著者
官原 浩二 小谷 亮 小川 吉大 小林 啓二 近藤 省造
雑誌
全国大会講演論文集
巻号頁・発行日
vol.54, pp.245-246, 1997-03-12

インターネット上のアプリケーションとして, 利用者の操作履歴やアンケートを基に利用者個人毎に適応して様々な情報を推薦, フィルタリングするシステムの検討が活発化している。我々は, 個人適応型システムとして, 多チャンネル化が進むTV放送に注目し, TV番組推薦システムについての検討を行った。本システムの目的は, 番組選択の履歴情報から, 利用者の「好み」を抽出し, 利用者個人に適応した番組表を作成し, 見たいと思う番組をシステムが推薦することである。本稿では, 履歴情報から抽出するパラメータの定義, 評価実験, 及び今後の課題について述べる。
著者
佐瀬 隆 近藤 錬三
出版者
帯広畜産大学
雑誌
帯広畜産大学学術研究報告. 第I部 (ISSN:0470925X)
巻号頁・発行日
vol.8, no.3, pp.465-483, 1974-03-20
被引用文献数
2

本研究では,まず現在の東北海道に生育するイネ科植物表皮細胞中の珪酸体の記載分類を行なった。次にこの分類に基づいて,北海道各地域に分布する約1,300B.P.年以降の埋没火山灰土について,そのA層中の植物珪酸体の形態別組成と含量を明らかにした。さらに,各地域で生成年代の明らかな火山灰土A層につき植物珪酸体生産量(g/cm^2/年)を算出し,主としてイネ科植物生産量の側面から,北海道の後氷期の古気候変遷について考察した。その結果は,次のように要約することができる。(1)イネ科植物表皮細胞中の珪酸体は,その形態的特徴と植物分類学グループとの関係から,I)ササ型,II)ヒゲシバ型,III)キビ型,IV)ウシノケグサ型,V)棒状型,VI)ファン型およびVII)ポイント型の7グループに分類することができる。このうちII),III),IV)およびV)の珪酸体グループは,TWISS et al.の分類を暫定的に採用したものである。これらの珪酸体グループのうち,I)はササ属,II)はヒゲシバ族,III)はキビ亜科,そしてIV)はウシノケグサ亜科の表皮細胞中に特徴的に含まれる。V),VI)およびVII)の珪酸体グループは,特定の植物分類学グループとの関係は認められなかった。しかし,ファン型グループの珪酸体は,ウシノケグサ亜科よりキビ亜科に一般的に多く含まれる傾向があり,とくにササに非常に多く含まれている。また,ヨシのファン型珪酸体は著しく粒径の大きいのが特徴である。(2)北海道各地の埋没火山灰土A層には,棒状型,ポイント型およびファン型グループの各植物珪酸体が,全試料に含まれていた。ササ型珪酸体は,5,000〜6,000B.P.年以降の埋没火口灰土A層に普遍的に認められた。ウシノケグサ型グループの珪酸体は,絶対年代に関係なく,道南渡島地域の試料を例外として,すべての地域の試料に含まれていた。キビ型グループの珪酸体は,数種の試料にごく少量認められたが,ヒゲシバ型珪酸体は,すべての試料にまったく含有されていなかった。これらの結果から推定される北海道の後氷期の火山灰地古植生は,5,000〜6,000B.P.年以前はウシノケグサ亜科のイネ科植物が優先し,それ以後はササが優先したものと推定される。5,000〜6,000B.P.年以降ササ植生が優先したという推定は,現在の北海道の火山灰地草地植生とほぼ一致するものである。(3)埋没火山灰土A層の珪酸体含量と,腐植含量の間には,正の相関(γ=0.64)が認められた。珪酸体生産量は,時代や地域の違いによって次のように変動したものと思われる。1)10,000〜7,000B.P.年,0.1〜0.2×10^<-4>g/cm^2/年(胆振,根釧地域)2)7,000〜4,500B.P.年,1.2〜1,9×10^<-4>g/cm^2/年(渡島,胆振地域)3)4,500〜2,500B.P.年,2.7×10^<-4>g/cm^2/年(渡島地域),1.3×10^<-4>g/cm^2/年(十勝地域)4)2,500〜1,500B.P.年,1.4×10^<-4>g/cm^2/年(渡島地域),1.0×10^<-4>g/cm^2/年(胆振地域),0.9×10^<-4>g/cm^2/年(十勝地域)イネ科植物の珪酸体生産量が,主に気候(とくに気温)によって規定されるという見地に立つならば,北海道の後氷期の古気候変遷は,ほぼ上記の珪酸体生産量の変動に対応したものと推定することが可能である。上述したように,埋没火山灰土A層中の植物珪酸体の形態組成および珪酸体生産量についての研究は,古植生のみならず,過去の気候条件を推定する有効な手段となることが明らかである。
著者
近藤 有好
出版者
JAPANESE SOCIETY FOR TUBERCULOSIS
雑誌
結核 (ISSN:00229776)
巻号頁・発行日
vol.74, no.1, pp.33-41, 1999-01-15
被引用文献数
25

