著者
登喜 和江 Kazue Toki 千里金蘭大学 看護学部
巻号頁・発行日
vol.13, pp.41-47,

臨床看護師が気がかりとしている「死後のケア」提供後の患者(遺体)の状態および葬儀担当者の看護師への要望を明らかにすることを目的に葬儀担当者に質問紙調査を行った。大阪府内に事業所を置く90社に180部依頼配布し,46名の有効回答を得た。結果,出血,開口,悪臭,体液漏出,開眼のトラブルを7割以上の者が体験し,看護師の未熟な技術や家族への実情と異なる説明に困惑していた。また,双方の情報提供は,2割以下であった。葬儀担当者は,多くが情報提供を受けないまま様々な遺体トラブルを体験し,その対応に追われていた。以上のことから,看護師の死後のケア技術および知識の向上,ケアを引き継ぐ葬儀担当者との死後のケア技術の変更に伴う結果の検討や情報交換などの必要性が示唆された。
著者
三好 将仁 金丸 誠 安原 裕登 宮内 俊彦
出版者
一般社団法人 電気学会
雑誌
電気学会論文誌D(産業応用部門誌) (ISSN:09136339)
巻号頁・発行日
vol.142, no.2, pp.119-124, 2022-02-01 (Released:2022-02-01)
参考文献数
17

Feature values of the current are rapidly becoming online indicators of faults in motors and load equipment. Diagnosis by analysis of the stator currents is called motor current signature analysis (MCSA). Compared with vibration analysis, this method can be applied without sensors, and additional long wiring. MCSA detects incidents peculiar to motors, such as bearing failures and rotor bar faults, before breakdown. In this study, we introduce relationships between the failures and current features. The MCSA sometimes has difficulty in identifying anomalies and there is the possibility of false-positive results; hence, we propose some solutions to these problems.
著者
柳 宇 鍵 直樹 東 賢一 金 勲 志摩 輝治 大澤 元毅
出版者
公益社団法人 空気調和・衛生工学会
雑誌
空気調和・衛生工学会大会 学術講演論文集 平成28年度大会(鹿児島)学術講演論文集 第7巻 空気質 編 (ISSN:18803806)
巻号頁・発行日
pp.17-20, 2016 (Released:2017-10-31)

省エネと室内空気質の両立の視点から採用されているCO2濃度検知による換気量制御の実態に関する調査を行い,空調方式別の室内CO2濃度の実態解明を図ると同時に,その換気量制御のあり方について考察を行った。 (1)オフィスビルの一人当たりの気積が大きいことにより室内CO2濃度は定常濃度にならず,執務時間帯では常に低く抑えられている。 (2)室内CO2濃度の瞬時値ではなく,その平均値を関連基準値以下に制御することで室内空気質の確保と省エネの両立が図られる。
著者
金 鍾和 梁 鍾奎 欅田 榮一
出版者
公益社団法人 化学工学会
雑誌
化学工学論文集 (ISSN:0386216X)
巻号頁・発行日
vol.23, no.1, pp.47-52, 1997-01-10
参考文献数
8
被引用文献数
1 4

都市ゴミ焼却炉飛灰に含まれている金属元素のうち, 化学製品の原料として再利用可能なもの (例えばカドミウム, 銅, マンガン, 鉛, 亜鉛等) を, 回収するプロセスの開発を目標とした.<BR>沈殿法分離プロセスの計算機援用合成法によって合成された既報の候補プロセス (C) を進化させて, 候補プロセス (D) を合成した.このプロセスは, 飛灰をHNO<SUB>3</SUB>によって浸出した液にNa2<SUB>2</SUB>Sを添加して回収対象金属の硫化物を沈殿させ, この沈殿を希硫酸, 濃硫酸, 希硝酸によって逐次溶解して, Mn<SUP>2+</SUP>, Zn<SUP>2+</SUP>, Cd<SUP>2+</SUP>, Pb<SUP>2+</SUP>をそれぞれ単離し, CuSを沈殿として残すものである.さらに, 各金属の純度を向上するために, 候補プロセス (D) を改良して, Zn<SUP>2+</SUP>が含まれているMn<SUP>2+</SUP>及びCd<SUP>2+</SUP>ラフィネート留分をbis (2-ethylhexyl) phosphoric acid (D2EHPA) によって溶媒抽出してZn<SUP>2+</SUP>を分離する操作及びCuSをNH<SUB>4</SUB>OHあるいは (NH<SUB>4</SUB>) <SUB>2</SUB>CO<SUB>3</SUB>によって [Cu (NH<SUB>3</SUB>) <SUB>4</SUB>] <SUP>2+</SUP>とし PbSを沈殿として残す操作を加えた候補プロセス (E) を合成した.
著者
国島 知子 金城紀子 紀子
出版者
一般社団法人 日本小児リウマチ学会
雑誌
小児リウマチ (ISSN:24351105)
巻号頁・発行日
vol.3, no.2, pp.72-76, 2010

