著者
佐々 朋幸 後藤 和秋 長谷川 浩一 池田 重人
出版者
森林立地学会
雑誌
森林立地 (ISSN:03888673)
巻号頁・発行日
vol.32, no.2, pp.43-58, 1990-12-30 (Released:2017-10-20)
被引用文献数
10

They say, forests are being damaged in many parts of Europe, North America and Scandinavia by acid rain. In Japan also, the decline of adult Sugi tree (Cryptomeria japonica D. Don.) is going in urban areas, which is supposed by acid rain or acid materials from exhaust gases. The authors have an opinion that the influences of acid water will appear firstly on increase of soil acidity. Because, many kind of metals in soil will be exchanged to poisonous ions for tree fine roots or mycorrhizae, under such an acid soil condition. But, as it is extremely rare that rain water reaches forest floor directly without any touches on leaves, twigs, branches and stems, the water supplied to soil will certainly contain much amount of soluble nutrient elements derived from tree body, other than the amount in rain water. The other words, "the rain fall dropped on soil" means the throughfall or the stem flow changed in quality by such nutrient elements. The authors schement out a new method for collecting the stem flow and studied about the differences of acidity among rain fall, through fall and stem flow in relation to those nutrients' concentration. As the results of their study, they listed the following topics. 1) The acidity of stem flow always seems to converge to characteristic pH value in every species, independently of that of rain fall, as followings; Cryptomeria japonica: pH3.5〜pH4.1 Larix leptolepis: pH4.2〜pH4.8 Pinus densiflora: pH4.5〜pH5.2 Thujopsis dolabrata: pH5.0〜pH6.0 Fagus crenata: pH5.9〜pH6.5 2) The pH value of throughfall is always between that of rain fall and that of stem flow. 3) The pH value of stem flow is determined by multiple ionic action, not by single element. 4) The larger istheratio of(Ca+Mg+K+Na)/ organic-C in stem flow, the lower is the acidity. 5) The succeeding stem flow is different from the beginning one in the proportion between alkaline earth metals and alkali metals.
著者
高田 忠敬 内山 勝弘 安田 秀喜 長谷川 浩 里井 豊 国安 芳夫
出版者
医学書院
巻号頁・発行日
pp.627-631, 1985-05-20

はじめに 1935年Whippleら1)が乳頭部癌に対し,はじめて二期的膵頭十二指腸切除を行つた.しかし,当初胆管および膵断端の消化管への吻合はなされておらず,1943年Whipple2),Child3),Cattelら4)により胆管および膵断端と消化管の吻合を同時に行う一期的膵頭十二指腸切除術が考案された.これらの術式の特徴は,重篤な合併症としての膵腸吻合部や胆管空腸吻合部の縫合不全,逆行性胆管炎などの対策として,これらの吻合部に食物を通過させないようにしたことである.これに対し,1960年今永5)は縫合不全や胆管炎の発生と食物の通過経路とは関係がないとし,Braun吻合を付加しないCattel変法とも言われる再建法を報告した. 膵頭十二指腸切除後の再建法で長年問題となつていたのは,膵腸吻合部の縫合不全であることは言うまでもないが,再建法ならびに吻合法,素材の種々の工夫,膵管外瘻の付加,さらに高カロリー輸液法などの栄養管理が進み,縫合不全は以前に比べ激減してきており,実際われわれも最近3年間に施行した膵頭十二指腸切除57例では1例も経験していない.しかし,Fortnerら6)の提唱以来,積極的に郭清を行う拡大膵頭十二指腸切除の普及により,頑固な下痢の発生など消化吸収障害の問題が新たな合併症としてクローズアップされてきた7)こともあり,膵頭十二指腸切除についても術後の消化機能を温存する術式が望まれるようになつてきた.
著者
村山 徹 長谷川 浩 宮沢 佳恵 武田 容枝 村山 秀樹
出版者
公益社団法人 日本食品科学工学会
雑誌
日本食品科学工学会誌 (ISSN:1341027X)
巻号頁・発行日
vol.57, no.7, pp.314-318, 2010-07-15 (Released:2010-09-01)
参考文献数
28
被引用文献数
3 2

