著者
金子 静知
出版者
公益社団法人 日本化学会
雑誌
化学と教育 (ISSN:03862151)
巻号頁・発行日
vol.57, no.6, pp.272-273, 2009-06-20 (Released:2017-06-30)
参考文献数
3

中学・高校・大学などで実験に必要な純水・超純水はどのような水質なのか,どのように精製されているのか,基本となる部分を知ることで正しい結果(再現性のある結果)が得やすくなる。ここでは,一般的な精製技術(蒸留,膜ろ過,イオン交換,連続イオン交換,活性炭,紫外線)について取り上げる。また単一の精製技術だけでは十分な水質は得られないことから,実験に最適な純水・超純水が得られる組合せについても記述する。
著者
加藤 真亮 川島 久宜 石間 経章 金井 昌二 関 孝史 関 孝史 鈴木 秀和 小保方 富夫
出版者
公益社団法人 自動車技術会
雑誌
自動車技術会論文集 (ISSN:02878321)
巻号頁・発行日
vol.43, no.4, pp.887-892, 2012

ピストンフリクション低減のために,ピストンとシリンダ間における油膜挙動の解析が必要である.透明シリンダを持つ可視化エンジンに対しLIF/PIV法を用いて油膜の厚さと速度の同時計測を行った.実験からオイルリング直下のバレル形状がピストンスカート上の油膜に与える影響を明らかにした.
著者
原 知之 金澤 伸雄
出版者
日本皮膚科学会西部支部
雑誌
西日本皮膚科 (ISSN:03869784)
巻号頁・発行日
vol.80, no.4, pp.321-326, 2018-08-01 (Released:2018-11-09)
参考文献数
15

自己炎症性疾患とは,自己免疫応答や感染症を伴わないにもかかわらず炎症病態が反復持続する疾患であり,病態として自然免疫の制御異常が関わる。インフラマソーム異常症がその代表であるが,自己免疫疾患との境界に位置する I 型インターフェロン異常症の存在が近年注目を集めている。本稿では精神発達遅滞と凍瘡様皮疹を呈した兄弟例を紹介し,鑑別すべき疾患として I 型インターフェロン異常を伴う自己炎症性疾患である中條-西村症候群とその類縁疾患を挙げ,解説した。中條-西村症候群ではプロテアソームの誘導型サブユニットである PSMB8 遺伝子に,エカルディ・グティエール症候群では TREX1 遺伝子など核酸の処理や認識に関わる遺伝子に,スタンキーヴィッツ・イジドール症候群ではプロテアソーム調節因子の構成成分である PSMD12 遺伝子に変異を認める。プロテアソームはユビキチンにより標識された蛋白質を分解する巨大な酵素複合体であり,細胞周期制御,免疫応答,シグナル伝達といった様々な細胞機能にかかわる。その機能不全により,メカニズムは不明であるが,核酸応答シグナルが異常活性化した場合と同様に I 型インターフェロン異常を来し,2-5AS 活性を上昇させる。凍瘡様皮疹という特徴的な臨床症状からインターフェロン制御異常を想起し,有効な遺伝子解析によって患者の病因を明らかにすることにより,重要な創薬ターゲットとなる分子を発掘することが期待される。
著者
加藤肇彦 高野 忠 上杉 邦憲 周東晃四郎 山田 隆弘 金川 信康 井原 廣一 田中 俊之
出版者
一般社団法人情報処理学会
雑誌
情報処理学会論文誌 (ISSN:18827764)
巻号頁・発行日
vol.35, no.9, pp.1936-1948, 1994-09-15
参考文献数
23
被引用文献数
2

