著者
瀧川 由宇登 森 勇人 関 伸吾 小松 章博 谷口 順彦
出版者
Japanese Society for Aquaculture Science
雑誌
水産増殖 (ISSN:03714217)
巻号頁・発行日
vol.42, no.3, pp.477-483, 1994-09-20 (Released:2010-03-09)
参考文献数
11

マダイにおける第一卵割阻止型雌性発生二倍体 (mitotic-G2n) 誘導のための最適条件の検討を行った。染色体の倍数化は高水圧処理法を用いた。高水圧処理の媒精後処理開始時間, 処理水圧, 処理時間の組み合わせにより条件検討を行いそれぞれの試験区でビーカー試験により孵化率, 正常二倍体孵化率, および半数体孵化率を求めた。mitotic-G2nの誘導に最適と考えられる条件は高水圧処理の媒精後処理開始時間45分, 処理水圧700kg/cm2, 処理時間5分であり, この場合の孵化率は35.06%, 正常二倍体孵化率は53.41%, 半数体孵化率は46.59%であった。しかし, 異数体と思われる個体の出現が多く変態期は大量へい死もみられたことから, さらに最適条件の検討を重ねる必要性が示唆された。
著者
関 和彦
出版者
バイオメカニズム学会
雑誌
バイオメカニズム学会誌 (ISSN:02850885)
巻号頁・発行日
vol.39, no.2, pp.81-86, 2015 (Released:2016-04-15)
参考文献数
9

本稿では中枢神経系による手の感覚受容や運動制御のメカニズムについて,著者らの研究成果を紹介しながら解説する.実験はヒトと手の筋骨格構造が近似しているマカクサルを用い,サルに把握や手首運動を訓練した後,神経生理学的な手法で大脳皮質や脊髄の神経細胞の活動を直接記録する方法を用いて行った.その結果,脊髄にある介在神経が把握運動時に使われる指の組み合わせで用いられる筋をまとめて興奮させている事が分かった.また,運動時の末梢感覚は単に受動的な信号でなく,大脳皮質などからの運動指令によって積極的に調節されており,それが感覚情報処理の初期段階でシナプス前抑制を用いて行われている事が分かった.
著者
鎌田 泰斗 清水 瑛人 佐藤 雄大 関島 恒夫
出版者
一般社団法人 日本生態学会
雑誌
保全生態学研究 (ISSN:13424327)
巻号頁・発行日
pp.2016, (Released:2020-11-10)
参考文献数
76

殺虫剤は農業において不可欠であるが、人体や標的外の野生生物に多大な影響を及ぼすことが絶えず問題視されている。カエル類の多くは、産卵期から幼生期にかけて水田に依存しており、その時期が水稲栽培における殺虫剤の施用時期と重複していることから、潜在的に暴露リスクを抱えている生物種といえる。殺虫剤の暴露をうける発生初期は、生体内のあらゆる器官が形成される発生ステージであり、その時期における殺虫剤による生体機能の攪乱は、その後の生存に重篤な影響を及ぼす可能性が高い。本研究では、水田棲カエル類のニホンアマガエルとヤマアカガエルを指標生物とし、両種の初期発生過程における、ネオニコチノイド系殺虫剤クロチアニジン、ネライストキシン系殺虫剤カルタップ、およびジアミド系殺虫剤クロラントラニリプロールの 3種の殺虫剤が及ぼす発生毒性を、暴露試験を通じて検証し、種間による感受性の差異および殺虫剤原体と製剤間における影響の差異を明らかにした。ニホンアマガエルおよびヤマアカガエル両種に共通して、カルタップ暴露により奇形率および死亡率の増加が認められた。一方で、クロチアニジンおよびクロラントラニリプロールにおいては、催奇形性は認められなかった。カルタップ原体に対する感受性には種差が認められ、ヤマアガエルにおいては、 0.2 mg/Lで奇形率および死亡率が増加したのに対し、ニホンアマガエルにおいては、 0.02 mg/Lで奇形率および死亡率が増加した。発症した奇形パターンは、ニホンアマガエルとヤマアカガエルに共通して、脊椎褶曲と水腫が見られ、ニホンアマガエルでのみ脱色が認められた。また、カルタップ製剤処理群においては、原体処理群と比較して、脊椎褶曲の発症率は高く、水腫の発症率は低かった。本研究では、カルタップの分解物であるネライストキシンが水田棲のカエル類、特にニホンアマガエルの初期発生に深刻な影響を与えていることが示唆された。さらに、生存率の低下につながると考えられる脊椎褶曲や脱色が、カルタップの施用基準濃度において発生している可能性が考えられた。
著者
飯塚 洸二郎 米田 武 関 喜史
出版者
人工知能学会
雑誌
2019年度 人工知能学会全国大会(第33回)
巻号頁・発行日
2019-04-08

本論文では,パーソナライズを行うアルゴリズムのオンライン評価を行う手法について述べる.特に,マルチリービ ングを実際のニュースアプリケーションにおいてリアルタイムに行う際の課題・解決法を示し,大規模な数値実験を行った.従来の A/B テストに比べ,マルチリービングは非常に少ないサンプルサイズでパーソナライズアルゴリズムの性能が評価できた.また,Optimized Multileaving (OM) と Team Draft Multileaving (TDM) は同程度の効率性があり, TDM はより安定性があることが実験より明らかになった.
著者
栗山 喬行 関口 洋美 大竹 洋平 茶山 秀一
出版者
科学技術政策研究所 第2調査研究グループ
巻号頁・発行日
2011-03 (Released:2012-03-14)

