著者
関根 嘉香 臼杵 英俊 宮城 圭輔 小座野 貴弘
出版者
一般社団法人 日本環境化学会
雑誌
環境化学 (ISSN:09172408)
巻号頁・発行日
vol.20, no.2, pp.113-119, 2010 (Released:2010-12-24)
参考文献数
22

Secondary emission products generated through chemical reactions become a recent concern in relation to indoor air quality. We have focused on formic acid (HCOOH) whose generation mechanism in indoor air has been unknown. In this study, we examined influence of oxidant on the indoor air concentrations of HCOOH and emission process of HCOOH by both laboratory experiments and field measurements. Firstly, emission fluxes of HCHO and HCOOH from plywood were determined using a small bowl-type stainless chamber. The emission flux of HCOOH increased with those of HCHO under ambient air containing oxidant. While the oxidant was removed in the chamber, HCOOH significantly emitted with NO2 at the chamber outlet. We then concluded HCOOH is a product of the gas phase reaction between HCHO, NO2 and O3. Field measurements conducted at a newly-build detached house supported the conclusion as that indoor concentrations of HCOOH increased with an increase in concentrations of the oxidant introduced from outdoor by air ventilation.
著者
関口 貴哉 和田 圭二 清水 敏久
出版者
一般社団法人 電気学会
雑誌
電気学会論文誌D(産業応用部門誌) (ISSN:09136339)
巻号頁・発行日
vol.142, no.7, pp.498-505, 2022-07-01 (Released:2022-07-01)
参考文献数
27

This study proposes a novel active power decoupling (APD) control method focusing on the power generation characteristics of photovoltaic (PV) arrays. Numerous studies have been conducted on the APD method for achieving a long lifetime of a residential PV power generation system. The APD method reduces the power pulsation, which contains twice the utility frequency caused by a single-phase PV inverter. Compared with the passive power decoupling method using electrolytic capacitors, the APD method incurs power conversion loss due to the increase in passive components and power devices. Many studies have considered the efficiency improvement of the APD method, however most of them focus on the power conversion loss of the APD circuit. It is necessary to consider the power conversion efficiency of the power conditioner and the power generation efficiency of the PV array collectively to improve the efficiency of the PV system. Therefore, in this study, a compensation power control for APD circuit focusing on the power generation characteristics of the PV array is proposed, and the validity of the proposed APD control was verified by evaluating the efficiency based on real-time simulation and experimental results of a 1kW power conditioner.
著者
谷澤 真 増田 陽子 飛永 敬志 宮崎 千枝子 齊藤 孝道 村田 健児 大関 覚
出版者
理学療法科学学会
雑誌
理学療法科学 (ISSN:13411667)
巻号頁・発行日
vol.29, no.5, pp.785-788, 2014 (Released:2014-10-30)
参考文献数
15
被引用文献数
2

〔目的〕筋活動量の観点から効果的な腓骨筋トレーニング方法を明らかにすること.〔対象〕健常成人女性44名88足とした.〔方法〕表面筋電図を用いて,セラバンドを用いた外返し抵抗運動(対照群),calf raise(calf raise群),立位による外反位での母趾球荷重運動(外反位母趾球荷重群)時の長腓骨筋の筋活動を計測し,これらの群間で比較した.〔結果〕長腓骨筋の筋活動量は外反位母趾球荷重群,calf raise群,対照群の順に高値を示し,すべての群間に有意差が認められた.〔結語〕立位による外反位での母趾球荷重運動はセラバンドを用いた外返し抵抗運動よりも効果的な腓骨筋トレーニング方法である.
著者
機関車工学会 編
出版者
交友社
巻号頁・発行日
vol.上巻, 1940
著者
犬飼 賢也 須永 隆夫 関 義信
出版者
一般社団法人 日本東洋医学会
雑誌
日本東洋医学雑誌 (ISSN:02874857)
巻号頁・発行日
vol.68, no.1, pp.17-22, 2017 (Released:2017-07-05)
参考文献数
33
被引用文献数
1

耳鳴は西洋医学的な治療ではうまくいかないことが多い。症例1は65歳女性。初診5年前に突発性難聴になり,耳鳴が持続し当院を受診した。耳鳴日常生活支障度(Tinnitus Handicap Inventory ; THI)は66点であった。両側の翳風(TE17)に円皮鍼を貼った。THI は1ヵ月後に14 点,2ヵ月後に0点となり終診とした。症例2は69歳男性。初診の40年前頃,左耳の近くで鉄砲が発砲され,左耳鳴が出現し,寛解増悪していた。初診8年前より持続するようになり,当院を受診した。THI は18点であった。左側の翳風に円皮鍼を貼った。3ヵ月後THI は2点となった。症例3は31歳女性。初診15日前より両側の耳鳴が出現し当院を受診した。THI は34点であった。両側の翳風に円皮鍼を貼った。4ヵ月後THI は8点となった。翳風への円皮鍼は簡単に貼れ,目立たず試みる価値のある方法と思われる。
著者
甘利 俊一 尾関 智子 朴 慧暎
出版者
日本神経回路学会
雑誌
日本神経回路学会誌 (ISSN:1340766X)
巻号頁・発行日
vol.10, no.4, pp.189-200, 2003-12-05 (Released:2011-03-14)
参考文献数
40
被引用文献数
2 2