夏秋作における有機および慣行栽培ミニトマトの品質成分の実態を明らかにするため,有機および慣行栽培ミニトマトを各16圃場から試料を得,果実特性とアスコルビン酸,リコペン,β-カロテン,糖類,遊離アミノ酸,クエン酸含量およびエチレン生成量を調査した.有機栽培ミニトマトでは,慣行栽培のものと比較して,果実硬度が小さく,アスコルビン酸とリコペン含量が有意に高かった.また,エチレン生成量が有意に低かった.これらの差違の原因として,実際に流通している有機と慣行栽培ミニトマトには熟度に差がある可能性が推察された.
著者
鈴木 嵩之 折原 悠太 大石 久己 長谷川 浩志 岡村 宏
出版者
一般社団法人 日本機械学会
雑誌
Dynamics & Design Conference
巻号頁・発行日
vol.2018, 2018

<p>We have studied the sound quality improvement of the classical guitar. The running-in of really playing on the guitar as well as the manufacturing process of guitar gives the large influence to the sound quality. It is called an aging effect. It is important that the behavior of the aging effect is considered on the manufacturing process. But the result of over-aging treatment causes, sometimes, the poor sound quality. The mechanism of over-aging is open here.</p>
著者
長谷川 浩一 林 真人 川口 健司 田代 晴彦 森川 篤憲 岡野 宏 川上 恵基 村田 哲也
出版者
一般社団法人 日本農村医学会
雑誌
日本農村医学会学術総会抄録集 第56回日本農村医学会学術総会 (ISSN:18801749)
巻号頁・発行日
pp.29, 2007 (Released:2007-12-01)

(症例)患者はインドネシア国籍の29歳男性で、平成19年1月17日に頭痛を主訴に当院外来を受診。頭部単純CTで左側頭葉に低吸収域を呈する脳病変を認めた。しかしながら不法滞在者であると判明し、それ以上の精査治療は母国で行うべきと初診医が判断し、即時の帰国を勧めた。しかしながら、症状は徐々に悪化し発熱と意識障害をきたしたため、1月21日に当院救急外来を受診し内科入院となった。入院時、口腔内カンジダ症を認め、抗HIV抗体が陽性であった。髄液検査では異常を認めなかったが、AIDSによる脳トキソプラズマ症が最も疑われ、ST合剤とクリンダマイシンの投与を開始した。治療により解熱しCRPも9.0から0.5に低下したが、意識状態の改善はあまり認められず、到底旅客機で帰国できる状態ではなかった。2月1日に局所麻酔下で定位的に病変部位の生検術を施行し、病理組織にて脳トキソプラズマ症の確定診断が得られたため、2月8日に三重大学附属病院血液内科に転院した。その後、ピリメサミンを用いた積極的な治療により旅客機で帰国できる状態にまで回復した。 (当院での対応)不法滞在のため保険には未加入で、治療費は自費のため金銭的な援助をインドネシア大使館にも相談したが、予算がないため金銭的な援助は不可能との返事であった。また、当院はAIDS拠点病院に指定されていないため、県内のAIDS拠点2病院への転院も考慮したが困難であった。三重大学附属病院のみHIV感染により何らかの合併症を発症している事が確認されていれば、何とか受け入れ可能であるが、少なくとも脳の生検でAIDS以外の脳病変を否定する事が前提条件であった。HIVに対する手術器具の消毒法もHCV等と同じであるが、HIV感染患者の手術は当院では初めてであり手術室等からの反対もあったが、転院のためには他に手段はなく、当院でやむなく生検術を施行した。 (考察)不法滞在患者でなく金銭的に問題なければ、大学病院以外のAIDS拠点病院への転院も可能であったと思われるが、研究機関でもある大学病院しか受け入れは許可してもらえなかった。鈴鹿市は外国人の割合が高いので、不法滞在の外国人も多いと予想されるが、これは全国的な問題と考えられる。不法滞在者であるからといって人道的に治療を拒否する事はできず、行わなければならない。その様な場合、どこからか金銭的な援助を得て、なんとか治療を行える方法はないのであろうか。また、外来受診の翌日に名古屋の入国管理局から連絡があり、すぐに帰国させる様に伝えたが、手続き上少なくとも1週間以上かかり、結局その間に症状が悪化し帰国できなくなってしまった。不法滞在ではあるが、この様な緊急事態の場合、入国管理局はもっと早く帰国の手続きをとる事はできないのであろうか。この患者は治療により帰国できる状態にまで回復したが、回復しなかった場合は二度と自国の土を踏む事はできなかったと考えられた。
著者
長谷川 浩
出版者
日本医学哲学・倫理学会
雑誌
医学哲学 医学倫理 (ISSN:02896427)
巻号頁・発行日
vol.17, pp.230-236, 1999-10-01 (Released:2018-02-01)