症例は7歳男児.剣道練習中に右足首を捻挫した.免荷療法を施行されたが,両足関節の腫脹と察痛に進展し,受傷6か月後の造影MRIで滑膜の増殖と軟骨破壊を認め, MMP-3が高値であり,若年性特発性関節炎(JIA)少関節型と診断された.受傷9か月後からメトトレキサート(MTX)少量パルス療法を開始したが,松葉杖なしでは歩行が困難となった.関節裂隙の狭小化の進行,MMP-3高値の持続に加え,RF陰性にもかかわらず抗CCP抗体の異常高値を認めた.受傷1年7か月後よりトシリズマブの投与を開始したところ,CRP, ESR, MMP-3が正常化し,関節裂隙の狭小化が著しく改善した.トシリズマブ以外の治療を中止でき,日常生活の制限はなくなった. JIAの関節予後の予測因子として抗CCP抗体の値が有用となり得ることが示唆された.また,トシリズマブは関節型JIA患者の骨・軟骨破壊を抑制して,罹患関節の構造的寛解をももたらす可能性があると考えられた.
著者
金関丈夫著
出版者
法政大学出版局
巻号頁・発行日
1976
著者
金 鍾其
出版者
一般社団法人 芸術工学会
雑誌
芸術工学会誌 (ISSN:13423061)
巻号頁・発行日
vol.53, pp.88-95, 2010-09-30 (Released:2017-11-30)

本研究では、チタン金属の発色法である陽極酸法を発展させ、化学酸化法と組み合わせた新しい発色法を試みた。従来の陽極酸化法で発色した色は全般的に鮮やかで原色に近い色が多い。そのため色彩設計上色彩バランスに欠けるきらいがあった。したがって陽極酸化法で発色できる色の数をさらに増やすため、特に様々な中間色を発色できるように試みた。従来の陽極酸化法が赤-緑および黄-青色に関するより鮮やかな原色であるのに比べ、化学酸化法と組み合わせた新しい陽極酸化法では、中間色に近い淡い色味の色彩が得やすい。原色も中間色のどちらも色彩設計上必要であり、陽極酸化法と化学酸化法を組み合わせた新しい発色法は共に必須である。具体的な中間色の発色法として、従来黒色を得るためのみに実施されてきた化学酸化法を発展させ、一旦形成した黒色層を脱色し、引き続いて陽極酸化法を実施することで中間色に近い色相や低明度、低彩度の色が得られた。すなわち黒色を脱色する度合が重要である。また、本研究では目視による色彩判定だけでなく、測色計による定量的な比較を行いプロセスの再現性が容易になった。最後に、マグネットホルダーとしてチタン金属板に従来法と本研究で検討した発色法の両者で試作した例を示した。両者に測色計では計測不可能な色味の違いが存在し、従来法ではギラギラした光沢感が、また後者ではマット面からの反射のくすんだ色調が得られることが判った。

1 0 0 0 OA 日本藻類図譜

著者
岡村金太郎 著
出版者
岡村金太郎
巻号頁・発行日
vol.第五卷, 1928
著者
岸 祐希 アリヤリ アタフォン 金崎 雅博
出版者
進化計算学会
雑誌
進化計算学会論文誌 (ISSN:21857385)
巻号頁・発行日
vol.12, no.3, pp.137-147, 2021 (Released:2022-01-18)
参考文献数
32