Drug can cause various types of lung damages, with drug-induced pneumonitis (including acute interstitial pneumonia, usual interstitial pneumonia, desquamative interstitial pneumonia, nonspecific interstitial pneumonia, bronchiolitis obliterans with organizing pneumonia, eosinophilic pneumonia and hypersensitivity pneumonitis) being the most important among them. The incidence and the causative agents of drug induced pneumonitis have varied over time. Before 1980, anticancer agents and gold salts were the main drugs, and the number of causative drugs (61) and case reports was small. Recently, pneumonitis has increasingly been caused by Chinese herbal medicines, antibiotics, chemotherapy agents, anti-inflammatory drugs, analgesics, cytokines, and gold salts, and the number of case reports and drugs involved (177) has increased.<BR>Drug-induced pneumonitis has characteristics that depend on the causative agent. Review of our patients and reports in Japan revealed the following. Pneumonitis caused by anti-inflammatory drugs, analgesics, and antibiotics generally develops at 1-2 weeks after starting administration, and bronchoalveolar lavage and histologic examination of lung biopsies reveals the features of eosinophilic pneumonia. Such pneumonitis is associated with a high frequency of a positive drug lymphocyte stimulation test (DLST), and has a good outcome. Conversely, with pneumonitis caused by anticancer and immunosuppressive agents, the onset is often delayed and the disease has features of diffuse interstitial pneumonia and pulmonary fibrosis. The frequency of a positive DLST is low, and the outcome is generally poor. Pneumonitis induced by Chinese herbal medicines, gold salts, and antituberculosis agents has intermediate features between the above two types: i.e., it develops after 2-3 months or six months (gold salts), and resembles either eosinophilic pneumonia, BOOP or interstitial pneumonia.<BR>For <I>in vitro</I> identification of causative drugs, the DLST and the leukocyte migration inhibition test (LMIT) are generally used. The latter test is superior in sensitivity, suggesting that the mechanism of this test involves cytokines such as IL-1α, IL-1β, IL-2, TNF-α, and IL-8.
著者
大西 英雄 網島 ひづる 金井 秀作 近藤 敏 今泉 敏 細羽 竜也 古屋 泉 細川 淳嗣 ONISHI Hideo AMIJIMA Hizuru KANAI Shusaku KONDO Satoshi IMAIZUMI Satoshi HOSOBA Tatsuya FURUYA Izumi HOSOKAWA Atsushi オオニシ ヒデオ アミジマ ヒヅル カナイ シュウサク コンドウ サトシ イマイズミ サトシ ホソバ タツヤ フルヤ イズミ ホソカワ アツシ
出版者
県立広島大学
雑誌
人間と科学 (ISSN:13463217)
巻号頁・発行日
vol.9, no.1, pp.111-120, 2009-03

