著者
黒岩 めぐみ 金泉 志保美
出版者
国立大学法人 群馬大学大学院保健学研究科
雑誌
群馬保健学研究 (ISSN:13434179)
巻号頁・発行日
vol.40, pp.1-7, 2020 (Released:2020-04-27)
参考文献数
9

本研究は、病気や障害をもつ子どものきょうだい児に対して行われている支援に関する研究の動向を明らかにし、今後の研究課題を検討することを目的とした。医学中央雑誌Web(Ver.5)を用いて2010年~2019年の文献を検索し、14件を対象に分析した。研究対象は看護師が最も多く、きょうだい児を直接対象として調査・分析している研究は3件と少なかった。NICUを対象とした研究は2件であった。対象文献の研究内容をコード化し、類似性に従って分類した結果、【きょうだい児への具体的な介入の実施とその評価】【看護師をはじめとする医療者が行っているきょうだい児への支援の現状】【家族からきょうだい児に対して行われた情報提供に関する研究】【母親の認識するきょうだい児の面会により得られる効果】の4カテゴリが形成された。今後の課題として、きょうだい児への直接的な支援が積極的に行われること、NICUにおけるきょうだい面会の推進およびきょうだい児の反応を明らかにすることの必要性が示唆された。
著者
金 炅敏 松橋 啓介 石河 正寛 有賀 敏典 崔 文竹
出版者
公益社団法人 日本都市計画学会
雑誌
都市計画論文集 (ISSN:09160647)
巻号頁・発行日
vol.56, no.3, pp.1282-1288, 2021-10-25 (Released:2021-10-25)
参考文献数
14

1980年から2015年までの8時点の国勢調査の都道府県別5歳階級別人口について、「ベイズ型APC分析」を適用し、都道府県の特徴を類型化した。41道府県では、コーホート効果が最も大きかった一方で、6都府県ではコーホート効果よりも年齢効果が大きかった。就業や就学が影響する年齢効果を「年少型、老年型、就業型」、地域的な経済状況の特徴を反映する時代効果を「増加型、減少型、凸型、凹型」、生まれ年代を反映するコーホート効果を「旧世代型、新世代型」に分類し、それぞれの特徴を示した。この期間の47都道府県の人口変化の特徴を17種類に分類できることが分かった。今後、2020年度の国勢調査の結果を加えることで、最新のトレンドを反映した要因分析が可能になると考えられる。また、市区町村単位のAPC分析を行い、大都市部やその周辺の地域、そして農村部や過疎化が進んでいる市区町村の特徴をより空間詳細に把握することも今後の課題である。
著者
金子 成彦 宮野 芳寛 北澤 進 渡邉 辰郎
出版者
一般社団法人 日本機械学会
雑誌
動力・エネルギー技術の最前線講演論文集 : シンポジウム 2004.9 (ISSN:24242950)
巻号頁・発行日
pp.59-64, 2004-06-22 (Released:2017-06-19)

Generators with small gas turbines that generate less than 100kW are drawing attention as a power source of cogeneration systems. Dynamic pressure type air foil bearings are expected to serve as shaft bearings. The design that these bearing are simply designed, easy to produce and maintenance free without requiring lubrication, holds the key to miniaturization of micro-gas turbines. However, the details of such design guidelines have not been clarified though this technology is used in APC for aircraft units. In this study, in order to obtain design guidelines of foil bearing, in making the foil to be the discretion beam, the modeling of the foil was carried out. Taking the frictional forces of attachment part of the foil and the protrusion, etc. into consideration, static characteristic and dynamic characteristic were analyzed to examine performance and stability of the radial foil bearing.
著者
高辻 正基 金子 忠男
出版者
公益社団法人 応用物理学会
雑誌
応用物理 (ISSN:03698009)
巻号頁・発行日
vol.46, no.5, pp.529-539, 1977-05-10 (Released:2009-02-09)
参考文献数
40
被引用文献数
1

1 0 0 0 OA 近世英傑略伝

著者
金田耕平 編
出版者
黄雲山房
巻号頁・発行日
vol.巻之2, 1878
著者
柿木 隆介 渡邊 昌子 金桶 吉起
出版者
岡崎国立共同研究機構
雑誌
萌芽研究
巻号頁・発行日
2001

