著者
酒井 孝真 長村 篤記 井田 明男 金田 重郎
出版者
一般社団法人電子情報通信学会
雑誌
電子情報通信学会技術研究報告. KBSE, 知能ソフトウェア工学 (ISSN:09135685)
巻号頁・発行日
vol.112, no.64, pp.7-12, 2012-05-18

本稿では, SSM,システムシンキング,概念データモデリングなどの問題領域モデリングにおいて利用されるモデリング手法(概念活動モデル,因果ループ図,組織間連携モデル)をメタレベルで比較する.比較手法としてはUMLクラス図の他,英語の品詞を利用する.それにより,それぞれのモデリング手法が,問題領域を表現する概念(加算名詞,非可算名詞,動作動詞,状態動詞)のサブセットを利用して,対象のある側面のみを強調していることを示す.また,同様にして,手島による概念データモデリングの「静的モデル」が概念クラス図に一致しないことを示す.
著者
世古龍郎 金田重郎
雑誌
第74回全国大会講演論文集
巻号頁・発行日
vol.2012, no.1, pp.403-404, 2012-03-06

本稿では,認知文法の基本的な考え方を準用して,オブジェクト指向理解の背後に,日本語と英語の言語差が存在し,クラス図を作成は日英翻訳と同じであることを主張する.具体的には,クラス図は,英語の第1文型~第5文型にそのまま対応している.従って,動詞中心であり,「格」を自由に助詞によって指定できる日本語を,そのままクラス図にあてはめるのは,容易ではない.その問題に対し,認知言語のコアイメージによるクラス図生成を試みる.日本語による仕様書記述中に含まれる因果関係を取り出す作業が必要と思われる.言葉の持つ「意味」を日本語と英語で一致させる事で,オブジェクト指向の本質の理解を高める事を述べる.
著者
金 銀実
出版者
埼玉大学大学院文化科学研究科
雑誌
日本アジア研究 : 埼玉大学大学院文化科学研究科博士後期課程紀要 (ISSN:13490028)
巻号頁・発行日
vol.10, pp.157-172, 2013

1949 年の中国共産党による「民族識別工作」によって,中国の一少数民族として認定された朝鮮族は,政治的・イデオロギー的問題から43 年もの長きにわたって韓国と往来がなかった。そのかん韓国は1986 年ソウル・アジア競技大会と1988 年ソウル・オリンピック大会を機に高い経済成長を成し遂げた。両大会には当時国交のなかった中国選手が参加したことで両国関係が強化され,中国でも大会の様子がテレビ放映されるようになった。そのテレビ映像は中国朝鮮族に経済成長を成し遂げた豊かな国・韓国の存在をはじめて認識させると同時に,韓国に対するあこがれの気持も植え付けた。そのような背景のもとで1992 年に中韓国交が樹立されると,多くの朝鮮族が「コリアン・ドリーム」の夢を抱いて韓国へ流れ込んだ。中国が現在,世界第2 の経済大国に成長しても,農村と都市の格差が依然として大きい以上,その移動は今後も続くだろう。 私が聞き取りをおこなった朝鮮族夫婦,崔景晃と李玉蓮(いずれも仮名)は,ふたりとも北朝鮮にルーツをもち,祖父の代に中国の東北部へ渡って来た。ふたりは中国で朝鮮族として生まれ育ち,中国の歴史的な出来事を次々と経験する。17 歳のときに文化大革命を経験した崔景晃は,勉学の機会を失い,多くの衝撃的な出来事を目の当たりにしているうちに「これはどうも間違った革命かもしれない」と思いながらも,かかわらないという手段で自分を守る。文革が終わってからは両親を手伝って農作業をする。李玉蓮と結婚してからもずっと農業を営んだが,村に発電所が建設され操業を開始したのをきっかけに,その従業員たちを相手に豆腐商売を始め,金銭的にゆとりをもつようになった。しかし,2001 年の発電所の操業停止により,収入源を失うことになり,韓国への出稼ぎを決め,2003 年に研修ビザで韓国へ入国する。韓国で仕事中に怪我をするなどアクシデントはあったものの,夫妻は6 年間出稼ぎ生活を続け,延辺の都市部で家が買えるぐらいのお金を手にして,2009年に中国に戻った。延辺で家を購入して悠々自適の生活ができるはずだったが,「延辺より北京で家を買ったほうが将来的には儲かる」という娘の助言を受け入れて,北京で高額なマンションを購入した結果,今日の中国社会で広がっている「房奴」(住宅ローン地獄)に陥ってしまったのが,夫妻とその娘の現状である。――夫妻は中国社会の急激な変化に必死に適応しようとしてきたものの,結果的には,その変化に振り回されてしまったのだ。 朝鮮族の人びとの移動にかける思い,急激に変わる社会環境,それを生き抜く朝鮮族の人たちの逞しさと弱さが織り交ざったライフストーリーは,今を生きる朝鮮族の姿をリアルに描いているのではないかと思われる。
著者
金田 吉弘 小野寺 拓也 坂下 将 高階 史章 佐藤 孝 伊藤 慶輝 保田 謙太郎
出版者
一般社団法人日本土壌肥料学会
雑誌
日本土壌肥料學雜誌 (ISSN:00290610)
巻号頁・発行日
vol.83, no.6, pp.681-686, 2012-12-05

