著者
高橋 志郎 新家 光雄 福井 壽男 小林 俊郎 長谷川 二郎
出版者
一般社団法人日本歯科理工学会
雑誌
歯科材料・器械 (ISSN:02865858)
巻号頁・発行日
vol.15, no.6, pp.577-584, 1996-11-25
被引用文献数
12

種々の熱処理を施した歯科用金銀パラジウム銅合金につき, 引張試験および動的破壊靱性試験を行い, 引張および衝撃破壊特性に及ぼす熱処理条件の影響について検討した.引張強さおよび0.2%耐力は, 溶体化まま材および溶体化時効材とも, ほぼ溶体化温度の上昇に伴い増加する傾向にある.溶体化時効材では, いずれの溶体化温度でも時効温度の上昇に伴い, 引張強さおよび0.2%耐力が増加する傾向にある.一方, 伸びは, 溶体化まま材では, 強度特性値とは逆に, 溶体化温度が高いほど低下する傾向にある.動的破壊靱性値は, 一部の例外を除き, 強度特性値の場合と同様に, 溶体化温度の上昇とともに増加する傾向にある.これは, 本合金の動的破壊靱性値に対して, 延性の低下に比べ, 強度の増加がより大きく寄与したためであると考えられる.動的破壊靱性値は, 溶体化まま材の方が溶体化時効材に比べ大きい.強度, 靱性, 延性バランスを考慮すると, 溶体化温度1073Kの熱処理条件がより適切である.特に, 溶体化まま材で, 溶体化後空冷の熱処理は, 冷却工程が簡便で, 時効工程を省略でき, より有利な熱処理条件といえる.
著者
長谷川 典夫
出版者
THE TOHOKU GEOGRAPHICAL ASSOCIATION
雑誌
東北地理 (ISSN:03872777)
巻号頁・発行日
vol.21, no.1, pp.44-44, 1969

On the eastern slopes of Zao Volcano, there are three hot-spring spas along the road leading from Sendai city to Zao Volcano. They are Tokatta, Aone and Gaga. In April, 1963, for the development of tourist industry, the whole line of Zao-Highway was opened to traffic from Tokatta to Kaminoyama city, Yamagata Prefecture, via the top of Zao Volcano. Since then, the tourists visiting these spas have been rapidly increased. For example, in the case of Tokatta, the visitors increased from 58, 500 in 1961 to 146, 000 in 1963. At the same time, the areal distribution of the visitors' homes has become more extensive.
著者
長谷川 誠 田島 慎一
出版者
映像情報メディア学会
雑誌
映像情報メディア学会誌 : 映像情報メディア = The journal of the Institute of Image Information and Television Engineers (ISSN:13426907)
巻号頁・発行日
vol.59, no.5, pp.786-790, 2005-05-01
参考文献数
9
被引用文献数
3

We propose applying of the ridgelet transform to semantic objects segmented using watershed segmentation. The ridgelet transform effectively represents objects with singularities along lines; therefore, it is a powerful tool for coding. Moreover, it can easily rotate blocks in the ridgelet domain. Nevertheless, the targets to be roteted are not rectangular blocks but real objects. For that reason, we divide pictures into semantic objects using watershed segmentation, then convert each object into the ridgelet domain so they can be rotated easily. We experimented in coding and rotating objects.
著者
長谷川 次郎
出版者
慶應義塾大学
雑誌
史学 (ISSN:03869334)
巻号頁・発行日
vol.42, no.3, pp.361-362, 1970-02

発表要旨彙報
著者
谷 卓哉 長谷川 浩司 坂本 博康 坂田 年男 廉田 浩 福島 重廣
出版者
日本知能情報ファジィ学会
雑誌
知能と情報 (ISSN:13477986)
巻号頁・発行日
vol.22, no.1, pp.52-64, 2010-02-15 (Released:2010-05-21)
参考文献数
16
被引用文献数
2 1 1

本論文は正準相関分析を用いて顔表情画像から感情の程度を測定する手法を提案する.ここでは,顔表情のグレースケール画像およびその表情・感情を主観評価した値(快-不快および覚醒-沈静)との2種類の変量間における正準相関を分析する.顔表情画像に対する人の視線の動きから求めた注視特性を,本測定法の加重関数として組み込み,その有効性を述べる.また,画像のサンプル数の不足から生じる非正則な共分散データの場合,その情報を効率的に分析するために,中間変数を導入した正準相関分析の分解手法を提案する.また,ガウスカーネルによる非線形カーネル正準相関分析の効果について,線形の正準相関分析と比較し,その有効性を示す.男性と女性に分けた顔表情画像データベースに対して Leave-One-Out法による数値実験を行った結果と動画像に対する測定実験を行った結果を示すことにより,本提案法の有効性を示す.
著者
長谷川 章^[○!R] 山中 実
出版者
公益社団法人日本分析化学会
雑誌
分析化学 (ISSN:05251931)
巻号頁・発行日
vol.33, no.12, pp.657-662, 1984-12-05
被引用文献数
3