本研究に用いたMicro-SQUIDは特注で製作した世界唯一の機器であり、まさに萌芽的研究の主旨にかなった研究テーマであった。この3年間は実用化における諸問題の解決に力点を置いて研究を行なった。すなわち、SQUID自体の問題に加え、磁気シールドルーム(これも世界で最も小型のものを特注した)にも多くの問題が発生した。さらにソフトウェアの多くも新たに作成したが、初期マイナートラブルが多く発見され、それを1つずつ解決せねばならなかった。昨年夏にはようやく実用化が可能となり実験を開始する事ができた。先ず末梢神経の記録を行った。指を刺激して手首部を上行する活動電位の計測を行った。Micro-SQUIDの極めて高い空間分解能は、上行する刺激信号が4双極子であること、またその伝導時間が平均58.7m/secであることを明らかにした。信号が上行する状況をmsec単位で明確かつ詳細に記録したもので、世界で初めての報告であった。また同様の刺激条件時に頭皮上にMicro-SQUIDを置いて初期大脳皮質反応の記録に成功した。現在は、さらに聴覚、視覚などの刺激による反応記録も行っている。現在はヒトを対象とした研究が主体であるが、今後はさらにサルでの実験も考慮している。さらに交通事故による「引き抜き症候群」患者の検索を目的として、先ず健常人を対象として腕神経叢より頚部神経節に至る末梢神経近位部の検索を行なった。Micro-SQUIDの極めて高い空間分解能は、上行する刺激信号が4双極子であること、またその伝導時間が平均約60m/secであることを明らかにした。来年度は多数の臨床例を対象として検査を行なっていく予定である。
著者
金桶 吉起 乾 幸二 渡辺 昌子
出版者
生理学研究所
雑誌
基盤研究(C)
巻号頁・発行日
2003

本研究は、仮現運動知覚および第2次運動知覚について、生理学的研究を脳磁図および機能的磁気共鳴画像にて行った。ランダムドットパターンを用いた仮現運動刺激では、ちらつきと運動の知覚を外的刺激を変化させずに与えることができる。よって刺激によらず運動知覚に伴う内的な脳機能の違いを検討することができた。結果は、運動知覚が惹起されるときはちらつきが惹起されるときと比して100ms前後から高い神経活動を示した。これは両者の知覚が視覚系の早い段階から競合しながら形成されていくことを示唆する。また、第2次運動知覚に関わる脳部位を機能的磁気共鳴画像を用いて検討した。第2次運動とは、明るさの時間変化を検出して運動を知覚する第1次運動知覚に対する概念で、物体の模様やコントラストなどの全般的な要素の位置の変化を検出することによって初めて知覚される。これまでにも同様の試みは多くなされてきたが、第2次運動知覚のみに特異的に関わる部位の同定はできておらず、臨床例の研究との結果に乖離があった。我々は、第2次運動知覚をもたらす視覚刺激を2003年に新たに創作した。この刺激は、第1次運動の影響を理論的に皆無にし、また第2次運動知覚の中でももっともその特徴を有するという性質を持つ。この刺激を用いて、脳磁図にて初めて第1次と第2次運動に対する反応の違いを明らかにした。今回は、この刺激を機能的磁気共鳴画像実験に応用した。視認性の影響を調べるために、第2次運動より見にくい第1次運動と、第2次運動、そして第2次運動と同程度の見易さの第1次運動、さらに第1次と第2次運動の両者の性質を持つ混合運動の刺激を用いて、それぞれに反応する脳部位を検索した。その結果、第2次運動に特異的に反応する部位は、上側頭溝後部にあった。この部位に障害を起こした臨床例が、第2次運動に特異的に知覚障害を起こしたことが報告されており、その結果とみごとに一致する。また、同部位は、biological motionや表情の変化にも特異的に反応することが知られており、高次の運動知覚に広く関わることが示された。
著者
渡邉 聡子 勅使川原 早苗 國方 友里亜 三嶋 麻揮 田原 稔久 今井 佑輔 金藤 光博 田村 友和 桃木 律也 小武 和正 利根 淳仁 中塔 辰明
出版者
一般社団法人 日本糖尿病学会
雑誌
糖尿病 (ISSN:0021437X)
巻号頁・発行日
vol.65, no.4, pp.188-194, 2022-04-30 (Released:2022-04-30)
参考文献数
15

メトホルミンの過量服薬を契機に乳酸アシドーシス,急性腎不全を呈した2型糖尿病の1例を経験したので報告する.症例は50歳代男性.入院2週間前より気分の落ち込み,食欲不振を認めていた.入院2日前の採血で血清Cre 1.50 mg/dL,血糖247 mg/dL,血液ガス分析では異常を認めず,入院前日の採血ではCre 1.42 mg/dLであった.入院前日の夜にメトホルミンを推定4000 mg服用し,嘔気嘔吐,下痢が出現したため,翌日当院へ救急搬送となった.血液ガス分析でpH 6.91,乳酸25.0 mmol/L,採血でCre 4.39 mg/dLと,乳酸アシドーシス,急性腎不全を認めた.来院後速やかに緊急血液透析を開始することで救命し得た.メトホルミンの過量服薬後に急激な腎機能悪化を認めた経過から,メトホルミンによる直接的な腎障害が示唆された.迅速な血液透析が治療に有効であったので報告する.
著者
金 浩星
出版者
禅学研究会
雑誌
禅学研究
巻号頁・発行日
vol.83, pp.25-53, 2005-01-30
著者
酒井 邦秀 ハウザー エリック 金子 克己
出版者
電気通信大学
雑誌
基盤研究(C)
巻号頁・発行日
2008