In this study, a multi-fidelity approach was developed based on the efficient global optimization (EGO) and integrated with multi-additional sampling. The developed approach was more efficient than the conventional multi-fidelity approach when applied to design problems. The effectiveness of the proposed approach was demonstrated by solving two test problems (a test problem in Van Valedhuizen’s test suite and a test problem with a convex Pareto front) before applying the approach to real-world problems. As a demonstration of solving real-world problem, we solved two objective airfoil design problems for a small unmanned airplane. The objective functions were the drag coefficient (for flight efficiency) and the thickness at the 75% chord position (for structural strength and manufacturability). The results of the test problems revealed that the proposed approach obtained more non-dominant solutions near the theoretical Pareto front than those obtained by the Original optimization approach at the same iteration number of EGO loop; this is because the proposed approach obtained more additional samples than the Original optimization approach (multi-objective multi-fidelity EGO without multi-additional sampling) per additional sampling loop. A comparison of the accuracies of surrogate models based on the proposed approach and the Original optimization approach using leave-one-out cross validation suggested that, depending on the optimization problem, one of the two approaches can yield greater accuracy. The airfoil design results, as well as the test problems, revealed that the proposed approach can obtain several better solutions than those obtained by the Original optimization approach when the number of iterations of additional sampling was the same between both approaches. The hypervolume in the proposed approach also increases more rapidly than that in the Original optimization approach.
著者
藤川 日出行 井岡 達也 高安 徹雄 関口 弘道 中山 敏夫 島田 和幸 夏目 隆史 金井 信行 斎藤 建
出版者
公益財団法人 日本心臓財団
雑誌
心臓 (ISSN:05864488)
巻号頁・発行日
vol.27, no.2, pp.163-167, 1995-02-15 (Released:2013-05-24)
参考文献数
10

慢性期に外傷を契機として心房リードの穿孔を起こした永久ペースメーカー植え込み例を経験したので報告する.症例は70歳女性で,63歳蒔に完全房室ブロックを指摘され,68歳時にtorsades de pointes(TdP)によるAdams-Stokes発作を起こすようになり当科入院した.完全房室ブロック,徐脈によるQT延長のためDDDペースメーカーを植え込んだ.70歳時にパーキンソン症候群による歩行障害にて転倒し,左肩を強打した後より全身浮腫と呼吸困難が出現し近医入院した.心不全にTdPと肺炎を合併し当科転院となったが,心房のペーシング不全,センシング不全が認められた.呼吸不全加療中にTdP,VF出現し死亡した.剖検にて心房リードの右心房壁穿孔を認めた.経過より外傷を契機としたリードの心房壁穿孔と考えられ,病理所見等報告する.
著者
斎藤 嘉朗 宇山 佳明 佐井 君江 頭金 正博
出版者
一般社団法人 レギュラトリーサイエンス学会
雑誌
レギュラトリーサイエンス学会誌 (ISSN:21857113)
巻号頁・発行日
vol.7, no.1, pp.61-69, 2017 (Released:2017-01-31)
参考文献数
14

近年, 本邦における医薬品開発時の臨床試験は, 国内治験, ブリッジングから国際共同治験へと, その戦略は移りつつある. そのため, 複数の国内のガイドラインが整備されてきたが, 2014年よりICHトピック (E17 「国際共同治験の計画及びデザインに関する一般原則」) に採用され, 2016年にパブリックコメント募集のためガイドライン案として公表された. 一方, 国際共同治験の大半を占める日米欧を中心とした多地域国際共同治験に加え, 遺伝的・文化的に類似している東アジア諸国を対象にした国際共同治験も一定程度実施されている. しかし, 医薬品の薬物動態や応答性における民族差は, 東アジア諸国間においても, 存在する可能性が指摘されている. そこで, 日中韓薬事関係局長級会合の活動のひとつとして, 日本が主導する形で民族差に関する科学的検討が継続的になされている. 日中韓および白人を対象に3種の医薬品に関して行った臨床薬物動態試験では, 遺伝子多型による層別化と当該医薬品の薬物動態に重要な外的要因を均一化したプロトコトールにより, みかけの民族差は認められなくなることが明らかとなった. また50種以上の機能変化を有する遺伝子多型に関し, アレル頻度の民族差を調査したところ, 東アジア民族間で, 薬物代謝酵素およびトランスポーターについては概して大きな頻度差は認められないものの, 副作用に関連するHLA型では民族差が認められた. これまでの, そして今後の研究成果が, 東アジア国際共同治験の推進による, 東アジアの人々の医薬品アクセス向上に資することを期待する.
著者
後藤 多可志 宇野 彰 春原 則子 金子 真人 粟屋 徳子 庄司 信行
出版者
The Japan Society of Logopedics and Phoniatrics
雑誌
音声言語医学 (ISSN:00302813)
巻号頁・発行日
vol.48, no.4, pp.322-331, 2007-10-20 (Released:2010-06-22)
参考文献数
33
被引用文献数
1 1

