著者
鈴木 徹 竹内 友里 益田 和徳 渡辺 学 白樫 了 福田 裕 鶴田 隆治 山本 和貴 古賀 信光 比留間 直也 一岡 順 高井 皓
出版者
公益社団法人 日本冷凍空調学会
雑誌
日本冷凍空調学会論文集 (ISSN:13444905)
巻号頁・発行日
vol.26, no.4, pp.371-386, 2009 (Released:2011-05-23)
参考文献数
24

Recently, several food refrigeration equipments that utilize magnetic field have attracted much attention from food production companies, consumers and mass media. However, the effectiveness of the freezers is not scientifically examined. Therefore, the effectiveness should be clarified by experiments or theoretical considerations. In this study, the effect of weak magnetic field (about 0.0005 T) on freezing process of several kinds of foods was investigated by using a specially designed freezer facilitated with magnetic field generator. The investigation included the comparison of freezing curves, drip amount, physicochemical evaluations on color and texture, observation of microstructure, and sensory evaluation. From the results of the control experiments, it can be concluded that weak magnetic field around 0.0005 T provided no significant difference on temperature history during freezing and on the qualities of frozen foods, within our experimental conditions.
著者
大久保 修三 黒川 忠英 鈴木 徹 船越 将二 辻井 禎
出版者
日本貝類学会
雑誌
貝類学雑誌 (ISSN:00423580)
巻号頁・発行日
vol.56, no.3, pp.259-269, 1997
参考文献数
28

Generation of the streak-like flash in the inner-fold of the mantle in Ctenoides ales was investigated by video-camera recording, and stereo, light, fluorescence and electron microscopy. The stereo microscopy revealed the presence of a pale white band along the entire width of the marginal edge of the shell side surface of the inner fold. Since the flashing could not be seen in the dark, it was not due to the luminescence but the reflection of light. The light microscopy showed that the band region consisted of about ten rows of epithelial cells, cylindrical and 40 μm tall and 10 μm wide. The cytoplasm was densely filled with fine granules, eosinophilic in H-E staining. Under the electron microscope, those granules appeared as electron-dense vesicles, 0.5-0.6 μm in diameter, each containing a highly electron-dense spherical core, 0.2-0.3 μm in diameter. The cell had a nucleus, few mitochondria and lysosomes, however, other cellular organelles such as Golgi apparatus, rough and smooth endoplasmic reticulum were not evident, in the present observation. We assume that the electron-dense vesicles packed in the cytoplasm function to reflect light strongly. This highly reflecting structure found in C. ales is quite different from those have been reported in eyes of scallop and squid, and in iridophores of giant clam, cuttlefish, long-spined sea urchin and of fishes. The video observation showed that the mantle made a movement to roll the white band towards the shell-side and then, within a second, the rolling movement was released. The phase of the movement was different by the portions of the mantle, and the mantle edge made a wave-like motion. When the pale white band was hidden by the roll, the reflection of light disappeared. When the rolling was released, the reflection of light reappeared. Since the "roll and release movement" repeat quickly, it looks as though a streak-like flash run along the mantle margin.
著者
武田 篤 鈴木 徹 藤井 慶博 高田屋 陽子
出版者
秋田大学
雑誌
基盤研究(C)
巻号頁・発行日
2018-04-01

本研究では、複合的場面緘黙児の実態を把握するとともに、学校での支援体制や学級での具体的な支援方略を構築することを目的とした。平成30年度は、複合的場面緘黙児に関する質問紙調査を実施した。A市の小学校(41校)・幼稚園(6園)・こども園(11園)の58校園を対象に質問紙調査を実施した。調査内容は、1)場面緘黙児の有無、該当児童がいた場合、2)場面緘黙の状態と3)自閉症スペクトラム傾向、4)学級内での具体的な支援、とした(2)以降の質問内容については、場面緘黙児のいるクラス担任に回答を依頼した)。なお、本調査を実施するにあたり、依頼文書において「得られた回答は決められた手順に従って得点化すること」、「児童や回答した教員に関するプライバシーは守られること」の2点を明記した。回答のあった51校園に在籍する幼児児童数は、14939名(男児7592名、女児7357名)であった。そのうち、場面緘黙児が「有」と回答したのは13校園(小学校9校、幼稚園2園、こども園2園)で、在籍数は20名(0.13%)であった。男女の内訳は、男児8名(0.11%)、女児12名(0.16%)であった。これらの結果は先行研究を支持するものであった。本調査は、質問紙の内容を決定するまでかなりの時間を要した(年度末に実施した)。そのため、2)以降の調査データ(場面緘黙と自閉症スペクトラム障害との関連)の解析は次年度に行う予定である。
著者
平野 幹雄 鈴木 徹 長谷川 武弘 野口 和人
出版者
宮城教育大学特別支援教育総合研究センター
雑誌
宮城教育大学特別支援教育総合研究センター研究紀要
巻号頁・発行日
no.7, pp.69-76, 2012-06