既報において,従来,分析機器への適用が困難であった分相滴定を,はっ水性の多孔質テフロソ分離脱を用いた連続抽出を利用することで,光度滴定への適用を可能にした.既に,陰イオソ界面活性剤の中でアルキルスルホン酸塩及びアルキル硫酸塩の定量について報告したが,本報では,更にせっけんヘの適用を検討した.試料(せっけん)に一定過剰量の陽イオン界面活性剤(ハイアミン)を加え,生成するイオン対は激しく振り混ぜることでクロロホルムに抽出する.その後,陰イオン界面活性剤であるドデシル硫酸ナトリウム(SDS)を標準溶液とし,残存するハイアミンを滴定することで,せっけんを定量する.いわゆる逆滴定法である,終点の検出には,分相指示薬を使用才るが,柿々検討した結果,陰イオン性色素であるジクロロフルオレセイソ(DCF)が優れていた. UCFは,滴定前にハイアミンの一部とイオン対を生成し,クロロホルムに抽出されているが,このイオン対は終点近傍においてSDSによる滴定とともに十分な振り混ぜを繰り返すことで,DCFは水相に遊離する.すなわち,クロロホルム中のDCFを比色することで滴定の終点を検出することができる.本法によれば,炭素鋼長C12以上の脂肪酸から成るせっけんであれば,ほぼ100%の定量結果を得ることができるが5 Cfi,Cg及びCloの比較的鋼長の短いせっけんでは,それぞれ0%, 26.3%,85.4%と定量性は悪くなっている.しかし,これらの低核酸を含むせっけんについても,それぞれの定量結果を考慮した補正平均分子量を使用することで,いずれも正確な定量が可能であることを確認した.又,滴定精度帖約1.5mMせっけん溶液で相対標準偏差0.34%と良好であった.なお,本滴定装置による所要時間は,試料1件につき15〜20分であり,連続自動分析も可能である.
著者
服部 進 関 章良 行司 菅男 岡本 厚 長谷川 博幸
出版者
一般社団法人電子情報通信学会
雑誌
電子情報通信学会論文誌. D-II, 情報・システム, II-情報処理 (ISSN:09151923)
巻号頁・発行日
vol.79, no.9, pp.1484-1491, 1996-09-25
被引用文献数
6

現在筆者らはディジタル画像処理で空中写真画像から地形図を図化する図化機「ごくう」を開発中である.相互標定点の計測精度は図化の精度を規定するが,実用上画素の大きさに限界があるので,画像本来の精度を出すには標定点座標をサブピクセルまでとるのが望ましい.しかも作業を軽減するため画像処理を援用した標定が強く望まれている.本論文では相互標定点の座標を半自動の計測法で,高精度かつ安定して計測する手続きを提案した.標定点計測には従来から通常の相関法および最小2乗相関法が提案されているが,後者は恣意的に使うと不安定である.前者も精度についてはあまり報告されていない.本論文では,これらを実験的に比較し,後者が優れていることを示すと共にパラメータ(相関窓の大きさ,自由度)と計測の精度および安定性の関係を調べた.最小2乗相関法は収束域が狭いので,実用性を高めるためこれを広げる工夫を加えた.得られた画像座標の精度の期待値は1/3画素であった.
著者
清水 信義 寺本 滋 人見 滋樹 伊藤 元彦 和田 洋巳 渡辺 洋宇 岩 喬 山田 哲司 山本 恵一 龍村 俊樹 山口 敏之 岡田 慶夫 森 渥視 加藤 弘文 安田 雄司 三上 理一郎 成田 亘啓 堅田 均 鴻池 義純 福岡 和也 草川 實 並河 尚二 木村 誠 井上 権治 門田 康正 露口 勝 宇山 正 木村 秀 香川 輝正 斉藤 幸人 武内 敦郎 森本 英夫 垣内 成泰 横山 和敏 副島 林造 矢木 晋 西本 幸男 山木戸 道郎 上綱 昭光 長谷川 健司 山田 公彌 岡本 好史 中山 健吾 山内 正信 佐々木 哲也 毛利 平 江里 健輔 宮本 正樹 森田 耕一郎 平山 雄 中川 準平 吉松 博 村上 勝 永田 真人 溝口 義人 大田 満夫 原 信之 掛川 暉夫 枝国 信三 足達 明 富田 正雄 綾部 公懿 川原 克信 西 満正 島津 久明 三谷 惟章 馬場 国昭 岡田 浪速 内藤 泰顯 櫻井 武雄 岡田 一男 西村 治 前部屋 進自 前田 昌純 南城 悟
出版者
日本肺癌学会
雑誌
肺癌 (ISSN:03869628)
巻号頁・発行日
vol.31, no.7, pp.1011-1019, 1991-12-20
被引用文献数
1