多層パーセプトロンなどの神経回路網の全体を多様体として幾何学的に考察するとき, ここには階層構造に由来する特異点が本質的に含まれることがわかる. これには, 学習の遅滞, 精度の劣化など, 実際の多くの問題が関係している. 本稿は, 主に日本で発展している, 特異構造を含むモデルの統計的推論と学習のダイナミックスを取り扱い, その考え方を示し, 現在までに著者らが得ている研究の成果と構想について解説する.
著者
関戸 菜々子 姫野 諒太郎 早瀬 裕也 小谷 瑛輔
出版者
富山文学の会
雑誌
群峰
巻号頁・発行日
no.4, pp.122-142, 2019-03-03

1.実験の趣旨2.構想と準備の経緯2-1.実験の構想2-2.ナツヅタの探索と採集許諾確認2-3.第一予備実験ー代用品による最終工程シミュレーション2-4.実験実施時期の検討と準備2-5.第二予備実験ーナツヅタの樹液採取および糖度測定3.芋粥再現実験当日4.考察注
著者
関根 秀介 横山 雄樹 荻原 幸彦 内野 博之
出版者
日本臨床麻酔学会
雑誌
日本臨床麻酔学会誌 (ISSN:02854945)
巻号頁・発行日
vol.40, no.2, pp.172-177, 2020-03-15 (Released:2020-04-24)
参考文献数
11

体温管理療法(TTM)により二次性脳障害を最小限に抑えることの重要性は広く認知されているが,導入のタイミング・方法・目標体温・治療期間・復温後の管理など普遍化されたものはない.TTMによる生理的変化には,血行動態の変化,凝固・電解質異常,免疫能の低下がある.シバリングは,TTMの妨げとなることから鎮静,鎮痛,筋弛緩薬により予防や対処を行うが,薬物過量投与や作用遷延について考慮しなければならない.麻酔薬の過量投与は,呼吸・循環抑制に加え,神経学的診察や予後診断を複雑にするなどの弊害をもたらす.体温と薬物代謝や効果の関係を理解しモニタリングを行うことがTTMを安全に施行するために重要である.
著者
関谷 充晃
出版者
順天堂医学会
雑誌
順天堂医学 (ISSN:00226769)
巻号頁・発行日
vol.55, no.3, pp.240-244, 2009-09-30 (Released:2014-11-11)
参考文献数
16

1972年以降, わが国では不活化インフルエンザワクチンであるHAワクチンが汎用されています. 通常, A型のウイルス株2種類 (H1N1, H3N2) とB型1種類のいずれの型にも効果があるとされています. ワクチン接種により, インフルエンザによる重篤な合併症や死亡のリスクが軽減することが期待されますが, 現在までその有効性に一定の見解がなく, 予防接種法などの法制度上のワクチンの位置づけも変遷してきました. その有効率は, 被接種者の背景によって異なります. 65歳以上の健常高齢者については約45%の発症を予防, 約80%の死亡を回避し, 60歳以下の健常成人では70-90%の罹患を予防したと報告されています. 一方, 1歳以上6歳未満児については, 発熱を指標とした有効率は20-30%で有効と結論しています. ワクチンの有効率は, 本邦と米国での報告はおおむね合致しており, インフルエンザの発症予防の上で, ワクチンが有効と結論づけうる結果といえます. 現行のワクチンの問題点としては, 年齢によっては安定して抗体を誘導できないこと, 現在の皮下注射型ワクチンでは気道粘膜に初期の感染成立を抑えるIgA抗体を誘導できないこと, 接種による副反応が実際には高頻度にみられること, などが挙げられます. ワクチンは今後もインフルエンザの発症予防の大きな柱であり, これらの問題点が解決された有効かつ安全なワクチンの開発が望まれます.
著者
関根 智子
出版者
The Association of Japanese Geographers
雑誌
地理学評論 (ISSN:13479555)
巻号頁・発行日
vol.76, no.10, pp.725-742, 2003-09-01 (Released:2008-12-25)
参考文献数
24
被引用文献数
4 4