筆者らは、高機能自閉症児およびアスペルガー症候群の子どもを対象とした放課後支援を通じての、社会性発達支援をおこなってきた。今回は、三年間の取り組みを通じて対象児の社会性にどのような変化が生じたのかについて報告した。対象児は高機能自閉症あるいはアスペルガー症候群児5名であった。鉄道に関するブログの運営、定例会の開催を通じて支援を行ってきた結果、ブログ上では、自分の撮影した列車の説明に加えて、撮影時の状況や心情の説明もできるようになってきた。また、例会でも、大学教員やボランティアなどの発言に耳を傾ける姿が見られるようになってきた。以上のような変化には、自他の発言を振り返ることの出来る仕組みと、リスペクトできる他者からそうした振り返りを行うことを長期間促されてきたことが関係しているものと推察された。
著者
則竹(安藤) 寛子 加藤 豊望 梶原 一人 鈴木 徹
出版者
公益社団法人 日本冷凍空調学会
雑誌
日本冷凍空調学会論文集 (ISSN:13444905)
巻号頁・発行日
vol.29, no.2, pp.263-270, 2012-06-30 (Released:2013-06-30)
参考文献数
12

The quality of ice cream surface degrades significantly from alteration of the surface properties due to the repetition of thaw-recrystallizing accompanied with temperature vibration at subzero temperature, a little above the melting temperature. For understanding the phenomena in detail, ice crystals in ice cream after once thawed and recrystallized was observed morphologically, and evaluated quantitatively by fractal analysis. It was shown that the shape of ice crystal recrystallized from once thawed ice cream was modified from round shape to complex shape, of which the degree depended on thawing temperature at subzero temperature. However, the ice crystal retuned gradually into round shape with increasing the holding time at the thawing temperature. These phenomena would be caused by spatial micro distribution of high concentration part which was organized in thawed ice cream by freezing concentration. That is, the complex ice crystal formed in thawed ice cream at subzero temperature would be induced by losing the micro uniformity of concentration.
著者
羽倉 義雄 行友 純恵 鈴木 徹 鈴木 寛一
出版者
公益社団法人 日本食品科学工学会
雑誌
日本食品科学工学会誌 (ISSN:1341027X)
巻号頁・発行日
vol.53, no.9, pp.518-521, 2006-09-15 (Released:2007-09-29)
参考文献数
13
被引用文献数
1 3

鰹節の切削に及ぼすガラス転移温度の影響を検討した.水分11.34%の鰹節をガラス状態(25℃)とラバー状態(70℃)に設定し,それらを鰹節削り器で削り,削り節の歩留り,切削抵抗および切削エネルギーを測定した.切削物量の評価では,ガラス状態よりもラバー状態の鰹節の方が総切削量は多かった.また歩留りについても,ガラス状態よりもラバー状態の鰹節の方が常に高い値を示していた.切削抵抗の評価では,ガラス状態よりもラバー状態の鰹節の方が切削抵抗は小さく,ガラス状態の85~90%程度の切削抵抗でラバー状態の鰹節を切削することができた.切削エネルギーの評価でも,ガラス状態よりもラバー状態の鰹節の方が切削エネルギーは小さく,ガラス状態の77~80%程度の切削エネルギーでラバー状態の鰹節を切削することができた.また比切削エネルギー(1gの削り節を得るために必要な切削エネルギー)についても,ガラス状態よりもラバー状態の鰹節の方が小さく,ガラス状態の25~46%程度の比切削エネルギーでラバー状態の鰹節を削り節に切削することができた.以上の結果,鰹節の切削工程では,ラバー状態の鰹節の方が,効率的に切削が可能であることが明らかとなった.これは鰹節を工業的に切削する際の省力化や歩留り向上の可能性を示唆している.
著者
鈴木 徹
出版者
日本動物遺伝育種学会
雑誌
動物遺伝育種研究 (ISSN:13459961)
巻号頁・発行日
vol.31, no.Supplement1, pp.23-32, 2003-11-09 (Released:2010-03-18)
参考文献数
10