西日本地区30施設の共同研究により,肺癌の治癒切除例に対する補助化学療法の有用性を検討した.このtrialが終了した後5年の観察期間が経過したのでその成績を報告する.対象は絶対的治癒切除,相対的治癒切除となった肺腺癌であり,A群はMMC(20+10mg)+tegafur600mg1年間経口投与,B群はMMC(20+10mg)+UFT400-600mg1年間経口投与とした.1982年11月から1985年11月までにA群113例,B群111例の計224例が集積された.不適格例が43例であり,A群88例,B群93例を解析対象とした.背景因子には差は認めなかった.成績は5年生存率および5年健存率で検討した.両群の全症例の5年生存率はA群64.3%,B群55.6%で有意差は認めず,健存率でも差はなかった.後層別解析で,N2症例において5年生存率および5年健存率とも,B群が良好であった(p=0.029,p=0.048).
著者
長谷川 剛 村田 正幸
出版者
一般社団法人電子情報通信学会
雑誌
電子情報通信学会技術研究報告. CQ, コミュニケーションクオリティ (ISSN:09135685)
巻号頁・発行日
vol.109, no.121, pp.29-34, 2009-07-02

インターネットにおいて標準的に用いられているトランスポート層プロトコルであるTransmission Control Protocol(TCP)は、多様なネットワーク環境において安定的に通信を行なうことができるプロトコルであるが、各種ネットワーク環境における性能最適化の面では未解決の問題が多く残されている。本稿では、特に無線ネットワーク技術によるアクセスネットワーク環境に着目し、無線ネットワークの様々な特性に対応するためのトランスポートプロトコルの改善手法について、近年の研究動向や著者を含む研究グループでの研究内容について述べる。特に、受信側TCPの改良によって達成される、TCPスループットの向上、および公平性の改善手法に関して議論する。
著者
渡邉 博文 田中 成典 沖本 憲明 長谷川 亜樹 泰地 真弘人 谷田 義明 三井 崇志 勝山 マリコ 藤谷 秀章
出版者
情報計算化学生物学会(CBI学会)
雑誌
Chem-Bio Informatics Journal (ISSN:13476297)
巻号頁・発行日
vol.10, pp.32-45, 2010 (Released:2010-04-20)
参考文献数
46
被引用文献数
5 9

先端的な4つの計算法、FMO法、QM/MM法、MM-PB/SA法、MP-CAFEE法を用いてFKBPと10種類のリガンドの結合能を評価し、実験値との相関を比較した。結果として、4つの方法の内、どの方法を用いても実験値と比較的よい相関が得られることを確認した。またこの結果をもとに、どの効果を取り入れることが実験値との高い相関を得るのに重要であるかを議論した。さらに、これらの方法における溶媒効果の取り入れやエントロピーの寄与の重要性について詳しく議論した。計算時間についても検討を行い、最後にタンパク質リガンド結合能計算法の発展について今後の展望を述べた。
著者
長谷川 利之 大久保 通則
出版者
Japan Light Metal Welding Association
雑誌
軽金属溶接 (ISSN:03685306)
巻号頁・発行日
vol.49, no.8, pp.288-295, 2011

High-strength Al-Cu based alloy is a low-weldability material with many technical problems to be solved in order to improve its weld properties. This reseach was performed to evaluate various joining processes and determine a satisfactory process in terms of the properties of Al-Cu alloy sheet of 0.8mm in thickness. YAG laser, disk laser and plasma welding were considered as high-energy beam joining processes. Furhtermore, we also considered FSW which was classified as solid-state welding. The properties of high-strength aluminum alloy welds produced with high energy beam welding and FSW were satisfactory, and reliable welded joints with higher tensile strengths coule be obtained. When evaluating the weld characteristics in the drop impact test, the YAG laser and disk laser welded joints did not fracture along the joined line and the fracture chracteristics were satisfactory. FSW and disklaser welding displayed good properties, and it was evident that a reliable joint could be obtained by control of the heat source. In the case of FSW, the relationship between tensile and drop impact properties of the joints was not elucidated.
著者
平山 敏弘 長谷川 長一 やすだ なお 大西 荘一 三木 啓一郎 井川 真弓
出版者
日本教育情報学会
雑誌
年会論文集
巻号頁・発行日
no.27, pp.78-81, 2011-08-20