衛星搭載用高信頼コンピュータ開発と、その運用による実証について報告する。高い信頼性が要求される衛星搭載用コンピュータの構成要素として、高価で低集積度の宇宙用半導体に比較した地上用半導体の利点に着目し、その短所を補強しながら、高信頼の衛星搭載用コンピュータを構成する方法を検討した。宇宙線の入射による劣化と誤動作に加え、衝撃、振動、温度環境、重量・寸法・消費電カの制限は、いずれもソフトウェアとシステム構成への厳しい要求条件となる。そしてこれらのすぺてを満足するアプローチとして、フォールトトレランス方式を採用した。フォールトトレランス方式を空間ダイバーシティと時間ダイバーシティに大別し、空間ダイバーシティを部品内レベル、部品間レベル、システムレベルで実現した。特にシステムレベルでは処理ユニットを多重化し、緩い同期による出カの多数決をはかった。空間ダイバーシティに宿命的に付随するシングルポイント故障を回避するために、時間ダイバーシティ、具体的には出力フィードバックを採用し、空間・時間ダイバーシティを含めた診断アルゴリズムを創出した、さらに、各状況における最も正しい出力の選択のために、ステップワイズ・ネゴシエーティング・ボーティングの診断法を考案した。最後にこれらの各高信頼化技法を実機で実現し、軌道上で運用してその正当性を実証した、今後は実績をもとにさらなる拡張発展をはかる。
著者
國枝 千嘉子 金澤 丈治 駒澤 大吾 李 庸学 印藤 加奈子 赤木 祐介 中村 一博 松島 康二 鈴木 猛司 渡邊 雄介
出版者
一般社団法人 日本耳鼻咽喉科学会
雑誌
日本耳鼻咽喉科学会会報 (ISSN:00306622)
巻号頁・発行日
vol.118, no.10, pp.1212-1219, 2015
被引用文献数
6

声帯ポリープや声帯結節の診断・治療方針の決定には大きさなどの形態的特徴が関与することが多い. 初診時から音声治療を行った声帯ポリープ36例, 声帯結節35例について, 手術の効果および手術の際に測定した病変の大きさと術前音声検査値との相関, 病変の大きさとその術後改善率との相関を検討した. 手術後の音声機能は, 声帯ポリープ・声帯結節の両群で最長発声持続時間・声域・平均呼気流率・Jitter%値 (基本周期の変動性の相対的評価)・Shimmer%値 (ピーク振幅の変動性の相対的評価) のすべての項目で術前に比べ有意な改善を認めた. 病変の大きさとの相関では, ポリープ症例は術前の声域・Jitter%で相関を認め, 術後改善率では, 声域・平均呼気流率・Jitter%・Shimmer%で相関を認めた. 一方, 結節症例では術前の声域のみ相関を認めた. Elite vocal performer(EVP) (職業歌手や舞台俳優など自身の「声」が芸術的, 商業的価値を持ち, わずかな声の障害が職業に影響を与える) 群と EVP 以外群で検討を行い, 声帯ポリープ症例の EVP 群では EVP 以外群と比較して病変の大きさと音声検査値との相関は低かった. 結節では両群とも病変の大きさと音声検査値との相関は低かった. 両疾患において手術治療は有効で, 形態的評価は治療方針決定のために必要であり, 音声治療も両疾患の治療に不可欠であると思われた.
著者
倉澤 卓也 佐藤 敦夫 中谷 光一 池田 雄史 吉松 昭和 池田 宣昭 井上 哲郎 金井 廣一
出版者
JAPANESE SOCIETY FOR TUBERCULOSIS
雑誌
結核 (ISSN:00229776)
巻号頁・発行日
vol.75, no.5, pp.389-394, 2000-05-15 (Released:2011-05-24)
参考文献数
18