幼児用の絵本からはじめる英語多読及びその朗読CD による多聴授業により、学生は学校英語を忘れてゼロから英語を英語のまま吸収し始め、一人一人が自分に合った内容とレベルの素材を選んで読み、聞く自律した学習者となった。また、一人一人の多読多聴状況を授業中に教師が英語で質問し、学生がそれに英語で答えることにより、extensive speakingの効果も確認された。また、英語による学生同士のbook talk と、それを書く事により、extensive writingの成果も確認できた。
著者
金春 禅竹[作詞]
出版者
ビクター
巻号頁・発行日
1938-08
著者
金 承革 柴田 昌和 土田 将之 栗田 泰成 塚本 敏也
出版者
バイオメカニズム学会
雑誌
バイオメカニズム (ISSN:13487116)
巻号頁・発行日
vol.25, pp.151-165, 2020 (Released:2021-07-16)
参考文献数
39
被引用文献数
1

中殿筋は片脚立位保持や歩行において骨盤側方傾斜を制動して安定させる重要な筋である. 中殿筋の内部構造や筋出力や筋電波形特性を明確にすることは, 臨床での検査方法の適正改善や検査データのより良い解釈へつながり, ふらつきや転倒などの機能障害を改善・予防することに貢献できる. 肉眼解剖学的調査によって, 中殿筋内部には腱膜が存在し, 前部線維束と後部線維束に分かれることが明確になった. 股外転最大筋力発生時の筋断面積と筋電の測定では, 股伸展位で前部線維束が, 股屈曲位で後部線維束が主に寄与すると推測できるデータが観測された. 歩行中の中殿筋の両線維束の筋電位は, 被験者の個人特性があるが, 最大筋力発生時の特性を反映していた.
著者
猪野 崇 秦 光賢 本間 琢 中田 金一 谷口 由樹 折目 由紀彦 秋山 謙次 三俣 昌子 塩野 元美
出版者
日本大学医学会
雑誌
日大医学雑誌 (ISSN:00290424)
巻号頁・発行日
vol.72, no.6, pp.312-319, 2013-12-01 (Released:2014-12-30)
参考文献数
28

目的: 今回我々は大動脈外科における新しい 脳保護法及び体外循環法として軽度低体温循環停止・急速冷却復温法を考案した.従来法は,20°C の超低体温とし,復温も緩徐に行うことが一般的であった.我々は 28°C の軽度低体温・循環停止からの急速な温度変化によっ ても脳に対して影響しないと推測し,実験的検討を行った.方法:体重,約 40 kg のブタを用いて完全体外循環モデルを作成し,実験モデルを以下の 3 群 (各 n = 10) に分類した.A 群:直腸温 20°C の高度低体温で 20 分間の循環停止後,直腸温と人工心肺送血温の差を 5°C 以内に保ち,緩徐に 37°C まで復温する.B 群:28°C の軽度低体温で 20 分の循環停止後 A 群と同様に復温する. C 群:28°C 軽度低体温で 20 分の循環停止度後,38°C に加温した血液を送血することにより急速に復温する.人工心肺開始前,冷却完了時,復温開始時,復温完了時の 4 時点における血液生化学検査,CK-BB, S-100 及び脳組織血流,脳酸素分圧,頸静脈酸素飽和度について比較検討し,実験終了時に大脳皮質・海馬組織を採取し,病理学的に検討した.結果: 血小板数は復温完了時において A 群 が他の 2 群に比較し有意に低値であった.各測定時において BUN, Cr は群間に有意差はなかったが,復温完了時において AST は C 群が他の 2 群に比して有意に低値であり,LDH は A 群が他の 2 群と比較して有意に高値であった.CK-BB, S-100 は血中,髄液中ともに A 群が他の 2 群と比較して有意に高値であった.脳組織血流量は冷却完了時,復温開始時,復温完了時において A 群が他の 2 群と比較して有意に低値であった.脳酸素分圧に関しては復温開始時において,A 群が他の 2 群と比較して有意に低値であった.脳組織における細胞変性数は 3 群間で有意差は認められなかった.結論:28°C の軽度低体温循環停止に続く急速復温法は脳組織に対する影響は少なく,血液凝固障害の予防のためにもより有効な方法であると考えられた.