報告Reports本研究の目的は,ICT(information communication technology)を活用した効果・効率を高めた教育-学習システムを構築しその評価を行う。そのシステムは,教員が授業内容として作成したコンテンツをインターネット上にあるサーバーにuploadを行い,コンテンツを教員・受講生ともに各自のPCからインターネット経由でサーバーにアクセスを行う。同時にSkypeTMによるWebカメラとヘッドホーンを利用した双方向のリアルタイム音声・画像システムを利用して,対面授業を行う。授業内容は大学院(保健福祉学専攻)レベルとした。研究参加に同意した受講生を対象に本システムを活用した模擬授業を行い,その有効性及び特異性などについて質問紙調査を実施した。その結果,遠隔地からでも受講可能であること,対面授業による学生と教員のコミュニケーションの効果や受講生が自由にインターネットでコンテンツにアクセスすることで予習や復習ができることなどから学習意欲が高まるなどの評価が高かった。しかし,SkypeTM使用における通信スピードの低下などによう画像劣化や音声の劣化など今後の対策が求められた。The purpose of this study was to construct and evaluate a Web-based education and learning system, which enhances the effects and the efficiency of learning by the use of ICT (information communication technology). The system allows class contents to be uploaded to an Internet server, and to be simultaneously accessed by both the teacher and students using PCs. An interactive lesson could be held by means of a real-time audio and visual system using Skype™ with Web cameras and headphones. The class contents in our study were graduate-school level (Faculty of Health and Welfare). Having obtained consent for our research from the participants, we conducted a class utilizing the system and conducted a questionnaire survey about its efficacy and specific qualities. The results indicated a high evaluation of the system in that learning was facilitated by the capability of the system which allowed students to prepare and review lessons, to access contents even from distant locations, and to participate in interactive lessons with the teacher. However, future measures to deal with problems including image distortion, poor sound quality and slowness in Skype™ communication speed are required.
著者
近藤 邦康
出版者
大東文化大学
雑誌
IICPSニューズ・レター (ISSN:13493116)
巻号頁・発行日
vol.14, pp.15-18, 2005-03

2003年度に「グローバル・スタディーズ」班で行われた、拙著『毛沢東 実践と思想』(岩波書店、2003年7月) の合評会と、「IICPSニューズ・レター」No. 13に掲載された内田健二班員の書評をふまえて、2004年に日中学術交流を通じて知った中国の毛沢東研究の動向を紹介し論評して、班活動の報告に代えさせていただきたい。
著者
近藤 敏行 小林 利宣
出版者
日本教育心理学会
雑誌
教育心理学研究 (ISSN:00215015)
巻号頁・発行日
vol.8, no.3, pp.1-9, 1960-12-30

さきに著者が発表した,K.K.改訂Bemreuter Personallty Inventoryを,中学生の生活や思考に適応するようにあらためた92項目の診断目録(K.B.P.I、-J特型)を作製し220名の被検者の応答に基づいて,各項目間の四分割相関係数を算出し,その相関行列をもとに三因子分析を行ない,7個の因子を抽出した。それはもとの診断目録の因子と5個一致し,2個はもとの因子とは別のものと解釈された。一致した因子は,神経質,自己充足・内向-外向,自信欠如・支配服従1の5特性であり,もとのB.P.I.にあつた社交性のかわりに,情緒性,自我の2特性が抽出された。次に各因子の各項目に対する負荷量を5段階法によって,重みづけを行をつて,2,1,O,-1,-2の得点をあたえた。次に中国・四国,近畿地区のづ・学校5年生以上高等学校1年までの児童,生徒約1,000名に,この診断目録を実施して,その標準化を行をつた。因子解釈において,特にS型との関連において,やや困難を感じさせられたものが若干あり,目録の妥当性についての検討が,今後に残された課題である。
著者
近藤 浩
出版者
九州工業大学
雑誌
基盤研究(C)
巻号頁・発行日
1996