We report an outbreak of pulmonary tuberculosis (TB) in a dormitory of construction labors, and this outbreak is suspected to have been caused by exogenous reinfection, based on the restriction fragment length polymorphism (RFLP) analysis and other findings.After a patient entered our hospital with active TB, 12 new other patients were discovered by contacts examination. These patients lived together in the same dormitory. They were all male and single, and were aged from 43 to 63 years old. Except one patient (No.3) previously treated for TB for three months about 2 years ago and was suspected to be the index case of this outbreak, 12 other patients did not have a medical history of TB.The bacilli cultured from 11 patients (No.1-11) were tested by RFLP analysis, three patterns were identified, and the fingerprints from 9 patients (No.1-9) were identical, and the patterns of incomplete resistance of some antituberculous drugs were quite similar between No.1-9 and No.12 and between No.10 and No.13, respectively.The locations of the main lesions of TB on chest X-ray pictures were the apico-posterior segments of bilateral upper lobes. No signs suspected to indicate primary tuberculosis were detected.Considering the rate of tuberculous infection in Japan among the middle age and above as well as the identical RFLP results, most of patients in this outbreak except the index case No.3 were suspected to have TB due to the exogenous reinfection.
著者
榊 和樹 舩橋 友和 中谷 辰爾 津江 光洋 金井 竜一朗 鈴木 恭兵 稲川 貴大 平岩 徹夫
出版者
一般社団法人 日本航空宇宙学会
雑誌
日本航空宇宙学会論文集 (ISSN:13446460)
巻号頁・発行日
vol.65, no.5, pp.193-199, 2017

The longitudinal combustion instability characteristics of a pintle-type injector for a bipropellant rocket engine combustor are investigated experimentally. An optically accessible combustion chamber are used to observe unsteady combustion behaviors under oscillating combustion conditions. CH* chemiluminescence and backlit spray images are observed simultaneously with two high-speed cameras. Two experiments with the propellant total momentum ratio (TMR) of 0.76 and 2.48 are conducted, whereas the combustion pressure and the propellant mixture ratio are 0.45 and 1.6, respectively. The combustion oscillations at the natural frequencies of the chamber longitudinal acoustic mode are observed when the TMR is 0.76. The combustion oscillation is caused by the coupling between the heat release and the combustion chamber acoustics. When the TMR is 2.48, the combustion oscillations at the frequencies of 400 and 800Hz, which are lower than the first longitudinal mode frequency, are observed. Since the 400Hz corresponds to the convective time scale in the combustion chamber, the oscillations could be caused by one of the convective modes such as entropy wave.
著者
角銅 洋実 榊 和樹 中谷 辰爾 津江 光洋 金井 竜一郎 稲川 貴大 平岩 徹夫
出版者
一般社団法人 日本航空宇宙学会
雑誌
日本航空宇宙学会論文集 (ISSN:13446460)
巻号頁・発行日
vol.65, no.1, pp.1-9, 2017

The pintle injector is a promising candidate for injection systems of future rocket engines because of the throttling capability, the combustion stability, and the low manufacturing cost. Few studies focusing on fundamental aspects of a pintle injector have been conducted, and most of the design parameters of a pintle injector is determined mainly based on the empirical knowledge. Among the design parameters, total momentum ratio (TMR) is one of the most important parameters since spray structure is dominated by TMR. Therefore, combustion experiments using an ethanol/liquid oxygen rocket engine combustor with a planar pintle-type injector which is designed for optical measurements for a pintle injector are conducted at combustion pressure (<I>P<sub>c</sub></I>) = 0.37-0.42MPa, mixture ratio (O/F) = 1.31-1.49, TMR = 0.32-3.65 to investigate the effects of propellant momentum ratio on the combustion behavior. The spray structure under hot fire conditions is observed using high-speed imaging techniques with a backlit configuration. In the oxidizer-centered configuration, the characteristic exhaust velocity efficiency (<I>η<SUB>C</SUB><SUP>*</SUP></I>) decreases with the increase of the TMR. The atomized propellant impinge on the combustor wall before the vaporization and reaction at higher TMR. In the fuel-centered configuration, though the propellant spray is more inclined to the direction of the upper combustor wall at higher TMR, the <I>η<SUB>C</SUB><SUP>*</SUP></I> does not change with the TMR. In both oxidizer-centered and fuel-centered, higher <I>η<SUB>C</SUB><SUP>*</SUP></I> is provided in the condition of higher injection pressure drop.
著者
全 映信 金 相源 趙 慶美
出版者
国際環境研究協会
雑誌
地球環境 (ISSN:1342226X)
巻号頁・発行日
vol.7, no.2, pp.225-231, 2002
被引用文献数
3
著者
金井 徳子
雑誌
史論
巻号頁・発行日
vol.2, pp.119-133, 1954
著者
金井 徳子
出版者
東京女子大学
雑誌
史論 = Historica (ISSN:03864022)
巻号頁・発行日
no.2, pp.119-133, 1954-11
著者
川島 由希 大塚 もも子 金子 秀雄
出版者
九州理学療法士・作業療法士合同学会
雑誌
九州理学療法士・作業療法士合同学会誌 第31回九州理学療法士・作業療法士合同学会 (ISSN:09152032)
巻号頁・発行日
pp.164, 2009 (Released:2009-12-01)