本研究では,千葉県松戸市における眼科医院を事例として,都市施設への近接性の安定度を時空間的に分析した.GISを利用して町丁・字の中心から眼科医院への最短道路距離を測定し,近接性の測度とした.この近接性を,測定対象数の変更(第2近隣施設の考慮),測定地域単位の細分化(100メートル・メッシュ),診療時間の考慮,の三つの側面から分析し,安定度を考察した.その結果,測定対象数の変更では,近接性の良い地区でも,施設の分布密度が下がると,安定度も急激に低下することが明らかになった.居住地の地域単位を100メートル・メッシュに細分化すると,20%の町丁・字では,その地区面積の半分以上で100メートル・メッシュの近接性と異なり,安定度が低かった.診療時間を考慮すると,市内の第1の中心地周辺では近接性は安定している一方,第2,第3の中心地周辺では大きく低下していることがわかった.
著者
鵜沼 憲晴 関根 薫
出版者
一般社団法人 日本社会福祉学会
雑誌
社会福祉学 (ISSN:09110232)
巻号頁・発行日
vol.47, no.4, pp.111-123, 2007-02-28 (Released:2018-07-20)

従来の高齢者虐待研究によって明らかになった実態は,いまだ表層的である.本稿は,訪問介護員を対象にM県で行った高齢者虐待に関するアンケート調査の結果を踏まえ,虐待者のうちで最も多い「息子」に焦点をあてつつ,より具体的な実態把握および今後の支援策の提示を目的とする.なお,本稿での虐待類型は,通常の5類型に社会的虐待,医療的虐待,自虐を加えた8類型としている.まず虐待を行う「息子」の待徴として,(1)世話を行っている者と虐待者の一致率が高いこと,(2)被虐待者の要介護度に関わりなく虐待が発生すること,(3)性格・人格は「粗暴な性格」および「精神的未成熟・依存」の2タイプがある等を明らかにした.これを受け,今後の高齢者虐待防止システム構築や職員の介入・支援の視点として,以下のような課題を提起した.すなわち,担当ワーカーは,(1)粗暴もしくは依存的な性格・人格がうかがえる「息子」の実態把握と経過観察を待うこと,(2)経済的虐待を防止するうえでも高齢者の収入・預貯金の把握を行うこと,(3)親子関係の修復を目的とした長期的介入を行うこと等である.
著者
キャッスルマン病の疫学診療実態調査と患者団体支援体制の構築に関する調査研究班 吉崎 和幸 岡本 真一郎 川端 浩 水木 満佐央 川上 純 正木 康史 矢野 真吾 井出 眞 宇野 賀津子 八木 克巳 小島 俊行 水谷 実 徳嶺 進洋 西本 憲弘 藤原 寛 中塚 伸一 塩沢 和子 岩城 憲子 古賀 智裕
出版者
一般社団法人 日本血液学会
雑誌
臨床血液 (ISSN:04851439)
巻号頁・発行日
vol.58, no.2, pp.97-107, 2017 (Released:2017-03-17)
参考文献数
75

キャッスルマン病は原因不明のリンパ増殖性疾患で,適切な治療を行わなければQOL低下や生命予後の短縮をきたす。しかしながら,その希少性のためにこれまで明確な診断基準や重症度分類が定まっていなかった。これに対して厚労科研・難治性疾患等政策研究事業の調査研究班では,本疾患の診断基準と病型分類,重症度分類の案を策定した。診断は,病理診断と臨床的な除外診断を併せて行う。組織型は硝子血管型,形質細胞型,および混合型に分類される。臨床的病型は,単中心性(限局型)と,HHV-8関連の多中心性,HHV-8陰性の特発性多中心性に分類した。重症度は主に臓器障害の程度により分類した。難治性とされる特発性多中心性キャッスルマン病は,重症度等に応じてprednisoloneやtocilizumabを用いて治療を行うこととした。今後,本疾患に関するエビデンスを集積し,本診断基準や重症度分類の妥当性を検証するとともに,質の高い診療ガイドラインを策定していく予定である。
著者
高橋 万葉 関根 嘉香 古川 英伸 浅井 さとみ 宮地 勇人
出版者
一般社団法人 室内環境学会
雑誌
室内環境 (ISSN:18820395)
巻号頁・発行日
vol.16, no.1, pp.15-22, 2013 (Released:2013-06-01)
参考文献数
20
被引用文献数
3 2