魚類ゲノムの解読の結果、条鰭類 (ray fin fish) の仲間では、多くの遺伝子が倍化していることが明らかになった。Hoxクラスターの構造解析から、条鰭類と総鰭類 (lob fin fish) とが分岐した直後に、条鰭類では固有に全ゲノムの重複が起こっており、それが遺伝子の倍化に結びついていることが指摘されている。倍化した遺伝子には、異なった発育段階あるいは組織に発現するような変化が起こっている。このような遺伝子のbifunctionalizationにより、魚類の形態的多様性がもたらされている可能性がある。魚類のなかでも形態的に極めて特殊な例に、ヒラメ・カレイの仲間 (異体類) があり、両眼が片体側に配置するなど身体が著しい左右非対称性を呈する。最近、眼の配置が逆位になったヒラメ変異体の解析から、内臓の左右非対称性 (左右軸) の決定に関わる遺伝子が、異体類では身体の左右非対称性の決定にも利用されていることが示唆された。ここでは、魚類のゲノムおよび左右軸の特徴について紹介する。
著者
鈴木 徹 武田 篤
出版者
一般社団法人 日本LD学会
雑誌
LD研究 (ISSN:13465716)
巻号頁・発行日
vol.31, no.3, pp.211-222, 2022 (Released:2022-08-25)
参考文献数
19

これまで自閉スペクトラム症(Autism Spectrum Disorder: 以下,ASDと記す)傾向を示す場面緘黙児への介入については十分に研究が行われてこなかった。本研究では,ASD傾向を示す場面緘黙生徒を対象に,ASD傾向を踏まえた上で場面緘黙の解消に向けた取り組みを行った。対象生徒には,見通しの持ちにくさやソーシャルスキルの不足,他者とのポジティブな交流経験の不足といったASD傾向が認められた。そのため,取り組みでは,ASD傾向に配慮したセッションを行うとともに,エクスポージャーを並行して実施した。セッションでは,スムースに話し出すようになる,表情が柔らかくなりよく笑うようになった。エクスポージャーはおおむね良好であり,設定した課題を達成できた。これらの取り組みの成果をもとに,ASD傾向を示す場面緘黙児へのアプローチの在り方について論じた。
著者
平野 幹雄 鈴木 徹 野口 和人
出版者
宮城教育大学特別支援教育総合研究センター
雑誌
宮城教育大学特別支援教育総合研究センター研究紀要
巻号頁・発行日
no.5, pp.22-30, 2010-06

本稿においては、筆者らが高機能自閉症およびアスペルガー症候群の子どもを対象におこなっている社会性発達の支援のための放課後実践について、その概要と開始から1年半の間の子どもの様子について紹介することを目的とした。対象児は、11歳から17歳までの高機能自閉症およびアスペルガー症候群の子ども5名で、あった。筆者らの放課後活支援においては、対象児が鉄道やコンピュータに興味を持っていたことから、両者を組み合わせて子どもがしたいと思う活動として組織した。具体的には、双方向型のブログの運営と定例会の開催、一日旅行を通じて支援をおこなった。学校行事と日程が重なる日以外の対象児の参加状況はほぼ皆勤であった。定例会を重ねることで、対象児から積極的に挨拶をする様子、自らの発言に対する他者の関心の有無に注意を払う等の変化が見られた。これらの変化は、長期的な支援をおこなったこと、筆者らの実践が対象児において主体的に参加できる場として機能したことによると考えられた。また、鉄道という共通の土俵ができあがったこと、リアリティをもって長期間かかわりを続けたことによって、対象児にとって筆者らが親しくもリスペクトされる存在となったことが重要であると考えられた。
著者
鈴木 徹 SUZUKI Toru
出版者
秋田大学教育文化学部附属教育実践研究支援センター
雑誌
秋田大学教育文化学部教育実践研究紀要 = BULLETIN OF THE CENTER FOR EDUCATIONAL RESEARCH AND PRACTICE FACULTY OF EDUCATION AND HUMAN STUDIES AKITA UNIVERSITY (ISSN:24328871)
巻号頁・発行日
vol.39, pp.177-180, 2017-03-31