【目的】 急性期では肺合併症予防のため,腹臥位や側臥位への体位変換が行われている.しかし,その時の横隔膜運動の変化についてはあまりよく知られていない.MRIや超音波診断装置を用いた先行研究において側臥位や腹臥位の横隔膜運動の変化が示されているが,その報告は少なく,これらの体位を同時に比較した先行研究はない. そこで今回の研究では,健常な人において,安静呼吸での様々な姿勢の中での横隔膜運動について超音波画像を用いて把握することを目的とした.【方法】 健常な男子学生12名,平均年齢22.1±0.79歳,平均身長1.74±0.05m,平均体重63.8±7.4kgを対象とした.対象者には内容を十分に説明し,同意を得た. 安静呼吸時の横隔膜運動を測定に超音波診断装置(Bモード,3.5MHz),リニア式プローブ(8.0cm)を使用し,1)背臥位,2)左側臥位,3)腹臥位の3条件で行った.各条件において,一回換気量と呼吸数の測定にスパイロメータを使用した. 対象者はフェイスマスクを装着し,マット上に安楽な姿勢をとり,測定肢位の順番はランダムに決定した.プローブは右中腋窩線上に置き,モニター上にて横隔膜の境界が表出できるようプローブの位置や超音波診断装置のゲインを微調整した.その後,対象者が安静呼吸であることを確認し,超音波画像をビデオカメラに録画した.各測定は同一検者が行った.録画した超音波画像をパーソナルコンピュータに取り込み,動画ソフト上にて安静呼気終末,安静吸気終末における静止画像を抽出,解析し,横隔膜の頭尾方向の移動距離を1mm単位で測定した.3呼吸分の平均値を代表値とした. 各姿勢別に横隔膜の移動距離と一回換気量(TV),呼吸数(RR)を比較するために,Tukey法による多重比較を行った.有意水準は5%とし,それ未満を有意とした.【結果】 横隔膜の移動距離は背臥位,腹臥位に比べ,左側臥位では有意に小さかったが(p<0.05),背臥位と腹臥位ではほぼ同等であった.横隔膜の移動距離が最も大きかった姿勢を対象者別にみると,背臥位,腹臥位でそれぞれ6名であった.このときTV,RRに有意差はなかった.【考察】 左側臥位では横隔膜の移動距離が有意に小さくなった.側臥位での横隔膜運動は重力の影響により下側が大きくなる.そのため上側では静水圧が減少し,右横隔膜の移動距離が減少していたと考えられる.背臥位と腹臥位での横隔膜の移動距離はほぼ同等であり,MRIを用いて比較した先行研究と同じ結果となった.しかし,背臥位と腹臥位における横隔膜運動の変化は対象者によって異なり,個々の呼吸パターンに影響されていることが考えられる. 今回の研究により,健常男性における背臥位,腹臥位時の横隔膜運動の変化は対象者によって異なることから呼吸パターンの変化は個別に捉える必要があると思われた.