室内空気中のアセトアルデヒドの発生源および発生機構については不明な点が多い。本研究では,これまで考慮されてこなかったヒト皮膚表面から放散するアセトアルデヒドの室内空気中濃度に及ぼす影響について,パッシブ・フラックス・サンプラー法による健常人ボランティアを対象とした放散フラックスの実測に基づき検討した。その結果,ヒト皮膚由来のアセトアルデヒドの放散速度は,飲酒後の呼気に由来するアセトアルデヒドの放散速度よりも大きく,呼気よりも重要な発生源であることがわかった。居室の在室者1名を想定した場合,皮膚由来のアセトアルデヒドは,室内濃度指針値レベル(48 μg m-3)に対しては0.87~2.3 %の寄与であったが,飲酒を伴う場合は居室の臭気源になる可能性が示唆された。在室者が複数いる場合には,皮膚からの放散速度は無視できないほど大きな寄与を示す可能性があり,皮膚ガスは新たに着目すべき発生源の一つとなる可能性が示唆された。
著者
横関 利子
出版者
公益社団法人 日本栄養・食糧学会
雑誌
日本栄養・食糧学会誌 (ISSN:02873516)
巻号頁・発行日
vol.46, no.6, pp.459-466, 1993 (Released:2009-11-16)
参考文献数
22
被引用文献数
4 4

1) 本研究は, 寝たきり老人の基礎代謝量を明らかにするとともに, 一般老人との比較を行うことにより寝たきり老人のエネルギー所要量を検討することを目的として行った。対象者は東京都内の特別養護老人ホームおよび養護老人ホームに入所している寝たきり老人10名と一般老人14名の女性であった。2) 寝たきり老人の身長と体重は, 一般老人と比べて統計的な差がなかったが, 除脂肪体重は有意に低かった。血中のHDL-コレステロール, カルシウム, および鉄濃度は寝たきり老人では有意に低く, とくにカルシウム濃度は正常範囲よりもかなり低い値を示していた。3) 寝たきり老人の基礎代謝量は, 一般老人よりも有意に低く, その値は22.5±5.Okca1/m2/時, 16.9±3.9kca1/kg/日, 23.9±5.0 kca1/LBM/日, および636.3±166.4kca1/日であった。これらの値は一般老人よりも20~30%低下していた。さらに, 基礎代謝量は基礎代謝基準値を用いて求あた推定値との間に相関関係を示さなかった。4) エネルギー消費量とエネルギー摂取量は, 寝たきり老人のほうが有意に低く, その値は一般老人よりも30%低下していた。寝たきり老人ではエネルギー消費量と摂取量の間に相関関係が認められなかった。5) 現在の基礎代謝量推定量を用いて算出するエネルギー所要量とエネルギー消費量との出納バランスがとれているエネルギー量は, 寝たきり老人で1,053kcalとなった。また, 算出されるエネルギー所要量が1,053kca1を基準に10%多く見積もられるごとに, 真のエネルギー必要量は57kcal少なくなることが認められた。
著者
中村 淳路 横山 祐典 関根 康人 後藤 和久 小松 吾郎 P. Senthil Kumar 松崎 浩之 松井 孝典
出版者
一般社団法人日本地球化学会
雑誌
日本地球化学会年会要旨集 2013年度日本地球化学会第60回年会講演要旨集
巻号頁・発行日
pp.174, 2013 (Released:2013-08-31)

地球上に存在するクレーターの形成年代や侵食過程について検討することは, 他の惑星表面のクレーターの形成過程を検討する上で重要である. 本研究は, インド・デカン高原上に位置する直径1.88kmの衝突クレーターであるロナクレーターについて, 宇宙線照射生成核種(10Be, 26Al)を用いた年代測定を行うことで, 形成年代と侵食過程の検討を行った. ロナクレーターは玄武岩上に形成され現在までよく保存されているクレーターとしては地球で唯一のクレーターであることから, 火星上のクレーターの比較対象として注目されている. しかし先行研究によるロナクレーターの年代推定は, 測定手法によって1.79 ka から570 kaまでと大きく異なっている. 本研究では10Be, 26Alを用いて新たにロナクレーターの表面照射年代を決定し, さらにイジェクタの露頭の14C年代測定を行うことで, 形成年代値の再検討を行なった.
著者
関川 雅彦
出版者
国公私立大学図書館協力委員会
雑誌
大学図書館研究 (ISSN:03860507)
巻号頁・発行日
vol.100, pp.11-19, 2014-09-05 (Released:2017-10-31)

わが国の大学図書館の管理運営の状況について,文部科学省が実施する学術情報基盤実態調査報告をもとに分析した。分析対象は,資料購入費,図書館運営費,図書館職員数,業務委託,年間購入冊数,電子ジャーナルアクセス可能タイトル数等である。図書館の予算,図書館職員数,年間購入冊数のいずれも減少を続けており,職員は臨時の割合が専任の割合を超えた。業務種別では整理業務の比率が下がり,業務委託は全面委託が急増し,全体の10%に達している。