人物の顔写真の対称度を測定するため、まず顔の軸を水平方向(行方向)に対して直角になるように回転させる。これはアフイン変換によりごく簡単に行えるが、回転を行うことにより画像サイズからしばしばはみ出して消失される部分が出るため顔の重心を画面の中央に移動させ、この重心を中心に回転を行った。これにより軸の回転に対する問題はほぼ解決できた。次にこうして回転させた画像の一次元フーリエ変換を必要な全行に対して行いその実部のみを2乗し、虚部をゼロとしたもののフーリエ逆変換を行う。この段階で画像の各行毎の水平方向一次元関関数が得られたことになる。このときフーリエ実部のみの逆変換(real part-only synthesis)の相関であるから原画と左右折り返しの画像との相互相関を自動的に計算していることになる。各行の原点での値(第1列目の値)はreal part-only synthesisから得られる2重画像(原画と折り返し画像)のその行のみでのエネルギーを表し、第2ピークが求める相互相関値となっている。従って目の部分、鼻の部分、また口の部分のみの関係した行のみを縦方向(列方向)に和をとることだけで局部対称性が求められる。さらにすべての行を足し合わせると顔全体の相関となり全体像の対称度が求まる。従って、初期値として目、口、鼻など必要な部分の行番号を入力しておけば、上記一連の処理は瞬時にして完結する。70人の学生に協力してもらい顔写真をディジタルカメラでコンピュータに取り込みこれらの処理を行った。平均処理時間は2.79秒であった。本年度科研費によりほぼ本テーマを完全遂行できたことに感謝するとともに、来年度からは影の消去及び3次元立体回転へと展開していきたい。
著者
稲田 貞俊 花岡 公司 近藤 正多嘉
出版者
社団法人日本材料学会
雑誌
材料 (ISSN:05145163)
巻号頁・発行日
vol.16, no.170, pp.883-889, 1967-11-15

We designed the measuring instrument of thickness variation of bulged foil, and by using this apparatus, studied the configuration of bulged surface of aluminum foil. (1) The bulged surface of aluminum foil is composed by two parts; one part near the appex is spherically constant in thickness, the other part is settled inside the sphere. (2) The instable state of bulged surface of alumium foil occurs before the initiating point destructions. (3) The bulged height corresponding to the initiating instable state is detected by measuring the thickness variation.
著者
[タカ]林 久顯 柴原 敏夫 松田 陽介 福井 浩一 筈井 真哉 松村 康司 近藤 悟
出版者
一般社団法人電子情報通信学会
雑誌
電子情報通信学会技術研究報告. EE, 電子通信エネルギー技術 (ISSN:09135685)
巻号頁・発行日
vol.100, no.545, pp.31-36, 2001-01-09
被引用文献数
3

昼間の電力のピークカットや負荷平準化に使用するため、夜間の安い余剰電力を蓄電するサイクル長寿命の電力貯蔵用制御弁式据置鉛蓄電池を開発した。サイクル寿命性能の向上は、正極に耐腐食性格子合金と高密度活物質の採用、負極に充電性能を向上させる添加剤の採用、電池の横置き(極板水平方向)設置、新規リテーナの採用、充電条件の最適化等の新しい仕様を組み合わせることで達成した。開発した電池はサイクル寿命が2000サイクル以上(放電量70%、10HR、25℃)、充放電電力効率が87%という従来にない優れた特性を有している。今回開発した電池と双方向コンバータシステムを組合わせた電池電力貯蔵システムを開発し、モデルプラントとして100Kw及び400kWのシステムを弊社工場に設置した。現在、実証試験を行っている。今後さらに再生可能エネルギーの独立電源(風力発電・太陽光発電等)への適用を進めていく予定である。
著者
村上 和人 近藤 隆行 鈴木 健志 輿水 大和
出版者
一般社団法人電子情報通信学会
雑誌
電子情報通信学会技術研究報告. PRU, パターン認識・理解
巻号頁・発行日
vol.94, no.51, pp.63-70, 1994-05-20
被引用文献数
4