Many terminal patients pass away in cure-oriented medical centers. In these cases, there are often serious discrepancies in attitudes toward dying patients and death itself between health care workers (h. c. wokers) and patients and/or their family members. Death means "the first person" experience to patients, "the second person" experience to their family members, and "the third person" experience to h. c. wokers. Patients and their family members are used to being hurt psycho-socially in the process of life-prolonging- treatments. In addition, they are also used to not being satisfied with their needs of human dignity by h. c. workers who adhere to a bio-medical paradigm. Surely, it is not as easy for h. c. workers to keep "the second person" attitude toward a patient's death the same as that of a patient's family members. However, medical treatment as a human service should contribute to coping with the overall needs of patients and their family members. It is very true that patients and their family members have relationships with h.c. workers not to contribute to the development of medical science, but to receive their own physical, emotional, spiritural, and social comfort. Therefore, h. c. workers shuld embrace both a human life model as well as a bio-medical model. If h. c. workers are aware of their own real personhood, including life and death, prior to their professionalhood, they will provide their professional skill humanistically to each person who benefits from service. Providing psycho-social supports empower patients and their family members to be well and maintain their quality of life. In addition, h. c. workers themselves may learn the attitude toward death as "the second person". Finally, h. c. workers need to discuss why maintaining "the third person" attitude is detrimental to patients who are dying.
著者
渡邉 雅一 児玉 寛 長谷川 浩二 伊藤 佳子
出版者
公益社団法人 日本薬理学会
雑誌
日本薬理学雑誌 (ISSN:00155691)
巻号頁・発行日
vol.130, no.3, pp.221-231, 2007 (Released:2007-09-14)
参考文献数
22

パタノール®点眼液0.1%は,塩酸オロパタジンを有効成分として,抗アレルギー作用と抗ヒスタミン作用を併せ持つアレルギー性結膜炎治療剤である.本剤は結膜肥満細胞からのヒスタミンなどの化学伝達物質の遊離抑制作用と,選択的かつ強力なヒスタミンH1受容体拮抗作用により痒感,充血などのアレルギー性結膜炎症状を改善させると考えられている.非臨床試験において眼の即時型アレルギーに対する抑制作用,ヒスタミン誘発血管透過性亢進に対する抑制作用,各種化学伝達物質の遊離抑制作用および選択的ヒスタミンH1受容体拮抗作用を示した.第III相臨床試験では,対照薬のフマル酸ケトチフェン点眼液に劣らない有効性を示し,安全性において副作用発現率は有意に低かった.長期投与試験では10週間の連続点眼を行ったが副作用は認められず,結膜抗原誘発試験では本剤のアレルギー性結膜炎に対する有効性と効果の持続時間が確認された.本剤は,抗アレルギー作用と抗ヒスタミン作用という2つの作用によりアレルギー性結膜炎症状の改善をもたらし,高い安全性を有することが示された.
著者
稗田 蛍火舞 砂川 陽一 刀坂 泰史 長谷川 浩二 森本 達也
出版者
公益社団法人 日本薬理学会
雑誌
日本薬理学雑誌 (ISSN:00155691)
巻号頁・発行日
vol.146, no.1, pp.33-39, 2015 (Released:2015-07-10)
参考文献数
73
被引用文献数
2 2