本研究は,肢体不自由特別支援学校におけるタブレット型端末の活用実態を把握した上で,今後の研修会の在り方について検討することを目的とした.タブレット型端末の活用の有無と活用する上での課題を整理したところ,様々な活用方法が試みられているにもかかわらず,台数不足等が指摘されていることが明らかになった.結果を踏まえ,タブレット型端末の活用に関する研修会の在り方について論じた.
著者
渡辺悟 鈴木徹也
雑誌
第76回全国大会講演論文集
巻号頁・発行日
vol.2014, no.1, pp.199-200, 2014-03-11

古文書には変体仮名が使われており、その翻刻作業には多くの知識と労力を要する。それは変体仮名には、異なる読みをする類似形状の文字や同じ読みをする多様な形状の文字が存在するためである。以前我々の研究グループは古文書の翻刻支援を目的として制約充足による手書き変体仮名認識法を提案した。その手法では、各文字の読みの候補を挙げ、読みの組み合わせの中から最適な単語列を探索する。この手法には、制約が少ないとき、組み合わせ爆発を起こすことがあった。本研究では、単語の生起コストと連接コストを導入し、コスト最小法とN-best探索を用いて解の個数削減を図った。実験により従来手法の問題点を解決できたことを確認した。
著者
森 将 岸上 靖幸 伊藤 泰広 金 明 森部 真由 柴田 崇宏 稲村 達生 上野 琢史 山田 拓馬 竹田 健彦 宇野 枢 田野 翔 鈴木 徹平 小口 秀紀
出版者
一般社団法人 日本周産期・新生児医学会
雑誌
日本周産期・新生児医学会雑誌 (ISSN:1348964X)
巻号頁・発行日
vol.57, no.1, pp.182-188, 2021 (Released:2021-05-10)
参考文献数
23

症例は35歳,妊娠35週3日.吐血によるショックバイタルと意識障害の事前情報で当院に救急搬送された.消化管出血はなく,舌咬傷と口腔内出血がみられ,血圧182/130mmHg,尿蛋白定性は4+であった.胎児心拍数は70-100bpmと胎児徐脈を認めた.子癇による痙攣後の意識障害と,舌咬傷による口腔内出血,痙攣に伴う低酸素血症による胎児機能不全と診断した.ニカルジピン塩酸塩,硫酸マグネシウム投与後に母体循環動態,胎児心拍数は改善した.MRIではPRESの所見を認め,意識障害が遷延するため,緊急帝王切開を施行した.分娩後,意識障害,PRESの所見は改善し,血圧も安定し,術後11日目に退院となった.児は日齢18で退院となり,その後,発達に異常はみられていない.子癇では母体治療により児の状態改善も期待できるため,妊婦の意識障害では,常に子癇を鑑別に挙げることが重要である.また,舌咬傷による口腔内出血を吐血と誤診する可能性も念頭に置く必要がある.
著者
大久保 修三 黒川 忠英 鈴木 徹 船越 将二 辻井 禎
出版者
日本貝類学会
雑誌
貝類学雑誌 (ISSN:00423580)
巻号頁・発行日
vol.56, no.3, pp.259-269, 1997-10-31 (Released:2018-01-31)
参考文献数
28