我が国の稲作において,代かきは「均平」,「田植え」,「活着」,「肥料混和」,「水もち」,「除草」などのために,古くから不可欠な作業とされてきた。しかし,近年の機械化移植栽培では移植精度が向上したことから「田植え」や「活着」に対する代かきの意義は薄れている。さらに,代かきは土壌を単粒化し,透水性の低下や土壌の還元を促進させることから水稲根の活力維持を阻害する場合があるとされている(熊野ら,1985)。特に,東北の日本海側に広く分布する重粘土水田では,代かきにより作土直下に不透水性の土層が発達し,稲作期間の透水性が低下しやすい。また,近年は機械収穫後の稲わらを春にすき込む事例が多くなり,排水不良水田では,稲わらの分解に伴い土壌は強還元になりやすく根腐れを生じやすい。
著者
コーテ トラヴィス 大金 エセル ミリナー ブレット マクブライト ポール 今井 光子
雑誌
玉川大学観光学部紀要
巻号頁・発行日
vol.2013, no.1, pp.43-53, 2014-03-31

2013年,玉川大学では,観光学部が設立され,同時に全学的なELFプログラムが開始された。本稿では,ELFプログラムの概要,チューター制度,TOEIC IPスコアから見る観光学部生の状況について述べる。また,観光学部が,独自のカリキュラムの中でELFプログラムを如何に組み込んでいるかについても言及する。考察の結果,当学部生は,ELFプログラムに対して肯定的な反応を示しており,英語学習への熱意も持ち合わせているようである。2013年春学期のTOEIC IPの結果によると,当学部の平均スコアは他学部に比べると良い結果であった。また,更なる分析により,海外研修のためのTOEIC目標スコア500という要素が,英語力向上に寄与しているということが明らかになった。また,チューター制度も重要であると感じ,活用しているという状況であった。しかしながら,自立的に学習させていくためには,より具体的な自立学習への指導が必要であると言える。
著者
秋山 幸 金沢 治子
出版者
横浜女子短期大学
雑誌
研究紀要 (ISSN:0389830X)
巻号頁・発行日
vol.4, pp.11-25, 1985-04-30