高血圧は心血管疾患,脳卒中などの疾患の発症につながる動脈硬化の主要危険因子の一つである.多くの臨床研究から血圧を管理することは,これらの罹患率,死亡率の減少につながることが明らかになっている.しかしこれらの合併症に対する予防効果は降圧薬を用いた治療をもってしても50%未満である.近年,健康的な食事が生活習慣病を予防するだけでなく,治療につながるのではと考え,食品の持つ効果について注目が集まっている.塩分制限,適度なアルコール摂取,およびカロリー制限などの食生活の改善が高血圧の予防のために重要である.また,古くから日本と中国で日常的に飲まれてきた緑茶は降圧効果を有すること,さらにはその有効成分はカテキンであることが明らかとなった.このように降圧効果を持つ食品に関して多くの研究が行われ,これらの機能性食品がレニン・アンジオテンシン系抑制や抗酸化作用,利尿作用,交感神経抑制作用,および血管拡張作用を有する一酸化窒素の合成促進作用などによって降圧効果を示すことが報告されている.今後これらの機能性食品を土台にして,日常の食生活を改善することによって血圧を管理し,健康寿命を延ばすことができると期待される.本総説は動物実験やヒト臨床試験で降圧効果を有することが報告されている機能性食品とその成分についてまとめたものである.
著者
黒木 玄 長谷川 浩司 黒木 玄
出版者
東北大学
雑誌
基盤研究(C)
巻号頁・発行日
1997

黒木玄は,楕円曲線上の共形場理論と楕円函数係数の量子可積分系の研究を行なった.一つ目の仕事は,楕円古典γ行列が現われる楕円曲線上の捻れヴェス・ズミノ・ウィッテン(WZW)模型と楕円ゴーダン模型の代数幾何的構成である.ここで,楕円曲線上の捻れWZW模型とは,楕円曲線上のある種のリー環束から自然に構成される共形場理論のことである.その共形ブロックの満たす楕円函数版のクニツィニク・ザモロドチコフ(KZ)方程式の係数として,楕円古典γ行列が自然に現われる.楕円ゴーダン模型は,ハミルトニアンが楕円古典γ行列を用いて定義されるある種の量子可積分系のことである.臨界レベルの捻れWZW模型から楕円ゴーダン模型が導出される.これによって,楕円ゴーダン模型のハミルトニアンの母函数が,捻れWZW模型の方の菅原構成によって得られたエネルギー運動量テンソルに関するウォード恒等式から得られることがわかる.二つ目の仕事は,クニツィニク・ザモロドチコフ・ベルナール(KZB)方程式の解の積分表示式をアフィン・リー環の脇本表現を用いた構成である.KZB方程式は力学変数を含む古典γ作用素を用いて書き下される線形微分方程式系である.楕円曲線上のリー環束の変形も含めたWZW模型を適切に定式化すると,その共形ブロックの満たす方程式として,KZB方程式が現われる.そのことを利用すれば,脇本表現に付随したWZW模型の共形ブロックの積分表示式から,KZB方程式の解の積分表示式が得られる.
著者
黒木 玄 長谷川 浩司 菊地 哲也
出版者
東北大学
雑誌
基盤研究(C)
巻号頁・発行日
2005