英語圏では発達性読み書き障害の障害構造の一仮説に, 視覚情報処理における大細胞システムの障害仮説が提唱されている.本研究では, 日本語話者の発達性読み書き障害児の大細胞システムの機能をFrequency Doubling TechnologyとVision Contrast Test Systemを用いて検討した.対象は日本語話者の発達性読み書き障害児5名である.読み書きに関する学習到達度検査, 認知機能検査, 大細胞システムの機能測定および眼球運動の観察を実施した.その結果, 全例視力の問題はなかったが, 動的刺激と静的刺激のコントラスト閾値は健常群に比して低下し, 3例には眼球運動の異常が見られた.以上より, 日本語話者の発達性読み書き障害児にも海外での報告と同様に大細胞システムの障害が認められるのではないかと思われた.大細胞システムの障害は視覚情報処理過程や文字の読み書きに影響を及ぼす可能性が考えられた.
著者
藤代 有絵子 金澤 直也
出版者
日本中性子科学会
雑誌
波紋 (ISSN:1349046X)
巻号頁・発行日
vol.30, no.3, pp.144-148, 2020-08-10 (Released:2021-12-01)
参考文献数
23

We report topological magnetic phase transitions between skyrmion lattice state and hedgehog lattice state realized in cubic chiral magnets MnSi1-xGex. By performing small- and wide-angle neutron scattering experiments, we discover three different topological spin textures with variation of the lattice constant controlled by Si/Ge substitution: skyrmion lattice (x = 0-0.25) and two types of hedgehog lattices with four q-vectors (x = 0.4-0.6) and three q-vectors (x = 0.7-1.0). The variation of magnetic properties in MnSi1-xGex strongly suggests that short-period hedgehog lattices may be stabilized by conduction electron mediated exchange interactions, rather than Dzyaloshinskii-Moriya interaction. We also discuss some recent theoretical proposals concerning the stabilization mechanism of the hedgehog lattices, which are related to high-order exchange interactions.
著者
金 安植 有澤 準二 三澤 顕次 木村 主幸
出版者
一般社団法人電子情報通信学会
雑誌
電子情報通信学会技術研究報告. EMCJ, 環境電磁工学
巻号頁・発行日
vol.96, no.441, pp.37-44, 1996-12-21
参考文献数
10
被引用文献数
4

本報では変動磁場による金魚の行動と体色に及ぼす誘導電流の影響について検討を行つた。具体的には、これまでに報告している150mT静磁場と62mT、10, 30, 50, 70Hz磁場の曝露影響を踏まえ、ここでは70Hz, 62mT磁場の金魚の遊泳行動に不統一な影響が周波数そのものの影響か、または磁場強度による誘導電流の大きさによるものかを確かめるため、磁場強度を26mTに低下させ、行動観察を行った。その結果、磁場曝露期間中の金魚の遊泳行動に抑制が観察された。その一方で、曝露後の金魚に体色の変化が見られ、この原因が誘導電流にあるのではないかと考えられたため、金魚の形に近い楕円回転体モデルから誘導電流を試算した。また、その誘導電流値と同値の交流電流を金魚に流し、その体色変化を観察した。さらに、150mT静磁場での金魚の行動が亢進された原因についても詳しく検討した。