当論文は,情報セキュリティ基本教育を実証するモデルケースとして大規模な産学連携では初となる,岡山理科大学と日本ネットワークセキュリティ協会との提携による東京からのリモート授業実証結果より,Web環境における遠隔講義の方向性を検証するとともに,教育機関における実践力向上のための産官学連携の重要性と新たな取り組み例について提言するものである.
著者
福井 壽男 國井 崇 藤城 吉正 守田 有道 新家 光雄 山田 史郎 長谷川 二郎
出版者
一般社団法人日本歯科理工学会
雑誌
歯科材料・器械 (ISSN:02865858)
巻号頁・発行日
vol.19, no.1, pp.49-55, 2000-01-25
被引用文献数
6

最近チタン-タンタル系合金が歯科用インプラントや整形外科の範疇で研究されている.この種合金は無刺激性で生体親和性に富みさらに優れた機械的性質と高い加工性を有している.この系の合金化は一般に行われているアーク溶解および高周波誘導加熱方法では難しいといわれている.それはチタンとタンタルでは密度が大きく異なりチタンの4.5g/cm^3に対してタンタルは16.6g/cm^3である.しかもチタンの融点は1, 680℃であるのに対しタンタルの融点は2, 990℃と高くいずれも酸素との反応性が高いためである. 今回我々は85wt%チタン-15wt%タンタルの二元系合金の溶製に高周波誘導加熱方法の一種である浮揚融解法(CCLM)の応用を試みた.浮揚融解法は水冷るつぼに高周波誘導により渦電流を発生させてるつぼに接触しないように合金を浮揚させながら溶解する方法である. この方法で1kgの85wt%チタン-15wt%タンタルの二次元合金の溶製に成功した.この結果CCLMによれば高融点で酸素活性が高く, 密度が大きく異なる金属でも合金化が可能であることが判明した。
著者
熊木 健二 中川 郁夫 永見 健一 長谷川 輝之 阿野 茂浩
出版者
一般社団法人情報処理学会
雑誌
情報処理学会論文誌 (ISSN:18827764)
巻号頁・発行日
vol.48, no.4, pp.1616-1626, 2007-04-15
被引用文献数
4

近年,キャリアは,既存ネットワークを統合する傾向にある.これらのネットワークを統合するコアルータでは,インターネットトラヒックや企業系トラヒック等,様々なアプリケーションを扱う必要があり,大容量化が必須である.これらのトラヒックを制御する手法の1 つにMPLS TE(Multi-Protocol Label Switching Traffic Engineering)技術があり,多くのキャリアで使用されている.MPLS ネットワークのルータ間に複数のリンクが存在するECMP(Equal Cost Multi Path)環境において,自動計算を用いて予約帯域0 のMPLS TE LSP(Label Switched Path)を確立する場合,各リンクを通過するMPLS TE LSP の本数を均等にできない.そのため,本論文では,ECMP 環境において,予約帯域0 のMPLS TE LSP を効率的に確立する新たな経路選定手法を提案する.また,実ネットワークを考慮した環境で,従来の経路選定手法と提案する経路選定手法の比較を行う.提案する手法が,決定的アルゴリズムで,既存のMPLS TE LSP の本数を考慮して,MPLS TE LSP を均等に確立することが可能であった.そのため,キャリアの実運用およびネットワーク設計に対して,非常に有益な手法であることが分かった.Recently some carriers try to build a converged network as NGN (Next Generation Network) and need to control high-capacity traffic which includes some kinds of applications such as voice, video and data. MPLS TE (Multi-Protocol Label Switching Traffic Engineering) was introduced as one of the methods to control this traffic in some carrier's network. Currently, we face the problem which 0-bandwidth MPLS TE LSPs (Label Switched Path) are established by using some specific links in case parallel links exist between routers in ECMP (Equal Cost Multi Path) environment. This paper focuses on a path selection algorithm taking into account a load balancing of control plane when 0-bandwidth MPLS TE LSPs are established and proposes a new path selection algorithm to solve this problem. Finally, we confirm that 0-bandwidth MPLS TE LSPs are established equally taking into account the number of existing MPLS TE LSPs in case parallel links exist between routers in ECMP environment.