似顔絵生成問題は、顔の物理的表現から個人性特徴の知覚的記述・表現を抽出し、これを改めて物理的に生成する問題として捉えることができる。筆者らは、これをコンピュータによる実現する一つの試みとして、顔の物理的な個人性特徴を抽出するための「平均顔」と、その特徴の知覚的記述を獲得するための「中割り法」によるズレの誇張法、などを基本原理とした似顔絵師システムPICASSOを開発してきた。これまでのPICASSOでは、主に、二次元的な扱いで上述の特徴抽出と誇張メカニズムを実現してきた。本論文では、これを三次元に拡張し、三次元立体表示による「似顔絵レリーフ」をはじめとした簡易な三次元似顔絵生成を実現するための一手法について提案する。
著者
近藤 丘
出版者
特定非営利活動法人 日本呼吸器内視鏡学会
雑誌
気管支学
巻号頁・発行日
vol.27, no.2, 2005

気管支鏡安全対策委員会 編 気管支鏡安全対策委員会より「教訓的事例」コーナー終了のお知らせ 気管支鏡安全対策委員会では平成13年に行った全国気管支鏡調査のさいに寄せられた過去5年間に経験した教育的事例をもとにした「教訓的事例」というコーナーをこれまで約3年間にわたって続けて参りました.このコーナーの掲載につきまして平成16年6月にアンケート調査を行いました.434施設に発送して172施設からご回答をいただきました.その結果を以下にお示しします.(1)「気管支学」に掲載されている教訓的事例について 1. 継続した方がいい:171 2. やめた方がいい:1 (2)(1)で1とした方 A. 目を通す頻度は 1. 毎回読んでいる:73 2. 時々読んでいる:87 3. ほとんど読んでいない:10 4. 回答無し:1 B. 内容については 1. 非常に意義がある:130 2. あまり役には立たない:7 3. ケースによる:6 4. 回答無し:28 このアンケート結果から,このコーナーについては比較的好意的に受け止められており,利用されている頻度も高く継続を望む声が優勢であることがわかり,委員会として意図したものは達成できたのではないかと考えています.しかし,このアンケート時にさらなる事例の投稿をお願いしましたが,それに対する反応はありませんでした.今回,平成13年に会員より寄せられた事例で編集委員会とも相談の上,このコーナーへの掲載に適すると判断した事例は前号で全て掲載を終えましたので,これをもってこのコーナーの終了とさせていただくこととなります.なお,このような事例の投稿についてはホームページへの投稿という手段も含めて今後検討して参りたいと思います.
著者
植田 喜久子 滝口 成美 宮武 広美 吉野 純子 飯村 富子 野村 美香 近藤 真紀 中信 利恵子 藤田 佳子 永井 真由美 五嶋 育子 成田 伸 ウエダ キクコ タキグチ ナルミ ミヤタケ ヒロミ ヨシノ ジュンコ イイムラ トミコ ノムラ ミカ コンドウ マキ ナカノブ リエコ フジタ ヨシコ ナガイ マユミ ゴトウ イクコ ナリタ シン
出版者
日本赤十字広島看護大学
雑誌
日本赤十字広島看護大学紀要 (ISSN:13465945)
巻号頁・発行日
vol.2, pp.55-63, 2002

本研究の目的は、日本人の壮年期にある女性の健康的なライフスタイルを査定する質問紙を開発し、その信頼性と妥当性を検討することである。 最初に4段階のリッカートスケールをもつ47項目からなる質問紙を開発した。質問紙は、ブレスローやペンダーの理論や日本人の壮年期にある女性に関する研究を基礎として作成した。予備調査の後、2001年5月から6月に本調査を行い、572名の女性から回答を得た。信頼性や妥当性をクロンバックのα係数、主成分分析、ライフスタイル総得点の分布、ライフスタイル得点と森本のHPI得点との相関係数により検討した。その結果、クロンバックのα係数は、0.88であり、7つの下位尺度と29項目が得られた。これらの下位尺度と因子分析前の下位尺度には、「食事」、「運動・休養」、「健康への関心」では一致がみられ、構成概念妥当性はある程度確保されていると考えられた。このライフスタイル指標は、ある程度の信頼性や妥当性を得ており、日本人の壮年期女性のライフスタイル指標として、心理的、社会的な側面や価値観を考慮した尺度であると考えた。今後の課題として、日本人の壮年期女性の体験をふまえながら、洗練したライフスタイル指標を作成していく必要がある。