Generation of the streak-like flash in the inner-fold of the mantle in Ctenoides ales was investigated by video-camera recording, and stereo, light, fluorescence and electron microscopy. The stereo microscopy revealed the presence of a pale white band along the entire width of the marginal edge of the shell side surface of the inner fold. Since the flashing could not be seen in the dark, it was not due to the luminescence but the reflection of light. The light microscopy showed that the band region consisted of about ten rows of epithelial cells, cylindrical and 40 μm tall and 10 μm wide. The cytoplasm was densely filled with fine granules, eosinophilic in H-E staining. Under the electron microscope, those granules appeared as electron-dense vesicles, 0.5-0.6 μm in diameter, each containing a highly electron-dense spherical core, 0.2-0.3 μm in diameter. The cell had a nucleus, few mitochondria and lysosomes, however, other cellular organelles such as Golgi apparatus, rough and smooth endoplasmic reticulum were not evident, in the present observation. We assume that the electron-dense vesicles packed in the cytoplasm function to reflect light strongly. This highly reflecting structure found in C. ales is quite different from those have been reported in eyes of scallop and squid, and in iridophores of giant clam, cuttlefish, long-spined sea urchin and of fishes. The video observation showed that the mantle made a movement to roll the white band towards the shell-side and then, within a second, the rolling movement was released. The phase of the movement was different by the portions of the mantle, and the mantle edge made a wave-like motion. When the pale white band was hidden by the roll, the reflection of light disappeared. When the rolling was released, the reflection of light reappeared. Since the "roll and release movement" repeat quickly, it looks as though a streak-like flash run along the mantle margin.
著者
鈴木 徹也
出版者
マテリアルライフ学会
雑誌
マテリアルライフ学会誌 (ISSN:13460633)
巻号頁・発行日
vol.29, no.2, pp.40-45, 2017-05-31 (Released:2021-05-08)
参考文献数
5
著者
Pariya THANATUKSORN Chidphong PRADISTSUWANA Pantipa JANTAWAT 鈴木 徹
出版者
一般社団法人 日本食品工学会
雑誌
日本食品工学会誌 (ISSN:13457942)
巻号頁・発行日
vol.6, no.2, pp.143-149, 2005-06-15 (Released:2011-01-31)
参考文献数
23
被引用文献数
8 11

フライ調理は世界的にも主要な調理手法であり, 各国で古くから利用されてきた.近年では, 調理冷凍食品産業, ファーストフード産業なとにおいても大量に生産される機会か多くなっている.健康問題.また資源・環境問題からフライ調理品に油脂吸収残存を少なくする努力が払われている.しかし, フライ調理過程は熱移動, 水分の蒸発と拡散, デンプン糊化, タンパク質変性が相互に関連しながら進む非常に複雑な過程であり, そのメカニズムに関する科学的理解は十分とはいえない.欧米ではボデトフライを食すことが多く, ポテトを対象としたフライ調理研究か多い.また, 衣を付けたフライ食品も比較的多く.バッターに関する研究も見られる.しかし, それらは断片的であり.フライ調理過程を体系的に捉えようとした試みはなかった.水分含量に着目した場合.フライ調理の対象となる食品は初期水分含量 (IMC) によってその呼び名が異なり, それぞれ個別の研究対象とされてきた.例えは, 小麦粉に対して水分が少ない場合はドウ, 水分が多いとバッターとされる.本研究では, そういった (小麦粉―水) の混合物を1つの系ととらえ, 水分含量を「ドウ」のレベルである40%から「バッター」の領域80%まで大幅に変化させてフライ調理過程の相違を調べ, そのメカニズム解明の手がかりを探った。小麦薄力粉に対して, 40, 60, 70, 80%のく水分含量になるように調整した試料をフラットな円盤状 (厚さ約2mm) に成型, あるいは型に流し込み.その試料を150℃のパーム油中で7分までフライ調理を行い.油から取り出したのち, 数分間冷却を行った.フライ中また, 冷却中2分ごとに試料を取り出し.残存水分含量.油吸収率の時間経過を調べた.また同時に、各時間経過後における.それそれの試料の微細構造を走査型電子顕微鏡にて観察した.その結果.初期水分含量IMC40, 60, 70%の試料では5~7分間のフライ過程後期では, 十分な脱水.が進行し残存水分含量に有意な差がみられなかった, が.IMC80%試料では他の試料に比較してやや多くの水分が残存する傾向かみられた.方, 油吸収量の時間の推移はIMC40, 60, 70%の試料ではフライ加熱中に油か多く吸収され冷却期間では大きく増加しなかった.これに対して.IMC80%試料では油吸收のパターンに他試料と明らかな相違がみられた.すなわち, IMC80%試料はフライ加熱時には油の吸収は低く抑えられているものの, 冷却時に急激に油吸收されるといった現象が明確に確認された.また, それら速度過程を検討するために水分の一次元移動払散律速を想定して水分減少と油吸收をフライ時間tの事方根に対してプロットしたところ, 水分減少はいずれの初期水分でも直辛泉関係が得られた.しかし.油吸収量は初期水分が80%の場合にはt1/2に比擁するものの.IMC70%以下では直線関孫は得られなかった.さらに, 初期水分含量て残存水分を割り基準化した水分減少率で脱駅過程を比較検討したところ, 初期水分含量が70%以下の試料はほぼ同一の曲線に従うものの.IMC80%の試料のみ逸脱したカーブを示した.SEMの観察結果とあわせて検討したところ, IMC70%以下ぐでは澱粉の糊化による水分の吸收と水分の蒸発脱水か同時に進行するが, IMC80%試料では澱粉の糊化が著しく多量の, 水分を吸收し蒸発が少ないことが示唆された.油の吸收速度と水分蒸発速度との関係Fig.7は.上記推論を裏づける結果を示した.すなわち.初期水分含量が70%以下の場合にはいずれの初期水分含量でも同一の曲線に乗り, 水分の蒸発速度が大きいフライ初期では油の吸収速度は小さく, 水分が少なく水分の蒸発速度が低くなるに従って, 急激に油の吸収速度が上昇する傾向がみられた.これは油の吸収は初期水分含量に関係なく水分の蒸発速度だけによって制御されていろことを意味し, 水分が蒸発し続けている間は蒸気圧によって油が侵入できないといったメカニズムが働いていると考えられる.一方, 初期水分80%の試料では水分は澱粉の糊化に使われ蒸発する水分は少なく, 油の浸入は容易と考えられるが, 十分糊化した澱粉糊にはポアが少なく油が侵入するスヘースがなく澱粉糊がフィルムとなって逆に油の進入を抑えているメカニズムが作用していると考えられる.以上, 小麦粉―水のを混合物のフライ過程では混合比が澱粉の糊化に影響を与え.それ, がせが水分の蒸発速度に影響をおよぼし結果として油の吸收速度に影響をおよぼしていることが推察された.また.そのメカニズムの変化が初期水分70%から80%の間で起こることも明らかとなった.しかし, 本研究ではフライ過程でのデンプンの糊化についての直接情報がなく糊化との関係については多くの推察が含まれる.今後。本研究の結論を確実なものにするためにはフライ時のデンフンの糊化進行についての実証研究が必要となると考えられる.
著者
鈴木 徹 伊東 元 江原 皓吉 齋藤 宏
出版者
一般社団法人日本理学療法学会連合
雑誌
理学療法学 (ISSN:02893770)
巻号頁・発行日
vol.13, no.6, pp.409-413, 1986-10-10 (Released:2018-10-25)
被引用文献数
2