2009 年3 月に日・米・英の3 カ国で、インターネット調査会社の登録モニターを対象に科学技術に関する意識調査を実施したところ、日本は、科学的な課題に対する関心度が米・英両国より低く、特に、20 代~30 代の若年層が低いという結果が得られた。科学技術の各種分野に対するイメージでは、日本人は米国・英国人よりも、「素晴らしく進んだもの」といったプラスのイメージと、「近寄り難い」といったマイナスのイメージを有していることが把握された。今後、我が国では、多くの人にとって科学技術がもっと身近な存在として感じられるようにするため、科学技術の様々な成果や情報を、分かりやすく、かつ、魅力的な内容となるようにして発信するとともに、様々な人が科学について語り合うことができる「科学コミュニケーションの場」を充実していくことが重要となる。
著者
石田 喜美 名城 邦孝 関 敦央 宮崎 雅幸 寺島 哲平
出版者
日本認知科学会
雑誌
認知科学=Cognitive studies : bulletin of the Japanese Cognitive Science Society (ISSN:13417924)
巻号頁・発行日
vol.25, no.4, pp.375-391, 2018-12

In recent years, we have witnessed cases of “gamification” in various social fields,such as education, social welfare, and even ecological problem solving. Within the background of such cases, there seems to be a need for change in the reality of our daily lives. In fact, we can see some cases of gamification occurring in our actual lives. According to Suits (2005), to play game is to engage in “the voluntary attempt to overcome unnecessary obstacles.” In daily life, obstacles exist as things to avoid, but in a game context, such obstacles are necessary for our pleasure. Thus, using the method of gamification and introducing the game context, we can change the meaning of various obstacles, and construct alternative meaning to our reality. In this article, we focus on the process in which our reality is reconstructed through the conversation after playing a game-based educational program. Describing how they design their interactions and construct their realities, we aim at finding how games affect our realities. This field of research is RPG-based, and focuses on a user-education program implemented in an academic library, called “Libardry,” which is a combination of the word “library” and the title of a popular game, “Wizardry.” The program consists of two parts: an RPG-based education program and a group discussion (Flick,2002). The participants were six university students, two females and four males. We focused on conversations in a group discussion and analyzed them to determine how the participants, staff members, and students, elicit meaning from difficulties when accessing library resources as artifacts. As a result, we determined how participants change their meaning collaboratively. In their conversations, they stated that difficulties are “unnecessary obstacles to overcome”for pleasure. Game context not only visualizes the existence of artifacts from the viewpoint of “pleasure,” it also opens up the field of meaning negotiation for people in various fields.

7 0 0 0 OA 略図の機関車

著者
機関車工学会 編
出版者
交友社
巻号頁・発行日
1938
著者
関根 進
出版者
科学技術政策研究所 科学技術動向研究センター
雑誌
科学技術動向 (ISSN:13493663)
巻号頁・発行日
no.103, pp.13-25, 2009-10-01 (Released:2013-06-12)
著者
宮本 和雄 関根 雅彦 樋口 隆哉 浮田 正夫
出版者
Japan Society of Civil Engineers
雑誌
環境システム研究論文集 (ISSN:13459597)
巻号頁・発行日
vol.28, pp.339-345, 2000-10-13 (Released:2010-03-17)
参考文献数
3
被引用文献数
1 2

ホタル護岸が実際にホタルの生息、繁殖にどの程度貢献しているのか、また、低水敷、河川形態、日当たりなどの要因のホタルの生息、繁殖に与える影響や重要度は、現在のところ明らかにされていない。そこで、ホタル護岸が採用されている山口市を流れる一の坂川において実態調査を行った。その結果、一の坂川ではゲンジボタルの踊化場所として、低水敷が多く利用されていたが、ホタル護岸も有効であることが確認された。

7 0 0 0 OA 日本刀の話

著者
成瀬関次 著
出版者
増進堂
巻号頁・発行日
1942
著者
小泉 昌子 小関 陽子 徳田 愛華 島村 綾 佐藤 吉朗 峯木 眞知子
出版者
一般社団法人 日本家政学会
雑誌
一般社団法人日本家政学会研究発表要旨集 69回大会(2017)
巻号頁・発行日
pp.301, 2017 (Released:2017-07-08)

(目的)コーヒーに牛乳を入れる層は増えてきている。本研究では、コーヒーにいれる牛乳の温度がコーヒーのおいしさに関与するかどうかを時系列評価によるTDS法を用い、味の面より検討した。(方法)コーヒーは、インスタントコーヒー(株式会社ネスレ)を用い、表示されている熱湯140mlに対し、コーヒー2gを用いて、試料を調製した。コーヒーの温度が86±2℃あるいは80℃になったのを確認後、コーヒーに普通牛乳(株式会社明治)30mlを入れ、その後55℃~60℃に保ち、試料とした。TDS法は、メディア・アイ製J-SEMS TI・TDSシステムを用い、パネルは女子大学生11名、感覚属性は8属性(苦味、酸味、甘味、渋味、焦げた味、油っぽい、牛乳味、無味)を用いた。(結果)コーヒーでは、初めに苦味を感じ、酸味と苦味が続き、焦げた味、渋味が感じられる。それに対し、コーヒー液80℃に牛乳をいれた試料では、開始直後から苦味が立ち上がり、苦味を感じ、甘味、牛乳味、渋味の順に感じられる。90℃でいれた試料より、複雑な味を感じていた。採点法による官能評価では、90℃で牛乳を加えた試料では、香りの強さ、苦味の強さ、後味の強さが強く、甘みの強さ、なめらかさ、牛乳感が弱いと識別された。嗜好型官能評価では、80℃で加えた試料が有意に好まれた。牛乳はコーヒーがあまり熱いうちに加えない方がよいことがわかった。

7 0 0 0 OA かねさは物語

著者
関靖 著
出版者
横浜土地新報社
巻号頁・発行日
1938