養護施設の献立16日分,精神薄弱児施設の献立18日分,保育所年少児95,年長児98,献立を対象に,食品群別給与量から栄養量を算出し,また給食の調理形態を調査して次のような結果を得た。1)養護施設(平均年令10才)と精神薄弱児施設(平均年令15才)の食品群別給与量を,愛育研究所案の食構成と比較した結果,両施設の穀類給与量は,基準量に比べて少なく,魚介類は,大体基準量を満している。肉類は共に基準量を越えているが,卵類は基準量より少なく乳類は不足している。また野菜の給与量は,両施設共基準量を満しているが,果実類は少ない。保育所年少児の穀類給与量は平均44gで基準より少なく,魚肉,卵類,野菜の給与量は,年少,年長とも基準量を満し,大体よい充足状態を示したが,保育所の魚介肉類,野菜果実の給与量は施設により大きな差が見られる。2)牛乳の給与量は,養護施設149g,精神薄弱児施設133gで,乳製品の給与量も養護施設がやゝ高い。保育所の年少児は,牛乳142g,年長児は45gで,乳製品の給与量は,それぞれ,42gと29gである。そのうち脱脂粉乳は,年少児平均7.9g,年長児7.2gであるが,保育所では,乳量の給与量も施設による巾が大きく,また,乳類は,大部分が間食として与えられている。3)養護施設,精神薄弱児施設の栄養給与量は,各栄養素とも大体所要量を満たしてよい充足状態を示した。保育所では,年少児と年長児の給与量に差が見られ,年少児は,鉄以外の給与量が基準を上廻り,年長児は,カルシウム,鉄,ビタミンB1 B2とも不足している。給与量は,施設によって異り,エネルギーやたん白質は基準量の80%以下の施設が約1/5,20%以上多いものが約1/5見られて,保育所給食における今後の栄養指導が望まれる。4)総給与量に対する乳類の栄養量は,エネルギー,たん白質,脂質とも乳量の多い養護施設は,精神薄弱児施設より多く,保育所の年少児は,年長児より多い。栄養基準量に対する乳類の栄養量は,乳類の栄養量が少い時も,乳以外の食物がこれを補って,栄養量をみたすことがあり,年少児は,年長児より乳以外の食物の栄養の比率が少い。5)養護施設,精神薄弱児施設の主食の形態は,米飯約74%,パン17%,めん約10%で,両施設とも昼食には,パン,めんの複合形態が多い。主菜の魚肉,卵,大豆製品の調理法は,焼物,煮物,揚物,汁物の順に多く,野菜は,生物,和え物として魚肉のつけ合せや汁物に多く使われている。施設の夕食は,朝昼に比べて食品数が多く,家庭的な献立が工夫されていいた。保育所給食における主食の調理形態は,米飯45.1%(単一形態46%,複合形態54%),パン26.1%(単一形態82.8%,複合形態17.2%),めん28.8%(単一形態21.9%,複合形態78.1%)であった。主食として供された主な料理は,スパゲティナポリタン,親子丼,肉うどんであった。副食の調理形態比率は,主菜では汁物40.2%,煮物23.9%,揚物11.7%,焼物7.6%,炒め物4.5%,ゆで物3.4%,和え物2.8%。副菜では,つけ合せ(生野菜,野菜塩もみ,つけの,果物)41.5%,和え物(野菜サラダ類,ごま和え,酢の物)35.5%,ゆで物7.3%,揚物,炒め物共に5.1%,煮物4.1%,汁物1.4%であった。主菜及び副菜の料理数はそれぞれ264,217であった。主材料別頻度比率は,主菜では,肉類34.5%,大豆製品29.3%,水産ねり製品卵類共に11.7%,魚介類7.2%,肉類加工品5.7%。副菜では淡色野菜38.2%,果実21.5%,菓子その他12.2%,緑黄色野菜11.3%,いも類10.3%,穀類4.0%であった。
著者
溝添 素子 稲垣 昇 岡野 光生 金地 通生 前川 進
出版者
園藝學會
雑誌
園芸学会雑誌 (ISSN:00137626)
巻号頁・発行日
vol.61, no.3, pp.625-633, 1992
被引用文献数
1