健常成人22名の利き手を対象に手関節測定肢位を掌背屈および橈尺屈の組み合わせで13肢位に定めて握力を測定し,手関節肢位と握力の関係について検討した。最大握力を発揮する手関節肢位は背屈20゜前後で,橈尺屈0゜より軽度尺屈位であった。この肢位を力の頂点とし,手関節をいずれの角度に偏位しても握力は減少し,とくに掌屈位では著明な減少を示した。手関節肢位の違いによって握力差が生じるということは,握力の測定や増強訓練時において,その点に十分留意する必要性を示唆している。
著者
堀 光代 鈴木 徹 長野 宏子
出版者
一般社団法人 日本家政学会
雑誌
日本家政学会誌 (ISSN:09135227)
巻号頁・発行日
vol.63, no.12, pp.771-780, 2012 (Released:2014-02-14)
参考文献数
26
被引用文献数
2

SDS electrophoresis and antigen-antibody reactions were carried out in order to investigate the effects of bacterial enzymes isolated from Indian nan and chapati on the decomposition of allergenic proteins in wheat flour.  The salt-soluble and -insoluble fractions of the allergenic proteins were treated with the crude enzymes produced by microorganisms isolated from Nan and chapati. The results of antigen-antibody reactions indicated that only three microorganisms isolated from chapati, 00-IND-016-1, 00-IND-016-3 and 00-IND-016-4, could decompose the allergenic proteins.  These three also exhibited 99% similarity to B. subtilis and B. amyloliquefaciens when analyzed with an API 50 CHB/E medium kit. A phylogenetic tree based on the 16SrRNA sequences showed that the three microorganisms were close to B. methylotrophicus and B. amyloliquefaciens.