本研究の目標の一つはBerenstein-Kazhdanの幾何結晶含む離散古典系の量子化であった。その重要な例として梶原・野海・山田が構成したm×n行列全体の空間への2つのA型拡大アフィンWeyl群双有理作用がある。平成17年度までに黒木はm, nの片方が2でもう一方が奇数の場合の量子化を構成していた。黒木はその結果を平成18年度にm, nが互いに素な場合にA型アフィン量子群を用いて拡張した。これによって幾何結晶の重要な例の一つと量子群が関係付けられたことになる。しかし幾何結晶と柏原結晶のLanglands双対性の存在は謎のままであり、課題として残されたままになっている。さらにその研究の副産物として量子群とWeyl群の双有理作用の量子化の関係を明確にすることができた。量子群のChevalley生成元の複素べきの作用によって任意の一般Cartan行列(GCM)に付随するWeyl群双有理作用のq差分版量子化を構成することができる。Weyl群双有理作用はPainleve系の現代的解釈において基本的なので、これによってPainleve系と量子群が関係付けられたことになる。(この構成は本質的に後述する長谷川のq差分量子版のWeyl群双有理作用も含んでいる。)さらにそれに関連してALBL=LCLD型の関係式によって特徴付けられるL作用素の重要性も明らかになった。通常の量子群のL作用素はRLL=LLR型の関係式によって特徴付けられる(FRT構成)。しかしWeyl群双有理作用を持つような量子系のL作用素を扱うためにはより一般的なALBL=LCLD型の関係式が必要になる。ALBL=LCLD型の関係式を満たすL作用素から構成される互いに可換なHamilton作用素たちはWeyl群双有理作用で不変であると予想しているが、まだ証明は付けられていない。量子版のWeyl群双有理作用で不変な作用素の構成は残された基本的問題のひとつである。以上の結果は部分的に研究集会「数理物理における新たな構造と自然な構成の探求」(名古屋大学多元数理、2007年3月5-8日)で発表された。長谷川はGCMに付随するq差分量子版のWeyl群双有理作用の構成と量子Painleve VI系の構成の2つの結果を2007年のプレプリントで発表した。菊地は通常の微分版およびq差分版のPainleve VI系を無限化積分系(ソリトン系)の相似簡約によって構成することができることを示した。
著者
宇澤 達 山田 裕二 青木 昇 藤井 昭雄 黒木 玄 長谷川 浩司
出版者
立教大学
雑誌
基盤研究(B)
巻号頁・発行日
1998

本研究では、対称対についての研究を行った。対称対は、リー群および代数群の研究において基本的な対象である。群Gと位数2の自己同型σが対称対を与える。古典型単純リー群も、基礎体の標数が2ではないときには、一般線形群を元に、位数2の自己同型の不変元全体として定義される。したがって、標数が2ではないときには、単純リー群は有限個の例外を除いて、一般線形群の対称対として理解することができる。1)対称対の基礎理論。標数2の体の上でも、リーマン対称多様体に相当する理論が構成できることがわかった。佐武図式も定義される。標数2の体上では、位数2の自己同型の共役類の数が一般には増えることが知られている。その理由もルート系の言葉で理解することができることがわかった。2)整数環上のスキームとしての対称多様体の構成。整数環に1/2を付加した環の上での対称多様体のモデルの構成は比較的容易であるが、ここでは整数環上のスキームとしての構成ができることがわかった。3)対称多様体のコンパクト化の構成。対称多様体のコンパクト化のモデル(群Gが随伴型であるという仮定のもとに)整数環上のスキームとして構成できることがわかった。応用としては、標数2の体上では、5個の2次曲線と接する2次曲線の数が51と、標数が2ではないときの1/64となっていることの説明がある。4)ルスティックによって定義された指標層に対してラングランズ対応を定義することができることがわかった。群ではなく、より一般の対称対に対してもラングランズ対応を研究することは、ジャッケの相対跡公式ともあわせて大変興味がある問題である。5)対称対と整数論の関係。対称対に関連して、エプシュタインのゼータ関数が定義され、その特殊値についての結果が得られた。また、群と対極にある対称対に付随して、楕円曲線の族があらわれる。楕円曲線の族に関する結果も得られた。6)数理物理との関係。対称対としてあらわれるアフィンリー環についての知見が得られた。
著者
長谷川 浩司 星 智 遠山 裕樹 伊藤 信市 伊藤 知子 若林 博人
出版者
The Japanese Society of Internal Medicine
雑誌
日本内科学会雑誌 (ISSN:00215384)
巻号頁・発行日
vol.90, no.7, pp.1333-1335, 2001-07-10
参考文献数
9
被引用文献数
2 1