ストックの本葉および胚軸からのカルスおよび器官形成(シュート形成)に及ぼす供試植物の栽培条件(光条件•施肥条件)ならびに培地中の窒素組成の影響について検討した.<BR>1.葉片培養:(1)光および施肥条件の影響;'銀潮'では遮光処理(75%遮光)によリシュート形成が促進された.また遮光の効果は1/2倍水耕液を施用した区で顕著であった.一方,'雪まつり'では1/4および1/2倍液施用区とも遮光処理によってシュート形成は抑制された.(2)培地の窒素組成の影響;'銀潮'および'雪まつり'とも,アンモニア態窒素無添加区(硝酸態窒素のみ)において高いシュート形成率を示し,NH<SUB>4</SUB><SUP>+</SUP>+/NO<SUB>3</SUB><SUP>-</SUP>比を高めるとシュート形成が抑制される傾向を示した.<BR>2.下胚軸培養:(1)光および施肥条件の影響;'リトルゼムイエロー'および'雪まつり'とも,遮光処理によってシュート形成が抑制された.また,外植体当たりのシュート数も遮光処理によって減少した.(2)培地の窒素組成の影響は,'リトルゼムイエロー'および'雪まつり'とも,アンモニア態窒素の添加が,シュート形成率および外植体当たりのシュート数を高める傾向を示した.'リトルゼムイエロー'ではNH<SUB>4</SUB><SUP>+</SUP>+:NO<SUB>3</SUB><SUP>-</SUP>が1:10の培地で,また'雪まつり'ではNH<SUB>4</SUB><SUP>+</SUP>+:NO<SUB>3</SUB><SUP>-</SUP>が1:2の培地でそれぞれ85%と最も高い形成率を示した.<BR>3.形成されたシュートは,大部分が水浸状を呈していた.水浸状の葉は,水分を含んで肥大し,その組織では細胞間隙が大きく,維管束や棚状組織の発達が不十分であった.また気孔の分布が一様ではなく,その数も正常葉と比較して少なく,孔辺細胞が表皮細胞より陥没しているものや隆起しているものなどが観察された.

1 0 0 0 OA 11:グリア細胞

著者
大野 行弘 金星 匡人
出版者
一般社団法人 日本てんかん学会
雑誌
てんかん研究 (ISSN:09120890)
巻号頁・発行日
vol.34, no.1, pp.51-56, 2016-06-30 (Released:2016-06-29)
参考文献数
19

グリア細胞は膠(にかわ)のように神経細胞(ニューロン)の隙間を埋めながら、脳内組織の恒常性を維持する受動的な役割を担っていると考えられてきた。しかし、近年、グリア細胞は神経細胞の活動をより能動的に調節していることが明らかとなり、脳機能の生理的なメカニズムや神経疾患の病態を理解する上で、神経細胞の必要不可欠なパートナーとなっている。中枢神経系に存在するグリア細胞は、アストロサイト、マイクログリアおよびオリゴデンドロサイトに分類される。それぞれの細胞について性質と機能に加えて、てんかん病態における役割を概説する。
著者
晴山 典彦 藤井 麻美子 酒本 勝之 金井 寛
出版者
一般社団法人 日本生体医工学会
雑誌
医用電子と生体工学 (ISSN:00213292)
巻号頁・発行日
vol.34, no.3, pp.230-237, 1996 (Released:2011-10-14)
参考文献数
6

It is very difficult to heat deep seated tumor surrounded by low conductivity tissues, such as bone and fat. We proposed a new RF magnetically induced method for this deep regional hyperthermia. To get high density of induced current in deep tissues, we arranged 4 coils around the sphere agar phantom. The frequency of exciting current is 13.56MHz. In this paper, we will show the calculation method of SAR distribution and temperature distribution in 3D inhomogeneous model. We also discuss the possibility of this heating method from both experiment and calculated results. In the phantom experiment we examined two types of the coils. The calculated results and experimental results show a good agreement, these therefore, the reliability of this calculation method was confirmed. The heating pattern of these coils were not very effective for deep regional hyperthermia. We also calculated temperature distribution in the brain model which was constructed from CT images. We assumed tumor in the brain with half of the blood flow compare to normal tissue. Deep seated tumor was heated by the effect of inhomogeneity and blood flow, except there were hot spots near the coil. In the case of shallow region heating, we can get effective localized heating pattern. From these results, we cannot surely say that this heating method is quite sufficient for deep regional hyperthermia. But since there is no other method to successfully heat the brain non-invasively, this kind of examination with other coil patterns must be continued.
著者
金井 寛
出版者
公益社団法人 計測自動制御学会
雑誌
計測と制御 (ISSN:04534662)
巻号頁・発行日
vol.22, no.10, pp.859-867, 1983-10-10 (Released:2009-11-26)
参考文献数
44
被引用文献数
1