汽水域や淡水域は必ずしも好適環境でない可能性もある。
著者
辻 敬一郎
出版者
日本心理学会
雑誌
心理学研究 (ISSN:00215236)
巻号頁・発行日
vol.87, no.4, pp.428-430, 2016-10
著者
辻 順行 黒水 丈次 豊原 敏光
出版者
The Japan Society of Coloproctology
雑誌
日本大腸肛門病学会雑誌 (ISSN:00471801)
巻号頁・発行日
vol.52, no.10, pp.1030-1037, 1999-10-01
被引用文献数
2

平成9年4月から平成11年3月までに当クリニックで行われたday surgeryの218例を対象として分析を加え, 以下の結果を得た. (1) 同時期にクリニックで手術が決定された症例の内訳をみると, day surgeryが59%, 短期入院手術が5%, 普通の入院手術が36%で, day surgeryが過半数を占めた.また希望の入院日数に関するアンケートをみるとday surgeryが41.2%, 1週間までの入院が56.9%で計98.1%を占めた.以上より肛門疾患の入院日数は今後ますます短くなると思われた. (2) day surgeryの麻酔 (仙骨硬膜外麻酔または局所麻酔) については施行時の疼痛の強さ, 施行の際の難易性, 合併症の頻度, 診療時間等を十分に検討した上で決定すべきであると思われた. (3) 術後の早期出血については術後の安静時間を十分に確保すること, 創面に対し止血綿を使用するなど十分な止血操作を加えることで防止は可能と思われた.また痔核の晩期出血については最低3週間は溶解しない吸収糸の使用, 根部結紮にゴム輪結紮の併用や口側粘膜下に硬化剤の注射, 排便指導等を行うことで極力減らせると思われた. (4) 術後の疼痛については閉鎖術式の場合, 半閉鎖の高さを浅くする, 上皮のみを縫合するなど肛門の緊張を上げない工夫をし, 術前より緊張の高い症例では術中に緊張を下げる操作を加える, 嵌頓痔核の手術はしない.また結紮切除の数は肛門の緊張が弱い症例を除いては2ヵ所までとし, それ以上は二期的手術, 短期入院手術とすること等で軽減できると思われた.またアンケートをとると術後の鎮痛剤として, 坐薬は患者の挿入時の不安が強く, 経口薬が適当であると思われた. (5) 費用の点でday surgeryと2週間入院手術症例の比較を痔核症例で行うとday surgeryは入院手術の約1/4であった.
著者
辻 悦子 辻 啓介
出版者
日本脂質栄養学会
雑誌
脂質栄養学 (ISSN:13434594)
巻号頁・発行日
vol.7, no.1, pp.56-65, 1998-03-25 (Released:2009-04-10)
参考文献数
12
被引用文献数
1 2

日本人の脂肪摂取の長期間の推移を知るために,1952年から1995年度までの44年間の国民栄養調査成績から脂肪酸摂取量や脂肪酸摂取比率を算出した。その結果,次のような知見が得られた。1 44年間で脂肪摂取量は3倍に,総脂肪酸摂取量は3.1倍に増加した。2動物性脂肪:植物性脂肪:魚類由来脂肪は,1952年は0.6:3.7:1であり,1995年には4.1:5.4:1で,摂取比率では動物性脂肪が増加し植物性脂肪は減少した。3飽和脂肪酸:一価不飽和脂肪酸:多価不飽和脂肪酸は1952年の1:1:1.5から1995年には1:1.1:1と変化した。4 44年間で飽和脂肪酸は3.5倍,一価不飽和脂肪酸は3.9倍,多価不飽和脂肪酸は2.2倍の増加で,飽和や一価不飽和脂肪酸の増加は肉類摂取の影響が大きかった。5 n-6/n-3,リノール酸/α-リノレン酸は1952年ではそれぞれ4.1,8.6で,1995年では4.7,8.8であった。6総脂肪酸量に占めるリノール酸やα-リノレン酸の割合は,1995年では1952年よりも減少していた。7 n-6系多価不飽和脂肪酸の供給源は油脂類,n-3系多価不飽和脂肪酸の供給源は魚類が1位であった。8摂取する油脂類として,植物油を各種に置換してn-6/n-3を算出すると,n-3系多価不飽和脂肪酸,特にα-リノレン酸の多い植物油ではn-6/n-3は低下した。