症例は82歳,男性. 1日10行以上の水様下痢にて入院,腹部超音波およびCTにて膵頭部に径4cmの腫瘤を認めた.血清VIP (Vasoactive Interstitial Polypeptide)濃度970pg/mlと高値を示し, WDHA (Watery diarrhea, Hypokalemia, Achlorhydria)症候群と診断. octoreotide acetate (以下o. a.と略す)投与にて症状改善後,膵頭十二指腸切除術を施行し現在経過良好である.本例は過去の報告例中世界最高齢の貴重な症例と考え報告した.
著者
岡田 浩明 長谷川 浩 橋本 知義 関口 博之 浦嶋 泰文
出版者
日本線虫学会
雑誌
日本線虫学会誌 (ISSN:09196765)
巻号頁・発行日
vol.39, no.2, pp.63-71, 2009
被引用文献数
3

有機栽培と慣行栽培との現実的な違いが土壌の生物性や理化学性に及ぼす影響を検討するためには、有機物施用のみの有機農家圃場(有機)と、化学肥料と化学農薬の使用に加え有機物施用も行う慣行農家圃場(慣行)との比較が不可欠である。2005年と2006年に東北地方のトマト農家温室で線虫群集構造を分析した。土壌の粒径組成、調査地点及び栽培季節の違いを考慮しても、栽培管理(有機と慣行との違い)は両年とも"捕食者+雑食者"群の密度およびStructure Indexに有意に影響を及ぼし、有機で値が高かった。2005年の栽培管理は線虫群集構造全体をも有意に説明し、分類群ごとでは、Dorylaimidaが有機の、DiplogasteridaeとAnguinidaeが慣行の指標となった。一方、2006年には群集全体への栽培管理の影響は有意ではなかった。しかしこの年も分類群ごとに見ると、DorylaimidaとDiplogasteridaeが各栽培管理様式の良い指標となった。個々の環境要因を説明変数として検討すると、土壌の粒径組成や細菌密度がこれらの線虫の密度に有意な影響を与えていたが、その解釈は十分にはできなかった。化学農薬の測定なども含めたさらなる調査が必要である。
著者
堀 崇宏 長谷川 浩文 島崎 仁司 堤 誠
出版者
一般社団法人電子情報通信学会
雑誌
電子情報通信学会総合大会講演論文集
巻号頁・発行日
vol.1997, no.1, 1997-03-06

ミリ波, サブミリ波領域における平面集積回路の研究は今後大きな発展が期待されている。方形誘電体導波路はマイクロストリップ線路に比べて低損失であり, 方形導波管に比べて製作が容易でかつコストもかからないなどの利点がある。最近誘電体スラブビームウェーブガイド(DSBW)が捉案された。本研究では, 焦点距離を磁界で制御する目的でフェライトレンズを適用したDSBWを提案し, その実験を行なったので報告する。
著者
鳥羽 研二 守屋 佑貴子 中居 龍平 岩田 安希子 小林 義雄 園原 和樹 長谷川 浩 神崎 恒一
出版者
一般社団法人 日本老年医学会
雑誌
日本老年医学会雑誌 (ISSN:03009173)
巻号頁・発行日
vol.46, no.3, pp.269-270, 2009 (Released:2009-06-10)
参考文献数
5
被引用文献数
1 2

目的:アルツハイマー型認知症の意欲の低下に,コリンエステラーゼ阻害薬が有効か検証する.方法:患者23名に対し塩酸ドネペジル5 mgを投与,前後にVitality Indexを測定し比較.結果:Vitality Indexは投与前7.87±0.25,投与後8.74±0.19と有意な改善がみられた.結論:アルツハイマー型認知症の生活の意欲の低下にコリンエステラーゼ阻害薬が有効である可能性が示唆された.